ガングート(艦隊これくしょん)
がんぐーと
「貴様が提督というヤツか。ふん。Гангут級一番艦、Гангутだ。いい面構えだ。いいだろう。」
2017年5月3日アップデートにて実装、前日から開催されていた春イベ『出撃!北東方面第五艦隊』のE-5突破報酬となっている。
なお、厳密に言えば『ソビエト連邦』生まれではなく、その前のロシア帝国生まれだったりする(ガングートの竣工は1914年で、ロシア革命が1917年)。故に厳密には「ソビエト連邦」の船ではないのだが、彼女は帝政ロシアやロマノフ王朝に特段思い入れがあるような描写はなく、純粋な「ソビエト連邦」人といった趣。
そもそもガングートが所属していたバルチック艦隊はボリシェヴィキによる暴力革命支持派だったのだから、ある意味当然の帰結と言えなくもないのかもしれないが。
実装時点ではガングートは実艦が全艦娘中最も早くに起工した艦娘であった(2023年8月時点では朝日が最古)。また、実装済み艦娘の中では初の弩級戦艦でもある。
頭には白柄に黒つばの海軍将校の帽子を被り、その頭頂部にはアホ毛らしき癖毛が見える。
服装は赤の半袖シャツに、縁に白いラインが入った黒のプリーツスカートを穿き、足には黒いストッキングに靴底の両側にキールのような装甲が付いた黒の前チャック式ブーツを履いている。
更にその上から白のコートを着用。コートは襟と袖襟が黒で縁に金色のラインが入っており、腰部とコート下縁に黒いベルトが入っている。
ちょうどベルトの反対になるコートの内側にはガンベルトのような保持機構があり、そこに魚雷を弾頭を下にして保持している(なお、Октябрьская революция時には雷装値が0になり雷撃不可となるが、中破絵から一応魚雷は持ったままのようである)。
またその両手には黒い手袋がはめられている。
右手にはパイプらしきものを持っており、公式初の喫煙艦娘となる可能性がある。
服装的に普段はあまり強調されていないが、なかなかの胸部装甲を誇る。
2018年の公式カレンダーでは10月のイラストで仰向けに寝そべっているのに存在感を放つ装甲を見せつけた。
艤装は長門や陸奥と似たデザインで、腰に艦種を模した基部ユニットを接続。
その上に1本の太い煙突が立っており、その煙突の根本位から両側に向かってY字型のフレームが伸び、30.5cm三連装砲の基部を挟むように保持。
更に砲塔基部からは人の腕のような関節付きのフレームが伸びており、その先端にも30.5cm三連装砲が付いている。
また先端の30.5cm三連装砲の基部外側には艦種を模したガードが付いている。
他にも、左肩から袈裟懸けした肩掛け紐の先には錨が付いている。
Октябрьская революция時
元と大きな変化はないが、帽子の色が変わっている。具体的には黒柄に赤つばとなった。
また砲塔も、上部装甲上に単装砲がV字を描くように3基ずつ追加されている。
武人・軍人気質で、真面目ながらも剛気な性格。
また、高飛車でプライドが高く、MVPを取るのは「必然」。お触りしようものなら「銃殺刑にする」など、おふざけには厳しい御方。
一方で、お触りも初回は許してくれる寛容さも持ち合わせている。
実際は結構面倒見のよい姉御肌な人物。
дваになるとお触りについても「公私は分けろ」と咎める程度になり、嫌がる素振りそのものがなくなる辺り、「気安いのも性分」と理解すれば受け入れる度量も持ち合わせている模様。
加えてロシア料理にも堪能であり、家事全般もこなせるなど意外と女子力が高い。朝にカーシャ(ウクライナ式の穀物粥)、夜にはボルシチを作ってくれる。昼食は伊良湖が焼いてくれたというブルヌイ(ロシア式の薄焼きパンケーキ。食べる際にいろいろと具材をトッピングする軽食)を分けてくれる。
ちなみにどれもロシアではごく一般的な家庭料理であり、家ごとにレシピに差があるらしい。
また時報を上手く言えて胸を張ったりする調子に乗り易い面や、名前が長いことを指摘されて「名前が長いだと! フンッ!」と言ってそっぽを向く素振りを見せるなど、子供っぽいところもある(外見はハラショーでも、中身はレディー(笑)であったか)。
提督とは対等な関係で、戦友や同僚を思わせる。彼女風に言うならば「同志」か。
関係が進展すると、表面上はいつも通りだが、そのセリフは完全にコレである。
イベントや催事にも寛容……というか、割とノリノリで参加してくる。ただしそのイベントや催事の意味はよく分かっていない事が多い。
「秋の秋刀魚祭り」でも秋刀魚漁支援に積極的に参加の意を見せるが、提督から必要な装備を聞いて何故か急に怒り出す。――まあ、確かに戦艦で装備可能な秋刀魚漁の支援装備というと、探照灯か見張員か戦闘糧食(おむすび)ぐらいなもんだし、主に釣るのは駆逐艦・軽巡・海防艦だから戦艦は敵艦隊の掃討までが限界だしね…
大掃除にも「何だか知らんが任せておけ!」と参加しようとしたが、雑巾を渡された途端「何故私が!?」と困惑していた。
ちなみに酔いが回ると陽気になるクチらしく、クリスマス限定ボイスでは提督に絡みながら上機嫌でシャンパンを飲み干している。
公式4コマではОктябрьская революцияを名乗った際、10月の名を持つ新たな睦月型ではないかと勘違いした睦月に自分の名前の意味は「10月革命」であることを説明した上で「必要な時はОктябрьскаяとして呼んでくれ」と10月枠として(睦月型の)助っ人を買って出たり、ヴェールヌイを海外艦寮へ誘った時に暁が阻止しに来ると、「たしかに姉妹で一緒にいた方がいいな」と謝って「今度食事をしながら響の話でも聞かせてくれ」と続け、彼女の前ではヴェールヌイの名前を出さないようにしている節があったりと、年少者に当たる駆逐艦娘達にとても優しく接している。
性能はいわゆる「低燃費型」で、燃料弾薬が安くつく分、低速かつ戦艦としては低火力かつ低耐久。
正面からの殴り合いでは、実装済み戦艦娘としてはワーストに類する。
しかし旧式艦だけに無改造時は雷装値が存在し、その際の夜戦火力はIowaに匹敵し得る。ただし魚雷自体は装備できない。
Октябрьская революцияに改造されると、雷装値が撤廃され、その分だけ火力と耐久が大きく向上する。
そしてдваになると雷装値が復活。その夜戦火力は同じ雷装能力を持つBismark dreiに比肩し得る領域に達する。
ただし総合能力は依然として既存の戦艦の改二勢には(特に最大火力)いまひとつ及ばない部分もあるが欧州イベント時にはルート固定艦や特効艦として選ばれる為確りと育成していれば確りと期待に応えてくれる。
彼女には他の戦艦にない大きな利点が存在する。
30.5cm三連装砲系統のフィットによる命中プラスが命中約+10、2基装備すれば約+20と、改修なしでも32号対水上電探改を上回るほどの大きな補正がかかるのである。つまり高練度のガングートに改修した30.5cm三連装砲系統を載せれば、ほぼ攻撃を当てる事ができるのだ。
改修済の30.5cm三連装砲改★10で火力+21.74でフォット分に加え★10で約+3.16加算されるので、此処まで強化してあれば昨今のイベント海域へ出現している厄介な深海側の駆逐艦も十分掃討出来る。実際欧州イベント時は特効効果も加わり深海棲艦を一掃する姿も確認できる。問題点は速度が「低速」な点と太平洋方面では編成の編成上連れて行ける海域が限られる点だろう。
通常運用であれば低コスト周回メンバーとして重宝し演習でも高レベルの軽巡・駆逐相手に猛威を振るってくれる。
逆に演習でガングートを見かけた場合、長門型改二でもワンパンされる可能性があるので注意。主砲装備時の高い命中補正に加え「演習に出している場合高確率で徹甲弾も装備している」からである。その為「耐久的には戦艦の中でも低めの為高耐久の艦と比較すると撃破に持ち込み易いが仕留めそこなうと暴れられて面倒」な存在になる(演習に出ている戦艦は総じてレベリング中なので装備に徹甲弾が積まれてる可能性が高い為)
欧州或いは北方やソ連近海での最終決戦でもない限り、太平洋方面での最終決戦向きではなく、Warspite同様に平時の出撃で光る性能をしており、ルート制御に高速縛りがない限りは、燃費を抑えつつ高火力を確保してくれる艦となっている。
なお、低速でありながら連合艦隊の編成制限では高速戦艦と同じ扱いとなっており、水上打撃部隊や空母機動部隊では高速化しなくても第二艦隊に編成することが可能。
そのため、連合艦隊でも高い夜戦火力を生かしやすいと言える。
実装直後、ガングートのグラフィックが正常に表示されず、よりにもよって敵陣営の戦艦ル級の画像が表示されるというバグが報告されている(詳しくは「戦艦ル級バグ」にて)。
なお、上記の通り彼女の左頬には小さな傷がついているのだが、ゲーム内のグラフィックではそれがわかりにくいせいか、pixivに投稿されているイラストでは顔の傷があったり無かったりと、まちまちである。
後に半年遅れで寄稿されたやどかり氏の4周年記念イラストでヴェールヌイとのコンビを描かれたが、その絵では左頬の傷がはっきりと確認できる。
初のソ連出身の戦艦娘であることに加えて、本キャラのデザイナーであるやどかり氏は今まで基本的に駆逐艦娘のデザインのみを手がけていたため、ここに来てまさかのやどかりデザインの戦艦娘の登場はちょっとした話題になったとか。
ビスマルク達が日米開戦を知らない、深雪が日独伊軍事同盟を知らないなどのネタがあるが、それを言うとソ連崩壊を知っているのは、現存艦であるアイオワとイントレピッドと宗谷だけである。
妹艦である「マラート」こと「ペトロパブロフスク」が某「空の魔王」に大破着底させられたのは有名な話だが、実は「オクチャブリスカヤ・レヴォリューツィヤ」も「空の魔王」の急降下爆撃を受けている。幸い彼女に投下された爆弾は不発だったのだが…。
この為かJu87にはトラウマがある様子がうかがえる。そりゃ、よりによって「魔王」に襲われたのだから無理もあるまい。
だがそもそも彼女は帝政ロシア末期の出身で、そこまで真っ赤に染まっていないという解釈もある。その場合は、割と自堕落に資本主義を満喫している姿で描かれる傾向にある。
艦名の変遷(と誤解)
概要で記載の通り、史実のガングートは「オクチャブリスカヤ・レヴォリューツィヤ(十月革命)」に改名後、そのまま生涯を終えたのだが、日本では長く「ガングートに再改名された」と信じられており、『艦これ』での設定もこれを踏襲している。
これは遡ると、1940年代から除籍までの間に発行された『ジェーン海軍年鑑』という国際的権威のある軍艦情報年鑑で「ガングート→十月革命→1942年にガングートに再改名」と誤記され続けていたのが原因とされている。
誤記理由としてはソ連艦では様々な理由で(名前の由来となった人物が失脚したなど)艦名が変更されるケースが少なくなく、他の改名された艦と“混同”されてしまったとも考えられている。(例えば、姉妹艦のマラートは、後にペトロハバロフスク→ヴォルホフと改名されている)
冷戦のまっただ中、“鉄のカーテン”の向こう側の情報は極めて限られており、ソ連崩壊による情報公開後も「亡国の没落した海軍」と一段以上見下す向きが多く、ソ連/ロシア海軍について掘り下げた研究は進まなかった。
研究の最前線に居るはずのジェーン海軍年鑑すらも90年代にはロシア海軍の保有艦に関する重大な誤記をやらかしていたり、まして、既に歴史上の存在となった“戦艦”に関しては、言わずもがなである。
かくして、その後も当時のジェーン年鑑を底本とした『世界の艦船』などの各書物や、Wikipediaなどのネット情報も先の誤情報の転載に終始し、アップデートが進まぬまま、誤解が“定説”として定着してしまっていた。というより、誰も疑いさえしなかったといったところだろう。
つい最近になって、インターネット上でソ連/ロシア海軍に関して各種情報、知見が普及するようになって、ようやく間違いが露わになったのだが、既に後の祭りだった。
このように、『艦これ』では珍しい“考証ミス”と相成ったわけだが、運営側は公式には艦名の修正は考えていない模様である。
が、ポジティブに考えれば、解釈はファンに委ねられた格好とも言える。
スマホを弄ってる潜水艦娘もいることだし、『艦これ』世界を「現代(に類似した並行世界)」と受け取れば(宗谷の台詞から時代が「令和」である事は確定している)、「ソ連崩壊後に再度、『ガングート』に戻された」という考えも成り立つだろう(史実でも、アドミラル・クズネツォフをはじめ、数多くの艦がソ連崩壊後に名を改めている)
実際に現代ロシア海軍には、戦闘艦ではないものの、“帝政ロシア→ソビエト連邦→現代ロシア”と生き延びてなお現役の、艦齢100年超の異能生存体まで在籍するのだ。
ガングートも「二度の大戦と革命、三つの祖国を生き延び、渡り歩いた古強者」と考えれば、胸に迫る物があるのではないだろうか。
同じやどかり艦隊かつソ連に接収され同志となったヴェールヌイとのコンビ・カップリングが多い。ただし、史実では全く縁が無かったりする。
タシュケント(艦隊これくしょん):2018年冬イベント後段作戦で実装された、ガングートと同様に最初からソ連海軍所属の駆逐艦。ただし生まれはイタリアである。
コンテ・ディ・カブール(艦隊これくしょん):弩級戦艦娘第2号。進水日はガングートより先だが、就役はガングートより後。
NKVDさんこっちです:彼女の実装に伴って誕生した、「憲兵さんこっちです」の派生タグ。
ハンス・ウルリッヒ・ルーデル:妹の仇であり、自身も攻撃を受けている。
史実に関してはガングート級戦艦を参照のこと。
コメント
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