概要
仮面ライダーXに登場するGOD機関の幹部。幾度となくXライダーを苦しめた名悪役である。その後、仮面ライダーディケイドにも「迷惑な奴」として登場。事実上のラスボスを務めるという大役を担った。
その姿は太陽をモチーフにしており、怪人というよりむしろヒーローに近いデザインとなっている。他とは一線を画したそのデザインからもわかるように、ただの怪人ではなく、同作における主人公のライバル的存在であり、『仮面ライダーBLACK』『RX』のシャドームーン、『仮面ライダードライブ』の魔進チェイサーなどに代表される、仮面ライダーのライバルキャラクターの先駆けともいえる存在である。
今でもハカイダー、シャドームーンなどと並ぶ特撮界のダークヒーローとして、非常に人気のあるキャラクターであり、2014年に開催された『僕たちの好きな「仮面ライダー」怪人ランキング』でも7位を獲得した。
X版アポロガイスト
俳優・CV 打田康比古
「神敬介!アポロガイストはGOD秘密警察第一室長であると同時にGODの殺人マシーンとも言われている。死んでもらうか!!」
第8話から登場したが、本格的活動は第9話から。
普段は白いスーツに身を包み、「アポロ・チェーンジ!」の掛け声とともに変身する。
GOD秘密警察第一室長で怪人達の監視と処罰が主な任務。独断で怪人を処刑する権限を持ち、作戦の失敗は辛辣な口調で糾弾し、役立たずな者は即刻処刑するため、味方からは嫌われている(処刑されたマッハアキレスは再生された後も処刑されたことを根に持っていて、神敬介の口車に乗り寝返りすらした)。総司令への忠誠心は誰よりも厚く、自身の死期を悟った際は2度ともXライダーを道連れにしようとした。
作中で確認できるGOD機関の構成員の中では唯一GOD総司令と直通の連絡手段となる通信機を持つ事を許され(他の構成員には一方的にテープレコーダーを送り付ける事で指令を出している)、GOD総司令に面会したこともあるなど、GOD総司令からもかなりの信頼を得ていることがわかる。
武器は強力な銃・アポロショットと盾・アポロガイストカッター。そして隠し武装のアーム爆弾(『仮面ライダーSPIRITS』でついに本人の狙い通りの効果を発揮した)。
第14話で自ら古代ギリシャの昆虫「くるい虫」を利用して日本中の人間を殺人鬼に仕立てる「日本きちがい作戦」を実行。元GODの青田博士を狂人にかえて事件を起こした上に作戦がばれないよう救急車に偽装させた車で暗殺をもくろむも、神敬介には陰謀を察知され(曰く「あまりタイミングが良すぎると逆に疑ってみたくなるもんだ」)、それを称賛すると「お前に褒められると妙な気持になる。何、これもGOD、特にお前との付き合いをはじめたおかげだ、簡単に人間を信用できなくなったんでな!」と返している。(なお、口封じ自体は成功した)
くるい虫をコーヒーショップCOLに流して殺人事件をおこし、立花藤兵衛を秘密警察東京分署に拉致したが、店に虫を放った工作員の口をXが割らせたことで場所が知られ、虫も全滅。激闘の末、X必殺キックを喰らい爆死…したと思いきや、人間態に戻り負けを認め、最後の握手を求めるも、アーム爆弾で道連れにしようとした。しかし重傷により爆発のタイミングが遅れてXのみが助かった。
再生アポロガイスト
一度敗れて復活した際強化され、銃と剣が合体した対戦車兵器・アポロマグナム、肘に刃を追加したガイストダブルカッターを与えられた。この形態を再生アポロガイストと呼ぶ。
しかし、再生改造後の命は1ヶ月しか保たず(復活に加担した科学者が再生アポロガイストに捕らえられた神敬介を取り逃がしてしまった際に、この科学者を処刑していたためある意味未完成の再改造手術である)、Xライダーのパーフェクターを移植し生き延びるため、再生神話怪人を率いて形振り構わずXライダーを破ろうとする。しかし、Xライダーとの対戦中に身体が限界を迎え、GODに別れを告げ、Xライダーを道連れにせんと火炎弾丸と化し特攻したが、Xキックに敗れて、爆死する。
Xライダーを自らの好敵手と認め、再生改造でパワーアップしたのち、死神クロノスとの戦いで深手を負った神敬介を捕えるが、処刑せず、「お前の怪我が癒えるまで俺は待つ」と地下牢に入れるなど、独自の美学を有しており、Xライダーも「偉大なるGODの好敵手」と認めている。
また、立花藤兵衛とも縁が深い。立花のコーヒーを気に入り、かつ、立花が店を滅茶苦茶にされ、「まったく、GODに被害を請求したいくらいだ」と呟いたと同時に現れ、札束を投げて「これで足りるか? 神敬介の香典だ」と言い切るなど、律儀な一面を持つ。
放映当時のすがやみつる版ではテレビに準じたスーツ姿の人間体も見せるものの、美学はなく、不甲斐ない怪人を悪罵する。
仮面ライダーBLACKRXともなにかしら因縁があり、ディケイド、ヒーロー戦記、疾風伝説と3度も戦う機会があった。
ディケイド版アポロガイスト
俳優・CV 川原和久
仮面ライダーディケイドにて大ショッカーの大幹部として登場。デザインも現代風にリファインされており、よりシャープな姿となった。武器はアポロショットとガイストカッターを引き継いではいるが、再生アポロガイストのアポロマグナムに付属していた剣のオマージュか、「アポロフルーレ」というレイピアを新たに与えられている。
「相棒」の伊丹憲一でお馴染みの川原氏の怪演もあって「どうみても人間体は白スーツを着たイタミンにしか見えない」非常にアクの強いキャラクターとなっている。語尾に「なのだ」をつけるのが癖であり、自分を「迷惑な存在」と自称する(ちなみにXに登場したアポロガイストも、強化再生後に初めてXライダーと対面した際に似たような発言をしており、それへのオマージュとも考えられる)。また、花を摘み取った際には瞬時に枯らしており、なんらかの能力が作用しているものと考えられるが、詳細は不明。
ただし、大ショッカーの野望を達成するためには手段を選ばない卑怯な手口(ディケイドとの戦いで近くにいた少女を盾にする、RXとの一騎打ちで不利を悟った瞬間怪人を呼び出すなど)は、「オリジナルのような美学を感じない」として一部の昭和ライダーファンから反感を買った。(昭和ライダーで言うと性格や行動は百目タイタンに近い)
その上再生怪人の割に耐久力も高く、リボルケインによる攻撃に加えてRXとBLACKのダブルライダーキック(原典換算だとBLACKのライダーキック4発分)を食らっても倒れず人間態に戻るだけに留まるなど妙にしぶとい。
デザインは再生アポロガイストに似ているが、これはリ・イマジネーションの「仮面ライダーXの世界」でXライダーに敗れた後、大ショッカーにより、生命の炎を吸収する「パーフェクター」(頭の銀色の部分)を与えられ復活したため。それでも相変わらず余命は1年しかないため(「最新の技術でどうにかならないのか?」というツッコミは野暮である)、パーフェクターで片っ端から人々の生命の炎を奪って生きていた(Xライダーのパーフェクターとの関係は不明で、恐らくは模造品の類だろう)。
これにより、夏海はエネルギーを吸い尽くされた為、士はパーフェクターを求めてミラーワールドを駆け回った。
そしてRXの世界での戦いではディエンドの攻撃に注意を引かれ、ディケイドにガイストカッターを躱されてパーフェクターを奪われてしまうが、油断していたディケイドの隙を突いてディエンドがパーフェクターを持ち去った為に夏海は生死の境を彷徨ってしまう。海東は「これからはちゃんと僕を見ていてくれよ」という交換条件付きで司に譲渡し、士は自身のエネルギーを分け与える事で夏海を蘇らせる事に成功した。
一方その頃、アポロガイストはRXとBLACKのコンビに敗れ、RXの世界からは追い出された(ちなみにRXとは太陽繋がりだったりする)。
その後もたびたびディケイドらの前に立ちはだかり、最終的にファンガイアの能力を取り入れた強化態スーパーアポロガイストとなった。
後に『スーパーヒーロー大戦』でも新生大ショッカーの大幹部として登場。
フォーゼを巧みな剣術で追い詰めたが、マグネットステイツのライダー超電磁ボンバーで投げたガイストカッターを破壊され爆死した。
相手がフォーゼなのは、フォーゼの所属する仮面ライダー部が月面に基地を構えるため、アポロの名を冠する彼が選ばれたのではなかろうか?
オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー
GODの代表としてキングダークと共にショッカーの会議に出席している。
上記のディケイド版仕様であり、CVも川原氏が引き続いて担当(クレジットでは友情出演扱い)。「~なのだ」という語尾をつけて喋るシーンもあった。
終盤のオールライダーとの戦闘では仮面ライダーXと交戦。割と善戦したのか、その時点では倒されることはなかったが、最後はショッカー首領の真の姿である岩石大首領の起こした地割れに、他の生き残り幹部及びキングダーク共々巻き込まれて転落死してしまった。
『バトライド・ウォー2』では冒頭からいきなりアーマードライダー三人衆の前に現れる。
ワープしたり、アポロマグナムからごん太ビームを撃ったり、ガイストカッターを投げて周囲を攻撃したり、攻撃が色々多彩である。
SPIRITS版アポロガイスト
再生アポロガイストの姿で、神話怪人を率いてXライダーとSPIRITS第10分隊を攻撃。アポロマグナムで戦闘ヘリを撃墜するという活躍を見せる。Xライダーとの戦闘中にキングダークの頭部がZXによって破壊されたことを知ると全身を発火させてキングダークに乗り移り、炎上する兜となってキングダークを操り、キングダークの巨体をエネルギー化させて核爆発を起こし、大首領JUDOの牢獄を破壊しようとする。
しかし、キングダークの電子頭脳である呪博士と、生体コアにされた滝和也の意思のぶつかり合いによりその計画は頓挫、怒り狂ったアポロガイストはXライダーに突撃するもライドルで頭を叩き潰され死亡する。しかし執念でアーム爆弾を仕込んだ義手でXライダーを掴み、自爆に巻き込んで大ダメージを与えた。魂がない存在とは思えない活躍である。
HEROSAGA
仮面ライダーX本編の後日談である「MASKEDRIDER X EDITION -ゼウスの息子-」に登場している。
しかしその正体はアポロガイストの身体を手に入れたGOD総司令こと呪博士だった。
再びXライダーの前に現れ、彼のパーフェクターを奪い取ったがライダー2号の乱入で失敗する。再びXライダーと戦い、海に散った。
それによると何とアポロガイストは呪博士の息子で父である呪博士に改造されたらしい。だがこの説明は呪博士が初代アポロガイストのふりをして語ったセリフなのでどこまで真実か不明。
本当に息子だったら、レッツゴー仮面ライダーで親子揃って共演していた事になる。
ヒーロー戦記版アポロガイスト
きれいなアポロガイスト。正々堂々とした戦いを好み、部下思い。部下からも人望が厚かった。
仮面ライダー11戦記版アポロガイスト
大首領率いる組織、ガイストの幹部として登場。本拠地である要塞島に乗り込んできた仮面ライダーたちに戦いを挑むものの、その身は大首領の器として選ばれたにすぎず、大首領が憑依した悪魔のような怪物モンスターガイストと化す。
バリアーを張ってライダー達の攻撃を弾き、口から放射する熱線は岩をも融かす。
ありあまるパワーで11人ライダーを圧倒するものの、一瞬の隙を突かれてバイオライダーに体内に入り込まれたところで、仮面ライダーBLACKRXのキングストーンフラッシュエクスプロージョンを喰らい大ダメージを負ったところで、10人ライダーが一斉に放ったライダーキックを浴びて要塞島もろとも葬られた。
マイティライダーズ版アポロガイスト
真面目で律儀。他の八鬼衆(地獄大使や十面鬼)と比べ正々堂々としている。
噂を聞いた藤兵衛は彼らと違うと思ったが、実は同等のアホ。せこい面もある。
仮面ライダーシティウォーズ版アポロガイスト
なんとバトライド・ウォーなどで定着した平成版のデザインではなく、昭和版の再生前の姿で登場する。
昭和世代には嬉しいものである。
クエストのチャプター2『迫る脅威!GOD秘密警察』から戦うことができる。
仮面ライダーエグゼイドヒーローショー
『仮面ライダーエグゼイドヒーローショー』では、呪博士がアポロガイストの体になって登場。
ナイト、タイガ、王蛇、サソード、マリカ、マッハ、ルパン、クロノス、ダークキバ、ビースト、スペクター、ダークゴーストの複製を再現しNEOGOD機関を作り上げ、自分の体にもミラーワールドに入る能力、クロックアップ、重加速、ポーズを再改造で装備させていた。
仮面ライダー1971-1973
ショッカーの上位組織に当たるGOD機関からの刺客で名前は「アポロ」となっている。
改造人間ではなく、人間の中にあるスイッチを入れられた事で誕生した神に近しい存在「真人類」(マイス)の一体であり、ひと睨みで下位種である現生人類を跪かせたり、新人類(いわゆる超能力者)の念力にも対抗できる存在。
ショッカー幹部の【大佐】の攻撃でさえ破壊できない強化服のコンバーターラングを破壊できるほどの身体能力に本郷の攻撃も全く効かない防御力や回避力、超能力の類を有しており、スペックでは本郷を遥かに超えているが、経験では本郷を遥かに下回る。決着が描かれていないが、恐らくは本郷に敗北した模様。
普段こそ無感情な性格だが、本質は新人類を下劣な汚物と見下し、わざわざ首をへし折ったり、心臓を破壊するという残酷な方法で殺すなど傲慢で残虐な性質を有している。
「真人類」の元ネタは恐らく神話怪人とサイボーグ009のミュートスサイボーグだと思われる(あちらにもアポロをモデルにしたサイボーグがいる)。
その他
pixivでは専ら仮面ライダーディケイドとイタミンの影響か、ディケイド版アポロガイストのイラストの方が多い。
視聴者からは、中の人ネタで「イタミガイスト」とも呼ばれる事もある。
なんとアイドルマスターの876プロのアイドルである水谷絵理のブログを覗いていたらしい。(現在そのサイトは閉鎖されている)
関連イラスト
Xアポロ
ディケイドアポロ
小話
当時プロデューサーだった平山氏は、ブラックマルスというもう一人の大幹部を登場させる予定であった。 だが、アポロガイストの人気が非常に高かったこともあり登場させることができなかったという。
マッハアキレスとの仲の悪さは語り草だが、これは元ネタ的に見てもなんらおかしい事ではない(トロイア戦争においてアポロンはトロイア側、アキレスはギリシャ側に就いたから)