小さくて、カッコいい、ポケトレイン♪
(当時のテレビCMより)
概要
タカラ(現:タカラトミー)が2001年に発売した鉄道玩具。2001年9月から2003年10月までの約2年間、新商品が発売された。
2000年代前半まではタカラとトミーが合併しておらず、また、トミーの鉄道玩具「プラレール」への対抗商品として鉄道玩具が各社から発売されては10年も持たずに消滅することを繰り返していた時代であった。
本商品は、プラレールと同じくデフォルメした上での3両編成で車両を発売したり、線路を規格化して単品売りで拡張できるようにしたりと、対抗商品の良いところに範をとって製作されていたため、いわば「対プラレール最終兵器」として注目を集めた。
特徴
ポケトレインの特徴として以下の点が挙げられる。
- 車両はプラレールの半分程のサイズで、同じくタカラの商品「チョロQ」との連動が考慮されていた。
- スイッチの形式がレバー式のプラレールとは異なり、先頭車の車体上部を押すことでスイッチをオンオフする方式となっている。
- 中間車両が電源、先頭車両が動力車という方式で、先頭車と中間車は切り離すことができなかった。それ故に後述する問題点も…。これは機関車でも同じ。
- 電気機関車など一部車両を除いてパンタグラフが搭載されていなかった。
- 先頭車と後尾車は別金型であるが、基本的に同じ造形で作られており、例えばE3系は先頭車も後尾車もグリーン車(実物の11号車)になっていた。ただしJR四国2000系や貨物列車など例外はある。
- 車両単品には、直線レール2本が付属し、車両を飾れるようになっていた。2001年9月出荷分には、曲線レール8本、直線レール2本の楕円コースが作れるレールが「発売記念」として付属していた。
- 軌間はHOゲージと同じ16.5mmで、HOゲージのレールに載せることが出来た(※走行は難しい)。
販売終了の背景
しかし、車両をプラレールより小型化していたため、プラレールでは先頭車両に電源(電池)と動力(モーター)を同時に搭載している構造に対し、本商品は先述した通り、先頭車両に動力を、中間車両に電源を搭載している(都電は例外で、1両に集約)ため、先頭・中間車両の間に電気配線を通さなくてはならなかった。また、プラレールと違って配線部分のカバーも大きくはなく、「子供が多少荒く扱っただけで断線し、動かなくなる」という子供向け玩具にあるまじき耐久性の低さで、購入者からの支持は得られなかった。簡潔に言えばマーケティング不足であった。
また、この時期はタカラも親会社を転々としている状態(トミーと合併するまでに、親会社がコナミ→インデックスと変遷していた)で、企業の安定化のために事業を縮小せざるを得なかったのも一因であった(しかし2006年まで本商品の販促アニメが放送されていた)。
ラインナップ
セット品
- E4系新幹線MaxやまびこDXレールセット
- このセットに限り、E4系は5両編成になっている。黄色帯。5980円(税別)。
- 500系新幹線オーバルセット 2980円(税別)
- 700系のぞみ8の字セット 2980円(税別)
- エレベーターステーションセット
- ドクターイエロー入り。
- 組みかえパレットシティ ~路面電車の走る街~
- ひかりレールスター高架セット
- ひろがるジオラマタウン 地下ホーム・都会の街編
- ポケトレインマップ 山の風景
- C11蒸気機関車SLニセコ号入り。ト-16にもC11蒸気機関車が販売しているが、セット品は「SLニセコ号」マークのC11207号機で客車が暗い青色なのに対し、ト-16版は、「SLすずらん号」マークのC11171号機で客車が茶色と異なる。
- ポケトレインでんしゃものしり百科
- 高架ホームセット 3480円(税別)
- 113系横須賀色入り。
車両
980円(税別) ※ト-26:1380円(税別)、ト-27:1100円(税別)
- ト-01 500系新幹線のぞみ
- ト-02 700系新幹線のぞみ
- ト-03 E4系Max
- 黄色帯
- ト-04 E3系新幹線つばさ
- 1000番台。(銀色塗装)
- ト-05 E3系新幹線こまち
- ト-06 205系山手線
- ト-07 205系京葉線マリンドリーム
- いわゆるメルヘン顔。
- ト-08 485系L特急雷鳥
- 非貫通形の国鉄特急色
- ト-09 485系L特急レッドエクスプレス
- ト-10 E2系新幹線あさま
- ト-11 EF81+E26系寝台特急カシオペア
- ト-12 400系新幹線つばさ
- 新塗装(E3系と同じ)
- ト-13 300系新幹線
- 屋根がグレーの登場時仕様
- ト-14 DD51貨物列車
- 国鉄色+コキ104(18Dコンテナ搭載)
- ト-15 E1系新幹線MAX
- 旧塗装
- ト-16 C11蒸気機関車
- 前述した通り171号機すずらん仕様
- ト-17 205系アーバン通勤電車
- 帯はスカイブルー。JR京都・神戸線仕様。
- ト-18 485系L特急しらさぎ
- 2002年3月発売。どちらも非貫通形でパノラマグリーン車は再現されない。
- ト-19 EF81貨物列車
- 赤色+コキ104(19Dコンテナ搭載)
- ト-20 E926系イーストアイ
- ト-21 E217系横須賀・総武快速線
- 中間車はダブルデッカー
- ト-22 営団地下鉄銀座線(01系)
- ト-23 EF66ブルートレイン(あさかぜ)
- ただし客車は14系で電源車はない。
- ト-24 2000系特急南風
- 先頭車が非貫通型、後尾車が貫通型と作り分けられているが、どちらも番号は非貫通型の番号である2010。
- ト-25 113系近郊型通勤電車
- ト-26 DD51カーコンテナ車+ヴィッツ(チョロQ)
- 青更新色(856号機)+ワム80058+クム1000
- ト-27 貨車車両セット+スカイラインGT-R(チョロQ)
- 銀色タキ+クム1000+トキ25000。ちなみにこのセットのスカイラインGT-RのチョロQは当時最新だったBNR34。カラーは1999年から1年間だけ販売された激レアカラーのアクティブレッド。
- ト-28 南海ラピート
- ト-29 営団地下鉄丸ノ内線(02系)
- ト-30 885系特急かもめ
- 発売当時の黄色塗装
- ト-31 883系特急ソニック
- 車両は前面パネルが黄色のAO-7編成。
- ト-32 787系特急つばめ
- ト-33 名鉄特急パノラマスーパー
- 車両は全車特別車仕様の1000系。
- ト-34 D51蒸気機関車
- 498号機+ワフ
- ト-35 12系客車セット
- オハフ+オハ+オハフ、D51用
- ト-36 小田急ロマンスカーLSE
- 新塗装(HiSEカラー)
- ト-37 923型新幹線ドクターイエロー
線路
- レ-01 のせレール直線
- レ-02 のせレール曲線(R150)
- レ-03 のせレール大曲線(R200)
- レ-04 のせレールターンポイント
- レ-05 のせレール8の字ポイント
- レ-06 のせレール1/2・1/4直線
- レ-07 のせレール複線ポイント
- レ-08 リアルレール直線
- レ-09 リアルレール曲線(R150)
- レ-10 リアルレール大曲線(R200)
- レ-11 リアルレール1/2直線
- レ-12 のせレール坂直線
- レ-13 のせレール高架セット
- レ-14 のせレール車止め
- レ-15 のせレール複線交差ポイント
- レ-16 のせレール クロスポイント
情景パーツ・ジオラマ
- パ-01 トンネル(コンクリートタイプ)
- パ-02 踏み切り
- パ-03 駅ホーム(対向式)
- パ-04 スペアタイヤセット
- パ-05 トンネル(山タイプ)
- パ-06 橋げたセット
- パ-07 鉄橋セット
- パ-08 ジョイント機関庫
- パ-09 信号・樹木セット
- パ-10 転車テーブル
関連項目
プラレール:本商品との競合、およびタカラトミーへの合併と同時期にクオリティアップを果たしていたため、「ポケトレインの魂はライバルに引き継がれた」とも解釈できる。
スーパートレインがんばりダッシュ:『のりスタ』内で2003年から2006年まで放送されたアニメ。登場する車両や一部の情景は本商品がベースとなっており、当作品はポケトレインの販促アニメとも言える。放送があと1年早ければ、ポケトレインの運命は変わっていたかもしれない。
リモトレイン:同じくプラレールの牙城を崩せずに終わった鉄道玩具。本商品よりもリアルで、赤外線コントローラーによって動作するのが特徴。