pixivでは初期キャラクターデザインのイラストがいくつか投稿されている。
はじめに
※注意※
ここはプリキュアシリーズの初期設定や没になってしまった展開などをまとめる記事です。
独自の予想や考察は書かないようにお願いします。
条件は、雑誌などの資料やスタッフインタビュー、公式で発表された明確な情報であること。
なるべく出典が分かるように書いてください。
また、他サイトや雑誌の文章を丸写しするのは禁止です。
記事内の表記について
これ以降の本文等にて、以下のように略記している場合があります。
- ふたりはプリキュア Max Heart→『Max Heart』
- ふたりはプリキュアSplash☆Star→『Splash☆Star』
- Yes!プリキュア5→『5』、Yes!プリキュア5GoGo!→『5GoGo』
- この2つのTVシリーズを総称して『Yes!プリキュア5シリーズ』
- TVシリーズの『オフィシャルコンプリートブック』(ただし『スマイルプリキュア!』に限り、『コンプリートファンブック』)を、シリーズタイトル名を省いて表記。
- 東映アニメーションワークス→『○○(キャラクターデザイナー名)ワークス』
- 例)『稲上晃東映アニメーションワークス』→『稲上晃ワークス』
- アニメージュ○月号増刊 ○○(TVシリーズ名)特別増刊号(ハピネスチャージプリキュア!以降)
- →『アニメージュ○○増刊号』、『増刊号』
- シリーズディレクター→『SD』
また、2011年刊行の『プリキュアぴあ』については、後発の『プリキュアぴあ2015』との区別の為に、『プリキュアぴあ(2011年版)』と表記することがあります。
ふたりはプリキュア(2004年)
キャラクターデザイン
キャラクターデザインの初期設定は、後述の「MaxHeart」「Splash☆Star」と共に、『プリキュアぴあ(2011年版)』や『稲上晃ワークス』に(一部)収録している。
『稲上晃ワークス』には、以下のイラストが掲載されている。
- プリキュアコスチュームは、(オーディション時含め)3段階の画を掲載。
- オーディション時の画は、(上記イラストで分かるように)美墨なぎさと雪城ほのかの身長の差が逆転していたり、キュアブラックのコスチュームがパンツ着用だったりするなど決定稿との差異点は多い。
- この他、雪城さなえと忠太郎、ダークファイブの面々のラフも収録。
なお、同じく当シリーズのキャラクターオーディションに参加していた香川久氏のキャラデザインも『香川久ワークス』に収録されている。
ふたりはプリキュアMaxHeart(2005年)
キャラクターデザインの初期設定は、上記と同じく『稲上晃ワークス』に収録。
ふたりはプリキュアSplash☆Star(2006年)
キャラクターデザイン
上記と同じく『稲上晃ワークス』に収録。以下はその内容である。
- TVシリーズからはプリキュアコスチュームの最初期のものとデザイン決定間近のものを、単独映画からはゲストキャラとなるアワーズ、ミニッツ、サーロインのラフ、そして没となったプリキュアのメタリックコスチューム(いわゆる「スーパープリキュア」)の案が収録されている。
- プリキュアのコスチュームに関しては、掲載したもの以外にかなりの量を書き上げていたようだ(同書記述より)。
ストーリー
- 幻の二年目
- 2年8クールの物語が初期に構想されていたが、マーケティングの失敗(詳細は作品記事を参照)により1年4クールで完結させることになった。これに伴い、3クール目以降のプロットが大幅に改変されている。
Yes!プリキュア5シリーズ(2007年-2008年)
「5」「5GoGo!」ともに、インタビュー本『プリキュアシンドローム!』や『川村敏江ワークス』に収録(ただし、どちらか片方の本にのみ収録される画もある)。
Yes!プリキュア5(2007年)
基本設定(5)
- 「チアリーディング」
- 企画の初期段階で出されたアイデア。キャラクターデザインのイメージとしても挙げられている(『プリキュアシンドローム!』より)
- 「生徒会プリキュア」・「会社プリキュア」
- 妖精のココ・ナッツの初期名称
- それぞれ「デリ」「バリ」の仮称があった。この名前はキャラクターデザインの初期稿に残されている(『川村ワークス』より)。
キャラクターデザイン(5)
- 最初期のものは、プリキュアのデザイン(特にキュアミントとキュアアクア)や制服(この時点ではセーラー服)が決定稿とかなり異なる。
- このほか、『川村ワークス』にはデスパライアのラフ画も収録。
- 小村敏明SDによるラフ: 「キャラクターデザインのアイデアになれば」と書いたもの。ギリンマ、アラクネア、ガマオ、コワイナーのラフが『プリキュアシンドローム!』に収録されている。
その他(5)
- キュアレモネードは(人物像・デザインの両面で)設定にかなり悩んだとのこと(『プリキュアシンドローム!』より)。
- メタモルキャッパー
- バイク好きの鷲尾天プロデューサーによる年末アイテム案。詳しくは当該記事を参照(同上)。
- その他、バンダイ側から「プリキュアウォッチ(仮)」や魔法アイテムの提案があったが、プリキュアのコンセプトと合わず却下となっている(同上)。
Yes!プリキュア5GoGo!(2008年)
キャラクターデザイン(5GoGo)
- 『川村敏江ワークス』にはキュアドリーム達の新コスチュームラフを収録。
- ミルキィローズ及び美々野くるみは、デザインが難航したようで検討画に髪型を迷った形跡がみられる。またバンダイによるイメージ検討画もある(ともに『プリキュアシンドローム!』に収録)。
その他(5GoGo)
- これまたバンダイ側から、銃型のアイテムの提案が出されるも却下となっている(『プリキュアシンドローム!』より)。
- プリキュア・アクアキック
- キメ技の案として、小村敏明SDが考えた技。他のキメ技の案がほぼそのまま使われたのに対し、これのみ没となっている(同上)。
フレッシュプリキュア!(2009年)
キャラクターデザイン
キャラクターデザインの初期設定は、プリキュア・ラビリンス幹部3人・町の人々のラフ画を『香川久ワークス』に収録されたほか、「香川 久×馬越嘉彦 バトルヒロイン作画&デザインテクニック」においてもイースとキュアパッションのラフ画が収録された。
多くのラフが、最初の段階でかなり完成に近いものとなっている。ただし、イースのデザインは一番難航しており、またキュアパッションのデザインも試行錯誤を重ねている(詳細は下記)。
- イースの髪型
- 当初の髪型はショートカットだったが、メインターゲットの幼児にウケないと判断され変更した。
- キュアパッションのコスチューム
- ピーチたちのような衣装の色違いになることを想定していたが、同じようなデザインだと追加戦士として埋もれてしまうので変更。ピーチたちとは対照的に肌を見せないデザインとなった。
ハートキャッチプリキュア!(2010年)
キャラクターデザイン
『馬越喜彦 東映アニメーションワークス』にてスーパーシルエットの変身アイデアが収録されている。
直線的な衣装は早くに決まったようだが、背中に背負う光のパターンを試行錯誤している。
スイートプリキュア♪(2011年)
キャラクターデザイン
キャラクターデザインの初期設定は、『高橋晃ワークス』に収録。
- キュアメロディ・キュアリズムの初期案
- 第一稿(オーディション時)は、前年の「低頭身のデザイン」を想定し描かれた。キュアメロディは赤、キュアリズムは青を基調としていた。決定稿とは大幅に違うデザインだが、音楽をモチーフにしていることは変わらない。
- 第二稿の時点で完成形の要素がほぼ揃い、第三稿~最終稿にかけてディテールを詰めていっている。
- 単独映画からはゲストキャラのスズ、メイジャー3、ハウリングのラフ画等を収録している。
スマイルプリキュア!(2012年)
基本設定
- 一人プリキュア
- マンネリ打破のために出された案だが、あの出来事をきっかけに方針転換。この案はお蔵入りとなった(詳しくは作品記事を参照)。
- 「チアリーディング」
キャラクターデザイン
『スマイルプリキュア! コンプリートファンブック』や『川村敏江ワークス』に収録。
- 『コンプリートファンブック』には、プリキュアのデザイン決定間近の画のみを掲載。
- プリキュアのデザインは、第一稿(オーディション時)の時点で(決定稿との差異はあるが)髪型等の基本的なフォルムはほぼ決まっている一方、コスチュームは様々なデザインが検討されている(川村敏江ワークスより)。
- キュアマーチのカラーリング:企画当初は紫だったが、5人が並んだ時の全体的なイメージに「明るい虹色感」が欲しかったため、緑に変更された(アニメージュ2012年6月号より)。
ドキドキ!プリキュア(2013年)
キャラクターデザイン
『ドキドキ!プリキュア オフィシャルコンプリートブック』や『高橋晃ワークス』でラフ設定画が収録されている。
プリキュア
『オフィシャルコンプリートブック』にて初期設定デザインラフが公開された。のちに『高橋晃ワークス』にも収録。
- キュアハートの初期案(第一稿(オーディション時)) 髪がピンク色なので現在とは大きく印象が異なる。
- キュアロゼッタの初期案(第二稿~第三稿)
- キュアエースの初期案(イメージスケッチ)
その他のキャラクター
『高橋晃ワークス』にラフ画を収録。
- ジコチューの幹部の面々については、イーラとベールの服装が決定稿と違っていたりする一方、マーモのようにほとんど完成形になっていて、そこから細かく修正されているキャラクターもいる。
- 単独映画からは、以下のラフスケッチを収録している。
- キュアハート・エンゲージモードの初期案: ドレスの形状の違う、2パターンのものを収録。決定稿は上野ケンが担当。
- マロの初期案: 痩せた体型であるなど、決定稿とはデザインがかなり異なる。
- マシュー: 初期ラフを収録している。女性的なデザインだが、最終的にマシューは男性キャラとなっている。
- この他、坂東いすずや「大人になったマナ達」、「誕生後間もない時のマナ」、クジラ(マシューたちの乗るクジラ飛行船のデザインの元)のものも収録されている。
- また、ワークスでラフ画は公開されていないが、レジーナの初期案では髪の先端がプリキュアと同じくゼンマイのような内巻きになっていたということが、アニメージュ誌のインタビューで柴田プロデューサーから明かされている。
ストーリー
本作は企画段階では「初期は3人チーム、夏頃にキュアソードが仲間入りして最終的に4人チームとなる」という構想だったのだが、第1話が完成した直後に玩具展開などの大人の事情で「キュアソードの仲間入りを第6話までに早めること」「新しい5人目の戦士を夏頃に追加すること」という2点が急遽決定された。そうして作り上げられた5人目の戦士がキュアエースである。エース投入の影響で一年のストーリー構成は再構築が余儀なくされ、当初予定していたネタの多くが尺が足りずにカットされている。カットされたネタは数え切れないようだが、『オフィシャルコンプリートブック』で指摘されている大きなものとして以下のようなものがある。これらの一部は小説版で再活用されている。
- ゴーマ・ルスト
- ジコチューの幹部として、制作の最初期に考えられた敵キャラクター。尺の関係などの諸事情でこの2人は没キャラとなってしまったが、第46話の回想シーンでシルエットのみ登場。同書の製作者インタビューにて、名前のみ判明している。
- トランプ王国の先輩プリキュア
- キュアソードは第一話時点で「トランプ王国最後のプリキュア」という肩書きで紹介されたことからわかるように、設定上ではソードには先輩プリキュアがいっぱい存在している。ソードが先輩プリキュアが残した思いを継ぐようなドラマを当初は予定していたようだが、ソードの仲間入り時期が夏頃から第6話に大幅に前倒しされたため、新しい仲間との絆を描くことが優先ということや尺の関係から、先輩プリキュアに関する要素は作中では一切描かないことが早々に決定された。
- 四葉ヒロミチ
- 恋愛ネタ
- 初期の構想では、主人公の相田マナに恋愛要素を盛り込む予定だったが、マナが想定以上に大物に描かれすぎて「マナと釣り合えるような男性キャラが出しにくい」という理由で恋愛路線は早々に切り捨てることになった。
ハピネスチャージプリキュア!(2014年)
キャラクター名
プリキュアの初期キャラクター名:初期段階ではキュアラブリー以外の3人は別の名前が案として挙がっていたが、「かっこよさはあるけどかわいくない」ことから変更された。長峯達也SDがアニメージュ2014年6月号誌上で明かしている。
- キュアブレイブ
- キュアプリンセスの初期名称案。「勇気」を属性としたことによるが、彼女が王女である事からそのまま現在のものに変更。「勇気」はブルーハッピーシュートの決め台詞「勇気よ、天に帰れ!」に名残を残している。
- キュアテンダー
- キュアマーシ
- キュアフォーチュンの初期名称案。「慈愛」を意味する名前だったが、「運命」が属性である事から現在のものへと変更されている。
- 相楽誠司の初期キャラクター名
- 当初は「大山」という名字がつけられていたが、後に今のものに変えられた。この名前は、表情設定のイラストに残されている(『佐藤ワークス』より)。
キャラクターデザイン
『佐藤雅将ワークス』にラフの一部を掲載。なおキュアラブリーなど、当初のアイデアをほぼそのまま決定稿に反映したキャラクターも多いようである(同書記述より)。
- キュアプリンセスの初期案
- ラフでは髪飾りの王冠の形が異なる。
- キュアハニーの初期案
- 袖口・リボンの形状が違ったり、髪のボリュームが決定稿より少ない。
- キュアフォーチュンの初期案
- 当初はバンダイからの案を基にしたデザインだったが「OLのようになってしまった」という理由で没になり、決定稿のデザインになった(掲載されているラフには、その旨が書かれている)。またこのラフでは、髪型や袖口の形状、身長が決定稿と異なる。なお、ペンシルスカートと長身の設定は、のちにキュアテンダーに生かされている。
ストーリー
『オフィシャルコンプリートブック』に掲載。
- 大森ゆうこ編の存在
- 大森ゆうこには実は何らかの「心の迷い」がありそれを乗り越える試練をシリーズ後半に描く構想があったが、ゆうこが想定以上に落ち着いた大人のキャラになったため、彼女に迷いを描くのは似合わないとしてゆうこ編は丸ごとなくなった。彼女の迷いのようなものが何にする予定だったかは公式で語られたことはない。
- 愛乃かおりの病気
- 主人公のめぐみの母親は不治の病を患っているという設定があるが、これは「めぐみに、母の命と世界の平和とどちらかを選ばせる」という究極の選択を終盤に突きつけるつもりで用意されたもの。ただし放映開始後に「やはりその展開は重すぎる」とスタッフ内で懸念が示されたため、母親の病気は命に関わるものではないとされ、終盤のストーリー展開が大幅に組み直された。
その他
- キュアエコーのプリキュア10周年おめでとうメッセージ
- 田中裕太氏が、こっそり絵コンテを切っていた(自身のTwitterで明かしている)が、彼女の「特殊な立場」のために製作されなかった。
- 最終回エンドカード没案
- 当シリーズのキャラと次シリーズを引っ掛けたネタだが没に。そのイラストは、キャラクターデザインとこのエンドカードを担当した佐藤雅将氏が、自身のTwitterで投稿している。
Go!プリンセスプリキュア(2015年)
キャラクターデザイン
キャラクターデザインについては『オフィシャルコンプリートブック』に決定稿までの経緯が語られているほか、キュアフローラ・キュアマーメイドのラフ画が『中谷友紀子ワークス』に掲載。
- キュアフローラの初期案
- 最初は「ふたりはプリキュア」のキャラクターと同じ頭身で描いていたが、その後現在の頭身に変更している。衣装については、決定稿のもととなった案のほかにいくつか別の案を作り試行錯誤していたが、最終的にはもとの案に戻ったという。
- キュアマーメイドの初期案
- 試行錯誤が一番多く、特に前髪の形を悩んでいたという。当初はをぱっつん髪にしていたが、後に現在の編み込みのあるデザインが採用されている(ぱっつん髪はその後キュアトゥインクルのデザインで使用)。
- キュアスカーレットの初期案
- 当初は別の髪型を提案したがNGになり(この髪型は後にトワイライトに使用)、ヘアスタイルに悩んだという。
この他、キュアトゥインクルは衣装の「星モチーフ」のパーツ配置に悩み、敵首領・ディスピアのデザインが難航したほか、七瀬ゆいは(田中SDの細かな要望により)メガネの構造が変更されている。(『オフィシャルコンプリートブック』『中谷友紀子ワークス』より)
ストーリー
- 敵キャラの扱い
- 元々は悪い奴をぶっ飛ばす勧善懲悪の作風を目指しており、フレッシュプリキュア以降で定番となっている「敵キャラとの和解」は今回はしないと宣言していた。夏までに各種雑誌で掲載されていたスタッフインタビューでもそのことはよく書かれている。しかし結局はスタッフのほとんどが敵キャラに感情移入してしまい(『オフィシャルコンプリートブック』より)、シンプルな勧善懲悪ではなく善悪の彼岸を問うようなビターな作風になった。ディスダークの項目も参照。ただし初期の宣言通りに「和解」はしていない。
その他
- 合体技「プリキュア・グラン・プランタン」
- 当初はプリンセスパレス、ロイヤルキー、プリンセスパフュームの3アイテムを併用する技の予定だった。しかし手順が煩雑になってしまう上に見せる手順が多すぎることで、玩具・アニメの両方において楽しさよりも作業感が出てしまうという懸念から、玩具の仕様を見直して現在の(パフュームを使用しない)形になった。
- 最終フォーム「ロイヤルマジェスティ」
- 上記の合体技において、当初登場予定だったスーパープリキュアの名称。上述の「技の発動手順の見直し」の関係で没になり、代わりにロイヤルドレス(名乗り口上では「ドレスアップロイヤル」)が使用された。ただ、最終決定前に既に音声を収録していたため、「ロイヤルマジェスティ」というワード自体は、ロイヤルキーとパフュームによる「ホープキングダムに行くための“ワープ呪文”」として使用された。
なお、これら上記2つの設定については田中裕太SDが自身のTwitterで明かしている(複数回に分けてツイートされているため、外部リンクの掲載はしないこととする)。
魔法つかいプリキュア!(2016年)
キャラクターデザイン
キャラクターデザインのうち、TVシリーズのものは『オフィシャルコンプリートブック』にキュアミラクル・キュアマジカルのオーディション時ラフを掲載。細かな修正(キュアマジカルの胸飾りなど)はあるが、決定稿とほぼ変わらない。
- はーちゃんの初期デザイン
- 宮本絵美子 東映アニメーションプリキュアワークスに掲載されている初期デザインでは顔その物を花に見立てる等、現在のデザインとは全く異なる容姿となっていた。
単独映画のものについては、『アニメージュ魔法つかいプリキュア!増刊号』にて、初期案やラフを収録している。初期案はキャラクターデザインを手がけた上野ケン、ラフは田中裕太監督と元アニメーターで上野ケンと関係があったという古家氏によるもの。
キュアモフルンの初期案
初めに田中監督がイメージラフ→検討用ラフスケッチを描き起こし、それを基に上野氏が以下の4パターンの案を着彩込みで作成し、デザインを検討した。
- A案: ツインテールを2つ重ねたような髪型で、帽子と★の装飾が入る。服は白をベースに上半身の肩部分に黄色とピンクをあしらった物となっており、この段階でスカートではなく短パン系のズボンとなっており、小さいながらフリルも付いている。
- B案: 髪型は決定稿のキュアモフルンに近いが、決定稿ではケモミミとなってた部分がb案では丸く纏めた髪となっており、このb案のみ、額には★のマークがある。服装は黄色をベースに大小ピンクのリボンと緑のサスペンダーが着く。またズボンの色も白からピンクになり、A案より長めなフリルがつけられている。
- C案: 髪型・腰や手袋のデザイン・かぼちゃパンツに重ねたスカート等、決定稿のベースとなったデザイン案、正し、胸下から腰まで腹部が露出していると言う大胆なへそ出しが特徴で、服のベース色がピンクとなっている。
- D案:A案のバリエーションで、髪型が前下がり飾り髪となり、衣装もA案から大幅に変わっている。
このデザイン案から、最終的にはc案をベースに4つのデザイン案の良い所取りの様なデザインとなった。またカラフルスタイルは田中監督のラフが掲載されており、初期トパーズ形態では熊型トパーズファンネルが出るといったギミックのアイデアが出されている。
なお、田中監督による(最古の)イメージラフは、同氏のTwitterで投稿されている。
その他のキャラクター(映画)
- ダークマターの初期案
- 田中監督のラフを掲載。体型など決定稿との差異点はあるが、基本的な要素は既に揃っている。
- 補習メイトとフランソワのお祭り衣装の初期案
- 上野氏が、古家氏にデザインアイデアを依頼し出されたアイデア案を掲載。決定稿とあまり変わらない。
ストーリー
- プリキュアオールスターズとの共演
- 企画時点の構想では年末最後の放映回でラスボスを倒して本編ストーリーを終了させ、年始からの一ヶ月はプリキュアオールスターズが全員共演する番外編を製作する予定だった。これはプリキュアシリーズの各作品が2月から放映開始する関係上、いつも年始の時期にクライマックスのシリアスな展開に入って正月の賑やかな空気感とマッチしないことを解消したいという鷲尾天のアイデア。ただ、現場の負担が大きくなるとしてこの案は早々に没となった。なお、実際に放映された最終回で次回作キラキラ☆プリキュアアラモードとコラボしたのはこの初期案の名残である(『オフィシャルコンプリートブック』より)。そして「TVでオールスターズ」という願いは、2年後の「HUGっと!プリキュア」で叶うこととなる。
- モフルンの性別関係
- シリーズ構成の村山功氏は初期段階ではモフルンの性別を女の子としており、それに伴って「みらいがモフルンと話して初めて女の子と気づいて驚く」という話を盛り込むプランがあったと語っている(アニメージュ2016年9月号)。最終的には「モフルンの性別はない」というのが公式設定となった。
- 椎名隆一
キラキラ☆プリキュアアラモード(2017年)
基本設定
- 肉弾戦の扱い
キャラクターデザイン
- キュアホイップのオーデション時のデザイン案
- オーディション時に掲載されたキュアホイップでは基本的なデザインは変わらないものの、大きなツインテールに白い斑点があったり、腹部にハートが2つボタンの様に配置されていたり、スカートの装飾(オーディジョン版は2つのハートの合間にクリーム型のカーテン?を配置)が決定稿版と異なる。(井野真理恵東映アニメーションプリキュアワークス)
- キュアパルフェ&キラリンのデザイン案
- ワークス本に掲載されたキュアパルフェのデザイン案では両肩にレインボー柄のパフスリーブ(片側に付ける案も掲載)を身に着け、胸部から腹部にかけての服も中央部がオレンジを配置し、スカートも左右対称な構造で上から紫・赤・白・緑(色を濃くした案も掲載)で配色されていた。
- またキラリンも髪型の構造が違っていたり、首からはペコリンと同じ様な涎掛けを装備していた。
- 琴爪ゆかりの別デザイン案
- ノワールの初期案
- 暮田公平SDはTVシリーズに登場するキャラクターなどのデザインのイメージラフを多く描いており、その一部を『アニメージュ キラキラ☆プリキュアアラモード増刊号』に掲載している。ほとんどは実際のデザインに踏襲されているが、ノワールだけは大きく異なり、元は仮面をかぶっていない50〜60代の大柄な男性で、ロングコートを羽織り革手袋をしていた。ただ、「実体ではないかもしれない」と注意書きがあり、真の姿は別にあるという設定ではあった様子。
- 変身アニマル(映画)の初期案
- 土田豊監督による原案ラフスケッチを『増刊号』に掲載。(カメホイップを除く)公開されているラフデザインは概ね決定稿と同じだが、細かな点が異なる。
- 変身後の初期案
- オフィシャルコンプリートブックにて初期メンバー5人の変身後のラフスケッチが掲載されている。大まかなデザインは決定項と変わらないが、見比べると微妙な変化が見て取れる。
ストーリー
- ジュリオの途中退場
- 敵キャラであるジュリオは浄化されたら物語から退場させる予定だった。しかし予想外に愛されキャラになってしまったため、退場させるには偲びないということでプリキュアの仲間になる形へとストーリーが急遽変更となった。(『アニメージュ キラキラ☆プリキュアアラモード増刊号』より。詳細はピカリオの項目を参照)
- ペコリンプリキュア化案
HUGっと!プリキュア(2018年)
基本設定
- ビシンの初期設定
- ハリハム・ハリーのライバルキャラとも言えるビシンは当初は「男性的で筋肉質の暑苦しい熱血兄貴」として想定されていたが、初登場回の脚本を担当した田中仁が独断で「幼く中性的なヤンデレショタ」に変えてしまった。シリーズ構成の坪田文は田中に何のつもりなのかと問い詰めるが、田中は(自分が考えたキャラの方が)絶対に面白いといって譲らず、最終的に坪田は田中に責任を取らせる形でビシンに関する描写をすべてコントロールするよう押し付けたのだという。結果的に田中は水を得た魚のごとく活躍し、キャラクターデザインも田中の案にそれに合わせたものが作られることになった。ビシン登場後の視聴者からの反応が良好なこともあって、最終的には坪田も「仁さんの言っていた方が正解だった」と認めており、4クール目で自分がビシン登場回を担当するときは田中のアドバイスを色々と受けていたということ。(『アニメージュ HUGっと!プリキュア増刊号』より)
- 未来世界の時間軸
- 敵組織であるクライアス社は元々は「はるか遠い未来の時代」からやってきた時間侵略者というイメージから設定された組織である。しかしプロデューサーの佐藤順一が「未来の時間軸を10年とか20年とか先にしても子供達の体感時間では”未来”を感じられる」と提唱したことで、クライアス社がやってきたのは本作の主人公達が大人になったくらいの時代という形に変更された。(オフィシャルコンプリートブック)
- この時間軸設定の大幅な変更によって、本作のキーパーソンであるはぐたんが実は主人公である野乃はなの娘であったこととか、「別の可能性をたどった未来」ではながどのような運命を辿るかというSF的解釈など、本作の後半のストーリーの根幹となる諸要素が生まれることになった。
- その一方で、クライアス社は元々は遠未来からやってきたイメージで設定されていたので、わずか10〜20年で社会があまりにも変化しすぎてるのではという違和感も生んでしまっている。
- 敵組織であるクライアス社は元々は「はるか遠い未来の時代」からやってきた時間侵略者というイメージから設定された組織である。しかしプロデューサーの佐藤順一が「未来の時間軸を10年とか20年とか先にしても子供達の体感時間では”未来”を感じられる」と提唱したことで、クライアス社がやってきたのは本作の主人公達が大人になったくらいの時代という形に変更された。(オフィシャルコンプリートブック)
キャラクターデザイン
- キュアエトワールの初期案
スター☆トゥインクルプリキュア(2019年)
基本設定
ストーリー
- 第40話~第41話の展開
キャラクターデザイン
- キュアスターとキュアミルキーのデザイン
- 本作のために改訂された『高橋晃ワークス』にオーディション用の初期ラフが掲載されている。大まかなデザインは完成形に踏襲されているが、相違点も随所に見られる。
- 星奈ひかるのデザイン
ヒーリングっど♥プリキュア(2020年)
ストーリー
- 劇場版との連動エピソード
- オフィシャルコンプリートブックでで明かされたことによれば、劇場版が公開される直前の時期にTV本編に『プリキュア5』メンバーをゲスト出演させる構想があったとのこと。
- その話で『プリキュア5』メンバーと『ヒーリングっどプリキュア』メンバーが初めて顔を合わせ、最後に一緒に東京に遊びに行くという形で終わり、そのまま映画に繋げると想定であった。
- しかし、新型コロナウイルス禍による公開延期やTVシリーズの放送話数が減ってしまった影響で『プリキュア5』メンバーをTVに出すことが難しくなり、両チームは映画で初めて出会う形に物語を変更することになった。
- 最終回の存在
- 「地球のお医者さん」がコンセプトの本作だが、最終回は「地球にとって一番の病気は人間という種がはびこっていることだ」と示唆するビターな終わり方をしている。だがこれは元々予定されていた内容ではなかったことがオフィシャルコンプリートブックで語られている。
- 本作では企画段階の相当初期の時点から「子供たちが困惑しないように、人間が地球の害になる話はやらない」というコンセプトで制作され続けていた。しかし、コロナ禍によるスケジュールの乱れの影響から、終盤で一話削られる可能性が発生したのだという。しかも、それが削られるか削られないかは脚本執筆時点ではわからなかった。
- そこでシリーズ構成の香村純子は、一話削られた状態でも物語が完結するようにして、もしも一話削られなかった場合は後日談を描くような形にした。そして香村は「地球に対する人間の罪を描かないとこの作品は完成しない」と密かに思い続けていたため、この後日談にその思いを込めたのである。
- これは重大なタブー破りであったが、そもそもこの話が放映されるかどうかわからなかったこともありそのまま採用された。だが結果的に、この話は放映されることになり、視聴者に強い印象を残すことになった。
トロピカル〜ジュ!プリキュア(2021年)
基本設定
- ローラの設定
キャラクターデザイン
デリシャスパーティ♡プリキュア(2022年)
基本設定
- 菓彩あまねの設定
- 構想段階では「市長の娘」と設定されていたが、ストーリーの縦軸の多さゆえに没となった。
ストーリー
ひろがるスカイ!プリキュア(2023年)
登場人物について
- 夕凪ツバサ(キュアウィング)の初期案
- スキアヘッドの設定
- 当初は「知識欲の深さから世界の破滅を見たがる人物」と設定されていたが、後にプリキュアや視聴者にとって理解できない動機を考えるにあたってシリーズ構成・金月龍之介氏の案で「人を人とも思わず入れ物扱いする」人物へと設定変更された(アニメージュ雑2024年3月号での小川孝治ディレクターへのインタビュー記事より)。
ストーリー
- カイザー・アンダーグ暗殺の真実
- 初期案では本当にキュアノーブルがカイザーを殺した設定だったが、あまりにハード過ぎてテーマにそぐわないとして没になり、真犯人がカイゼリン・アンダーグにそのような内容の偽の記憶を植え付けた設定に変更された。
わんだふるぷりきゅあ!(2024年)
基本設定
- 主人公の設定
- 企画の初期は飼い主が主人公というプランもあったが、本当に動物との交流を描くのなら犬自身の思いを人間の想像だけだとしても見せていくのも大事だろうという意見が出たため、「ならばいっそ主人公は犬にしてみよう」ということで犬が主人公という形となった。(アニメージュ2024年3月号85頁より)
ストーリー
- キュアニャミーの登場のさせ方について
映画
- キャラクターデザイン
- ストーリー展開
- 本編ではわんだふるぷりきゅあ4人と大福、およびモフルンがゲームの世界で冒険しているが、当初は客演のひろがるスカイプリキュアと魔法つかいプリキュア全員もCG化してゲームの世界に突入する案があった。しかし、全員分のCGを作るのは流石に無理だったので、客演側はモフルンのみの参加になった。(アニメディア2024年11月号43頁より)
クロスオーバー映画
映画プリキュアドリームスターズ!
- プリキュアオールスターズとしての企画
- 当初は歴代プリキュア全員が登場する映画「プリキュアオールスターズ」の一つとして企画されたもの、ストーリーの厚みやメインターゲットの子供達の認知度(過去のTVシリーズをどこまで知っているか)などを考慮した結果、現行シリーズと過去2シリーズのキャラクターに絞ることとなった。
- その他、鴉天狗の服装変更や一部シーンのエフェクト変更(あるアニメ作品をオマージュものだが、ギリギリのタイミングで没に。詳細は割愛する)がある。(ニコニコ生放送第26回『CGWORLD CHANNEL』より)
映画プリキュアオールスターズF
- プリキュアオールスターズとしての企画
- 当初は限られた上映時間で80人近くに上るプリキュア全員を登場させるのは困難という想定の元、後半10年分に絞ったクロスオーバー作品を予定していたが、後に村瀬亜季プロデューサーからの要望によりオールスターズ作品へと方針転換した。
- ストーリー設定
- メインキャラクターのチーム分けについては、スカイチームが直近3作品の主人公とプリムですんなり決まったが、その他の3チームは難航している。プリズムチームは主人公の相棒で固める方針だったがそれでは話が回らないため花寺のどかと菓彩あまねが編入。春野はるかをプリズムチームに入れる構想もあったが、最終的にはウィングチーム所属になった。
- 本作のキーパーソンにして真の黒幕だったプリムことシュプリームは勧善懲悪の敵として倒される結末が想定されていた。しかし、鷲尾プロデューサーから「プリキュアに憧れることを悪く描くのはやめてほしい」と要請された結果、完成作品のような結末となった。(アニメイトタイムス 2023年10月6日記事)
出典一覧
書籍
※刊行順不同(カッコ内は刊行年)、絶版しているものも含みます。
- プリキュアぴあ(2011年)
- プリキュアシンドローム!(2012年)
- プリキュア新聞(各号)
- 東映アニメーションワークス
- 稲上晃 東映アニメーションワークス(2016年)
- 川村敏江 東映アニメーションプリキュアワークス(2014年)
- 香川久 東映アニメーションプリキュアワークス(2016年)
- 馬越嘉彦 東映アニメーションワークス(初版:2011年、改訂版:2014年)
- 高橋晃 東映アニメーションプリキュアワークス(2015年)
- 佐藤雅将 東映アニメーションプリキュアワークス(2017年)
- 中谷友紀子 東映アニメーションプリキュアワークス(2018年)
- オフィシャルコンプリートブック
- スマイルプリキュア! コンプリートファンブック(2013年)
- ドキドキ!プリキュア オフィシャルコンプリートブック(2014年)
- ハピネスチャージプリキュア! オフィシャルコンプリートブック(2015年)
- Go!プリンセスプリキュア オフィシャルコンプリートブック(2016年)
- 魔法つかいプリキュア! オフィシャルコンプリートブック(2017年)
- キラキラ☆プリキュアアラモード オフィシャルコンプリートブック(2018年)
- HUGっと!プリキュア オフィシャルコンプリートブック(2019年)
- スター☆トゥインクルプリキュア オフィシャルコンプリートブック(2020年)
- ヒーリングっど♥プリキュア オフィシャルコンプリートブック(2021年)
- ひろがるスカイ!プリキュア オフィシャルコンプリートブック(2024年)
- アニメージュ
- 2012年6月号
- 2014年6月号(当該記事は増刊号に再録)
- 2014年12月号増刊 ハピネスチャージプリキュア!特別増刊号
- 2016年9月号(当該記事は増刊号に再録)
- 2017年1月号増刊 魔法つかいプリキュア!特別増刊号
- 2017年9月号(当該記事は増刊号に再録)
- 2018年1月号増刊 キラキラ☆プリキュアアラモード特別増刊号
- 2018年7月号
- 2019年1月号増刊 HUGっと!プリキュア特別増刊号
- 2020年1月号増刊 スター☆トゥインクルプリキュア特別増刊号
- 2023年1月号増刊 デリシャスパーティ♡プリキュア特別増刊号
- 2023年10月号
- CGWORLD 2017年5月号(225号、4月10日発売)
- 香川 久×馬越嘉彦 バトルヒロイン作画&デザインテクニック(2017年5月13日発売)
その他
- キュアパルフェお披露目直前! 暮田公平SD、貝澤幸男SD、神木プロデューサーに聞く、『キラキラ☆プリキュアアラモード』が6人チームとなったその理由とは!?(2017/7/14掲載、最終閲覧日:2017年12月2日。配信:animateTimes)
- 第26回『CGWORLD CHANNEL』(2017年4月12日、配信:ニコニコ生放送)