概要
約800年の眠りから目覚めた、幹部クラスの怪人達。
名前の由来は『欲望』を意味する英単語「"greed"」から。
公式の綴りはeを一つ増やした「greeed」となっており、「余りある欲望の体現」「コアメダルの種類と枚数の暗示」「作品タイトル"OOO"に合わせた」等諸説ある。
力を求める800年前の王が、当時の科学者(錬金術師)たちに"欲望の渦"から作らせた存在で、元々は各カテゴリー10枚ずつの、コアメダルという単なるモノの集まりでしかなかった。
このコアメダル群から1枚を抜き取り、9という「欠けた」数字にした結果「足りないが故に満たしたい」という欲望が生まれ、自立意思を持つグリードが誕生した。
錬金術師が作り出した人工生命体という点から、性質的にはホムンクルスにも近い。
欲望の核を担う3種類・3枚ずつの『コアメダル』と、体を造る数百枚の『セルメダル』で構成されている。
セルメダルを人間に入れることで、人間の欲望を糧にして成長する下級怪人『ヤミー』を作りだすことができる。
物語序盤で、怪人姿のまま情報化社会の中でうろつき回るリスクを実感してからは人間に擬態する能力を習得し、平時はその姿で活動する様になった(アンクは信吾への憑依、他は肉体の変化によるもの)。
彼らが本拠地で集合している時には、そのグリードに対応した色の布が広がる演出がされる。
劇中のグリードは「セルメン」と呼ばれる不完全体で、メダルの数が不足しているため本来の力が出せていない。 しかしそれでもオーズを圧倒する等、ヤミーとは別格クラスの実力を持ち合わせている。しかしそのままの状態だと強大な力を持つコンボ形態には(相性が良いときを除き)一歩及ばない。
完全体になるとセルメンには持ち合わせていなかった能力が追加、単体でオーズのコンボ形態すら圧倒できる実力を備えるようになる。
他のグリードのコアメダルを取り込むとそのグリードの属性技が使えるようになったり、自分のヤミーの性質にそのコアメダルのグリードのヤミーの特性が加わり合成ヤミーが誕生するなどの肉体的変化が生じる。
また第16話のガメルや第46話のアンクなど、ある程度他のグリードのコアメダルを取り込めばたとえ自分のコアメダルが足りなくても完全体になることは可能。
ただし完全体でない状態で他グリードのメダルが一定量以上になると、暴走する危険性があり一種の賭けになる。また完全体でも大量にコアメダルを投入されると力を抑えられなくなり、暴走しメダルの器と化してしまう。
名の通り「欲望」が中心的な位置にある存在だが、逆に言うと欲望しか存在せず欲望を満たす事が出来ず、それを感じる肉体的機能(味覚、聴覚、視覚等)や感情的機能(愛情等)も人間に比べ退化している。そのため、色はピンボケ写真のようにくすみ、音は濁り、けん玉と料理の味の区別すらつかない。
ゆえに、自分の欲を満たすため必然的にグリードはコアメダルを求める事となる。
完全体になるとそれらの機能は完全となるものの、欲望自体は満たされず人間を喰らい、それでも満たされない場合は世界自体を喰らい尽くすらしい。
アンクのみ泉信吾に憑依する羽目になった結果、ほぼ人間と変わらぬクオリアで世界を感じる事が出来る様になり、最終的にいつもいつもメダルばかり求め続ける自分らグリードの空虚さを嫌悪する様になった。
基本的には不死身であり、倒されてもメダルがバラバラになるだけで、コアメダルに充分な数のセルメダルを集めれば復活できる。ウヴァに至っては執念によりコア一枚だけで行動してみせた程。
そして複数のコアの内、その「意思」を内包する一枚のメダル(ヘッド)こそが彼らにとって「真の核」といえる代物で、もし他のコアメダルと分かたれた状態が長く続いた場合、そちらの方にも別個の意思が生まれ、互いの存在をかけて争う事態になる危険性も孕んでいる。
しかし、プトティラコンボ及び紫メダルの出現により状況は一変。 紫のメダルの力はコアメダルをも破壊できる為、意識を内包するメダルを破壊された場合グリードに「死」の概念が誕生してしまう。
逆にその一枚さえ破壊されなければ死なないものの、メダルが欠ける=完全復活の道が断たれるのでどのみちグリード達にとっては死活問題となる。
グリード
詳細はそれぞれの項目を参照。
赤色(鳥系)のメダルで構成されているグリード。しかし、ある理由で右腕のみ復活した。
他のグリードとは袂を分かち、火野映司と行動を共にしている。
緑色(昆虫系)のメダルで構成されているグリード。下半身が不完全。
黄色(猫系)のメダルで構成されているグリード。下半身が不完全。
青色(水棲系)のメダルで構成されているグリード。上半身が不完全。
灰色(重量系)のメダルで構成されているグリード。上半身が不完全。
紫色(恐竜系)のメダルで構成されているグリード。真木清人のグリード体。
劇場版で名前が語られたのみだったが、本編第44話で実態を現した。
最初から完全態で登場しており、彼のみベルトの色が銀色。
なお、「ギル」という名称は『MOVIE大戦CORE』でのみ登場した。
赤(鳥系)のメダルで構成されているグリード。
右腕と顔が不完全。アンクが右腕のみ復活した真の理由。
紫のコアメダルを取り込んだ火野映司がグリード化した姿。
真木が変身する恐竜グリードに準じた姿だが、細部が異なる。
外伝のグリード
ノブナガ(鎧武者怪人)
「MOVIE大戦CORE」に登場。最新の科学技術とセルメダルによってホムンクルスとして現代に蘇ったノブナガが変身する人工グリードといえる存在。当初は不完全体だったが後にドクター真木の手によって黒のコアメダル(サソリ、カニ、エビ)を取り込んだことで完全体となる。
ショッカーグリード
『レッツゴー仮面ライダー』に登場。ショッカーが1971年に開発していたコアメダル「ショッカーメダル」に、タイムワープしてきたアンクが落としたセルメダルが宿って誕生した、本来の歴史では存在しないグリード。
なお、『S.I.C』オーズエピソードで、ゲルショッカーグリード、デストロングリード、ゴッドグリード、ガランダーグリード、デルザーグリードも登場している。別の『S.I.C』のエピソードではネオショッカーグリード、ジンドグマグリード、バダングリードが登場した。
ヘキサオーズ
小説『S.I.CHERO SAGA KAMEN RIDER OOO EDITION -OOZ-』に登場。
身長:211cm
体重:130kg
ショッカー首領がオーズドライバーをベースに更なる改良を加え完成した六連オーズドライバーに各人造グリードのコアメダルを装填し、仮面ライダーオーズの意匠を持つ鎧を纏った髑髏という禍々しい姿に変貌した。
胸部のオーラングサークルには歴代の敵組織のレリーフが刻まれており、首領が骸骨の状態で変身した為、全身には骨の意匠が用いられている。
能力解放状態として背中から複数の触手が伸びており、劇中では常に解放した状態で登場している。
オーズのプテラ・トリケラ・ティラノのメダルを砕くなど、紫のコアメダル同様に通常では不可能なコアメダルを破壊する力を持っている。
以前は「大首領オーズ」の通称で呼ばれていたが、商品化に伴い現在の名称に改められた
ショッカー、ゲルショッカー、デストロン、ゴッド、ガランダー、デルザーの各人造グリードのコアメダル
錬金術師ガラ
『将軍と21のコアメダル』に登場。グリードたちを生み出した錬金術師たちのリーダー格であったが、その力を恐れた800年前の王に幽閉される。しかし魂だけの状態で800年もの長き間を生き延び、鴻上ファウンデーションの発掘作業の影響で現代に復活を遂げ、偶々近くにいた若葉五月という女性の身体を乗っ取って彼女をコアメダルの代用として使用することで疑似グリードとして完全復活を遂げた。
仮面ライダーポセイドン
本来は未来の世界で戦う仮面ライダーだったが、過去の世界から時間跳躍してきたコアメダルを吸収したことで変身に使用していた自我を持たないはずの海洋生物のコアメダルに自我が芽生え暴走。変身者の体を乗っ取り、闘争本能にまかせて暴れまわる「仮面ライダーの姿をしたグリード」と化してしまった。
800年前の王
本編の回想シーンや小説に登場。欲望の塊ともいえる人物で、彼が変身するオーズの実力は他のグリードたちをはるかに凌駕していた。最終的にはセルメダルの暴走で死亡する。なお、子孫である鴻上光生はグリード化した人間だと推測していたが、詳細は不明である。
ゴーダ(仮面ライダーゴーダ)
10周年記念作品『復活のコアメダル』に登場するグリードで仮面ライダーゴーダに変身する。
ムチリ
「memory_of_heroez」で登場。頭はムカデ、胴体はハチ、脚はアリで構成された有毒生物系のグリード。現状、未来のコアメダルがモチーフになった怪人は現状で彼だけである。
デザインは出渕裕氏が担当。
関連タグ
ショッカー:初代仮面ライダーの敵組織。悪の象徴とされるが、漫画版では当時の世相を反映して『人間の欲望』の産物である文明の象徴としての側面が強い。グリードの設定はそうしたテーマへの回帰とも解釈できる。