概要
挿絵は、山田章博氏が担当している。
十二の国の王と麒麟が中心の物語。
総じて「十二国記」シリーズと呼ばれている。
書名タイトル一覧
※単行本未収録
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十二国記の世界
天帝がかつて存在した世界を一度滅ぼして作り直した世界とされ、天帝が定めた法『天綱』が教条的に働く世界である。十二国記の世界は中国の周時代をモデルにした世界であり、山海経に登場するような神仙や妖魔の存在する世界となっている。
十二国
内海がある花のような形をした大陸と、その四隅に三角形の大陸が存在し、大陸の東西南北に位置する国を「四大国」、四大国の間に存在する国を「四州国」、外海にある国を「四極国」と呼ぶ。また、世界の中心は国ではなく妖魔が跋扈する土地で黄海と呼ばれる。
慶東国 範西国 奏南国 柳北国 雁州国 才州国 巧州国 恭州国 戴極国 漣極国 舜極国 芳極国
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王
麒麟によって選ばれ、天帝に代わって国を統治する人物のこと。麒麟に跪かれた時点で人として死に、神として生まれ変わるとされる。冬器で首や胴を絶たれるか、天命がある限り(つまり、自ら天に願って神籍を抜けるか、麒麟が死なない限り)死ぬことは無い。
前の王と同じ姓でない限り誰でも新王になるチャンスがある。
王が郊祀を行い、道を失わずに統治を行っている限りは天帝の加護で国は自然災害や妖魔から守られるが、王が道を失うと荒れ始め、王が死ぬと妖魔の襲来が始まるのもあって一気に荒れる。ぶっちゃけ人柱。
王と、王の家族の特権で仙籍に入った王族は国の頭文字と同じ音の漢字を当てた国氏を使う。
景王 氾王 宗王 劉王 延王 采王 塙王 供王 泰王 廉王 峯王 徇王
麒麟
一国に一の最高位の神獣。鹿のような獣の姿と人の姿の両方を持ち、普通は金の鬣をしている。十二国世界では金の髪をしている者は麒麟しかいない。
その国の民意が具現化した存在とされ、天帝の命として王を選び、王に仕えるために在る。自らの主である王以外の者には跪けない。逆に、自らの主には否応無く跪いてしまう。主である王が道を外れると『失道の病』という精神的な病に倒れ、放って置くと死んでしまう。
その性は仁にして争いを厭い、血や怨みに弱い。そのため、血肉や脂を口に出来ない。
自ら武器を振るえない代わりに使令を従えており、この世のどんな生物よりも速く宙を駆けるといわれている。その気になれば蝕を起こして蓬莱・崑崙に渡る事も出来る。これらを可能にする甚大な呪力の源は角にあるとされ、額に触れられることを極端に嫌う。
まだ主を選んだことが無い麒麟や、私的な会話では男の場合は「麒」、女の場合は「麟」といい、その頭に国氏を付けて呼ばれる。
景麒 氾麟 宗麟 劉麒 延麒 采麟 塙麟 供麒 泰麒 廉麟 峯麟 徇麒
また、蓬山にいる間は蓬山の主と言う意味の『蓬山公』とも呼ばれる。主を選定して生国に下った後は宰輔(首都州の州侯を兼任)として王の下で働く。但し、国では王の次に偉い存在だが、その本性故に事実上名誉職である。宰輔を麒麟の代名詞に使うとあまりにも直接的過ぎるので、宰輔を呼ぶ時は宰輔の敬称である『台輔』の前に国氏を付けて呼ばれる。
黄海
大陸の内海、つまり世界の中央に位置し、妖魔・妖獣が跳梁跋扈している人外の土地。
「海」という呼称であっても実際には海ではなく、金剛山と総称される高く急峻な山に囲まれた土地に荒涼とした砂漠や荒地、樹海や瘴気が漂う沼などが広がっている。人間世界からは四州国の対岸に一つずつある四令門を通じてのみ行き来が出来る。
さらにその中央に神仙の住まう五山があり、その一つである蓬山には麒麟の生まれる捨身木がある。
その生まれた麒麟に王の選定をしてもらうため、蓬山に向かう者を昇山者という。
妖魔
タグ先『「十二国記」の妖魔』の項目参照。普段は黄海にしかいないが、国から王がいなくなるとどういう訳かその国に侵入する。基本的には冬器でないと殺せない。
用語
用語をある程度説明しないと、人物などが説明し難いので。
蝕
本来、重なってはいけないはずの十二国世界と蓬莱(日本)・崑崙(中国)がある世界が一瞬つながってしまう災害。呪力を使って人為的に起こすことが出来るが、殆どが自然発生したもの。本来交わってはいけない世界が交わる為、十二国世界の蝕の通り道では甚大な被害が起き、向こう側の世界も、王が蝕を使って世界を渡ると大津波などの災害が起きる。蓬莱や崑崙の人が蝕で十二国世界に流されることがあるが、どういう訳かその逆は伯以上の位を持つ仙でしか出来ないうえに、胎果でない限り実体を完全には保てないらしい。
神籍・仙籍
十二国世界では国を安定して維持させる為、王とその家族、官吏とその配偶者と子供は、基本的には『冬器』という特殊な呪をかけた武器以外では害することが出来ない不老不死の体になる。王の場合は麒麟に跪かれた時点一般の戸籍が抹消されて『神籍』に、それ以外は王がその者を『仙籍』に入れる事でこの扱いを受ける。仙籍は下野するなどして仙籍を抜けても元通りの生活が出来るが、王は選定を受けた際に人として死に神になったとみなされる為、神籍を抜ける事は死を意味する。
仙籍は王が死んでも代わっても抹消されない限りはそのままなので、王よりはるかに年上の官僚は珍しくなく、十二国世界では官僚の力が強い。
なお、十二国世界の言語は蓬莱や崑崙とは全く異なるものだが、神仙の頭の中ではそれらを何らかの呪力で勝手に翻訳される模様。海客・山客が神仙になった場合も同様で各自の母語に翻訳される。ただし、文字(漢文)は日本人の場合は白文を読み下せる人でないと読み書きが出来ない。
黄朱の民
定住せず、芸や商売をしたりしながら諸国をまわる浮民のこと。
地域によって、朱旌、朱民、または、「黄海の民」と言う意味から黄民(こうみん)とも呼びならわされる。
使令
麒麟の使い魔になった妖魔のこと。タグ先『「十二国記」の使令』の項目参照。
朱旌(しゅせい)
朱線の入った仮の旌券。旌券とはこの世界で使われる身分証明証のことで、ちょっとしたお使いに行くにも行政区分が違う土地に行くには持っていかないといけないため大抵の人が持っている。または、その持ち主をさす。→朱民(しゅみん)
旅芸人という意味でも使われる。
胎果(たいか)
十二国記の世界では動物と新種の植物は全て木に実る卵果から生まれる。人の卵果は親でないともぎ取れないが、蝕によって強引にもぎ取られてしまうことがある。これによって本来は十二国の世界に生まれるはずだった人間が、誤って卵果のとき異界に流され、そちらで育ち、再び十二国の世界に戻ってくる人間を胎果と呼ぶ。
海客・山客
蝕によって十二国世界に流されて来た日本人を海客、中国人を山客と呼ぶ。海客は外海である虚海の東側に流れ着き、山客は黄海を取り囲む金剛山の麓に流れ着く。彼らは十二国世界に文化や技術を伝えることがあるが、蝕と切り離せない存在の上に、天綱に彼らの取り扱いの規定が無い為、近年まで多くの国で差別の対象になっていた。
半獣
獣と人間の姿が混じってしまっている者のこと。自らの意思で獣人の姿と人の姿の両方の姿を取ることが出来る。その異様さと、天綱に取り扱いの規定が無い為、近年まで多くの国で差別の対象となっていた。現在も個人レベルでは異様さ故に差別視されることが多い。
登場人物
主要登場人物
「月の影 影の海」
- 蒼猿(CV:岡野浩介)
- 塙王(CV:土師孝也)
- 塙麟(CV:佐々木優子)
- 微真(CV:紗ゆり)
- 玉葉(CV:金田朋子)
- 黄鉄(CV:中田譲治)
- 座長(CV:竹口安芸子)
- 予王 舒覚(CV:藤田淑子)
- 舒栄(CV:小山茉美)
「風の海 迷宮の岸」
- 泰麒(CV:釘宮理恵)
- 汕子(CV:勝生真沙子)
- 傲濫(CV:うえだゆうじ)
- 蓉可(CV:ゆかな)
- 禎衛(CV:豊口めぐみ)
- 碧霞玄君 玉葉(CV:津田匠子)
- 犬狼真君(CV:石田彰)
- 廉麟(CV:冬馬由美)
- 驍宗(CV:藤原啓治)
- 李斎(CV:進藤尚美)
- 高里卓(CV:阪口大助)
「風の万里 黎明の空」
- 祥瓊(CV:桑島法子)
- 鈴(CV:若林直美)
- 遠甫(CV:西村知道)
- 浩瀚(CV:乃村健次)
- 柴望(CV:堀川仁)
- 桓魋(CV:松本保典)
- 虎嘯(CV:西凛太朗)
- 夕暉(CV:野島健児)
- 蘭玉(CV:川上とも子)
- 桂桂(CV:千葉千恵巳)
- 月渓(CV:田中正彦)
- 沍姆(CV:竹口安芸子)
- 供王 珠晶(CV:山崎和佳奈)
- 清秀(CV:平松晶子)
- 梨耀(CV:高山みなみ)
- 采王 黄姑(CV:鈴木れい子)
- 采麟(CV:浅野るり)
- 天官長(CV:清川元夢)
- 夏官長(CV:佐々木健)
- 秋官長(CV:金月真美)
- 靖共(CV:佐々木誠二)
- 呀峰(CV:中田和宏)
- 昇紘(CV:大川透)
- 供麒(CV:大川透)
- 冬官長(CV:山口勝平)
- 玉葉(CV:寺内よりえ)
「東の海神 西の滄海」
使令・妖魔・騎獣
アニメ
2002年4月から2003年8月にかけて全45話が放送された。
主題歌
オープニングテーマ
「十二幻夢曲」
作曲・編曲 - 梁邦彦
エンディングテーマ
「月迷風影」
作詞 - 北川恵子 / 作曲・編曲 - 吉良知彦 / 歌 - 有坂美香
関連タグ
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