概要
海外のロボットアニメ『トランスフォーマー』シリーズに登場する「正義」の陣営の名称。
シリーズを通して登場する組織だが、メンバーは各作品で異なる。
双璧をなす「悪」の陣営として「デストロン(Destron)/ディセプティコン(Decepticons)」が存在する。
※オートボットと呼ばれるようになった時代の作品は「オートボット」の記事を参照。
ちなみに、原語版で「サイバトロン」(Cybertron)はトランスフォーマーたちの母星を指し、国内における「セイバートロン」(綴りはCybertronまたはSeibertron)の読み替え。
サイバトロン軍団の呼称が米語版に倣って「オートボット」となった後のシリーズでは、「セイバートロン星」も「サイバトロン星」と改められた。
原語版での厳密な発音は「オートボッツ(Autobots)」。
『ビーストウォーズ』シリーズでは「マキシマルズ(Maximals)」となっているが、日本版では同じくサイバトロンで統一されている。
2007年に公開された実写映画版以降のシリーズでは、原作に準じて「オートボット」と呼ばれるようになった。
ただし、現在も過去作品を紹介する際は「サイバトロン」と呼ばれている。そのくせセイバートロン星はサイバトロン星と新名称そのままだったりする。
もっとも彼らは自身を『サイバトロニアン(サイバトロン星人)』と呼んでいる。また、地球に来る以前の姿も『サイバトロニアンモード』と呼ばれる事があるので、厳密に言えば間違いではないのだが、旧作を知る人間からすると非常にややこしい。
「マキシマルズ」と「サイバトロン」は別の組織であるため、ビーストウォーズの放映の際は、
書籍などでは旧サイバトロンの方をオートボットの名称で紹介することもあった。
ネットなどでの通称は「サ軍」、米語版での略称は「ボッツ」でこちらは公式・ファンの両方で用いられる。
初代(G1)
地球に墜落してうっかり400万年寝過ごした正義の戦士たち。
総司令官はコンボイ。
デストロンによるセイバートロン星の軍事政権化を嫌い、自分たちの星に平和を取り戻すために立ち上がったレジスタンス組織が前身なので、デストロンに比べて研究者や技術者などが市民出身の者が多い。よってデストロンに比べ、あまり統制が取れていないように見える。
正義側の陣営にしては、血の気が多くデ軍に恨み満載だったりとバイオレンスな連中が多く、
一部のファンから「指定暴力団サイバトロン」とも呼ばれたり、正義の味方とは思えない過激な言動がかなり目立つが、それが名物ともなっている。
(戦闘中以外は)冷静沈着で平和主義者の破壊大t・・・もとい総司令官コンボイの鶴の一声で、地球の資源を狙うデストロン軍団と戦い地球の、そして宇宙の平和を守る事を誓いあう。
地球に来て以後の彼らの姿は
・仕事していない時には遊んでいる
・仕事の時も遊んでいる
・撃ち合いになるとやたら過激な発言をする連中がいる(主にカラーリングが赤いキャラによる)
・よく基地で味方が暴れて大損害を出す
・デストロンへの対処が基本的に武力制圧
と、ネタ的な意味でも大活躍している。
大体は当時のアメリカ製作のアニメにありがちな、後先考えない大味な脚本のせいである。
ちなみに当時のマーベル・コミック版もかなりのカオスである。
メンバー
マイスター(ジャズ)
2010
総司令官は『ザ・ムービー』で死亡したコンボイに変わってロディマスコンボイが務める。(ウルトラマグナスではない)
同映画で大抵の初期メンバーが殉職したので、ほぼ新顔ばかりで構成されている。
新メンバーは元暴走族、No.2、早口オネエ、航空会社、お年寄り、女傑とその彼氏。
サイバトロン破壊大帝と主戦派の赤組がいなくなったせいかブラック企業っぷりはそれなりに薄れたが、やはり相変わらずなところも。
また、上記のレギュラーメンバーのみで話が進んでいく場合が多くなっている。
ヘッドマスターズ
その後はヘッドマスター達と共に宇宙中をあっち行ったりこっち行ったり。
主人公ポジな茶色いスーパーカー、温厚戦車、理的なヘリコプター、大人びたジェット機、優柔不断な戦艦が新メンバー。
超神マスターフォース
プリテンダーとヘッドマスターズJr.とゴッドマスターによる、ロボよりも人間のメンバーが
多い珍しい構成の組織。
初期メンバーでリーダーポジ奪われたジェット機に空気気味なデート好きな戦車や通信ジェト機や水族館潜水艦、元気なパトカー少年、異国の消防車王子、心優しき救急車少女がいる。
追加メンバーでコンボイそっくりな長野出身のトラック青年、お金持ちレースカー青年、自然系バギー大人、レーサーなフォーミラー青年が入った。
V(ビクトリー)
いつの間にかサイバトロンの勢力が拡大。メインメンバーはブレインマスターで
構成されている。今まで放浪していたジェット機が司令官だが、チーム仲は良好。
メンバーは勇者なジェット機、坊やな力のレーシングバギーなどのブレインマスター、高校生なマルチ戦隊、少年レスキュー部隊、六変化な流れ者、黄色いライオンに転生した元トラックなど。
Z(ゾーン)
ユニクロン顔の司令官と、その親友が大体目立っている。
司令官は初代コンボイ司令官に負けず劣らずの破壊大帝っぷりで有名なダイアトラス。
ビーストウォーズ(無印→メタルス→リターンズ)
G1から遠い未来のサイバトロンの一軍。セイバートロンが生んだ動物コント集団。
前述の通り、原語版での組織名はマキシマルズ
座長はムチャゴリラことビーストコンボイ。
惑星エネルゴアにて、ビーストメガトロン率いるデストロンと激しいアドリブ合戦を繰り広げている。また、デストロンとはよく合同公演を行っており、物語を無視したフリートークやテーマ曲の合唱、モノマネ大会が通例となっている。
初期メンバーはムチャゴリラ、じゃん猫、メカネズミ(初期はドブネズミ)、親父くサイ、
ダーダー恐竜の5名。追加メンバーは、
・ござるおじさん、「でしょう」が口癖のハヤブサ(無印)
・ぱたぱた犬、蜘蛛女、魚臭いカニマニアのエイエイ親父、ござるでしょうの愛の結晶(メタルス)
…となっている。皆それぞれ癖の強い芸人ばかりなので、暴走しすぎて収集がつかない事もしばしば。
ちなみにダーダー恐竜も旗揚げ時にデ軍から急遽移籍したので、追加メンバーと言えなくもない。
唯一の良心は大人の都合上ツッコミ役に回る事の多いコンボイ…だったが、彼も彼で好物のバナナに関する話になるとタガが外れ、時には職権濫用してでも手に入れようとするほどの暴走を見せる事もある。
デストロン同様、こちらも物語の進行と共にどんどんキャラが死亡していった。
なお、本作に登場した女性戦士と恋仲になっているのは全員サイバトロンのメンバーである。
ビーストウォーズⅡ
ライオコンボイを筆頭に歴代の中でも穏健なハト派集団。
武力行使は当たり前で手負いの敵に止めを刺す事にも躊躇しない海外発のシリーズとは違い、
無抵抗なデストロンを血祭にあげたりなどしない。
傭兵集団のインセクトロン、宇宙海賊のシーコンズも後に話し合いによって和解した。
司令官がいないとやる気が出ないのを除けば、隊員同士の関係が良好な部隊。
初期メンバーは白いライオンの司令官、お調子者タスマニアデビル、堅物マンドリル、自然大好き猛牛、関西弁カエル、万能イカの6名。
途中で何らかの影響で生まれたライオン息子とそれを守るワシとゾウのお供が入った。
たまにセミ、カブトムシ、ザリガニと夏の愉快な仲間がどんな行動をしようが司令官は許すのはご愛嬌…だが流石に不安を覚える。
中立側のインセクトロン達との交流は欠かせない。
司令官はデストロンに対しては余計な戦闘を好まず和平を求めていた。
デストロンがストーリー後半で、アンゴルモアエネルギーによるパワーアップ化を果たしているのに対し、こちらは誰一人として一切していない。
ビーストウォーズネオ
こちらはワンマンアーミー教師ビックコンボイを中心とした熱血課外授業クラス。
ライオコンボイ部隊の後始末(アンゴルモアカプセルの回収)に宇宙中を旅して回った。
最初は傭兵教官と未熟な学生達で構成されていた為クラスの団結がバラバラであったが、
傭兵教官の活躍とベクターシグマの通信、そして生徒一人ひとりの成長により第3の勢力に立ち向かえる強さとチームワークを手に入れた。
因みに前作とは異なり、何気に全員飛行可能。重力制御装置のおかげらしい。
司令官ポジションの傭兵教官はマンモス、他の初期メンバーは熱く燃えるペンギン、臆病者のウサギ、ニヒルなコブラ、生徒会長のキリン、謎が多い呑気なタヌキ、そして新たに兄貴風のウマが入ってきている。
ゲスト含みどの面子もモチーフがファンシーで濃いキャラクターで構成されている(マンモスの旧友のカニ、人の話を聞かない猪突猛進イノシシ、偏屈者のアルマジロ、マンモスと戦いたいサメ、脳筋クマ)。
おそらくシリーズ初の「俺」司令官。
カーロボット
タイトル通り、乗用車や建設車両などの乗り物に変形するTFで構成されている。
当初は別世界のサイバトロンかと思いきや、近年G1の未来のメンバーである事が発覚した。
主に日本を舞台にファイヤーコンボイ達が熱くムチャしてくれる。
メンバーは3兄弟、双子、親戚などやたらと血縁関係が濃い。
気の良い(のんきとも言う)連中が多いが、パワーアップ後のカーロボ3兄弟、ゴッドファイヤーコンボイなどはテックスペックが10超えの数値を持っている。
また、敵対するデストロンガーにも、首領であるギガトロンによって悪のスパークを注入された事で悪に染まったサイバトロン戦士であるブラックコンボイやコンバットロンが登場しているが、ブラックコンボイは政治犯として指名手配されていた元からの悪人であった。
トイの出来は歴代屈指でプロポーションも良く、キャラの頭身はほぼ8頭身以上。
しかしながら変形の難しさも歴代屈指となってしまった。
因みにほとんどのサイバトロンは地球での仕事を持っており、サイバトロンの任務と兼務している状態である。
ユニクロン三部作(マイクロン伝説・スーパーリンク・ギャラクシーフォース)
地球に来たメンバーはごく少数だが、かなりの規模。意外とワケありの人が多かったり。
3作目となるギャラクシーフォースで世界観も一新されたが、海外版は前二作と同一人物で構成される。
マイクロン伝説
本当は闘い大好き司令官、副官軍医、お調子者スポーツカー(黄色)の3名が初期メンバー。マイクロン救出のために地球へ旅立った。合点クレーン車、ブルトーザー師匠、スポーツカー2名(やれやれが白、舎弟が青)、ノリノリスペースシャトル(副司令官)が加わる。
司令官の死後も瓦解せず、スポーツカーを臨時司令官に任命してきちんとまとまって行動しているので団結力は高め。
スーパーリンク
ノリのいい司令官、前作以上にハイテンションな副司令、元お調子者、お留守番消防車、すげーぜ自分候補生が初期メンバーで、5人中3人がビーストウォーズ経験者でもあり、SP回では…。海外版ENERGONでは前作ARMADAと同一人物だが、日本版では司令官の性格が前作と比べてかなり変わっている。また別の部隊の司令官もいるが、ユニクロン関係でたびたび衝突している。
ギャラクシーフォース
天然消防車司令官、心配性輸送機副司令、航空参謀と因縁のあるベテランホイールローダー、獅子に転生した4WD、技術者の救急車、スピード命のスポーツカー、のんびり者の装甲車が初期メンバー。グランドブラックホールの出現で故郷が危なくなったため、地球に移住した。元サイバトロン戦士だった命令違反戦闘機も後半から仲間になる。
他の惑星への干渉や考え方の違いなどから衝突する事もあったが考え方を改めていき、団結力を固めていく。
他の惑星のトランスフォーマーも傘下に入っているため、人数はかなり多い。また他のシリーズと比較しても飛行できるキャラは増えているが正規のサイバトロン戦士で飛行可能なのは司令官と副司令のみ。
サイバトロン軍の戦士ではないが、「僕」コンボイが登場している。
2013年時点で「コンボイ」の名で呼ばれている司令官は、アニメに限ればこれが最後となっている。
アースウォーズ
アニメ作品ではないが、久しぶりに公式でサイバトロンを始めとした「和名」が使われた新たな作品。
現在、このゲームだけでサイバトロン司令官が4人、コンボイだけでも3人も登場する。