「どけ! 俺にはあの電車が必要なんだ!」
「あの日、あいつが姉ちゃんを連れ出さなければ…!」
演/CV:後藤大
データ
- 身長:190.0cm
- 体重:87.0k
- 特色/力:電王のデンガッシャーのような短剣を使った攻撃/アナザーデンライナーの使役及び召喚(劇場版限定)/電王・ソードフォームの必殺技のような短剣を使った遠隔斬撃
概要
『仮面ライダージオウ』本編ではEP39「2007:デンライナー・クラッシュ!」及び『仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』に登場するアナザーライダーの1人。
本編では、タイムジャッカーのオーラに見出された、姉・サユリの恋人、大澄ユキヒロに恨みを持つ遠藤タクヤという青年が変身する。
容姿
元の電王の姿をより歪めたような姿を持っているが、桃太郎の鬼をモチーフとしていたモモタロスから一転して山羊のツノのようになった複眼は「イマジン」の由来である魔神やイマジン同様に宿主を支配して操る寄生虫(閲覧注意)を連想させる。
これまでにもアナザージオウにより複数の人物がアナザーライダーに変身しているが、ボディに書かれた年代が変わっている状態で登場するケースはこのアナザー電王が初である。
メイン画像は劇場版個体だが、姿は(表示年代を除いて)全く同じ。
胸から垂れ下がった布や腰の鎧、膝の金属パーツなどにはオリジナル同様の和風要素も残っており、背中にはモモタロスを象徴する炎の翼らしき物がある。
一方で胸の線路状のパーツは上へ行く程に割れて行くなど、全体的に不吉さを感じるデザインとなっている。
ベルトはデンオウベルトとは似ても似つかぬ黄金のナマハゲのようなデザインになっており、劇中でアナザークウガに従っているためかグロンギのベルトにも見える。
スカート状のアーマーの尻部分やローブ部分に2007、DEN-Oの文字が刻まれており、後に本編に登場した個体は年号が「2019」に変化している。
能力
電王のデンガッシャーのように腰回りに4本の短剣を装備し、これらを武器に戦う。本編でデンライナーを襲撃した際には、短剣を振り回す事で短剣状のエネルギーを飛ばして攻撃する技を披露しており、本家ソードフォームの必殺技・エクストリームスラッシュを彷彿とさせている。
ただし4本全て同形状であるため、本家のように連結はできない模様。
また、劇場版の個体はアナザーデンライナーを使役する能力を持つが、本編の個体はこの能力を持ち合わせておらず、それが本編でデンライナーを狙った理由に繋がっている。
アナザーデンライナー
アナザーライダーによって歪められた、まさに悪のデンライナーと呼べる時の列車。劇場版の個体が使役する。
制御車両は角が生えていて口が存在するなど、アナザー電王の顔を模した異様な見た目をしている。
劇中ではティードの移動基地にもなっている。
TV本編での活躍
- EP39『2007:デンライナー・クラッシュ!』
遠藤タクヤの姉の墓参りに来ていた大澄ユキヒロを追い返した後、そこに現れたオーラにアナザー電王ウォッチを埋め込まれアナザー電王に変身。その様子を見ていたユキヒロが驚愕する中、ユキヒロの体にはイマジンのエネルギー体が憑依し……。
その後はオーラからデンライナーを奪い取るように言い渡され、タロスズに依頼された常磐順一郎が修理中だったデンライナーを襲撃。ジオウ・ゲイツ・ウォズを同時に相手取り、3人が変身したジオウトリニティと戦おうとしたが、そこにゼロライナーに乗って現れた桜井侑斗とデネブが参戦し、侑斗が変身したゼロノスとデネブが「最低最悪の未来を止める」ためにジオウトリニティと戦闘を開始。
その隙にデンライナーを奪い取ろうとしたが、それに気付いたジオウトリニティの攻撃とゼロノスのスプレンデットエンドを同時に喰らい変身解除。その場はオーラに連れられて撤退する。
その後、オーラがアナザー電王ウォッチを再起動した事で再びアナザー電王に変身。デンライナーを奪うべく街中を移動していたが、そこにモモタロスに憑依されたゲイツ(以下Mゲイツ)が駆けつけ、(モモタロスがライドウォッチの使い方を知らなかったため)ツクヨミの手を借りてMゲイツが変身したゲイツリバイブ剛烈と対決。そこへさらにユキヒロと契約したモールイマジンも現れ、途中でゲイツリバイブがジオウトリニティの変身に呼び寄せられた事でモールイマジンと1対1の対決になる。
そんな中、ユキヒロから何をするつもりかと問われた際は「お前のせいで姉ちゃんは死んだ!俺は姉ちゃんを守る!」と言い放った。
そこに順一郎が修理を終えたデンライナーがタイミング悪く現れ、それに気付いたジオウトリニティがゼロノスを退けてから止めに行こうとするも間に合わず、アナザー電王がデンライナーに侵入。車両内にいたキンタロス達を押し退け、デンライナーを乗っ取り過去へ飛んで行ってしまう。
- EP40『2017:グランド・クライマックス!』
アナザー電王が過去へ向かう理由が、病気だった姉・サユリの死の原因とみられる「ユキヒロによる外への連れ出し」を阻止するためだったと判明。
2017年5月11日へと飛び、ユキヒロが連れ出す前に姉のいる病院まで訪れたが、そこに後を追ってきたゲイツリバイブに妨害され、剛烈と疾風の圧倒的な力を前に追い込まれる。しかし戦いの最中、モモタロス(の憑依したウォズ)から逃走してきたモールイマジンがデンライナーを乗っ取って襲撃、それに乗って一時撤退した。
一方、2017年のタクヤは後からやって来たソウゴと対話、姉についての真相を聞かされていた。
タクヤはサユリの死をユキヒロが連れ出したことが原因だと考えていたが、実際はサユリは病気が原因で既に助からず、彼女自身の望みでユキヒロによって外に連れて行ってもらっていた。ユキヒロがこのことをタクヤに話さなかったのは、姉を失ったタクヤに自身を恨ませる事で、彼に生きる目的を与えるためだった。
この事実を知った2017年のタクヤは、アナザー電王となった2019年の自分を止めてくれとソウゴ達に懇願。病室に飾られていた写真から二人の行き先(思い出の場所である灯台)を掴んだソウゴはアナザー電王の元に先回りし、モモタロスと共にモールイマジンと戦う……が、モールイマジンはデンライナーで過去の自分を大量に連れてきていた。
直後、駆け付けたゼロノスがモールイマジン達の相手を引き受け、モモタロスを介して改めて電王ウォッチを継承したソウゴの手元にグランドジオウライドウォッチが出現。
満を持して登場した仮面ライダーグランドジオウにより、第39話冒頭と同様に平成ライダー達の力による猛攻を受けて一方的に追い込まれる。
モールイマジン軍団もゼロノス・ベガフォームと電王・クライマックスフォームによって殲滅され、自身もオールトゥエンティタイムブレークを受けて敗北。アナザー電王ウォッチを破壊された。
その後、2019年のタクヤは灯台の上にいたユキヒロとサユリのもとに駆け付け、サユリの「最後にもう一度、二人でこの風景を見たい」という願いをユキヒロが確かに聞き届けていた事を知る。それによってユキヒロに対する恨みと怒りが氷解し、彼に感謝の言葉を告げたのだった。
「ありがとう。ユキヒロさん……」
- EP41『2019:セカイ、リセット』
改変された2019年にて、加古川飛流/アナザージオウⅡの配下として登場。
劇中ではアナザー鎧武、アナザーアギトと共に召喚され、ソウゴが変身したグランドジオウと対決。グランドジオウが召喚した鎧武・電王と共に繰り出した技で撃破されるも、アナザージオウⅡによる歴史改変の力で復活。その後も倒されるたびにアナザージオウⅡの力で復活したが、助太刀に入った門矢士の銃撃で怯んだ隙にグランドジオウに逃げられ、アナザージオウⅡの指示でソウゴの行方を追う。
その後、どこかの地下駐車場で発見したソウゴと再び対決するも、グランドジオウが召喚した大橙丸とデンガッシャーを使って発動した「大橙一刀」と「エクストリームスラッシュ」によってアナザー鎧武共々倒された。
- EP43『2019:ツクヨミ・コンフィデンシャル』
アナザージオウⅡが率いるアナザーライダー軍団の一員として再び出現。一斉にジオウ達に襲い掛かる。
アナザージオウⅡを筆頭にアナザー龍騎、アナザー響鬼、アナザーゴーストと共にグランドジオウと戦うも、最後はグランドジオウが繰り出したキングギリギリスラッシュでまたしても撃破された。
余談(TV本編)
- アナザー電王の変身者である遠藤タクヤは、姉がいる点、姉に恋人がいる点が本家電王の変身者である野上良太郎と共通しており、姉の恋人が自分を犠牲にするような行動を取ったことも一致している。
- ただし、タクヤの場合は姉が亡くなっており、姉の恋人のユキヒロを恨んでいる為、この辺りは良太郎と正反対と言える。
- デンライナーがハイジャックされる展開だが、原典でも仮面ライダーガオウや仮面ライダーディエンドなど実際に乗っ取りを行った人物が多く登場している。
- 約10年経った今でも、時の列車はそれほど魅力的ということだろうか……(恐らくだが制作側が色んな意味で扱いやすいからだろうと思われる)。
- なお、視聴者からは「デンライナー欲しい癖に攻撃加えてどうすんだ?」と突っ込まれていた。
- 演者の後藤氏は同年に公開された「舞台 仮面ライダー斬月 -鎧武外伝-」にて主要人物の一人であるパイモンを演じていた。
- 電王編において、2017年5月11日の世界では病院を主な舞台にしてストーリーが進むが、その時期に放送されていた仮面ライダーは同じく病院が舞台の『仮面ライダーエグゼイド』である。意識したのかは不明。
- ちなみにエグゼイド本編にも、ユキヒロと同じく自分を恨ませる事である人物の悲しみを晴らそうとしていた人物が登場しており、さらにはゼロノスと同じ名前の由来を持った緑色の仮面ライダーも登場している。
- グランドジオウの初活躍回だったからとはいえ、二度目の変身時には異常な打たれ強さを誇っている。
- ただでさえ以前にもゲイツリバイブと交戦していたにも関わらず、グランドジオウ本体からのタイタンソードによる斬撃とフルボトルバスターによるフルフルマッチブレイク、サイキョーギレードの覇王斬りに加え、ビルドラビットタンクフォームのボルテックフィニッシュ、クウガマイティフォームのマイティキック、オーズタトバコンボ+時間停止によるタトバキック×2、鎧武オレンジアームズのナギナタ無双スライサー、さらにオールトゥエンティタイムブレークで呼び出したビルドジーニアスフォームのジーニアスフィニッシュ、鎧武スイカアームズの双刃割り、クウガペガサスフォーム+ゴウラムによるブラストペガサス、オーズガタキリバコンボによるガタキリバキックを食らってようやく変身解除に至った。
- 恐らくアナザー電王じゃなきゃ死んでたんじゃないだろうか。
関連タグ
以下、平成ジェネレーションズFOREVERのネタバレ注意
活躍(劇場版ネタバレ注意)
「俺、参上……」
「ライダーなんか存在しねぇんだよ! 消えろ……消えちまえ!!」
演/CV:福崎那由他
幼い頃の兄・久永シンゴを救うため2000年へ向かった久永アタルがアナザーWからシンゴを救おうとした際、逆にアナザー電王ウォッチを埋め込まれ変貌した。
誕生後はアナザーWと共にティードの元で行動しており、頭部を変形・展開して過去のアタルに正体を明かしたり、アナザーWとのダブルライダーキックで仮面ライダーグリスを撃破している。
変身直後には本家ソードフォーム同様の「俺、参上」の決め台詞を言っているが、オリジナルとは逆にどこか気怠そうでポーズも迫力がない。
また、かつて契約したフータロスや憧れの「仮面ライダー」であるソウゴ達にも容赦なく攻撃しているあたり、アタル本来の人格が歪められてしまっていた模様。
終盤、ティードの拠点に乗り込んで来たソウゴ・ゲイツ・フータロスをティードが時間停止で妨害したところに戦闘員軍団を率いて現れ、3人を追い詰める。
しかし3人にトドメを刺そうとした瞬間、突如空間が時のターミナルのステーション内のような場所へと転移し、そこに本物の仮面ライダー電王・ソードフォームが姿を現した。
ターミナルへの転移に動揺している隙に背後から不意打ちを喰らって転倒し、モモタロスからは「俺のくせに弱ぇじゃねえか!」と言われて戦闘員軍団を蹴散らされた挙句、アックス・ガン・ロッドの連続フォームチェンジで圧倒され、最後はロッドフォームのソリッドアタックで動きを封じられたところにデンライダーキックを叩き込まれ爆散。アナザー電王ウォッチも破壊された。
ティード達によって偽りの電王として操られてしまっていたアタルは、駆けつけた本物の電王によって無事に助け出されたのだった。
そして倒れたアタルを助け起こそうと、彼に手を差し伸べたのは……。
余談(劇場版ネタバレ注意)
- 初のオリジナルのレジェンドライダーによって完全撃破されたアナザーライダーであり、初のオリジナルと共存したアナザーライダー。更に単独の撃破では唯一基本フォームではなく別のフォームに撃破されたアナザーライダーである。
- 上述の活躍から、タイムジャッカーの力でアナザー電王を生み出したとしても、変身者が特異点であるオリジナルの電王の存在を消す事は不可能である事が判明した。
- 空間が転移した理由は謎だが、おそらく電王本編で描かれた分岐点出現後の状態にあったものと思われる。
- アナザーデンライナーは物語の冒頭でゲイツが操縦するタイムマジーンと追突事故を起こして大破してしまい、その際に一度捕まえたシンゴを取り逃がしてしまっている。
- それ以降もティードの目論見が次々と外れる事態が発生しており、これについて「電王の力と一緒に野上良太郎の不運さも引き継いでしまったのではないか」と見ている者もいる。
- 仮面の開く演出は、プラットフォームからソードフォームになる時の電仮面の動きを逆方向にしたようにも見える。
- 共演したアナザーWとは挿入歌「Double Action」による「ダブル」、「2人の人格」「続編が作られるほどの人気作」「必殺技が『エクストリーム』」などの共通点がある。
- また、Wはゲーム作品にて電王の挿入歌と同じ名前のスキルを使う。
- また劇場版主役のジオウとはタイムトラベルものや(電王の場合、名前のみだが)王繋がりという意見もある。
- 基本的なカラーリングはある程度原典から変わっていないが、そのカラーリングと胸の青い発光体が某光の国からやってきたヒーローに似ているとファンからネタにされている。
- 実際に公式でもコラボネタをやった事があり、その作品では容姿の近いツノの生えた巨人が登場していたり、プロ野球のイベントでは光の国のルーキーと共演している。
- また、頭部形状が某漆黒のモンスターに似ていると感じた人もいたとか。