ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

海賊の編集履歴

2016-09-04 14:10:32 バージョン

海賊

かいぞく

海で強盗などの犯罪を行うもの。海上の盗賊。RPG等では職業(ジョブ)の一種。現在も一部の海域では海賊が跋扈している。

一般的海賊イメージと現実の海賊

海上における略奪行為を生業とするのこと。古くはヴァイキング、近世・大航海時代におけるフランシス・ドレイクなどの私掠船が挙げられる。


最も有名なのは大航海時代のカリブ海の海賊たちだろう。ドクロの旗を掲げ、と武勇を好んだ豪傑たちというイメージがある。一種のロマンチシズムを匂わせる存在でもあり、たびたびフィクションの主役にもなる。

pixivにおいても、こうしたイメージに基づいた豪奢な姿で描かれることが多い。


しかし、現実には専業海賊というものはなかなかおらず、漁民などの兼業や副業がむしろ普通である(普段は密輸に精を出し、略奪対象として手頃な相手を見つけたり、取引が不調になると海賊に変貌するわけである)。

果ては海軍までが副業として海賊行為に及んでいたとされる。

上述の私掠船のように国家容認で敵国船舶を襲うように仕向けられた海賊も多い。


現在でも東シナ海南シナ海インド洋アフリカ近海で同様の海賊行為が横行している。

近年の海賊は大航海時代のようなステレオタイプの海賊と異なり、銃火器による武装化が充実し、最新の通信機器を装備した高速小型ボートによる少数で 大型船を襲撃しており、一層悪質になりつつある。

彼らのほとんどはやはり元漁民で、紛争自然環境の悪化による貧困が背景にあり、一部では国際的テロ組織と通じた者も存在する。

しかし、元漁民とは思えない高度な装備を持ち組織化されているなど、武装組織が資金稼ぎとして海賊行為を行っていると見られる例もある。

また、違法行為の場合は真面目に働くよりも多くの金銭を稼ぐことが出来るため、貧困にあえいでなくとも漁民が海賊に転身したと見られる例もある。


またエコテロリストと目される場合のあるシーシェパード捕鯨妨害行為もまた海賊行為の一つとみなされる。


なお国際海洋法条約では、公海上の海賊は人類共通の敵であるため、交戦して殺害しても良いことになっている(特定の領海では、管轄国が取り締まらなくてはならない)。

なお、国際海洋法条約での海賊の定義は101条で公海における他の船舶若しくは航空機又はこれらの内にある若しくは財産に対して私有の船舶又は航空機の乗組員又は旅客が私的目的のために行うすべての不法な暴力行為、抑留又は略奪行為を海賊行為と定めており、

さらにこのような海賊行為をするという事実を知って船舶・航空機の運航に自発的に参加する行為海賊行為の扇動・故意の助長も海賊行為に含まれるとしている。


歴史上の海賊

地中海の海賊

増田義郎(『図説海賊』)によると、記録における最古の海賊は古代史における「海の民」であり、バルカン半島エーゲ海から地中海に現れて沿岸部各地を襲った。続いてフェニキア人やギリシャ人が海賊として活動する。彼らは地中海を商圏とする商人であり、沿岸各地に植民してカルタゴ(フェニキア人)やマルセイユ(ギリシャ人)といった都市を建設し、そして海賊行為も行った。島嶼を拠点として自らの利益や家族を養うために守りの弱いポリスや村落を襲った。専業の海賊ばかりではなく、時と場合によっては商人たちや遠征に出かけた英雄たちまでもその武装にものを言わせて、財物から婦女子に至るまでを略奪した。やがてローマが台頭すると、彼らは自らに従わない諸国を海賊と呼んで激しい戦闘を繰り返した(増田義郎『図説海賊』)。


増田によれば、東ローマ帝国の衰退後、オスマン帝国が強大化してくると、これに従わないキリスト教徒たちがロードス島キプロス島等を拠点に海賊として活動し、エジプトからの食糧補給に頼るオスマンの輸送船を襲った。これを鎮圧したオスマン帝国の水軍はその多くが徴発されたギリシャ人であったが、その中からバルバロッサ(赤髭)と呼ばれる兄弟が台頭して活躍した。兄のウルージは小型船のレイス(船長のこと)から身を立てて、ハフス朝スルタンと契約して上納と引き換えにチュニスを拠点に西地中海のキリスト教徒船舶を襲った。後には当時西地中海各地を征していたスペインに対するアルジェの反乱に援軍として介入し、さらには反乱軍のアルジェ太守を殺して自らアルジェ太守となり、スペイン海軍も破ってマグリブ地方を征服した。ウルージは後にアルジェの民衆反乱とスペインの反撃により殺されるが、弟のハイルッディンが後継者となった。ハイルッディンはオスマン皇帝セリム一世と続くスレイマン一世に忠誠を誓ってその支援を得ると、バレアス諸島やスペイン東岸を襲い、財貨ばかりか多数の男女を誘拐して奴隷として売りさばいた。これに対しヴェネツィアやスペインなどのキリスト教徒諸国は、海賊としても活躍していたジェノバ提督アンドレア・ドーリア教皇と連合する。トルコ海軍の総帥となったハイルッディンは、プレヴェザの海戦でヴェネツィアやスペインなどのキリスト教徒連合艦隊を撤退させ、オスマン帝国は盛大に戦勝を祝っている(増田義郎『図説海賊』)。


北欧の海賊

増田義郎(『図説海賊』)によると、紀元789年のイングランド南西部のドーセットを三隻の帆船が襲ったのが、北欧の海賊・ヴァイキング来襲の最初の記録である。ヴァイキングとは本来スカンディナビア半島の商人であり、西南のローマ帝国から剣や金属を入手して毛皮や琥珀・奴隷等と交換し、東方のロシアを経てアッパース朝とも交易をして大量のアッパース朝銀貨を西ヨーロッパにもたらしていた。彼らが略奪、征服、定住化を活発化させた原因は、銀交易路を抑えるサーマン朝の独立によりアッパース朝から銀貨を入手できなくなったことにあるという。ヴァイキングの船は40人~60人もの乗員を載せられるも吃水が1メートル程度しかなく、外洋から河川に入って内陸の都市も容易に襲った。イングランド、スコットランドアイルランドフランク王国が次々と襲われ、1014年の侵攻をヨークの大司教は「神の怒りと同意を受けた海賊たちがイギリス人を絶望の淵に追いやった」と、この異教徒への恐怖を書き記している。しかしノルマンディーフランス王から与えられたころには、ヴァイキングも征服地に定住しフランス語を話す西欧人となっていった。ヴァイキングはまた、アイスランドグリーンランドにまで至って植民地を築いた偉大な航海者であった(増田義郎『図説海賊』)。


増田によれば、ヴァイキングの活動時代の終わりごろには、北欧は商業が活発化していた。毛皮、コムギ、チーズ、魚、木材といった日用品を中心とするこの交易圏は、なお続くスラブ人ゲルマン人の海賊の脅威に対処する必要に迫られた。こうして北欧諸都市が加入するハンザ同盟が成立し、数百の都市が同盟して海賊対策にかなりの成果をおさめた。しかしハンザ同盟の船が諸政治勢力との関係次第で海賊行為に走ることも珍しくなかった。シュテルドベーカー率いるエンブリューダーは、ハンザ同盟から敵に包囲されたストックホルムへの食糧供給を請け負ってこの名を得た。しかし後にエンブリューダーはハンザ同盟所属の船を襲撃する海賊団となり、シュテルドベーカーの処刑による壊滅まで沿岸住民の恐怖の的となった(増田義郎『図説海賊』)。


日本における海賊

日本でも海賊は古代から存在し、時の権力の悩みの種だった。平安時代藤原純友瀬戸内海の海賊を討伐するはずが逆に海賊を率いて決起した。ただし、これらの海賊行為は必ずしも単なる無法行為ではなく、「寄船」「津料」「上乗」といった慣習によって正当化されていた(黒嶋敏『海の武士団』)。寄船とは、難破した船や水に濡れた積荷は漂着物とされ、地元の船乗りたちに処分権が与えられるという慣行であり、津料とは「置石」「勝載料」等とも呼ばれた港が船に課す入港料金である。また海域を通過するには「上乗」という水先案内人を雇って安全航行が保証された。津料を払わなければ、港にあれこれと口実を作られて船や積み荷を寄船とされて海賊に襲われ、上乗を雇わなければこれも海賊が襲ってくるのである。


鎌倉幕府は寛喜三年(1231)年の法令と翌年の御成敗式目で寄船や海賊を禁止し彼らを指揮下に治めようとしていく。しかし幕府に従う地頭たちも現地では寄船や海賊の慣習に手を染めており、幕末にかけて幕府に従わない悪党としての海賊の活動が活発化していった(黒嶋敏、同書)。黒嶋によれば、室町幕府はむしろこれら地方の海の勢力の活動を公認し、その慣習を利用して海上交通や交易の支配を狙った。幕府に従う守護が海賊たちを従え、日明貿易や国内の交易を警護させた。しかし、幕府と現地の守護の関係が悪化すれば、交易船は寄船や海賊の脅威にさらされることにもなった(黒嶋敏、同書)。かくして海賊は同時に船舶の護衛水先案内をする存在ともなり、「水軍」と呼ばれた。室町時代には東シナ海で「倭寇」と呼ばれる武装商人が広域に多数出没し、明朝朝鮮に経済的打撃を与えた。


戦国時代には、商船の性能が向上して頻繁に港に停泊せずとも持続航行が可能となり、地方の港が衰退して港を根城とする海賊に打撃を与えた(黒嶋敏、同書)。黒嶋によれば戦国大名たちは海賊禁止令を出すようになり、追い詰められた海賊たちは大名の水軍としての働きに活動の重点を移していき、後には天下人に海軍力として協力した。有名なのが毛利氏に従った村上水軍や織田信長に仕えた九鬼嘉隆である。海賊は近世にもいたが数はずっと減り、近代にはほとんど消滅。最後に確認されたのは終戦直後の混乱した占領期である。


ジョリー・ロジャー(海賊旗)

髑髏に交差した骨」が典型的な海賊旗マークであるが、実際には交差したであったり様々なバリエーションが存在する。


関連タグ

職業 ファンタジー職業

パイレーツ 盗賊 山賊 空賊 宇宙海賊

海賊船 海賊旗 髑髏 / ドクロ 眼帯

海賊パラレル

海賊版


他の記事言語

Pirate


海賊を題材とした作品

…etc.


海賊である人物・キャラクター

実在の海賊

フィクションの海賊(個人)

フィクションの海賊集団

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました