概要
クロスオーバー合体とは、異なる作品の巨大戦力が合体して一つの巨大ロボになる合体方式。ここまでクロスオーバーを活かした合体は戦隊以外になく、他の特撮ロボやロボットアニメのシリーズでも垣根を越えての合体は類を見ていない(厳密にいうとガンダムシリーズは反則的とはいえ実現してはいる)。45年以上の歴史を持つ戦隊シリーズだからこそ成しえた偉業と言えるだろう。
本稿では「それぞれ異なる作品に由来する複数のパワーソースからなる巨大戦力」と捉えて対象を広くとり、スーパー戦隊シリーズにおける番組の垣根を超えた巨大ロボについて紹介。また、仮面ライダーとのコラボ合体も参考として記載する。
実例
『救急戦隊ゴーゴーファイブVSギンガマン』に登場。ゴーゴーファイブの4号ロボであるビクトリーマーズに超装光ギンガイオーのパーツが追加された。
『忍風戦隊ハリケンジャーVSガオレンジャー』で登場、轟雷旋風神の腕がガオシャーク、ガオタイガーに換装され、ガオエレファントが変形した剣と盾を装備。尚、腕のジョイントパーツに互換性があり、無理なく玩具で再現が出来る希少種。
『爆竜戦隊アバレンジャーVSハリケンジャー』に登場。ハリケンジャーとゴウライジャーのダイノガッツで誕生したカラクリボールから出現したゴールドソードスラッシャーを装備した姿。手持ち武器が追加されただけでアバレンオー自体には変化がない。
『轟轟戦隊ボウケンジャーVSスーパー戦隊』に登場。ボウケンシルバー、マジシャイン、マジイエロー、デカブレイク、アバレブラック、ハリケンブルーの「希望」、「愛」、「勇気」、「正義」、「情熱」、「友情」といった「スーパー戦隊魂」の力をアカレッドが一つに纏め送り込むことで誕生した強化パーツを、ボウケンジャーの最終ロボであるダイボイジャーが身に纏った形態。
本来は前作マジレンジャーの最終ロボ・マジレジェンドとのクロスオーバー合体を想定してデザインされたものである。
『獣電戦隊キョウリュウジャーVSゴーバスターズ 恐竜大決戦!さらば永遠の友よ』に登場。ライデンキョウリュウジンがタテガミライオーのタテガミシールドを装備した姿。
- トッキュウレインボー・ギガントキョウリュウジン(VSスペシャル)
『烈車戦隊トッキュウジャーVSキョウリュウジャー』に登場。烈車の代わりに獣電池を装備したトッキュウレインボーと、獣電池の代わりに烈車を装備したギガントキョウリュウジンの2大ロボをまとめた呼び方である。
『平成ライダー対昭和ライダー仮面ライダー大戦feat.スーパー戦隊』に登場。ガブティラがキョウリュウジャーレッシャーに、デンライナーがデンオウレッシャーに変化し、トッキュウオーと換装合体した姿。
『手裏剣戦隊ニンニンジャーVSトッキュウジャー THE MOVIE 忍者・イン・ワンダーランド』に登場。覇王シュリケンジンのシュリケンジンの代わりにトッキュウオーが乗り込み、腕にビルドレッシャーが合体した形態。
『劇場版動物戦隊ジュウオウジャーVS手裏剣戦隊ニンニンジャー 未来からのメッセージ from スーパー戦隊』に登場。ワイルドトウサイキングの胸部に手裏剣状の強化パーツが追加された形態。
『機界戦隊ゼンカイジャー』でのドンモモタロウ先行登場に合わせて登場し、次作『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』でも続投。ドンモモタロウが乗るバイク・エンヤライドンとジュランティラノが合体した巨大ロボである。
『機界戦隊ゼンカイジャーVSキラメイジャーVSセンパイジャー』に登場。ゼンカイジャーの最終ロボ・ゼンリョクゼンカイオーの各パーツが宝石のように輝いている。ゼンリョクゼンカイオーはフルCGで描写されるロボであり、本機も物理的な再塗装ではなくCGモデルの色替えによって表現されている。
『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』第45話に登場。次作のロボであるキングオージャーの頭部がドンオニタイジンのものになっている。
『王様戦隊キングオージャー』第34話に登場。ガブティラを中心にゴッドトンボ、ゴッドカマキリ、ゴッドハチ、ゴッドパピヨンが合体する。
『爆上戦隊ブンブンジャー』第33話に登場。ビュンビュンマッハーロボの胴体にトッキュウオーの四肢が合体する。
『爆上戦隊ブンブンジャー』第38話に登場。ビュンビュンマッハーロボとスピードル合体し、両腕除く上半身ががエンジンオーのものになっている。
春映画における仮面ライダーとのコラボ合体
「スーパーヒーロー大戦」など、スーパー戦隊と仮面ライダーが共演する作品に登場においてはしばしば戦隊ロボと仮面ライダーの要素が合体した巨大戦力が登場する。本稿ではスーパー戦隊シリーズ内の複数作品に跨る存在をクロスオーバー合体と定義しているため、これらの巨大戦力は本稿の趣旨に添わないものであるが、網羅性を優先して参考までに紹介する。
『スーパーヒーロー大戦』に登場。負傷したイエローバスターに代わってゴーバスターオーに搭乗した仮面ライダーフォーゼがロケットスイッチスーパー1を発動し、ゴーバスターオーの両腕にロケットモジュールを装備した姿。
ロケットゴーバスターオーの状態からさらにドリルスイッチスーパー3を発動し、両足にドリルモジュールを装備した姿。
『スーパーヒーロー大戦Z』に登場。仮面ライダーウィザードに召喚された巨大サイズのウィザードラゴンがストライクフェーズに変型、キョウリュウジンの右足に合体した形態。スーパー戦隊ウィザードリングの効果で発現した守護獣ティラノザウルス/豪獣レックス/ティラノヘッダー/恐竜折神/ティライン/ブイレックス/爆竜ティラノサウルスのオーラが変化した炎を纏いライダーキックを繰り出した。正式名称不明のため本稿では公開当時の児童誌に記載されていた表記を仮の名称として使用する。
トッキュウオーとデンライナーの合体形態。完成後すぐにキョウリュウジャーレッシャーが割り込んでトッキュウオーキョウリュウジンfeat.デンライナーとなった。
『スーパーヒーロー大戦GP』に登場。トライドロンがトライドロンシュリケンの効果でオトモ忍トライドロンに変化しシュリケンジンに合体した姿。
ゴーカイジャーにおける「大いなる力」
ゴーカイジャーの巨大ロボであるゴーカイオーには、スーパー戦隊の大いなる力により過去の戦隊の力を宿した存在との合体形態が存在する。本稿における解釈ではこれもクロスオーバー合体に該当するが、この言葉が「本来ならば出会うはずのない2つの力が融合した特別な合体」というニュアンスを含むとするならば、大いなる力のやり取りが作中で毎回のように行われている以上、この合体はその趣旨に添わないとも考えられる。しかしながら本稿では網羅性を優先して参考として記載する。
魔法戦隊マジレンジャーに登場する、レッド以外の4兄弟が合体する巨大ドラゴン・マジドラゴンを模したゴーカイマシンとの合体形態
特捜戦隊デカレンジャーのデカレッド用6輪パトカー型メカ・パトストライカーを模したゴーカイマシンとの合体形態
百獣戦隊ガオレンジャーのガオレッドのパートナー・ガオライオンを模したゴーカイマシンとゴーカイオーの上半身がケンタウロスのように合体した形態
ガオゴーカイオーの状態でシンケンジャーの大いなる力を発動して変形する形態。シンケンジャーの巨大戦力・折神のエンブレムが各所にあしらわれた姿となる。
忍風戦隊ハリケンジャーに登場するカラクリ武者・風雷丸を模したゴーカイマシンとの合体形態
炎神戦隊ゴーオンジャーに登場する機械生命体・炎神のスピードルとベアールVの子供として『海賊戦隊ゴーカイジャー』で新たに登場したオリジナル炎神マッハルコンとゴーカイオーの上半身がケンタウロス?のように合体した形態
秘密戦隊ゴレンジャーのメカ・バリブルーンが背中に合体した形態
- ウイング豪獣神
ゴーカイシルバーの駆る巨大ロボ・豪獣神の背中にメガウインガーのメガウイングが合体した形態
ドンブラザーズにおけるレジェンドアルター合体
ドンブラザーズに登場する小型ロボ・ドンモモタロウアルターおよびドンドラゴクウアルターもレジェンド戦隊の巨大戦力を模したレジェンドアルターと合体することができる。作品内でレジェンド戦隊の力を使用することが当たり前になっていて特別感が薄い上に巨大ロボですらないためクロスオーバー合体の範疇に含まれるか疑問が残るが、参考として記載する。
- VS武器グッドストライクバズーカ装備状態
ルパンレンジャーアルターとパトレンジャーアルターが合体したバズーカ砲を装備した状態。本稿執筆時点では「ドンルパパトモモタロウアルター」のような名称が示されていないため、暫定的にこの名称を用いて記載する。
海外版における実例
マイティ・モーフィン・パワーレンジャーは日本のジュウレンジャーをリメイクした作品であるが、続編制作にあたってはジュウレンジャーからダイレンジャーへ代替わりするのではなく、戦士の姿はそのままに巨大戦力をダイレンジャーのものに乗り換えた第二シーズン、カクレンジャーのものに乗り換えた第三シーズンという形式をとった。それ故に本稿で紹介する合体は本来ならば作品の垣根を超えたクロスオーバーであるが、パワーレンジャーの世界観においてはあくまで同一の物語内に存在する巨大戦力同士の合体に過ぎないことに留意されたい。
『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』シーズン3に登場。スーパー隠大将軍(ニンジャメガファルコンゾード)がキングブラキオン(タイタヌス)に搭乗した状態で、いわばカクレンジャー版の究極大獣神(ウルトラゾード)である。
スーパー無敵将軍ことショーグンメガファルコンゾードがタイタヌスに騎乗した形態。