クランチュラ「まずは邪面師を送り込み、闇エナジーを生み出します。エナジーが満たされれば、侵略ゲートを少し開く事ができます故!」
概要
闇の帝国ヨドンヘイムの侵略の刺客となる怪人。
ヨドン軍の戦闘員であるベチャットが地球文化のものの力を宿す邪悪な仮面・「邪面」を装着することで進化・昇格した上級戦闘兵士である。
名前は「邪面のモチーフ名(主にカタカナ表記)+邪面」で統一。
エピソード1での邪面獣ジャグチヒルドンを用いた『魔法陣ゲート大解放作戦』による大規模侵攻が頓挫した為、小規模のゲートを作り出す局地作戦に切り替えたクランチュラが生み出す。その為、全ての邪面師は制作者であるクランチュラの部下に当たる。
基本的に幹部に対しては忠誠的ではあるが、邪面師同士の相性は非常に悪く、たとえ実の兄弟同士でも手柄をめぐっていがみ合う程。
邪面以外に戦闘時には防具にもなる裏地が鱗模様のマントを着用している事を除くとベチャットと同じフォルムをしており、ベチャット時代に変色したボディついては現時点で黒、赤、白、金の4色が存在している。
邪面師に昇格すると、身体能力等がベチャットよりも格段に強化され、個性や言語能力が備わるようになる。
また、劇中では詳しい過程は省かれているものの、クランチュラ曰く、邪面師になれるのはベチャットの中でも知能や身体能力に進化の兆しが見られた選りすぐりの個体のみであり、ボディの色が変化するのはその進化の証であるとのこと。
近年の戦隊怪人に見られるような固有の武器や装備を持たない代わりに、それぞれが邪面の力によって様々な特殊能力を備えており、邪面そのものを武器として徒手空拳と組み合わせて戦うのが主な戦闘スタイル(中には、ベチャットの武器であるヌマデを引き続き使用する個体も居る)。
そして、戦闘や侵略においてその力を最大限に発揮、利用した『作戦』を展開する戦法を得意とし、地球を汚染する事ができる(因み作戦には地獄とついた作戦名のものが多い)。
但し、元が戦闘員ということもあり大半の能力は邪面に依存しており、中には肉弾戦に不得手な個体の邪面師も少なからず存在している。
その上性能の良し悪しは製作者のクランチュラの趣味嗜好に左右されるため、個体によっては実力も発揮できずに倒されるものも多く、総じて邪面師の力だけでは侵略に限りがある。
その為、邪面師が展開する作戦で人間達から闇エナジーを集めてヨドンヘイムと地球を繋ぐゲートを生成、邪面獣を召喚して地球を更に汚す事を任務として活動する。
ヨドン皇帝との契約により、万が一に倒された場合にその生命力を変換する事で、貯まり切らなかった闇エナジーを補填する「闇の保険」で、ゲートを開く役目を担う事もある。
尚、ヨドンヘイムという組織自体は個の能力よりも『軍事力』を重視している傾向があり、戦闘よりも地球を汚す為の作戦実行を最優先としている事が多く、中にはたとえ戦闘中であっても任務遂行の為に平然と味方に利用された挙げ句に捨てられることもあれば、時に自ら身を犠牲にして囮役を買って出ることもある。
なので立場的には一般の怪人というより『行動隊長』もしくは『特殊工作員』もしくは文字通りの『強化戦闘員』といった扱いの方が近い。
また、邪面師自身に邪面以外の強化装備や巨大化能力はなく、最期は戦いの果てにキラメイジャーに引導を渡される他、キラメイジャーに敗北後、自身の武器や邪面獣で自滅もしくはガルザに利用・処刑されるパターンもある。
邪面師一覧
エピソード | 邪面師名 | 邪面 | ボディ | 能力 | 作戦 | CV | 対象邪面獣 | 闇の保険適用 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2 | ラグビー邪面 | ラグビー | 黒 | 俊足、ラグビーボール爆弾 | 地獄ラグビー作戦 | 田中美央 | ラガーリガニー | ◯ |
3 | マンリキ邪面 | 万力 | 赤 | マンリキパワー、アタマンリキ | マンリキパワーで万力を取り付け、痛みで地球人を苦しめる作戦 | 井口祐一 | マンリキシェルガ | × |
4 | ネアンデルタールジン邪面 | ネアンデルタール人 | 金 | ネアンデルタールの力 | 不明 | - | キュウセッキバスラ | × |
5 | ジョイスティック邪面 | ジョイスティック | 白 | ターゲットロック、特殊超合金ジョイスティック | 地球人のコントロールを奪い、激しいレバガチャで縦横に跳ね飛ばす作戦 | 山本兼平 | キャッチャーリガニー | ◯ |
6 | デジタルカメラ邪面 | デジタルカメラ | 金 | 被写体の強制転送 | 撮影した人々をデジタルカメラに取り込み、邪面獣を成長させる作戦 | 堀江瞬 | クラウドヒルドン | ×※1 |
7 | フリーザー邪面 | 冷蔵庫 | 黒 | 強烈なブリザード | 氷河期地獄作戦 | 斎賀みつき | レーネツダガメス | ◯ |
7~8 | オーブン邪面 | オーブン | 赤 | 灼熱の火炎、ウェルダンバースト | 地獄ロースト作戦 | うえだゆうじ | // | -※2 |
9 | ヒャクニンイッシュ邪面 | 百人一首 | 金 | ヨドン百人一首、ヒャクニンイッ手裏剣 | 地獄百人一首作戦 | 上田燿司 | ヘイアンキョウバスラ | ◯ |
10 | ミュージック邪面 | 音楽 | 白 | ヨドミヒメの邪悪な歌、ヨドンチケット、音波攻撃 | 地獄ライブ作戦 | 松田健一郎 | ステージシェルガ | ◯ |
11 | リセットボタン邪面 | リセットボタン | 黒 | 時間のリセット | リベンジ地獄作戦 | 浜添伸也 | ハッシャボタンリガニー | ◯ |
12 | インセキ邪面 | 隕石 | 赤 | 隕石落とし、灼熱の溶岩頭突き | 地獄隕石落とし作戦 | 天田益男 | - | -※3 |
14 | SL邪面 | SL | 金 | ヨドン黒煙、石炭補給によるパワーアップ | 地獄環状線魔法陣作戦 | 田中完 | ディーゼルバスラ | × |
16 | マシュマロ邪面 | マシュマロ | 白 | 言うこと聞かないマシュマロボディ、人間マシュマロ化光線 | 地獄マシュマロ化作戦 | 小野坂昌也 | ハッシャリガニー | × |
17 | モグラタタキ邪面 | もぐらたたき | 金 | 人間の変身、スマーフィング | もぐらたたき地獄作戦 | 村岡弘之 | ハンマーバスラ | × |
19 | スミカエ邪面 | 住み替え | 黒 | 住み替えビーム、ホームセキュリティ | 魂住み替え地獄作戦 | 下和田ヒロキ | ジュウタクローンダガメス | × |
20 | セッチャクザイ邪面 | 接着剤 | 赤 | 接着弾 | 地獄接着剤作戦 | 葉山翔太 | セッチャクザイシェルガ | × |
21 | ツリザオ邪面 | 釣竿 | 金 | 一本釣り、カナエマストーン・リバーシアによる時間逆行 | 地獄フィッシング作戦 | 佐々健太 | モーターボートバスラ | ◯ |
23 | キンコ邪面 | 金庫 | 黒 | ヨドン製超合金金庫、金粉シャワー、ためになる金言カウンター技 | 地獄換金監禁作戦 | 内田直哉 | キンカイリガニー | × |
24 | スピーカー邪面 | スピーカー | 赤 | ジャメンタルミュージック、ジャメサウンド | 地獄リサイタル作戦 | 柿原徹也 | ジュークボックスヒルドン | 〇 |
25~26 | バクダン邪面 | 爆弾 | 白 | ヨドンボウリング、煙幕、フォーメーション爆破 | 地獄ボウリング爆破作戦 | 木村昴 | - | -※3 |
27 | キョウリョクセッチャクザイ邪面 | 強力接着剤 | 黒 | 強力接着弾、爆弾サポートギアの接着 | 地獄強力接着剤作戦 | 矢野正明 | キョウリョクセッチャクザイシェルガ | ○ |
30 | マネキン邪面 | マネキン | 白 | マネキン化能力、商品タグ型爆弾 | 地獄マネキン作戦 | 鳥海浩輔 | トルソーヒルドン | × |
32 | ナゾカケ邪面 | なぞかけ | 金 | なぞかけクイズ、?マークによる絶対回避 | 地獄なぞかけ作戦(実際は邪面獣軍団大量投入作戦のための闇エナジー収集) | ねづっち | タンクリガニー、シールドシェルガ、センゴクバスラ | ○ |
35 | ゴルフ邪面 | ゴルフ | 黒 | 特製ゴルフクラブ、キャディベチャット | ホールインワン地獄作戦 | 一条和矢 | カートヒルドン | × |
38 | ムシバ邪面 | 虫歯 | 金 | 虫歯ビーム | 地獄虫歯作戦 | 柳原哲也 | - | -※3 |
※1:召喚の方法が例外的。当該項目参照
※2:フリーザー邪面の保険で召喚済み
※3:邪面獣無し
余談
初の令和戦隊でありながら近年では珍しい上に久々に登場した、タイツにブーツ、手袋にベルトを着用した、昭和作品で登場した怪人を思わせる出で立ちの戦隊怪人。
また、加えてマントを羽織ったその姿はさながら「悪のスーパー戦隊」といった風貌であり、都市伝説の怪人やアメリカンコミックのヴィランをも思わせる。
近年の戦隊怪人は番組の予算問題を補う為にスーツを改造して流用することが多かったが、今作は開き直りあえて戦闘員をベースに統一された無駄のないシンプルなデザインになっており、スーツについては現在のところ4種類あるボディ部分に邪面(頭部)を交換して流用している。
モチーフが一定ではない仮面を被っている事と2020年がスーパー戦隊シリーズが通算45周年という節目の年である事から、戦隊の元祖である『秘密戦隊ゴレンジャー』の仮面怪人をオマージュにしていると思われ、デジタルカメラ邪面やSL邪面に関してはスタッフのTwitterなどでもカメラ仮面や機関車仮面というツイートがあったほど。
ただモチーフに使われるのが初、もしくは久々な物がモチーフの邪面師が多い。
曰く、直近の戦隊が大人数、2戦隊の対立構造、王道に見えて意外と変化球という枠組みだったため、「戦隊とはこういうもの」というのを体現するため、分かりやすい攻撃を繰り出す怪人など過去の戦隊に近い感じになったという。
声優に関しては、特撮出演が今回で初か数年振りに特撮に出演した声優が起用されている傾向があるが、声優の年齢層の幅が広くて若手の声優も複数起用されている等、新鮮味があるのが特徴である。
公式サイトの解説には(邪面獣含め)多数のハッシュタグがつけられており、ツイートも出来る。中にはラグビー邪面に付けられた#らぶdeぼーるタッチダウンなど歴代ファンがニヤリとくるものも。
関連項目
ウーラーボーマ、銀河忍者バツラギン、凱力大将ブランケン、邪悪竜、リンリンシー(臨獣拳士)、ビューティフルゾリー魔ー、Mツヨインダベー:同じく戦闘員から昇格した戦隊怪人。一部の怪人は邪面師と同じく、試練の突破や素質を見込まれた事で一般怪人へと昇格している。
改造ポーダマン:ある意味では原点とも言える戦隊怪人。後に本編でこの怪人によく似たそっくりさんが登場。
ゴーマ怪人:過去の仮面怪人をリスペクトした戦隊怪人。
シャドー怪人:6年前の闇から来る組織の怪人で、かつてゴーマ怪人のデザインに関わった篠原保氏がセルフオマージュの元デザインした。
クライムボス:昭和のスーパー戦隊2作目に登場した怪人(正確には構成員の悪人)で、主に戦闘よりもテロや犯罪といった作戦の実行をメインに暗躍していた。また、そのほとんどが任務失敗による処刑や戦闘の巻き添えを食らう形で命を落とすという点も意外と共通している。
シアゴースト、ワーム(仮面ライダーカブト)、インベス、ロイミュード:邪面師と同じく、戦闘員が一般怪人へと進化する特性を持つライダー怪人。
眼魔:同じく昭和風のライダー怪人群。邪面師と同じく、前身となる存在が器物を自身の力へと変え、更なる姿へと変化する共通点を持つ。
グロンギ:同じく昭和の怪人からリスペクトしたライダー怪人群。個々の能力を発揮して特殊な事件を起こし、人々に危害を及ぼしていることにも共通している(ただし特に崇高な目的があるわけでもなくただゲームとして悪事を働いている)。
ドーパント:同じく地球の様々なモチーフに由来した能力を扱えるライダー怪人。モチーフに縛りが無いのも共通している。
マギア:邪面師と同じく令和初かつ同年代のライダー怪人。戦闘員と同じボディで、仮面ライダーを意識した造形をしていたりとデザイン的にも共通点が多い。
アンドロイド兵士:外見的に共通するベースボディを持つ東映怪人繋がり。