pixivでは初期キャラクターデザインのイラストがいくつか投稿されている。
はじめに
※注意※
ここはプリキュアシリーズの初期設定や没になってしまった展開などをまとめる記事です。
独自の予想や考察は書かないようにお願いします。
条件は、雑誌などの資料やスタッフインタビュー、公式で発表された明確な情報であること。
なるべく出典先が分かるように書いてください。
また、他サイトや雑誌の文章を丸写しするのは禁止です。
記事内の表記について
これ以降の本文等にて、以下のように略記している場合があります。
- ふたりはプリキュア Max Heart→『Max Heart』
- ふたりはプリキュアSplash☆Star→『Splash☆Star』
- Yes!プリキュア5→『5』、Yes!プリキュア5GoGo!→『5GoGo』
- この2つのTVシリーズを総称して『Yes!プリキュア5シリーズ』
- TVシリーズの『オフィシャルコンプリートブック』(ただし『スマイルプリキュア!』に限り、『コンプリートファンブック』)を、シリーズタイトル名を省いて表記。
- 東映アニメーションワークス→『○○(キャラクターデザイナー名)ワークス』
- 例)『稲上晃東映アニメーションワークス』→『稲上晃ワークス』
- アニメージュ○月号増刊 ○○(TVシリーズ名)特別増刊号(ハピネスチャージプリキュア!以降)
- →『アニメージュ○○増刊号』、『増刊号』
- シリーズディレクター→『SD』
また、2011年刊行の『プリキュアぴあ』については、後発の『プリキュアぴあ2015』との区別の為に、『プリキュアぴあ(2011年版)』と表記することがあります。
ふたりはプリキュア(2004年)
キャラクターデザイン
キャラクターデザインの初期設定は、後述の「MaxHeart」「Splash☆Star」と共に、『プリキュアぴあ(2011年版)』や『稲上晃ワークス』に(一部)収録している。
『稲上晃ワークス』には、以下のイラストが掲載されている。
- プリキュアコスチュームは、(オーディション時含め)3段階の画を掲載。
- オーディション時の画は、(上記イラストで分かるように)美墨なぎさと雪城ほのかの身長の差が逆転していたり、キュアブラックのコスチュームがパンツ着用だったりするなど決定稿との差異点は多い。
- この他、雪城さなえと忠太郎、ダークファイブの面々のラフも収録。
なお、同じく当シリーズのキャラクターオーディションに参加していた香川久氏のキャラデザインも『香川久ワークス』に収録されている。
ふたりはプリキュアMaxHeart(2005年)
キャラクターデザインの初期設定は、上記と同じく『稲上晃ワークス』に収録。
ふたりはプリキュアSplash☆Star(2006年)
キャラクターデザイン
上記と同じく『稲上晃ワークス』に収録。以下はその内容である。
- TVシリーズからはプリキュアコスチュームの最初期のものとデザイン決定間近のものを、単独映画からはゲストキャラとなるアワーズ、ミニッツ、サーロインのラフ、そして没となったプリキュアのメタリックコスチューム(いわゆる「スーパープリキュア」)の案が収録されている。
- プリキュアのコスチュームに関しては、掲載したもの以外にかなりの量を書き上げていたようだ(同書記述より)。
ストーリー
- 幻の二期目:マーケティングの失敗(詳細は作品記事を参照)により断念。これに伴い、(一期目となるはずだった)本編の後半部分のプロットが改変されている。
Yes!プリキュア5シリーズ(2007年-2008年)
「5」「5GoGo!」ともに、インタビュー本『プリキュアシンドローム!』や『川村敏江ワークス』に収録(ただし、どちらか片方の本にのみ収録される画もある)。
Yes!プリキュア5(2007年)
基本設定(5)
- 「チアリーディング」:企画の初期段階で出されたアイデア。キャラクターデザインのイメージとしても挙げられている(『プリキュアシンドローム!』より)
- 「生徒会プリキュア」・「会社プリキュア」:前者は5人全員が生徒会役員(この場合生徒会長はのぞみ)で、一度それで決定しかけたものの「全員が権力者側なのは気になる」ということで没に(かれんが生徒会長なのはその名残)。後者は「ヒロイン側ではふさわしくない」ということになった。敵であるナイトメアが会社なのは、このアイデアを用いたため(いずれも同上)。
- 妖精のココ・ナッツの初期名称:それぞれ「デリ」「バリ」の仮称があった。この名前はキャラクターデザインの初期稿に残されている(『川村ワークス』より)。
キャラクターデザイン(5)
- 最初期のものは、プリキュアのデザイン(特にキュアミントとキュアアクア)や制服(この時点ではセーラー服)が決定稿とかなり異なる。
- このほか、『川村ワークス』にはデスパライアのラフ画も収録。
- 小村敏明SDによるラフ:「キャラクターデザインのアイデアになれば」と書いたもの。ギリンマ、アラクネア、ガマオ、コワイナーのラフが『プリキュアシンドローム!』に収録されている。
その他(5)
- キュアレモネードは(人物像・デザインの両面で)設定にかなり悩んだとのこと(『プリキュアシンドローム!』より)。
- メタモルキャッパー:バイク好きの鷲尾天プロデューサーによる年末アイテム案。詳しくは当該記事を参照(同上)。
- その他、バンダイ側から「プリキュアウォッチ(仮)」や魔法アイテムの提案があったが、プリキュアのコンセプトと合わず却下となっている(同上)。
Yes!プリキュア5GoGo!(2008年)
キャラクターデザイン(5GoGo)
- 『川村敏江ワークス』にはキュアドリーム達の新コスチュームラフを収録。
- ミルキィローズ及び美々野くるみは、デザインが難航したようで検討画に髪型を迷った形跡がみられる。またバンダイによるイメージ検討画もある(ともに『プリキュアシンドローム!』に収録)。
その他(5GoGo)
- これまたバンダイ側から、銃型のアイテムの提案が出されるも却下となっている(『プリキュアシンドローム!』より)。
- プリキュア・アクアキック:キメ技の案として、小村敏明SDが考えた技。他のキメ技の案がほぼそのまま使われたのに対し、これのみ没となっている(同上)。
フレッシュプリキュア!(2009年)
キャラクターデザイン
キャラクターデザインの初期設定は、プリキュア・ラビリンス幹部3人・町の人々のラフ画を『香川久ワークス』に収録されたほか、「香川 久×馬越嘉彦 バトルヒロイン作画&デザインテクニック」においてもイースとキュアパッションのラフ画が収録された。
多くのラフが、最初の段階でかなり完成に近いものとなっている。ただし、イースのデザインは一番難航しており、またキュアパッションのデザインも試行錯誤を重ねている(詳細は下記)。
- イース:当初の髪型はショートカットだったが、メインターゲットの幼児にウケないと判断され変更した。
- キュアパッション:ピーチたちのような衣装の色違いになることを想定していたが、同じようなデザインだと追加戦士として埋もれてしまうので変更。ピーチたちとは対照的に肌を見せないデザインとなった。
ハートキャッチプリキュア!(2010年)
キャラクターデザイン
『馬越喜彦 東映アニメーションワークス』にてスーパーシルエットの変身アイデアが収録されている。
直線的な衣装は早くに決まったようだが、背中に背負う光のパターンを試行錯誤している。
スイートプリキュア♪(2011年)
キャラクターデザイン
キャラクターデザインの初期設定は、『高橋晃ワークス』に収録。
- キュアメロディ・キュアリズム:TVシリーズより収録。
- 第一稿(オーディション時)は、前年の「低等身のデザイン」を想定し描かれた。決定稿とは大幅に違うデザインだが、音楽をモチーフにしていることは変わらない。
- 第二稿の時点で完成形の要素がほぼ揃い、第三稿~最終稿にかけてディテールを詰めていっている。
- 単独映画からはゲストキャラのスズ、メイジャー3、ハウジングのラフ画等を収録している。
スマイルプリキュア!(2012年)
基本設定
- 一人プリキュア:マンネリ打破のために出された案だが、あの出来事をきっかけに方針転換。この案はお蔵入りとなった(詳しくは作品記事を参照)。
- 「チアリーディング」:主人公星空みゆきの初期設定はチアリーディング部ということになっていた。しかし実際の本編では一切描写がない。
キャラクターデザイン
『スマイルプリキュア! コンプリートファンブック』や『川村敏江ワークス』に収録。
- 『コンプリートファンブック』には、プリキュアのデザイン決定間近の画のみを掲載。
- プリキュアのデザインは、第一稿(オーディション時)の時点で(決定稿との差異はあるが)髪型等の基本的なフォルムはほぼ決まっている一方、コスチュームは様々なデザインが検討されている(川村敏江ワークスより)。
- キュアマーチのカラーリング:企画当初は紫だったが、5人が並んだ時の全体的なイメージに「明るい虹色感」が欲しかったため、緑に変更された(アニメージュ2012年6月号より)。
ドキドキ!プリキュア(2013年)
キャラクターデザイン
『ドキドキ!プリキュア オフィシャルコンプリートブック』や『高橋晃ワークス』でラフ設定画が収録されている。
プリキュア
『オフィシャルコンプリートブック』にて初期設定デザインラフが公開された。のちに『高橋晃ワークス』にも収録。
- キュアハート(第一稿(オーディション時)) 髪がピンク色なので現在とは大きく印象が異なる。
- キュアロゼッタ(第二稿~第三稿)
- キュアエース(イメージスケッチ)
その他のキャラクター
『高橋晃ワークス』にラフ画を収録。
- ジコチューの幹部の面々については、イーラとベールの服装が決定稿と違っていたりする一方、マーモのようにほとんど完成形になっていて、そこから細かく修正されているキャラクターもいる。
- 単独映画からは、以下のラフスケッチを収録している。
- キュアハート・エンゲージモード:ドレスの形状の違う、2パターンのものを収録。決定稿は上野ケンが担当。
- マロ:痩せた体型であるなど、決定稿とはデザインがかなり異なる。
- マシュー:初期ラフを収録している。女性的なデザインだが、最終的にマシューは男性キャラとなっている。
- この他、坂東いすずや「大人になったマナ達」、「誕生後間もない時のマナ」、クジラ(マシューたちの乗るクジラ飛行船のデザインの元)のものも収録されている。
- また、ワークスでラフ画は公開されていないが、レジーナの初期案では髪の先端がプリキュアと同じくゼンマイのような内巻きになっていたということが、アニメージュ誌のインタビューで柴田プロデューサーから明かされている。
ストーリー
本作は企画段階では「初期は3人チーム、夏頃にキュアソードが仲間入りして最終的に4人チームとなる」という構想だったのだが、第1話が完成した直後に玩具展開などの大人の事情で「キュアソードの仲間入りを第6話までに早めること」「新しい5人目の戦士を夏頃に追加すること」という2点が急遽決定された。そうして作り上げられた5人目の戦士がキュアエースである。エース投入の影響で一年のストーリー構成は再構築が余儀なくされ、当初予定していたネタの多くが尺が足りずにカットされている。このことは『オフィシャルコンプリートブック』では詳細に触れられている。
- ゴーマ・ルスト:ジコチューの幹部として、制作の最初期に考えられた敵キャラクター。尺の関係などの諸事情でこの2人は没キャラとなってしまったが、第46話の回想シーンでシルエットのみ登場。同書の製作者インタビューにて、名前のみ判明している。
- トランプ王国の先輩プリキュア:キュアソードは第一話時点で「トランプ王国最後のプリキュア」という肩書きで紹介されたことからわかるように、設定上ではソードには先輩プリキュアがいっぱい存在している。ソードが先輩プリキュアが残した思いを継ぐようなドラマを当初は予定していたようだが、ソードの仲間入り時期が夏頃から第6話に大幅に前倒しされたため、新しい仲間との絆を描くことが優先ということや尺の関係から、先輩プリキュアに関する要素は作中では一切描かないことが早々に決定された。
- 四葉ヒロミチ:四葉ありすの兄。主人公の相田マナの師匠的存在として後半に登場予定だったが、尺の関係などの諸事情で未登場となった。放映終了後に同書やシリーズ構成の山口亮太のツィートで彼の存在が明かされている。
- 恋愛ネタ:初期の構想では、主人公の相田マナに恋愛要素を盛り込む予定だったが、マナが想定以上に大物に描かれすぎて「マナと釣り合えるような男性キャラが出しにくい」という理由で恋愛路線は早々に切り捨てることになった。
ハピネスチャージプリキュア!(2014年)
キャラクター名
- プリキュアの初期キャラクター名:初期段階ではキュアラブリー以外の3人は別の名前が案として挙がっていたが、「かっこよさはあるけどかわいくない」ことから変更された。長峯達也SDがアニメージュ2014年6月号誌上で明かしている。
- 相楽誠司の初期キャラクター名:当初は「大山」という名字がつけられていたが、後に今のものに変えられた。この名前は、表情設定のイラストに残されている(『佐藤ワークス』より)。
キャラクターデザイン
『佐藤雅将ワークス』にラフの一部を掲載。なおキュアラブリーなど、当初のアイデアをほぼそのまま決定稿に反映したキャラクターも多いようである(同書記述より)。
- キュアプリンセス:ラフでは髪飾りの王冠の形が異なる。
- キュアハニー:袖口・リボンの形状が違ったり、髪のボリュームが決定稿より少ない。
- キュアフォーチュン:当初はバンダイからの案を基にしたデザインだったが「OLのようになってしまった」という理由で没になり、決定稿のデザインになった(掲載されているラフには、その旨が書かれている)。またこのラフでは、髪型や袖口の形状、身長が決定稿と異なる。なお、ペンシルスカートと長身の設定は、のちにキュアテンダーに生かされている。
ストーリー
『オフィシャルコンプリートブック』に掲載。
- 大森ゆうこ編の存在:大森ゆうこには実は何らかの「心の迷い」がありそれを乗り越える試練をシリーズ後半に描く構想があったが、ゆうこが想定以上に落ち着いた大人のキャラになったため、彼女に迷いを描くのは似合わないとしてゆうこ編は丸ごとなくなった。彼女の迷いのようなものが何にする予定だったかは公式で語られたことはない。
- 愛乃かおりの病気:主人公のめぐみの母親は不治の病を患っているという設定があるが、これは「めぐみに、母の命と世界の平和とどちらかを選ばせる」という究極の選択を終盤に突きつけるつもりで用意されたもの。ただし放映開始後に「やはりその展開は重すぎる」とスタッフ内で懸念が示されたため、母親の病気は命に関わるものではないとされ、終盤のストーリー展開が大幅に組み直された。
その他
- キュアエコーのプリキュア10周年おめでとうメッセージ:田中裕太氏が、こっそり絵コンテを切っていた(自身のTwitterで明かしている)が、彼女の「特殊な立場」のために製作されなかった。
- 最終回エンドカード没案:当シリーズのキャラと次シリーズを引っ掛けたネタだが没に。そのイラストは、キャラクターデザインとこのエンドカードを担当した佐藤雅将氏が、自身のTwitterで投稿している。
Go!プリンセスプリキュア(2015年)
キャラクターデザイン
キャラクターデザインについては『オフィシャルコンプリートブック』に決定稿までの経緯が語られているほか、キュアフローラ・キュアマーメイドのラフ画が『中谷友紀子ワークス』に掲載。
- キュアフローラ:最初は「ふたりはプリキュア」のキャラクターと同じ等身で描いていたが、その後現在の等身に変更している。衣装については、決定稿のもととなった案のほかにいくつか別の案を作り試行錯誤していたが、最終的にはもとの案に戻ったという。
- キュアマーメイド:試行錯誤が一番多く、特に前髪の形を悩んでいたという。当初はをぱっつん髪にしていたが、後に現在の編み込みのあるデザインが採用されている(ぱっつん髪はその後キュアトゥインクルのデザインで使用)。
- キュアスカーレット:当初は別の髪型を提案したがNGになり(この髪型は後にトワイライトに使用)、ヘアスタイルに悩んだという。
この他、キュアトゥインクルは衣装の「星モチーフ」のパーツ配置に悩み、敵首領・ディスピアのデザインが難航したほか、七瀬ゆいは(田中SDの細かな要望により)メガネの構造が変更されている。(『オフィシャルコンプリートブック』『中谷友紀子ワークス』より)
ストーリー
- 敵キャラの扱い:元々は悪い奴をぶっ飛ばす勧善懲悪の作風を目指しており、フレッシュプリキュア以降で定番となっている「敵キャラとの和解」は今回はしないと宣言していた。夏までに各種雑誌で掲載されていたスタッフインタビューでもそのことはよく書かれている。しかし結局はスタッフのほとんどが敵キャラに感情移入してしまい(『オフィシャルコンプリートブック』より)、シンプルな勧善懲悪ではなく善悪の彼岸を問うようなビターな作風になった。ディスダークの項目も参照。ただし初期の宣言通りに「和解」はしていない。
その他
- 合体技「プリキュア・グラン・プランタン」
当初はプリンセスパレス、ロイヤルキー、プリンセスパフュームの3アイテムを併用する技の予定だった。しかし手順が煩雑になってしまう上に見せる手順が多すぎることで、玩具・アニメの両方において楽しさよりも作業感が出てしまうという懸念から、玩具の仕様を見直して現在の(パフュームを使用しない)形になった。
- 最終フォーム「ロイヤルマジェスティ」
上記の合体技において、当初登場予定だったスーパープリキュアの名称。上述の「技の発動手順の見直し」の関係で没になり、代わりにロイヤルドレス(名乗り口上では「ドレスアップロイヤル」)が使用された。ただ、最終決定前に既に音声を収録していたため、「ロイヤルマジェスティ」というワード自体は、ロイヤルキーとパフュームによる「ホープキングダムに行くための“ワープ呪文”」として使用された。
なお、これら上記2つの設定については田中裕太SDが自身のTwitterで明かしている(複数回に分けてツイートされているため、外部リンクの掲載はしないこととする)。
魔法つかいプリキュア!(2016年)
キャラクターデザイン
キャラクターデザインのうち、TVシリーズのものは『オフィシャルコンプリートブック』にキュアミラクル・キュアマジカルのオーディション時ラフを掲載。細かな修正(キュアマジカルの胸飾りなど)はあるが、決定稿とほぼ変わらない。
単独映画のものについては、『アニメージュ魔法つかいプリキュア!増刊号』にて、初期案やラフを収録している。初期案はキャラクターデザインを手がけた上野ケン、ラフは田中裕太監督と元アニメーターで上野ケンと関係があったという古家氏によるもの。
初めに田中監督がイメージラフ→検討用ラフスケッチを描き起こし、それを基に上野氏が以下の4パターンの案を着彩込みで作成し、デザインを検討した。
- A案:ツインテールを2つ重ねたような髪型で、帽子と★の装飾が入る。服は白をベースに上半身の肩部分に黄色とピンクをあしらった物となっており、この段階でスカートではなく短パン系のズボンとなっており、小さいながらフリルも付いている。
- B案:髪型は決定稿のキュアモフルンに近いが、決定稿ではケモミミとなってた部分がb案では丸く纏めた髪となっており、このb案のみ、額には★のマークがある。服装は黄色をベースに大小ピンクのリボンと緑のサスペンダーが着く。またズボンの色も白からピンクになり、A案より長めなフリルがつけられている。
- C案:髪型・腰や手袋のデザイン・かぼちゃパンツに重ねたスカート等、決定稿のベースとなったデザイン案、正し、胸下から腰まで腹部が露出していると言う大胆なへそ出しが特徴で、服のベース色がピンクとなっている。
- D案:A案のバリエーションで、髪型が前下がり飾り髪となり、衣装もA案から大幅に変わっている。
このデザイン案から、最終的にはc案をベースに4つのデザイン案の良い所取りの様なデザインとなった。またカラフルスタイルは田中監督のラフが掲載されており、初期トパーズ形態では熊型トパーズファンネルが出るといったギミックのアイデアが出されている。
なお、田中監督による(最古の)イメージラフは、同氏のTwitterで投稿されている。
その他のキャラクター(映画)
- ダークマター:田中監督のラフを掲載。体型など決定稿との差異点はあるが、基本的な要素は既に揃っている。
- 補習メイトとフランソワのお祭り衣装:上野氏が、古家氏にデザインアイデアを依頼し出されたアイデア案を掲載。決定稿とあまり変わらない。
ストーリー
- プリキュアオールスターズとの共演:企画時点の構想では年末最後の放映回でラスボスを倒して本編ストーリーを終了させ、年始からの一ヶ月はプリキュアオールスターズが全員共演する番外編を製作する予定だった。これはプリキュアシリーズの各作品が2月から放映開始する関係上、いつも年始の時期にクライマックスのシリアスな展開に入って正月の賑やかな空気感とマッチしないことを解消したいという鷲尾天のアイデア。ただ、現場の負担が大きくなるとしてこの案は早々に没となった。なお、実際に放映された最終回で次回作キラキラ☆プリキュアアラモードとコラボしたのはこの初期案の名残である(『オフィシャルコンプリートブック』より)。そして「TVでオールスターズ」という願いは、2年後の「HUGっと!プリキュア」で叶うこととなる。
- モフルンの性別関係:シリーズ構成の村山功氏は初期段階ではモフルンの性別を女の子としており、それに伴って「みらいがモフルンと話して初めて女の子と気づいて驚く」という話を盛り込むプランがあったと語っている(アニメージュ2016年9月号)。最終的には「モフルンの性別はない」というのが公式設定となった。
- 椎名隆一:みらいたちのクラスメイトとして登場する予定だったイケメン男子生徒。ハイスペックで女子に人気だがみらいやリコには靡かないという設定があった。しかし諸事情によって出番がなくなり没キャラとなった(2017年アニメージュ1月号より)。雑誌ではキャラクターデザインのみ公開されており、ぬりえや増刊号の身長対比表にも載っている。
キラキラ☆プリキュアアラモード(2017年)
基本設定
- 肉弾戦の扱い:肉弾戦封印宣言が話題になった本作だが、企画段階ではそんなことはコンセプトにはなく、今まで通りに(テーマやモチーフとは無関係に)肉弾戦をやるつもりだった。
キャラクターデザイン
- 琴爪ゆかりの別デザイン案:オーディション時に「ボブっぽくみえるロングのまとめ髪」「ボトムがショートパンツ」というデザインを提出していた。キャラクターデザインの井野真理恵氏によると、「ねこは敏感なので、長いスカートにしたくなかった」としたうえで、ゆかり=6人目(実際はキラ星シエル(キラリン))と思い込んでいたためにちょっと特徴的なデザインにしてしまったと語っている(アニメージュ2017年9月号)。
- ノワールの初期案:暮田公平SDはTVシリーズに登場するキャラクターなどのデザインのイメージラフを多く描いており、その一部を『アニメージュ キラキラ☆プリキュアアラモード増刊号』に掲載している。ほとんどは実際のデザインに踏襲されているが、ノワールだけは大きく異なり、元は仮面をかぶっていない50〜60代の大柄な男性で、ロングコートを羽織り革手袋をしていた。ただ、「実体ではないかもしれない」と注意書きがあり、真の姿は別にあるという設定ではあった様子。
- 変身アニマル(映画):土田豊監督による原案ラフスケッチを『増刊号』に掲載。(カメホイップを除く)公開されているラフデザインは概ね決定稿と同じだが、細かな点が異なる。
- 変身後のラフスケッチ:オフィシャルコンプリートブックにて初期メンバー5人の変身後を描いた初期案が掲載されている。大まかなデザインは決定項と変わらないが、見比べると微妙な変化が見て取れる。
ストーリー
- ジュリオの途中退場:敵キャラであるジュリオは浄化されたら物語から退場させる予定だった。しかし予想外に愛されキャラになってしまったため、退場させるには偲びないということでプリキュアの仲間になる形へとストーリーが急遽変更となった。(『アニメージュ キラキラ☆プリキュアアラモード増刊号』より。詳細はピカリオの項目を参照)
- ペコリンプリキュア化案:夏の追加戦士として、ペコリンをプリキュアに覚醒させる案が企画のごく初期段階で出されていた。しかし検討を重ねた結果、「ペコリンと追加戦士は別」という方針になる。(animateTimesのインタビュー記事より、出典一覧参照)よって、この案は消滅したと思われたが…(リンク先記事を参照のこと)。
HUGっと!プリキュア(2018年)
基本設定
- ビシンは当初男性的な、筋肉質のキャラクターを想定していたが、初登場回の脚本を担当した田中仁の独断により幼く中性的な雰囲気になった。坪田文も3クール目終了までは田中に責任を取らせるのを条件に渋々了承し、キャラクターデザインもそれに合わせたものが作られている。(『アニメージュ HUGっと!プリキュア増刊号』より)
キャラクターデザイン
- キュアエトワールのデザイン案:キュアエール及びキュアアンジュと同系統の髪飾りを着けるはずが、キャビンアテンダントモチーフにした影響で入れる場所が無くなったとのこと。またスカートのデザインや髪型も当初異なるものを想定していた(アニメージュ2018年7月号)
クロスオーバー映画
映画プリキュアドリームスターズ!
- プリキュアオールスターズとしての企画:当初は2009年から7年続くオールスターズ映画として企画されたもの、ストーリーの厚みやメインターゲットの子供達の認知度(過去のTVシリーズをどこまで知っているか)などを考慮した結果、現行シリーズと過去2シリーズのキャラクターに絞ることとなった。
- その他、鴉天狗の服装変更や一部シーンのエフェクト変更(あるアニメ作品をオマージュものだが、ギリギリのタイミングで没に。詳細は割愛する)がある。(ニコニコ生放送第26回『CGWORLD CHANNEL』より)
出典一覧
書籍
※刊行順不同(カッコ内は刊行年)、絶版しているものも含みます。
- プリキュアぴあ(2011年)
- プリキュアシンドローム!(2012年)
- プリキュア新聞(各号)
- 東映アニメーションワークス
- 稲上晃 東映アニメーションワークス(2016年)
- 川村敏江 東映アニメーションプリキュアワークス(2014年)
- 香川久 東映アニメーションプリキュアワークス(2016年)
- 馬越嘉彦 東映アニメーションワークス(初版:2011年、改訂版:2014年)
- 高橋晃 東映アニメーションプリキュアワークス(2015年)
- 佐藤雅将 東映アニメーションプリキュアワークス(2017年)
- 中谷友紀子 東映アニメーションプリキュアワークス(2018年)
- オフィシャルコンプリートブック
- スマイルプリキュア! コンプリートファンブック(2013年)
- ドキドキ!プリキュア オフィシャルコンプリートブック(2014年)
- ハピネスチャージプリキュア! オフィシャルコンプリートブック(2015年)
- Go!プリンセスプリキュア オフィシャルコンプリートブック(2016年)
- 魔法つかいプリキュア! オフィシャルコンプリートブック(2017年)
- キラキラ☆プリキュアアラモード オフィシャルコンプリートブック(2018年)
- アニメージュ
- 2012年6月号
- 2014年6月号(当該記事は増刊号に再録)
- 2014年12月号増刊 ハピネスチャージプリキュア!特別増刊号
- 2016年9月号(当該記事は増刊号に再録)
- 2017年1月号増刊 魔法つかいプリキュア!特別増刊号
- 2017年9月号(当該記事は増刊号に再録)
- 2018年1月号増刊 キラキラ☆プリキュアアラモード特別増刊号
- 2018年7月号
- 2019年1月号増刊 HUGっと!プリキュア特別増刊号
- CGWORLD 2017年5月号(225号、4月10日発売)
- 香川 久×馬越嘉彦 バトルヒロイン作画&デザインテクニック(2017年5月13日発売)
その他
- キュアパルフェお披露目直前! 暮田公平SD、貝澤幸男SD、神木プロデューサーに聞く、『キラキラ☆プリキュアアラモード』が6人チームとなったその理由とは!?(2017/7/14掲載、最終閲覧日:2017年12月2日。配信:animateTimes)
- 第26回『CGWORLD CHANNEL』(2017年4月12日、配信:ニコニコ生放送)