概要
国鉄→JR東日本が運営する鉄道路線で、以下の3線から構成される。
合計営業距離は総延長で119.1km。佐倉〜松岸間では総武本線よりも13.4km長い。その為千葉〜銚子間を結ぶ列車で発時刻が近い場合、先に出発した成田線経由の列車が後に出発した総武本線経由の列車に追い越される場合もある。
本線
路線概要
路線距離 | 75.4㎞ |
---|---|
軌間 | 1,067 mm |
電化区間 | 全線 |
電圧 | 直流1,500V |
最高速度 | 120km/h(佐倉〜成田)/85km/h(成田〜松岸) |
複線区間 | 佐倉〜成田線分岐点 |
単線区間 | 成田線分岐点〜松岸 |
第一種鉄道事業者 | JR東日本(全線) |
第二種鉄道事業者 | JR貨物(佐倉〜香取) |
運行系統上の区間は千葉〜銚子。
現在の運行形態
特急
成田国際空港へのアクセス列車「成田エクスプレス」が運行されているが、本線内の駅は通勤時間帯を除き通過する。また、かつては銚子・鹿島線方面に「あやめ」や「すいごう」が運行されていたが、利用者減に伴い廃止された。なお臨時列車の「あやめ祭り」が新宿駅発着で「あやめ」の後継列車として運行されている。
快速
成田線内では千葉〜佐倉〜成田間で運行され、東千葉のみ通過する。
上り最終の千葉行を除き全列車が総武快速線へ、更に大半が横須賀線へ直通運転を行なっている。
基本的に成田空港アクセス列車としての役割に重きを置かれている為、成田駅発着の朝の上り列車と夜間の下り列車以外は全列車成田空港駅発着である。
また2018年(平成30年)3月17日ダイヤ改正まで成田空港行の列車には「エアポート成田」の愛称が設定されていた。
日中は2023年(令和5年)3月18日ダイヤ改正まで1時間辺り1〜2本運行されていたが、同改正で1本が普通列車に変更された。
かつては平日朝夜に上位種別の通勤快速が運行されていたが、2022年(令和4年)3月13日ダイヤ改正で快速に格下げされた。なお成田線内では通勤快速と快速の停車駅に差は無かった。
普通
佐倉駅を経由する列車は全列車総武本線千葉駅まで、松岸駅を経由する列車は全列車銚子駅まで直通する。
千葉〜銚子間の全区間を走破する列車も設定されているが、成田〜松岸間は単線の為区間列車も含めて本数はあまり多く無い。下り列車は日中は成田駅で運行系統が分割されており、上り列車も成田駅発着の列車が多い。
この他に千葉駅〜佐原駅間の区間列車や鹿島線直通列車、成田空港駅発着列車が設定されている。
鹿島線は全列車が佐原〜香取間で成田線に乗り入れており、そのうち成田線直通列車は成田発着が1往復、総武快速線直通が1往復設定されている。総武快速線直通は佐倉で成田空港発着の快速と増解結を行う為、同駅で種別の変更が行われる。
成田空港発着の列車は2023年(令和5年)3月18日ダイヤ改正まで1日3往復だけだったが、同改正で日中の快速の一部を置き換えて増発された。
成田臨
成田山新勝寺へのアクセス路線でもあり、年始には多数の臨時列車がJR東日本各地から運行される。普段は成田線を走行しない車両も使用されている。
貨物列車
東京貨物ターミナル駅・越谷貨物ターミナル駅〜鹿島臨海鉄道鹿島臨港線神栖駅間で運行される高速貨物列車が1日3往復(運休日あり)佐倉〜香取間を経由するが、成田線内に停車駅はない。
過去の種別
特別快速エアポート成田
1991年(平成3年)の快速「エアポート成田」の運行開始時に臨時列車として大船駅・東京駅〜成田空港駅間で運行された。
快速と違い成田空港発の列車にも愛称が設定された。また横須賀線内も特別快速として案内されたが、各駅に停車した。
停車駅
(大船〜東京) - 錦糸町 - 船橋 - 津田沼 - 千葉 - 成田 - 成田空港
()内は各駅に停車
※空港第2ビルは未開業
通勤快速
平日の朝に上り、夜に下りがそれぞれ2本運行されていた。
下りは全列車東京発成田行、上りは成田空港発大船行と成田発逗子行で横須賀線内は普通として運行された。
2022年(令和4年)3月17日ダイヤ改正で快速に置き換えられた。
停車駅
(逗子 ← 東京) - 新日本橋 - 馬喰町 - 錦糸町 - 船橋 - 千葉 - 都賀 - 四街道 - 佐倉 - 酒々井 - 成田 ← 空港第2ビル ← 成田空港
()内は各駅に停車
我孫子支線
路線概要
路線距離 | 32.9㎞ |
---|---|
軌間 | 1,067 mm |
電化区間 | 全線 |
電圧 | 直流1,500V |
最高速度 | 95km/h |
単線区間 | 全線 |
第一種鉄道事業者 | JR東日本(全線) |
運行形態
支線内運行の他常磐線(常磐快速線)上野駅方面への直通運転も行われており、一部は上野駅から先上野東京ライン経由東海道線品川駅まで運行される。
時刻表上は定期列車は全て普通列車だが、旅客案内上は常磐快速線直通列車は快速として案内される。
現在は成田駅を越えて運行される定期列車はなく、事実上常磐快速線の一部扱いでラインカラーも同様のを使用している。
日中時間帯は毎時2本、線内運用と常磐快速線直通が交互に運行される。
空港支線
路線概要
路線距離 | 10.8㎞ |
---|---|
軌間 | 1,067 mm |
電化区間 | 全線 |
電圧 | 直流1,500V |
最高速度 | 130km/h |
複線区間 | 成田〜成田線分岐点 |
単線区間 | 成田線分岐点〜成田空港 |
第一種鉄道事業者 | JR東日本(成田〜成田線分岐点) |
第二種鉄道事業者 | JR東日本(成田線分岐点〜成田空港) |
第三種鉄道事業者 | 成田空港鉄道(成田線分岐点〜成田空港) |
1991年(平成3年)3月19日に開業した成田国際空港へのアクセス路線。
インフラ自体は第三セクターの成田空港鉄道が第三者鉄道事業者として所有し、JR東日本は第二種鉄道事業者として列車を運行する。
本線から分かれてすぐに京成成田空港線と並行し、両路線共に単線で途中に行き違いの為の信号場が有る。
運行形態
「本線」の項でも記載した通り、東京方面から特急「成田エクスプレス」と快速、千葉から普通が運行されている。その為空港支線内だけの運用は存在しない。
日中は特急が毎時2本、快速が1本、普通が0〜1本運行。
「成田エクスプレス」は朝の上りと夜の下り以外は東京〜空港第2ビル間をノンストップで運行する。
駅一覧
本線
駅名 | 快速 | 乗り換え路線 | 備考 |
---|---|---|---|
千葉(JO28) | ● | ||
東千葉(JO29) | | | ||
都賀(JO30) | ● | 千葉都市モノレール2号線 | |
四街道(JO31) | ● | ||
物井(JO32) | ● | ||
佐倉(JO33) | ● | 総武本線(成東方面) | |
酒々井(JO34) | ● | ||
成田(JO35) | ● | ||
成田線分岐点 | | | ||
久住 | |||
滑河 | |||
下総神崎 | |||
大戸 | |||
佐原 | |||
香取 | 鹿島線 | ||
水郷 | |||
小見川 | |||
笹川 | |||
下総橘 | |||
下総豊里 | |||
椎柴 | |||
松岸 | 総武本線(八日市場方面) | ||
銚子 | 銚子電気鉄道 |
我孫子支線
空港支線
快速は全駅に停車する為省略
現在の使用車両
自社車両
E259系
鎌倉車両センター所属。特急「成田エクスプレス」の車両。
運用区間は千葉〜成田空港。
E257系500番台・5000番台・5500番台
500番台は幕張車両センター所属。現在は定期運用は存在しないが、臨時特急「あやめ祭り」等で使用。かつては特急「あやめ」で使用されていた他、臨時特急「ウィングエクスプレス」として空港支線へ入線した事もある。
5000番台・5500番台は大宮車両センター東大宮センター所属。臨時列車で使用される。
255系
幕張車両センター所属。成田線内での定期運用は登場時から行われていないが、団体列車等で本線全線で運用される事がある。
過去にはE257系の代走で特急「あやめ」の運用に就く事があった。
185系
大宮車両センター東大宮センター所属。
定期列車は存在せず、臨時列車や団体列車として本線・我孫子支線に入線する。
E217系・E235系1000番台
鎌倉車両センター所属。基本編成は11両で4・5号車はグリーン車。快速で運用される。運用区間は千葉〜成田空港。
付属編成は4両で基本編成に連結されて快速運用に就く他、鹿島神宮発着に限り佐倉で増解結を行い佐倉〜鹿島神宮間を普通列車として走行する。運用区間は千葉〜成田空港/香取及び鹿島線。
209系2000番台・2100番台・2200番台(B.B.BASE)
幕張車両センター所属。2000番台・2100番台は6両または4両編成で我孫子支線以外の全線で運用される。
2021年(令和3年)3月13日ダイヤ改正までは鹿島線での運用も存在した。
2200番台は臨時列車として運用。
E131系0番台・80番台
幕張車両センター所属。ワンマン運転対応車。本線成田〜香取間及び鹿島線で運用。
E231系0番台
松戸車両センター所属。我孫子支線及び常磐快速線で使用される。基本編成は10両、付属編成は5両。
基本編成は主に常磐快速線直通、付属編成は線内運用で使用される。
JR貨物所属
EF210形・EF65形
新鶴見機関区所属。貨物列車牽引機。千葉〜香取間で運用。
過去の使用車両
国鉄民営化後の車両を記載
自社車両
183系
定期列車で使用されたのは幕張車両センター所属車両。
本線全線で運用され、特急「あやめ」「すいごう」「ホームタウン成田」として使用された。
臨時列車では空港支線開業時や2002年(平成14年)のサッカー・FIFAワールドカップ2002開催時に新宿・東京・新潟発成田空港行特急「ウイングエクスプレス」として空港支線に乗り入れた他、常磐快速線上野始発の快速「エアポート常磐」として我孫子支線への入線実績もある。
また幕張車をはじめ各地の車両が成田山新勝寺への初詣列車(成田臨)に充当された。
253系
鎌倉車両センター所属。特急「成田エクスプレス」で運用された。
運用区間は千葉〜成田空港。
E257系0番台
松本車両センター所属。
八王子発成田空港行臨時特急「ウィングエクスプレス」や成田臨等の臨時列車・団体列車で使用された。
485系
各地の車両が本線で団体列車や臨時列車で使用された。
ジョイフルトレイン「ニューなのはな」で運転される列車も存在した。
583系
青森運転所(現・盛岡車両センター青森センター)所属。
空港支線開業時に青森発成田空港行臨時寝台特急「ウィングはくつる」として千葉〜成田空港間に入線した。
113系
大船電車区(現・鎌倉車両センター)・幕張車両センター所属。
かつての主力車両。横須賀・総武快速線用の編成は千葉〜成田空港/香取及び鹿島線、房総ローカル運用の編成は我孫子支線を含め全線で運用された。なお我孫子支線での運用時は常磐快速線には直通しなかった。
211系3000番台
幕張車両センター所属。113系を置き換える為宇都宮線・高崎線から転属。我孫子支線以外の全線で運用された。
209系導入拡大に伴い運用を終了し、一部編成が中央本線に再転属した。
103系0番台・1000番台
松戸車両センター所属。
常磐快速線のかつての主力車両。我孫子支線で使用していたが、E231系導入に伴い引退した。
1000番台は元営団地下鉄(現・東京メトロ)千代田線直通用車両。
成田臨各車両
上記以外にも成田臨で各地の車両が乗り入れた。
JR貨物所属
EF64形
愛知機関区所属。EF210形を置き換えたが同形式復帰に伴い成田線からは撤退。
DD51形
千葉機関区所属。新小岩操駅発着の貨物列車の牽引機だった。