概要
アプリゲーム版「ウマ娘プリティーダービー」では、特定のウマ娘の育成シナリオのみ登場する、その育成シナリオ固有のモブウマ娘がいる。
このモブウマ娘達はシナリオでの立ち位置から名前や外見、出走レース設定まで、史実で育成キャラのライバルだったもののウマ娘化してはいない特定の競走馬を強く想起させる…平たく言えば"モデル馬がいる”と推定される存在(一部例外あり)である。
固有モブウマ娘達
登場シナリオ:キタサンブラック
推定モデル馬:ドゥラメンテ
エアグルーヴの母親が運営するクラブ出身のウマ娘で、何故か片言の英語で喋る。トレセン学園ではエアグルーヴが面倒を見ており、彼女を「MA'AM」と呼んで慕う。
キタサンブラック育成実装当時は存在しなかったモデル馬がアニメ3期でウマ娘化して登場してしまった為、他の同期のシナリオではブリュスクマンではなくドゥラメンテが登場する。
名前は「Duramente」と同じ音楽用語「Brusquement」。
どちらも「荒々しく演奏せよ」という意味で前者はイタリア語、後者はフランス語。
※イラスト中央の水色リボンのウマ娘
登場シナリオ:スイープトウショウ
推定モデル馬:ヤマニンシュクル
スイープトウショウと同期のライバルで、トウカイテイオーに目をかけられている。スイーブのシナリオでは「水色リボンのウマ娘」と表記され、名前を呼ばれることはないが出走レースで名前が確認できる。
モデル馬は阪神JFでスイープに勝利したトウカイテイオー産駒。カワカミプリンセスのシナリオでは同じ馬がモデルの「ウマ娘A」(外見なし)が登場。
名前はフランス語の「Sucre(砂糖)」を英語の「Sugar」に、ヤマニン冠はヤマニンゼファーとのギリシャ神話(Zephyr)つながりで「Nymphē」に。
推定モデル馬:ベガ
ティアラ路線の最有力ウマ娘としてユキノビジン、ノースフライトの前に立ちふさがる同期のライバル。秋華賞(史実ではエリザベス女王杯)以降は史実通り能力が落ちる。
モデルは”西の一等星”と呼ばれ、ユキノビジンを桜花賞とオークスで2着に下した二冠牝馬ベガ。産駒アドマイヤベガの育成シナリオには「ダブルティアラのウマ娘」として登場(外見なし)している。
また、アニメには「ペラ」の名前で登場しているが、外見は全く違う。
名前はベガがこと座のα星(一等星)であることと、孫娘ハープスターをイメージしたと考えられる。
登場シナリオ:カツラギエース
推定モデル馬:メジロモンスニー
メジロ家に連なる名門シイナ家のウマ娘であり、カツラギエース同様に圧倒的な存在感を放つ同期のライバル・ミスターシービーの打倒を目指している。シービーにはその存在が意識されていなかったせいか、シービーの育成シナリオには登場しない。
モデル馬は三冠馬ミスターシービーの3歳春までのライバルであり、皐月賞と日本ダービーで2着に惜敗したメジロモンスニー。
名前はメジロ牧場の名前の由来となった東京都目白の地名「椎名町」と、馬名の由来となる鉄道「モン・スニ」が通る「フレジュス峠」から。
黒鹿毛のウマ娘
※イラスト左、登場シナリオ:メジロラモーヌ
推定モデル馬:86世代の牝馬三冠路線出走馬たち
ラモーヌの存在感に圧倒されながらも憧れ、立ち向かう同期としてティアラGⅠに出走してくるウマ娘。
固有の名前と外見を持っているが阪神JF、桜花賞、オークス、秋華賞、エリザベス女王杯の5戦にしか出走しないことや、その外見に該当する勝負服を持つ競走馬がいないことから、他の固有モブウマ娘と違い特定のモデル馬がいないという稀有な存在。
桜花賞2着馬マヤノジョウオ、後にJ・GⅠ馬2頭を産んだオークス2着馬ユウミロク(この2頭はネモティアラと同じ黒鹿毛)、エリザベス女王杯でラモーヌを追い詰めた2着馬スーパーショット(栗毛)などの集合体なのかもしれない。
名前はラテン語の「Nemo(誰でもない)」と、ウマ娘世界で牝馬限定路線を示す英語「Tiara(女性用の軽装冠)」。
登場シナリオ:シュヴァルグラン
推定モデル馬:アドマイヤデウス
シュヴァルグランの幼馴染で、共に競い高め合うライバルでもあるウマ娘。同期ではなく1年早くデビューしており、シナリオ中にオーストラリアへ移籍するが、程なく大きな怪我をしてしまう。
モデル馬のアドマイヤデウスとシュヴァルグランは同じノーザンファーム早来の生産馬で、休養に戻ってくると一緒に過ごし調教を受けていた仲。また、互いの馬主同士も親しい間柄で勝負服もそっくり。現役晩年にオーストラリアへ移籍。17年ジャパンカップに豪州代表として出走する直前に故障し、予後不良となってしまった。
名前は「Admire」同様”称賛”を意味する「Praise」と、ラテン語の「Deus(神)」から語源の印欧祖語「Dyēus(輝き)」→同じ意味の英語「Shine」。
登場シナリオ:サウンズオブアース
推定モデル馬:ワンアンドオンリー
穏やかで少し大人しげな雰囲気を持つ同期のライバル。担当トレーナーは学年最年長のベテランで、引退前にダービートレーナーの称号をプレゼントしたいと意気込んでいる。サウンズオブアースにはウマ娘化した同期がいない分、同期の固有モブウマ娘がシャウトにスタアと2人も用意されている。
モデル馬は、古くはレッツゴーターキン、後にはハーツクライやローズキングダムらを育てた名伯楽・橋口弘次郎調教師の最後のGⅠ馬にして“唯一無二”のダービー馬。
名前は「One and Only(唯一無二)」と同じ意味の英単語「Peerless」に、父ハーツクライ(Hearts Cry=心の叫び)から「Shout(叫ぶ)」。
アニメ3期にはツーアンドロンリーという別の名前と外見で出演。
登場シナリオ:サウンズオブアース
推定モデル馬:ゴールドアクター
一人称「俺」で青毛に大流星の特徴を持つ同期のライバル。レースとは縁遠い家の生まれながらレースでの成功を目指す勇壮な野心家。
成長は遅れたが菊花賞からレースで競い、シニア期の有馬記念ではアースと共に、出走を見送ったシャウトの分も“輝き奏でる唯一無二世代”の全身全霊の走りを見せると誓う。
モデル馬は産駒に目立った活躍馬不在(交配当時)の父スクリーンヒーロー(グラスワンダー産駒)と、代々障害馬の牝系を持つ障害馬の母という異端の血統の持ち主。有馬記念でキタサンブラックを退け、アースとの同期1-2フィニッシュで騎手、厩舎、馬主、生産牧場全てに初GⅠ勝利をもたらした。
名前は「Gold(金)」をラテン語の「Aurum」に、「Actor(役者)」を舞台で輝く「スタア」にしたもの。アニメ3期では同様に別の言語で変換したオールハイユウという別の名前と外見で出演。
登場シナリオ:ジャングルポケット
推定モデル馬:タガノテイオー
ジャングルポケットとメイクデビューで対戦する同期。三冠も期待されるほど評価の高いウマ娘だったが朝日杯FSで致命的な怪我をしてしまう。その後はレースから引退し、故障したウマ娘のリハビリ、再起支援という別の道を切り拓いた。
カルストンライトオのシナリオでは、朝日杯FSの有力ウマ娘として「クラシックが有力視されている」らしい「あの子」がいる…というファンの噂話が聞けるものの、ツヅキはいない。
モデル馬は新馬戦と2戦目で共にジャンポケの2着に敗れ、朝日杯3歳ステークスでも致命的な骨折をしながら2着に入り、予後不良。彼の死から2年後、馬主だった八木良司氏が外厩施設「宇治田原優駿ステーブル」を、更に翌年には生産牧場「新冠タガノファーム」を立ち上げており、いずれも頑健な馬の育成に定評がある。
名前はタガノ冠の由来である馬主の会社所在地・京都府「綴喜(つづき)郡」井手町「多賀」。「Reining」は馬術の種目名で、意味としては「手綱さばき」というニュアンス。
・四天王
登場シナリオ:バブルガムフェロー
推定モデル馬:サンデー四天王
バブルガムフェロー、ソルラピス、ホーリーキュア、ワルツオブシャドウの4人。バブルガムフェローの父親のクラブで抜きん出た力を持っていた親友同士で、一緒にトレセン学園に入学。トゥインクルシリーズでも同期デビューを飾るとジュニア級から鮮烈な成績を残して「四天王旋風」を巻き起こす。
モデルは96世代、バブルガムフェローを始めとしたサンデーサイレンス二年目の産駒4頭。初年度産駒が大暴れした1995年、2歳から早くも優れた成績を残し、3歳でも大暴れして「SS旋風」を巻き起こした。
四天王その①ソルラピス
推定モデル馬:イシノサンデー
黒髪ショートに褐色肌のウマ娘で、四天王のムードメーカー。一人称は「あたし」。バブル曰く「とても明るくて元気。以上!」、本人曰く「ピンクが似合うキュートな女の子♪」。勝負服は海老色とブルーグレイの組み合わせ。クラシック級の秋からは菊花賞ではなくダート路線に挑戦し、芝ダート二刀流のウマ娘を目指す。
モデル馬はサンデー四天王の皐月賞馬イシノサンデー。3歳秋に当時設立されていた「ダート四歳三冠」へとかじを切り、シンコウウインディと争って見事に三冠目ダービーグランプリを制覇。
史実勝負服は水色+黄一本輪+赤袖。山内研二厩舎お約束の家紋入り桃色メンコは、同厩舎のダンツフレームとおそろい。
名前は「Sunday」から太陽を意味する「Sol」、石を意味する「Lapis」と、いずれもラテン語にしたもの。
四天王その②ホーリーキュア
推定モデル馬:ロイヤルタッチ
明るめの茶髪でソバージュをかけたボブカット、眼鏡のウマ娘で、四天王の参謀役。一人称は「ボク」。バブル曰く「勉強家で、頭の回転がとても速い。判断も堅実で冷静」。勝負服は緑に黒のワンポイント。バブル以外の3人と争ってホープフルステークスを制し、四天王の中でもバブルと最も多く戦ったライバル。
モデル馬はサンデー四天王の善戦マン・ロイヤルタッチ。史実でダンスインザダーク、イシノサンデーを下したレースはGⅢ「ラジオたんぱ杯3歳ステークス」の為、四天王唯一のGⅠ未勝利。
ウイニングチケットの半弟で同じ厩舎、同馬主なので勝負服も一緒(赤+水色一本輪、赤袖+黃縦縞)。
名前は中世の治療法「Royal touch=王の奇跡の手当」を似た言葉に置き換えた「Holy(聖なる)」+「Cure(癒やし)」。
四天王その③ワルツオブシャドウ
推定モデル馬:ダンスインザダーク
前髪に一房の黒髪が交じる白いロングヘアのウマ娘で、四天王のまとめ役。一人称は「私」。バブル曰く「落ち着きがあって、とても視野が広い」。勝負服は白地に緑。皐月賞を熱発で回避、菊花賞後に致命的な故障と、実力は際立っていながらも体質に泣かされたが、後進の育成に光を見出していく。
モデル馬はサンデー四天王の菊花賞馬ダンスインザダーク。社台レースホースの馬であり、本来の勝負服はバブルと同じ。
兄弟も優秀で、芝3600mのJRAレコードを持つ半兄エアダブリン(スタブロのダンスリムリック)に加え、全姉ダンスパートナー、全妹ダンスインザムードと史上初の三姉弟妹GⅠ制覇を達成(他の例はシュヴァルグランらハルーワスウィート三姉弟妹のみ)している。
名前は「Dance(踊り)」→「Waltz(三拍子の踊り)」、「Drak(闇)」→「Shadow(影)」。
登場シナリオ:バブルガムフェロー
推定モデル馬:Singspiel(シングスピール)
茶髪セミロングで、左目にモノクルをかけた海外ウマ娘。薄紫色の勝負服で、クラシック級ジャパンカップにのみ登場。1人だけ凄まじい気配を放ち、バブルに英語で挨拶をしてくる。クラシック級時点では破格の能力と数多くのスキルを所持していることに加え、バブルがバッドスキルを付加された状態で戦わねばならないこともあり、普通にプレイしているとほぼ大差で優勝をかっさらっていく。
モデル馬シングスピールは世界中を飛び回ったアイルランド産馬で、元の勝負服は赤に白袖。96年ジャパンカップでは秋華賞馬ファビラスラフインとの競り合いを制して勝利。更に年明けにはホクトベガの最後のレースとなったドバイワールドカップをも制した。
メインストーリー第2部中編、アメリカンオークス3着のウマ娘のモデル馬シンハリーズは、このシングスピールの産駒。
名前はモーツァルトの遺作の1つ、ジングシュピール「Zaide」から。元の馬名の由来「Singspiel(ジングシュピール)」とは、ドイツの庶民向けオペレッタのこと。