「届けて 切なさには名前をつけようか “Snow Halation”」
楽曲データ
概要
メディアミックス作品「ラブライブ!」に登場する主役スクールアイドルグループ・μ'sの2ndシングル。
略称は『スノハレ』。
本作から、ラブライブ!シリーズのディスコグラフィー上における名義が『μ's』になった。(※1)
本曲のセンターは高坂穂乃果(第1回総選挙1位)が担当している。
ラブライブ!、ひいてはラブライブ!シリーズの楽曲の中でもその人気ぶりは別格で、この曲から本作にハマった人も多いとか。
本曲の発売から約13年後の2023年にリリースされたスマホアプリゲーム「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル2 MIRACLE LIVE!」のリリース開始後の(WEB版の)CMにて、『ラブライブ!スーパースター!!』に出演している絵森彩氏(Liella!・鬼塚夏美役)が「冬に聞きたいおススメの曲」として、『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』に出演している指出毬亜氏(虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会・エマ・ヴェルデ役)に本曲を紹介している。
ナンバリングシングルの表題曲であるため、アニメーションPVも製作されている。
本作のデザインワークスおよび総作画監督は稲吉智重氏が(前作に引き続いて)務めている。
この曲は、稲吉氏がラブライブ!シリーズに関わった最後の作品でもある。
(※1)1stシングルの発売時はグループ名が決まっていなかった事もあり、(タイトル名通りの)「ラブライブ! School idol project」名義としてデビューした。
日常パート
今回は冬の恋愛をテーマにしていることから、メンバー達が想い人に向けて独白したり、告白するために行動したりするシーンで構成されている。
ダンスパート
(前述の通り)今作では穂乃果がセンターを務めているが、1番のセンターポジションは(後列ではあるが)東條希が担当。2番からは立ち位置が入れ替わり、穂乃果が前列センターのポジションに就く。
これは、本曲のポジション分けが前列4人・後列5人という形となっており、かつ前列中央の2人が総選挙1・2位(穂乃果・海未)、後列中央の1人が総選挙3位(希)という形になっている為。
第1回総選挙の順位は以下の通り。
ちなみに、今作のダンスパートの舞台となっているのは東京駅前の行幸通りである。
ラスサビの「届けて せつなさには」の「は」を起点に、東京駅側から手前に向かって、両脇に配された並木がオレンジ色に輝く。
スノハレではお馴染みとなっている演出はこの時から存在していた。
後に発売された「μ's Best Album Best Live! collection」(μ'sの1stベストアルバム、2013年1月9日発売)にも本作のPVが再収録された。
ただし、シングルに同梱されている物よりは作画の修正が施されており、ベストアルバムの発売以降に行われたライブなどで使用されているのはこちらのバージョンとなる。
ちなみに、ラブライブ!シリーズ公式のYouTubeチャンネルで公開されている本曲のPVは527万回にわたって再生されており、μ's関連ではトップの再生数となる(2024年5月現在)。
他のシリーズ作品の動画も含めると6位に留まっているが、本曲のPV公開が(CD発売から約9年後となる)2019年10月であることを考慮する必要がある。
人気
前述の通り、ラブライブ!シリーズ全体の楽曲の中でも圧倒的な人気を誇る。
その人気ぶりは、仮にシリーズ楽曲の人気ランキングが実施されたら間違いなく1位になるほど。曲の知名度としても非常に高く、これまでに多くのアーティストが本曲をカバーしている(後述)他、様々なアニメの楽曲を対象としたランキングでも名を連ねることが多々ある。
2017年(CD発売から約7年後)、NHKで放送された「ニッポンアニメ100で行われた視聴者投票企画ベスト・アニソン100」にて見事1位に輝いた(1)。これは2017年2月までに発表された全アニメソングを対象にしたランキングで、さらに2位の「僕たちはひとつの光」もμ’sの曲である為、μ'sの楽曲がワン・ツーフィニッシュを飾る形となった。
ちなみに、本ランキングでトップ10に入っているμ's楽曲は『Snow Halation』と『僕たちはひとつの光』の2曲のみ。
上記のランキング発表から3年後の2020年にテレビ朝日で放送された『国民13万人がガチ投票!アニメソング総選挙』においても、エヴァや鬼滅の刃、それに宇宙戦艦ヤマトなどの国民的アニメの主題歌を始めとする猛者中の猛者らと肩を並べる18位にランクイン。全世代のアニメが対象+『ラブライブ!』関連のブームが落ち着いた頃のランキングだったが、その根強い人気を改めて見せつける形となった。
アニメでは
発売から約4年後の2014年に放送された『無印』2期9話「心のメロディ」において、3年半ぶりに全面リメイクされた。
劇中では第2回ラブライブ!の最終予選という場面で披露された。
ラブライブ!のアニメ版において、アニメ化以前の楽曲が挿入歌として使用された事例の一つでもある。
その他には、1期8話での『僕らのLIVE 君とのLIFE』、2期最終話での『Oh,Love&Peace!』、1期1話(真姫によるピアノ伴奏バージョン)と2期最終話(音ノ木の全校生徒による合唱バージョン)での『愛してるばんざーい!』がある。
(アニメ版での)曲の編成としては、1番と大サビ、後奏はワンフレーズ短縮となる。
PV版とは異なり、今回は全てライブシーンのみの構成となる。
この変更によって、ドラマシーンの挿入によって見ることが出来なかった部分の振り付けも確認できるようになった。
さらに、本曲の最大の見せ場である大サビ導入部のライトアップ演出は、ステージが巨大イルミネーションに変更された事で大幅な進化を遂げ、全国のラブライバーを感動させた。
基本的にはPV版がベースとなっているものの、一部のシーンではキャラを強調したものへとリメイクされており、PV版とアニメ版を見比べるとその違いがよく分かる。
この曲でμ'sは前年王者のA-RISEを破り、見事ラブライブ!の本戦進出を決めた。
今回の曲のテーマが「恋愛」であることから、今までのμ'sにはラブソングが存在しなかった→ラブソングを作る→μ'sメンバー全員で恋愛映画を見る、という設定で作られた事になっている。
ちなみに、前話で9人が口ずさんでいたワードは本曲の歌詞から引用されている(劇中では、メンバー達が口ずさんだワードから歌詞が作られたという設定)。
もっとも、2番の歌詞として使用されたが故にカットされてしまったフレーズが1つだけ存在するのだが……。興味がある人はぜひ探してみてほしい。
ライブ
μ's関連
(人気曲故に)ライブで披露された回数はかなり多く、実はこれまでのワンマンライブ(1st~ファイナルライブ2日目)で披露されたμ's楽曲の中で、全てのライブにおいて披露されているのは『もぎゅっと“love”で接近中!』と『Snow Halation』の2曲だけである。
また、ライブでは冒頭から一貫して白(本来はことりのパーソナルカラー)の状態でサイリウムを振り、そこから大サビ部分に入ると(サイリウムorラブライブレードを)白からUOに切り替えることがこの曲の定番となっている。しかし、(振付の関係で)色が切り替わる瞬間を見れるのは新田恵海氏(高坂穂乃果役)のみしかいない。
特に、ファイナルライブの会場全体をオレンジ一色に染め上げた光景は度々取り上げられており、μ'sの人気の凄まじさやアニソン業界の勢いがいかに凄かったのかを象徴する写真となっている。
ファイナルライブ以降では
2017年に日本武道館で開催されたPile氏のライブ「Pile Live at Budokan ~Pile feat. ラブライブ!~」では『ラブライブ!』の一部楽曲が披露され、『ラブライブ!』関連の楽曲である本曲も披露された。
なお、『ラブライブ!』関連曲のパートは(円盤には)収録されていない。
μ'sにとって4年ぶりのライブ出演となった、2020年1月開催のラブライブ!フェスでもこの曲が披露され、1、2日目ともにμ'sパートのトリ曲となっている。
同イベント用のラブライブレードには、ほぼこの場面の切り替えのために予め予約した狙いの色に一瞬でジャンプ出来るリザーブボタンが実装された。
しかし、ブレードの操作が煩雑だったことや(全メンバーの順番通りだと)ことりのパーソナルカラーが天王寺璃奈(虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会)が全く同じだった(※璃奈のパーソナルカラーは白)事もあってか、この機能の存在をライブ後に知った人(もしくはブレード自体を使わなかった)が多かった模様。
2024年3月に開催された「LoveLive! Orchestra Concert」においても、両日(30・31日)ともにセットリストのトリ曲として披露された(※オリジナルキャストによるライブでの歌唱は4年ぶり)。
歌唱者は、μ's2年生組(新田恵海、内田彩、三森すずこの各氏)と、飯田里穂、Pile両氏による1年生コンビ、それに楠田亜衣奈氏(※μ'sの3年生組では唯一の参加)の6名。
オーケストラコンサートというイベントの特性上、座席から立ち上がったりする事やコールすることは叶わなかったものの、観客によるUO点灯は実施された。
そして、(UOが折られる際に出る)「バキバキバキバキ!!」という音がホール内に響き渡った事で、キャストは思わず笑いそうになったとか。
また、同年開催の『Love Live! TV Animation 10th Anniversary Overseas Events』、『LoveLive! Series Asia Tour 2024 ~みんなで叶える物語~』においても(一部キャストではあるが)本曲が披露されている。
シリーズ内作品の出演者によるライブ披露
2020年10月に開催された東山奈央氏(高坂雪穂役)の声優活動10周年を祝うライブ「Special Thanks!フェスティバル」にて、東山氏と『無印』で共演した佐倉綾音氏(絢瀬亜里沙役)がデュエットする形で披露された。
2023年1月には、(続編のアニメ版にも出演している)高槻かなこ氏(Aqours・国木田花丸役)が自身のライブでカバーしており(音源化、映像化の予定はなし)、会場では白→オレンジの演出も再現された。
2024年1月9日には、こちらもラブライブ!シリーズの後輩にあたるLiyuu氏(Liella!・唐可可役)が自身のバースデーイベントにて披露した。当日は入場時にUOが渡されており、「もしや?」と思った人も多かった模様。
その直後に、(他番組での共演を通してかねてから親交のある)新田恵海氏からのサプライズムービーも流された。
シリーズ外作品の出演者によるライブ披露
2023年12月開催の異次元フェス2日目(※12月10日、この日は穂乃果役の新田恵海氏の誕生日でもある)にて、『シンデレラガールズ』、『ミリオンライブ!』、『シャイニーカラーズ』の面々によって披露された。また、スノハレではお馴染みの(オレンジ一色に染まる)演出も行われている。
なお、この時の歌唱メンバーには(『無印』のアニメ版でミカを演じた)原紗友里氏も含まれており、ライブ後に配信された(オーディオコメンタリー付きの)同時視聴会にも出演した。
その際、「 (「ミカ役」とは明言しなかったものの)スノハレの時には雪かきをしていた。 」と自ら言及しており、「今回はアイマス声優としてだったものの、こうして歌わせてくれる機会を設けてくれたことには感謝している」とコメントした。
カバー
アニソン歌手の佐咲紗花氏が2015年に発売したカバーアルバム「SAYAKAVER」にてカバーされた他、同年にリリースされた遠藤正明氏のカバーアルバム「ENSON3」でも本曲がカバーされた。雪が全然降らないじゃん。
さらに、流田Projectが2016年に発売した『流's the COVER』にも本曲のカバー版が収録されており、翌2017年には羽多野渉、寺島拓篤の両氏によるユニット『M.O.E.』が発売したカバーアルバムにも収録されている。
また、μ'sと同じレーベルに所属しているChouCho氏(※上記で述べた佐咲紗花氏も所属している)が2019年に発売したアコースティックアルバム『Naked Garden』にも本曲のアコースティック版が収録されている。
2024年5月19日、ラブライブ!シリーズの後輩作品にあたる『ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ』の104期でのラブライブ!シリーズ楽曲のカバー企画の一環として、蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブの9名による歌唱で本曲をカバーすることが発表され、後に同作のアプリにおけるゲーム用楽曲として実装され、さらには蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブのメンバー達による歌唱動画も21日に公開された。
ちなみに、『蓮ノ空』版では乙宗梢がセンターを務めている(原曲版は穂乃果が担当)。
余談
- ニコニコ生放送でTVアニメ2期9話が配信された直後、Lantisが2014年2月9日にさいたまスーパーアリーナで開催された4thライブ時のフルサイズ版を配信している(後述関連動画)。
- 続編『ラブライブ!サンシャイン!!』でも、本曲のスクリーンショットが登場している(※主に、TVアニメ1期1話や4話)。
- 本曲をカバーした『M.O.E.』の寺島拓篤、羽多野渉の両氏は(声優界随一の)ラブライバーとしても知られており、かつてはシリーズ公認のラジオ番組で『M.O.E.』に関連する楽曲が放送されたことがある。特に、寺島氏のラブライバーぶりは想像を遥かに超えており、この事を聞いた絵里の担当声優が苦笑いするほどだった(絵里の担当声優曰く、「寺島さんといえば、ガチのラブライバーですからね…」)。
- さらに、羽多野氏とともに担当しているラジオ番組でもラブライブに関連する話ばかりをしていた事から、「公式より公式な非公式」と言われる事に……。
関連イラスト
pixivではAqoursのメンバーのイラストもいくつか見られる。
関連動画
PV
試聴動画
蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブによるカバー動画
関連タグ
Snow_halation(表記揺れその1)
スノハレ(表記揺れその2)
スノーハレーション(表記揺れその3・競走馬の名前でもある)
前作:僕らのLIVE 君とのLIFE(デビューシングル)