さぁ、一緒に! ゆめアール体験へ出かけよう!
みんなのゆめペンダントが奇跡をおこす!
はじめに
この記事は以下の二つのタグの転送記事扱いになります。
⇒映画ヒーリングっど♥プリキュア_ゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!(正式タイトル)
概要
2021年3月20日公開のプリキュア映画29作品目で、『ヒーリングっど♥プリキュア』の単独映画版。
『Yes!プリキュア5GoGo!』のメンバーが登場して共闘するクロスオーバー要素がある。
本映画と同時上映として、公開当時の現行作品『トロピカル〜ジュ!プリキュア』の短編映画『映画トロピカル~ジュ!プリキュア プチ とびこめ!コラボダンスパーティ!』も上映され、『映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!想いでのミルフィーユ!』以来の複数作併映となる。
プリキュアの単独映画版では史上初となるTV放映終了後の上映となった作品で、『ヒーリングっど♥プリキュア』のグランドフィナーレの役割を持つ作品とも言える。
また、追加メンバーである風鈴アスミ/キュアアースはこの作品が事実上の映画初登場である。
劇中の時間軸がいつ頃なのかについてははっきりとは明言されないが、本作はTV最終回で「プリキュア卒業」をさせたり未来の姿を描いたりはしなかったので、映画がTV最終回後の話とみなしてもそこまで違和感は出ないようになっている。
TV放映終了後の上映となった理由は、本来なら2020年春に公開されるはずだった『映画プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日』が、新型コロナウイルスによるパンデミックのために秋上映まで延期されてしまったことが原因である。
本来は秋に上映されるはずの『ヒーリングっど♥プリキュア』の単独映画を上映する枠がなくなってしまったので、関係各位が調整を行うことで、TV放映終了後の上映になんとかこぎつけたというわけである(但しこの副作用として、2021年のクロスオーバー作品は制作断念に追いやられ、これ以降は春のクロスオーバー作品自体制作されなくなった)。
プリキュアの単独映画が春公開となるのはプリキュア映画第1作『映画ふたりはプリキュアMaxHeart』以来約16年振り、単独映画に他作品のプリキュアが登場するのは上記の『映画プリアラ』以来になる。
本作では映画恒例のミラクルライトは配布されず、代わって本編のキーアイテムとなる「ゆめペンダント」が入場者特典として配布される。
劇中の舞台は東京。実はプリキュアシリーズのTV本編および劇場版で「東京」という地名が明言されるのはこれが初。
劇中では特に渋谷が中心的な舞台となっており、上映期間中の3月22日(月)から3月31日(水)までの期間は本作とコラボしたARラリーイベントが渋谷各地で開催された。他にも新国立競技場が劇中に登場しており「プリキュア×国立競技場コラボ記念グッズ」なるものも発売された。
また、東京ガールズコレクションともコラボしており、劇中では何人かの著名なファッションモデルが本人役で登場する。
さらに、東京と関係ないがリラックマともコラボして劇中に登場している。
公開初週土日2日間で動員9万6000人、興収1億1500万円をあげ、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第4位に入った。動員と興行収入は、プリキュアシリーズのクロスオーバー映画で最低数値だった前作『ミラクルリープ』とほぼ同程度となり、動員ランキングでは『ミラクルリープ』より1つランクが下がる結果となったが、この時期は人気映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』が公開中の時期であったことや、一日あたりの新型コロナウイルス感染者が『ミラクルリープ』の公開時期よりも増えていた(いわゆる第四波の初期)という事情にも留意が必要だろう。
累計興行収入については公開四週目の時点で4億を超え、『ミラクルリープ』の3.9億円を上回っている。最終興行収入は4.7億円を記録。
公開二週目となる3月27日からは、劇場でアプリを使うことで、本作のストーリーをプリキュア5側の視点で語られる副音声ドラマ「プリキュア5ゆめのまちへ行く!」を聞けるサービスが開始された(これは日本の映画作品では史上初の試みである)。
スタッフ
監督は『ドラゴンボール超』の宇宙サバイバル編のシリーズディレクターであった中村亮太が務める。プリキュアシリーズではハピプリ、Goプリなどで参加経験を持つ。
脚本は『ヒーリングっど♥プリキュア』TV本編でいくつかのシナリオを担当した金月龍之介。
総作画監督・キャラクターデザインはベテランの爲我井克美が担当。
音楽は『映画プリキュアミラクルリープ』に続いて寺田志保が続投する。
また、上北ふたごが衣装デザイン協力で参加している。
ストーリー
そこは現在「ゆめペンダント」を付けることで思い描いた夢を映し出せる拡張現実VR「ゆめアール」を体験できるキャンペーンで賑わっており、一行もそこのプリンセスである不思議な少女カグヤと出会うことになる。
そこに夢を狙う謎の敵エゴエゴが出現。ヒーリングっど♥プリキュアはのぞみたちプリキュア5とともに夢を守るため戦うことになる。
登場キャラクター
ヒーリングっど♥プリキュア
- キュアグレース / 花寺のどか(声:悠木碧)
- キュアフォンテーヌ / 沢泉ちゆ(声:依田菜津)
- キュアスパークル / 平光ひなた(声:河野ひより)
- キュアアース / 風鈴アスミ(声:三森すずこ)
- ラビリン(声:加隈亜衣)
- ペギタン(声:武田華)
- ニャトラン(声:金田アキ)
- ラテ(声:白石晴香)
- 花寺やすこ(声:村井かずさ)
Yes!プリキュア5GoGo!
- キュアドリーム / 夢原のぞみ(声:三瓶由布子)※
- キュアルージュ / 夏木りん(声:竹内順子)※
- キュアレモネード / 春日野うらら(声:伊瀬茉莉也)※
- キュアミント / 秋元こまち(声:永野愛)※
- キュアアクア / 水無月かれん(声:前田愛)※
- ミルキィローズ / 美々野くるみ(声:仙台エリ)※
- ココ(声:草尾毅)
- ナッツ(声:入野自由)
- ブンビー(声:高木渉)※
映画オリジナルキャラクター
ゲストキャラクター
※ヴォイスドラマで声有りとして登場。
劇場版限定フォーム
本映画では、なんと3つもの劇場版限定フォームが登場する。公式サイトでも「奇跡のトリプル大変身」とそのことをウリにしていた。
ゆめペンダントの力を使ってパーナー・ヒーリングアニマルと融合した姿。
キュアドリームとキュアグレースの合体フォーム。
キュアグレースの強化フォーム。想いが一つになったときに変身する形態で、かぐや姫および十二単をモチーフとした桜の花びらをまとった和装姿になる。
テーマソング
オープニングテーマ
エンディングテーマ
『やくそく』
挿入歌
- 作詞:こだまさおり
- 作曲・編曲:KOHTA YAMAMOTO
- 歌:北川理恵
副音声
詳細はプリキュア5ゆめのまちへ行く!を参照。
余談
もともとは劇場公開されない可能性もあった?
本作の企画は2019年冬に立ち上げられ、「2020年秋映画」とする予定であった。
だが、公開が無期延期されていた『映画プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日』を「2020年秋映画」として上映することになったため、本作の映画公開日は不透明な状況になる。
2020年7月10日には、今後の映画上映スケジュールがプレスリリースとして一般向けに公開された。
その時に『ミラクルリープ』が秋公開になったことが明かされ、同時に「2021年の公開に向けて『映画ヒーリングっど♥プリキュア』の製作が決定した」と公表された(アニメイトタイムスの記事より)
しかしこの時点では2021年のいつごろの公開を目指すのかも明記されなかった。それどころか「公開に向けて制作が決定した」という表現は「2021年公開予定」よりも曖昧な言い方である。
この表現の微妙さは裏を返すと「いつものプリキュア春映画枠に上映されるのかはわからない」と暗に示していたことになる。
このことから、東映アニメーションとしては例年通りに、春の映画公開時期に放送予定の次回作『トロピカル〜ジュ!プリキュア』を中心とした、歴代作と共演するプリキュアスターズ映画を公開したい気持ちが少なからずあり、『ヒープリ』の映画とどちらを選ぶべきかがまだ決まっていなかったのではないのかとも推測できる。プリキュア映画の企画は例年では公開の一年くらい前から始まるので、「2021年春のプリキュアスターズ映画」の企画はコロナ禍の最中でも水面下で始動していたと考えられる。『ヒープリ』の映画を2021年春に公開するなら、その企画をお蔵入りにせざるを得ないのだ。
また、2021年の春映画に『ヒープリ』の単独映画を上映するということは、最終回をすでに迎えた作品の映画を公開することになる。この点への懸念が『ヒープリ』の単独映画の春上映を決断するまで時間がかったのだろう。
なお、映画劇中の時間軸がいつ頃なのかについてははっきりとは明言されないのだが、第37話や第44話でヒーリングアニマル達がまた地球に来ると言及しており、上記のように普通にTVを見ていた子供たちがこの映画を「最終回後」の感覚で見ても違和感が出ない内容になっている。
余談ではあるが、プリキュア感謝祭の朗読劇は、最終回から一ヶ月後に、なんやかんやあってアスミとパートナー妖精たちが再び人間界に来てしまい、「せっかくだからしばらく遊んでいこう」というオチで終わっており、この映画と直結するようにも思える形になっている。
プリキュア5が参戦した理由
上述したように、本作は「2021年春のプリキュアスターズ映画」のお蔵入りという代償の元に制作されている。
その本作がプリキュア5を登場させていることに関しては、2021年のプリキュアスターズ映画作品の代わりも兼ねた作品としてクロスオーバー要素を急遽盛り込んだのではとの見方がされることもあった。
しかし、公開と同時に東映アニメーション近くの映画館(T・ジョイSEIBU大泉)にて展示された本作の設定資料には、プリキュア5の資料に「映画ヒーリングっど♥プリキュア2020秋」と書かれていることが確認でき、2021年春への延期が内部で考慮されるよりもはるか前からプリキュア5メンバーを登場させる予定だった事が判明した。
また、公開後のインタビュー記事により、プリキュアの生みの親である鷲尾天氏から新たな挑戦として「過去のプリキュアの1世代とのクロスオーバーにしてほしい」ということが、コロナ禍のことなど想定していなかった2019年末時点にすでに要請されていたことがインタビューで判明している。(MANTANWEBの2021年3月28日記事)
このようにプリキュア5の参戦についてはコロナ禍とは関係のないことなのだが、単なる『ヒープリ』単独作ではなくプリキュア5との共演要素がある企画だったからこそ、最終回後でも上映する訴求力があると判断されたとは言えるかも知れない。
数ある作品の中からプリキュア5が選ばれたのは、「夢」というテーマと「摩天楼」という東京のイメージに似合っていたためということ。
(※「夢」はプリキュア5のテーマの一つであったが、「摩天楼」については『Yes!プリキュア5GoGo』のオープニング映像のイメージからと思われる。プリキュア5およびGoGoの実際の内容自体は大都会感が強調されてはいない)
2021年4月30日に発売されたヒープリのオフィシャルコンプリートブックでの中村監督へのインタビューによると、プリキュア5とヒープリとの関わりについては「あくまでヒープリの映画なので、プリキュア5側はのどか達が悩んだりピンチになった時に背中を押すポジション」を心がけたという。
またこのコンプリートブックでは、映画公開直前の時期、例年通りにTVシリーズに映画連動回を放映する構想があったことも明かされている。そのエピソードで、のぞみたちとのどかたちをヒープリ側のホームグラウンドで知り合わせ、「5」側が最後に東京に招待して映画に繋げる予定であった。しかし、コロナ禍による公開延期やTVシリーズの放送話数が減ってしまった影響で、のぞみたちをTVに出すことが難しくなり、のぞみたちとのどかたちが映画で初めて出会う形に物語を変更したということである。
その変更の弊害か、のぞみ達はプリキュアとしてしか本編での出番はなく、のどか達とは変身前の姿ではED直前まで会ってはいない(変身前の姿として目立ったのは副音声版のみ)。副音声ドラマに「5」側の描写を回したためか、本編では全体的に昭和期の仮面ライダー映画のラスト間際、唐突に現れる客演ライダーのようなバトル処理用の賑やかし要員的な印象は拭えない。キュアドリームが「GoGo!」時の姿で「プリキュア・ドリームアタック」を使うなど、これまでにない要素はあれど、エンディングで「5」側への言及はまったくないため、副音声ドラマを視聴しない場合は単なるオールドファン向けのバトルの賑やかし役にしか見えないなど、作劇にあたっての課題も残した。
この反省は、本作の次作である映画トロピカル〜ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!で活かされた。ただし、次作での客演側のプリキュアであるハートキャッチプリキュアの主人公・キュアブロッサムには、本作のドリームキュアグレースに相当する劇場版限定フォームは用意されなかったため、それが本作のために新規で用意された点で、キュアドリームの人気の健在ぶりは窺える(しかも、パートナーフォームの記事を見てもらえばわかるが、当時の現役プリキュアであるはずのピープリメンバーの残り3人を差し置いて、先にデザインされていたのである。更には後年に製作された続編的位置づけの外伝でも先輩方を差し置いて主人公に返り咲いている)
ちなみに、その外伝ではプリキュア5の現役時代における最終的な変身アイテムであったキュアモの消失と本編からの時間経過が明確に描かれたため、この作品がプリキュア5のプリキュア戦士たちに本編当時の設定が適用され、変身者の姿も少女時代のままという設定で、後輩の主演映画に客演した最後の作品になると思われた。
しかしながら、その続編的位置づけの外伝は本編から分岐した多元宇宙の一つでの出来事と明言されたため、のぞみたちに戦士としての後輩が生まれている(後発作の主人公である野乃はなの存在が言及されている)本作は(プリキュア5がチームの代替わり後も現役の戦士として活動していることから)(プリキュア5の本編から)プリキュアオールスターズの映画群に繋がる世界線の出来事であると思われる。
宣伝について
プリキュア映画の公開がスタートした前後の時期は、毎週のTV放映のエンディング後に主人公が映画の宣伝をするのが毎年の恒例であるが、本映画上映時期に放映されているのは次作となる『トロピカル〜ジュ!プリキュア』なため、次作の主人公であるキュアサマーが、先輩の映画を紹介してくれるという、どこか体育会系ぽい状況が発生してしまった。
同じく、映画公開から一ヶ月くらいは、毎週のOP映像に映画のダイジェストを毎週流す(しかも毎週異なる内容にする)のが恒例であったが、今年はトロプリの短編映画のダイジェストが流されたため、ヒープリ映画のダイジェストが流れることはなかった。
TVでの宣伝機会が少なくなってしまったことをフォローするためか、web向けの情報発信は例年以上に積極的に行われた。
関連動画
- 特報
- 本予告
- ヒープリありがとう編
- Yes!プリキュア5GoGo!編
- 公開直前本編映像一部解禁
関連項目
ヒーリングっど♥プリキュア Yes!プリキュア5GoGo! トロピカル〜ジュ!プリキュア
ゆめの町、ノビタランド:雰囲気は若干違うが、タイトル公開時にこちらを連想した人もいたとか。
劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-:大人気ライトノベル原作シリーズの映画作品。似たような要素が多数見受けられるので記載。更には彼女もまた…。
REAL×TIME、ビー・バップ・ドリーム:同時期のニチアサ作品の劇場版でこちらも諸事情で例年の公開よりずれており、次回作の短編が同時上映されている。
時系列映画一覧 | |
---|---|
前作 | 映画プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日 |
次作 | 映画トロピカル〜ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪! |
秋映画一覧 | |
前作 | 映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて |
次作 | 映画トロピカル〜ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪! |