概要![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
事の発端は『仮面ライダー鎧武』第26話『バロンのゲネシス変身!』。
ユグドラシル・コーポレーションの社長・呉島貴虎によって「ヘルヘイムの森の真相」、及び「チーム鎧武のメンバーの一人である角居裕也の末路」を知ってしまい、仲間の呉島光実から誰にも話さない様、釘を刺された葛葉紘汰。しかし、そんな紘汰が隠し事をしていることを見抜いた高司舞から執拗に詰め寄られた為に紘汰は流石に隠し切れず、光実との約束を破って舞に真実を話してしまう(尚、事実を知った舞はそんな紘汰を許している)。
その翌日、舞はチームメイトと共にユグドラシルの計画を一般市民に伝えようとするが、光実がロックシードからばらまいたインベスによって失敗。これにより舞たちは一般人から激しいバッシングを受けてしまう。
その後、激怒した光実が紘汰に言い放ったのがこれである。
「紘汰さん…舞さんを悲しませるあなたにもうヒーローの資格なんてないっ!」
自分との約束を破ったとはいえ、舞の演説を自ら妨害しておきながら彼女がバッシングされた事で一方的に紘汰を叱責する光実。しかし、この行為が仇となったのか、光実は舞から「頭を冷やせ」と強烈な平手打ちをされてしまう(因みに、このシーンにおいて高杉真宙氏は自らの意思により、彼は撮影中、舞役の志田女史から本気でぶたれたという)。
皮肉にも、最も自分が守りたかった相手から痛みを受け、放心状態となった光実。この一連の出来事によって彼の黒化が決定的となり、光実は紘汰と完全に決別。以降は紘汰の抹殺を企むようになっていく事となる…。
どうしてこうなった![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
本件に至っては放送から十年以上経過した現在でもファンから賛否が分かれており、光実に対しては「自分の思い通りにならないからと言って紘汰を一方的に邪魔者扱いするなんて最低」「舞の事を考えている様でちっとも考えていない」と酷評する一方で、「光実も悪いけど、約束を破った紘汰も悪い」「(光実からすれば)現実を直視すらしないで、無責任に人を煽っている子供」と逆に紘汰を非難する声も少なくない。
しかし、本編を冷静に観てみると一部の中には「舞にも落ち度はあったんじゃないか?」という意見もある。
そもそも紘汰はハナから光実との約束を破るつもりなどなかったうえ、しかも裕也の一件については下手に真実を話せば、舞を始めとした仲間から激しいバッシングを受ける可能性を考えると(実際、紘汰は第1話において初めて鎧武に変身した際にインベスと化した裕也を殺害してしまっている)、「光実に釘を刺されなくても話せない」のも当然である。
しかし、当の舞はそんな紘汰の空気も読まずにしつこく尋問。結局紘汰は真実を話す羽目になってしまった。こう考えると「舞こそが光実と紘汰が衝突する元凶」と思いたくなる人もいるだろう。
幸い、舞はそんな紘汰を許してはくれたが(最も、第1話で紘汰が鎧武に変身して裕也を倒さなければ紘汰も自分も命を落としていた事を考えると、猶更だろう)、その後が問題だった。
せめてヘルヘイムの森の真実は仲間だけに伝え、その後で光実や彼の兄である貴虎を説得しつつ協力すれば光実が闇落ちする事もなかったかもしれない(実際、紘汰は27話で貴虎と和解している)が、この頃の光実はすでに「大切な者を守る為なら犠牲も厭わない」という非情な考えに染まってしまっており、更に28話における戦極凌馬やシド、湊耀子らによる裏切りや、光実とは別に野心を抱えていた駆紋戒斗の思考を考えると、いずれにせよ光実の闇落ちは避けられなかったかもしれない。
皮肉かつ残念な事ではあるが、虚淵玄氏が手掛ける作品とは、正にそういう世界観なのである。
補足![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
上記の様に、紘汰の行動を非難するファンも決して少なくはないが、「仮に真実を隠し続けたとしても結果は変わらなかったのではないか?」という意見もある。
実際、他作品においても…。
- 自分の正体がオルフェノクである事を隠していたせいで草加雅人からそれまで以上の憎悪を剥けられる→乾巧(『555』)
- 神代剣の正体がワームだという事実を隠していた事で真実を知った岬祐月から八つ当たり同然に平手打ちされる→加賀美新(『カブト』)
- ファンガイアとの共存の為、素晴らしき青空の会に協力を仰ごうと自分の正体がキバだと明かした結果、それを快く思わない嶋護から討伐対象に指名され、かつての親友だった襟立健吾に殺されかける→紅渡(『キバ』)
- 記憶を失っていたとはいえ、自分の正体が葛城巧だとバレた事で、仲間の万丈龍我から喧嘩を吹っかけられる→桐生戦兎(『ビルド』)
- 自分がストマック家の一員だと言い出せず、その一家に恨みを抱いていた辛木田絆斗に事実を黙っていた事で彼から殴り飛ばされる→ショウマ(『ガヴ』)
…など、紘汰の様に「話したくても誰にも話せない秘密を抱えたライダー」は少なからず登場しているが、いずれもそのせいで周囲から酷い仕打ちを受ける羽目になっている為、これらの作品を視聴したファンの中には「いずれ紘汰もこうなってしまうのでは?」と心配した人もいたのではないだろうか。
仮に光実との約束を守って真実を隠し続けていたとしても、いずれは舞を始めとした仲間から不信感を買われて孤立してしまったり、後で真実がバレれば仲間から酷いバッシングを受ける可能性は決して0ではないのだ。
更に光実は、その気になれば邪魔者である紘汰を「仲間の裕也を殺した」という事実をダシに使って彼を追い詰めて排除する事も出来る為、こう考えると結局最後に痛い目を見るのは紘汰なのである。
また、本作と同じく虚淵玄氏が手掛けた『魔法少女まどか☆マギカ』においても、主要人物である暁美ほむらが魔法少女の真実を隠していた為に仲間の美樹さやかから八つ当たり同然に非難されたり、先輩の巴マミからも真実を知って「みんな死ぬしかないじゃない!」と発狂された際に危うく彼女に殺されかけた為、こう考えると(虚淵玄ファンからすれば)「真実を隠し続ける事が決して正しいとは言い切れないんじゃないか?」と思いたくなるのも無理はないかもしれない。
因みに『仮面ライダードライブ』においても、主人公の泊進ノ介が弟分である詩島剛からヒロインに対し「真実を話すな」と釘を刺している描写があり、本作を視聴した人の中には「光実の再来になるのではないか?」と憶測した人もいるはず(最も、こちらは本件の様な最悪な結果にはならなかったが)。
余談![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
後に第35話において、光実のある言動がとあるキャラクターに喧嘩を売ったとしてネタにされているが、それ以外にも光実はプリキュア絡みでもネタにされる事が多い。
例えば本作と同時期に放送されていた『ハピネスチャージプリキュア!』に登場するキュアフォーチュンこと氷川いおなに至っては、自分の復讐相手であるキュアプリンセスこと白雪ひめに憎悪を剥け、彼女の仲間に対し、「彼女(プリンセス)を信じていると、いつか災いが降り掛かる」と忠告したりするなど関係を引き裂くような発言を繰り返していた。
無論、いおなはひめ=プリンセスの失態により姉を失ったうえにひめはその事実を仲間に隠し続けてきた他、「困難にぶつかったら即座に投げ出す、言わば逃げ癖」があるなど、ひめ自身にも落ち度はあったとはいえ、奇しくも鎧武と放送時期が重なっていた為に、そんないおなを「プリキュア版の光実」「30分後のそっくりさん」と称した人も少なくなかった。
次に本作から9年後に放送された『ひろがるスカイ!プリキュア』の主人公であるキュアスカイことソラ・ハレワタールは「最高のヒーローを目指す」プリキュアだったため、本件の光実の紘汰に対する言動を不快に思ったファンから、彼女の立場を借りて「紘汰さんをヒーロー失格にするなんて最低です!」というコメントが見受けられた。
更にその翌年に放送された『わんだふるぷりきゅあ!』に登場するキュアニャミーこと猫屋敷ユキに至っても、自分が最も大切にしている相手を守りたい故に他のプリキュア達に対し「もうこれ以上関わらないで」と忠告したりするなど、上記のいおなとはまた異なる意味で「プリキュア版の光実」と称される事もあった(ただし、こちらは最終的に自身の態度が裏目に出て、その大切な相手から反感を買われてしまっている)。
元々プリキュアと仮面ライダーは同じ「東映が手掛ける変身ヒーロー作品」という形で色々ネタにされる事は少なくないのだが、まさかプリキュアシリーズにおいても光実のそっくりさんが出てくるとは…(ただし、上記のプリキュア達は光実の様な闇落ちまでは流石に至っておらず、いずれも中盤には無事に和解して良き仲間となっている)。
関連タグ![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
黙ってろよクズ、そうやって病原菌を撒き散らしているんですよ、全部紘汰さんのせいだ:同じく、光実の下劣な迷言のひとつ。
詩島剛、イゴール、滝川紗羽:いずれも光実と同様、ストーリー中盤(主に27~28話)でヒロインから平手打ちされたライダーキャラ繋がり。
氷川いおな、猫屋敷ユキ:プリキュア作品における光実(人間性)のそっくりさん。
暁美ほむら:同じく、光実(人間性)のそっくりさん。
シン・アスカ:本件の紘汰と同様、「ヒーロー失格」の烙印を押された主人公繋がり。因みにこちらも光実と同様、尊敬していた相手に手の平返しをされた結果、闇落ちしてしまっており、彼を光実と重ねた人もいるはず。