概要
1952年2月8日生まれ、東京都出身。生前は青二プロダクション所属だった。本名・旧芸名は、長堀芳夫(ながほりよしお)
よく響く超低音の声質が特徴で、特に壮年~中年の男性役の他、人外の怪物、神や悪魔(とくに閻魔大王が多い)などを演じる機会が多かった。演じる役柄も、冷徹でシリアスな悪役から豪快・豪胆な好漢、ときには温和な癒し系など様々なキャラクターを演じた。
本人もその演じるキャラクターに違わず、紳士的且つ温和でユーモラスな人物であったらしく、デビュー当時のタカアンドトシが、とある番組の企画で郷里氏の自宅をアポなしで訪問した際(タカが郷里氏の演じるキャラクターの声真似を持ちネタとしていた)、TVに顔を出すことに謙遜しつつも快く二人を邸内に招き入れ、タカと揃って『キン肉マン』でのアシュラマンの声を演じてみせた。「アシュラマンは自身の役柄を広げてくれたターニングポイント的キャラ」とも語っていた。また、同作ではロビンマスクも担当し、「怪物的役が多い自分の唯一のカッコイイヒーロー役だった」と、晩年まで代表作として挙げていた。
神谷明、田中秀幸、佐藤正治らと並び、ジャンプ黄金期のアニメ作品には必ずと言っていいほど出演しており、特にその個性的な声質故か、2010年まで数多くのジャンプ作品に出演し続けた。その他『クレヨンしんちゃん』では準レギュラーとして脇役を数多く演じており、劇場版では物語の主要人物として悪役やオカマなど個性的な役柄を多数演じた。
役者以外にも、その威圧的で緊迫感を与える声質から報道、ドキュメンタリー系のTV番組のナレーションを務めることも多く、有名所では『ビートたけしのTVタックル』や『謎を解け!まさかのミステリー』などがある。
突然の死去
2010年1月17日、自宅近くの中野区の路上で手首から血を流して倒れているところを発見され、死亡が確認された。
遺体の近くには『ごめんね』と殴り書きで書かれた手紙が見つかり、警察では自殺と判定している。実際、関係者からも、体調の問題で思うように演技ができないことを嘆いていたという証言もあったらしい。しかし、その真相は、家族の意向により現在も非公開となっている。また、事務所の公式サイトで訃報が発表された際は、これらの経緯が伏せられ、死因が急性心不全となっていた。享年56。
ちなみにアニメ映画や特撮などで多く共演した加藤精三も同じ4年後の1月17日に亡くなっている。
主な出演作品
アニメ
ドラゴンボールシリーズ
『ドラゴンボールZ/ドラゴンボールGT』ミスターサタン*1 | 『ドラゴンボールシリーズ』牛魔王*2 | 『ドラゴンボールシリーズ』ウミガメ*3 |
『ドラゴンボール』シンバル | 『ドラゴンボールZ』コルド大王*4 | 『ドラゴンボール』ドラム |
キン肉マン
その他
『魁!!男塾』江田島平八*5 | 『機動戦士ガンダム(テレビ版・映画Ⅰ)』ドズル・ザビ*6 | 『機動戦士Zガンダム』バスク・オム |
『北斗の拳』ウイグル獄長 | 『銀河烈風バクシンガー』イーゴ・モッコス | 『魔法の妖精ペルシャ』シンバ |
『墓場鬼太郎』鬼太郎の父 | 『ドラゴンクエスト アベル伝説』ドドンガ | 『機動警察パトレイバー』山崎ひろみ |
『ONEPIECE』ジンベエ(初代)*7 | 『銀河英雄伝説』オフレッサー | 『トランスフォーマー超神マスターフォース』ダウロス |
『戦え!超ロボット生命体 トランスフォーマーV』ゴウリュウ | 『トランスフォーマーZ』バイオレンジャイガー | 『トランスフォーマーZ』ダイナザウラー |
『装甲騎兵ボトムズ』ブリ・キデーラ*8 | 『ファイアボール』シャーデンフロイデ | 『太陽の勇者ファイバード』ドライアス |
『劇場版 クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王』Tバック男爵 | 『劇場版 クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡』ローズ*9 | 『BLEACH』ドンドチャッカ・ビルスタン※右端のキャラクター |
『スレイヤーズ』シャブラニグドゥ | 『戦国魔神ゴーショーグン』ヤッター・ラ・ケルナグール | 『スターザンS』鉄人ウルトラZ |
『それいけ!アンパンマン』かぜこんこん(初代)*10 | 『それいけ!アンパンマン』かびるんるん(バイキン強盗団) | 『銀牙』モス |
『ゴールドライタン』サヨッカー | 『真ゲッターロボ世界最後の日』コーウェン(画像右) | |
ゲーム
『戦国無双シリーズ』武田信玄*12 | 『鉄拳』三島平八*13 | 『ジョジョの奇妙な冒険ファントムブラッド』タルカス |
『THE KING OF FIGHTERS XII』ライデン*14 | 『クイズマジックアカデミーシリーズ』ロマノフ*15 | 『スターフォックスシリーズ』ピグマ・デンガー*16 |
『スターフォックスシリーズ』アンドルフ*16 | 『サクラ大戦シリーズ』太田斧彦 | 『ソウルキャリバー』エッジマスター*17 |
『グランディアⅡ』マレッグ | 『ウォーザード』レオ | 『機神咆吼デモンベイン』カリグラ*18 |
『テイルズ オブ リバース』トーマ | 『ドラッグオンドラグーン』マナ(神の声) | 『サルゲッチュシリーズ』ウッキーレッド |
『フェーダ』アイン・マクドガル | 『超鋼戦紀キカイオー』ゴンザレス | 『ウォーザード』金剛 |
- 『天誅』那須
- 『スターフォックスシリーズ』ペパー将軍*16
- 『サターンボンバーマン』Dr.メカード
特撮
『忍風戦隊ハリケンジャー』チュウズーボ | 『ビーロボカブタック』キャプテントンボーグ | 『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』サタンビゾー |
『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』テンペラー星人 | 『ウルトラマンメビウス』デスレム | 『侍戦隊シンケンジャー』アヤカシ・オオツムジ |
『ウルトラマンコスモス2BLUE PLANET』サンドロス | ||
吹き替え
ナレーション
*1 後任は石塚運昇(没後に発売された『ドラゴンボール タッグバーサス』以降のゲーム作品、『ドラゴンボール改』以降のアニメ作品。ただし、アーケードゲーム『ドラゴンボールヒーローズ』ではGOD MISSION 6弾まで郷里が生前に収録していた音声が使用されていたが、GOD MISSION 7弾以降は石塚による新録に変更されている)。なお、後任の石塚も郷里の死去から8年と7か月後に死去。
*2 後任は大友龍三郎(『ドラゴンボール改』第55話以降のメディア作品)。
*3 『無印』~『ドラゴンボールGT』までの担当(『ドラゴンボール改』以降は藤本たかひろが担当)。
*4 後任は大友龍三郎(『ドラゴンボール改』以降のメディア作品)。
*5 没後に発売されたゲーム作品『魁!!男塾 ~日本よ、これが男である!~』では石塚運昇が担当。
*6 没後に発売されたゲーム作品『ガンダム無双3』などでは映画Ⅲ・特別編等でドズルを演じた玄田哲章によって新録されているが、基本的には郷里が生前に収録していたものが使用されている。
*7 後任は宝亀克寿(第442話以降)。
*8 没後に発売された『第2次スーパーロボット大戦Z』では、三宅健太が担当。
*9 没後に発売されたゲーム『クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶ!カスカベ映画スターズ』では大友龍三郎が代役を担当。
*10 後任は銀河万丈(第1190話以降。また、郷里の生前に銀河が代役を担当したことがある。)
*11 後任は大友龍三郎(没後に制作された映画『かいけつゾロリ だ・だ・だ・だいぼうけん!』での担当)。
*12 後任は大友龍三郎(『戦国無双3 猛将伝』以降)。
*13 3~6までの担当。後任は石塚運昇(『鉄拳タッグトーナメント2』以降の担当。)。
*14 没後に発売された『THE KING OF FIGHTERS XIII』ではイアン・ギブが担当。
*15 没後に制作された『クイズマジックアカデミー8』以降のシリーズでは学校を去った設定で登場しなくなっている。
*16 いずれも没後に発売された『スターフォックス64 3D』では最上嗣生が担当(ただし、他のキャストも一新されている)。
*17 没後に発売された『ソウルキャリバーV』では石井康嗣が担当。
*18 没後に発売された『スーパーロボット大戦UX』では、三宅健太が担当。
*19 没後に公開された『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』では斉藤次郎が担当。
*20 後任は今村直樹(2010年3月までの担当)->銀河万丈(2010年4月以降の担当)。
関連動画
- 木曜洋画劇場 プレジデントマン