概要
「バーサーカー(小説)」はアメリカのSF作家「フレッド・セイバーへーゲン」のSF小説シリーズ。邦訳としては長編の「皆殺し軍団」と短編集の「星のオルフェ」「赤方偏移の仮面」が刊行されている。
遥か彼方より襲来した殺戮兵器「バーサーカー」と宇宙へ進出した人類(ソラリアン)の戦いを描く。
日本では加藤直之のイラスト・挿絵付きで刊行され、細長い頭部に一つの目、触手状の腕という姿が特に知られている。
バーサーカー
太古の星間戦争時代に作られた、「命あるものすべてを抹殺せよ」とプログラミングされた自律型殺戮自己複製機械。
本体は巨大な宇宙要塞の群れであり、内部の工場で偵察機や無数の歩兵ロボットを生産することができる。
早い話が『ターミネーター』のスカイネットがデススターを拵えて増えた、と思えばいい。
「バーサーカー」を作り上げた古代の種族「創造者」は敵対種族を滅ぼしたものの、自らもまた「バーサーカー」に滅ぼされたと言われている。
後世への影響
初出は何と1963年。短編集「赤方偏移の仮面」収録の「無思考ゲーム」が記念すべき第一作である。
自己増殖と殺戮を繰り広げる無人兵器群、というアイディアは魅力的で以降数々の模倣を生み出す事となる。
自己複製する殺戮兵器
数学者ジョン・フォン・ノイマンの研究以降、自己複製する機能を持つ自己複製機械というアイデアが広く知れ渡った。中でも本シリーズは自己複製する殺戮兵器というアイデアを採用した初期の作品である。本作に限らずこのようなアイデアには様々なバリエーションが存在する。フィクション作品においては本作同様もっぱら悪役、敵役として登場することが多い。
これらのアイデアはいくつかに分類できる。
生命の殺戮を目的とするタイプ
- メカ(小説)(《銀河の中心》シリーズ)(1977-1999年)
- サイロン(宇宙空母ギャラクティカ)(1978年・2003年)
- 惑星喰い(天空の劫火) (1987年)
- インヒビター(《啓示空間》シリーズ)(2000年)
- テット(オブリビオン(映画))(2013年)
- ゴブニュ(ウルトラマンティガ)
- ビートスター(ウルトラマンゼロ外伝キラーザビートスター)
- ガイゾック(無敵超人ザンボット3)
- ファンタス星人(ウルトラマン80)
- ギャラクトロン(ウルトラマンオーブ)(2018年)
- マザー(WILDARMS)
- ガルファ(GEAR戦士電童)
- 機械生命体(星野之宣作品)
- サイ・バグ(シュガー・ラッシュ)
- ロボット国家ムー(超時空世紀オーガス)
侵食・同化・融合を目的とするタイプ
- ボーグ(スタートレック(1989年登場)
- メタルクウラ(ドラゴンボールZ 激突!!100億パワーの戦士たち)(1992年)
- アパロイド(スターフォックスアサルト)(2005年)
- インベーダー(真(チェンジ!)ゲッターロボ 世界最後の日)
- フュージョン(プリキュアオールスターズDX)
- メガヘクス(MOVIE大戦フルスロットル)(2014年)
- 機械神(熱血最強ゴウザウラー)
- バイド(R-TYPE)
- リーパー(マスエフェクト)
- ゾンダー(勇者王ガオガイガー)
- カオスヘッダー(ウルトラマンコスモス)
侵略自体を目的とするタイプ
- 宇宙鉄面党(スーパーロボットレッドバロン)
- ダダ星地球侵略ロボット軍(宇宙鉄人キョーダイン)
- 暗黒ホラー軍団(大空魔竜ガイキング)
- ガバール星(無敵ロボトライダーG7)
- 銀王軍(仮面ライダー 8人ライダー対銀河王)
- マシン帝国バラノイア(超力戦隊オーレンジャー)
資源の採掘やテラフォーミングなどを行う結果として生命の脅威となるタイプ
- ビザーモ(ウルトラマンティガ)
- ギタイ(オール・ユー・ニード・イズ・キル)(2004年)
- BETA(マブラヴオルタネイティヴ)(2006年)
- ソール11遊星主(勇者王ガオガイガーFINAL)
- 神帝ブゥアーおよび銀河伝承族(マップス)
- ザ・データベース(スーパーロボット大戦W)
- 鉄人兵団(ドラえもん のび太と鉄人兵団)