概要
『ONEPIECE』の作者である尾田っちこと尾田栄一郎に対する呼び名の一つ。元ネタは天竜人(世界貴族)の男性名の定型「〇〇聖」から。
『ONE PIECE』をよく知らない人からは、「聖」という仰々しい一文字から「原作者の神格化かよ」と白い目で見られがちだが、いざ読んでみるとおっかなびっくり、ネームドキャラから名もなきモブまで様々な人物の人としての尊厳が雑草のごとく踏みにじられるこの世の地獄が広がっており、その凄惨さに恐れをなした読者諸兄は尾田っちへの畏怖の念を込め、作中で暴虐の限りを尽くす天竜人こと世界貴族になぞらえて「オダセン聖」と呼ぶのである。
屈強な男の尊厳破壊など、作中のキャラクターが辛い目にあっている際に、「オダセン聖ここ数年キャラの精神の抉り方がキレッキレすぎるえ」などのように用いられる。
誤解の無いように記しておくが、これは何も最近始まった傾向ではない。『ONE PIECE』は海賊を主役にした物語ではあるが、海賊を正義の味方や義賊として描いたことは無いに等しく(主人公のモンキー・D・ルフィですら自分を正義の側だとは微塵も思っていない)、ある日突然現れて平和に暮らしていた人々の人生を踏みにじる存在であることを連載初期から今日に到るまできっちり描き出しているのである。
そのため、劇中の登場人物達が海賊や権力者によって悲劇に見舞われたり、尊厳(プライド)を陵辱されるのも今に始まったことではない。それが顕著に見えるようになったとすれば、画業20年を超えたオダセン聖の筆に脂が乗っていることの表れであろう。
ただ、じっくり丁寧に寸分の隙も無く男のプライドを踏みにじるオダセン聖の作風からは、作劇の都合では片付けられないなにかが感じられるのも事実である。
このことから、読者からは冗談半分で「オダセン聖の性癖は巨乳の女の子ではなく、屈強な男の尊厳を破壊すること」と語られることもある。
ではおっぱいが大きい女の子の尊厳を破壊できないかと言えばもちろんそんな訳あるはずもなく……
ちなみに一部の読者の間では、この傾向はかつて彼がアシスタント時代に仕事を手伝っていたという徳弘正也の作風に影響を受けたものではないかと言われている。
これまで尊厳破壊されてきたキャラクター
ここでは、オダセン聖によって尊厳を破壊されてきた人物を紹介する。女性や年齢が1桁の子供、ひ弱な男やモブまで含めると記事が肥大化してキリがないので、あくまで屈強な男達のみに限定する。
破壊されたが他者からの言葉や行動で立ち直れた者、現在進行形で破壊されている者、破壊されて何とか立ち直れたと思いきや追い打ちで破壊される者など、とにかく人数が多すぎるので破壊され方も千差万別である。
劇場版では、オダセン聖が制作に積極的に関わるようになってからは、ラスボスの尊厳破壊され具合も大変なことになっている。
以下、破壊された経験済み麦わらの一味らを中心に、作中で尊厳破壊された者達を並べる。
- モンキー・D・ルフィ
- サンジ
- トニートニー・チョッパー
- フランキー
- ブルック
- コーザ
- カルガラ
- モンブラン・ノーランド
- アイスバーグ
- パウリー
- はっちゃん
- ハンニャバル
- エドワード・ニューゲート
- スクアード
- バーソロミュー・くま
- サボ
- フィッシャー・タイガー
- 茶ひげ
- Tボーン
- スモーカー
- コリーダコロシアムの参加者全般(というかドレスローザ編の全て)
- X・ドレーク
- トラファルガー・ロー
- ドンキホーテ・ロシナンテ
- キュロス
- リク王
- ベラミー
- ジェルマ66(ヴィンスモーク家)の兄弟(生まれる前から人間としての尊厳を破壊されている上、それに気付けてもいない)
- 霜月康イエ
- ヒョウ五郎
- キラー
- 光月おでん
- 錦えもん
- フーズ・フー
- ゲルニカ
- ボルサリーノ
劇場版
尊厳破壊する側のキャラクター
破壊される側が数多くいるので、当然破壊する側もそれなりにいる。
特定の人物だけを破壊したり、国中まるごと破壊するなど、破壊する側も規模は小から大まで様々である。人の尊厳を滅茶苦茶にしているので、ゲスの極みを地で行く性格のメンツばかりなのだが、ベラミーのようにかつては破壊する側だったが破壊される側になった者や、黒炭家のように凄惨な過去が原因で破壊する側の人格に変貌した者、尊厳破壊がセットで付いてくる悪魔の実の能力を持つシュガーやバジル・ホーキンスといった、特殊な例も存在する。
- アーロン
- サー・クロコダイル
- エネル
- ロブ・ルッチ
- スパンダム
- ゲッコー・モリア
- ドクトル・ホグバック
- 天竜人(ごく一部の例外を除く)
- シーザー・クラウン
- ドンキホーテ・ドフラミンゴ
- ディアマンテ
- トレーボル
- シュガー
- シャーロット・リンリン
- ヴィンスモーク・ジャッジ
- カイドウ
- 黒炭オロチ
- クイーン
- バジル・ホーキンス
劇場版だと
- エルドラゴ
- オマツリ男爵(大体リリー・カーネーションのせい)
- リリー・カーネーション
- トットムジカ
余談
この呼び名から派生して、救いようの無い、絶望しかないストーリー、要するに鬱展開に定評のある、それらを好む作家、小説家、漫画家、脚本家に対して呼ばれる「先聖」の語源にもなった。