曖昧さ回避
- 『MOTHERシリーズ』のキャラクター。本稿で記述。
- 『ファイナルファンタジーシリーズ』に登場する豚化の魔法。→ポーキー(FF)
概要
『MOTHERシリーズ』に登場するキャラクターで、本名はポーキー・ミンチ。初登場となる『MOTHER2 ギーグの逆襲』では弟・ピッキーや父・アンブラミ、母・ラードナの4人で過ごしている。
一方、『MOTHER3』では本編の展開上彼の家族は本人以外一切登場しない。
家自体は裕福ではあるが、親の愛に恵まれていない家庭で育った事で愛情や友情に飢えている節があり、意地悪で自己中心的な性格で強い者に媚る事も全く躊躇わないようになっている。
作中での活躍
MOTHER2
◆なぞのいんせきのことなら
このポーキーさまが あした
くわしく おしえてやるからさ。
◆おれはいいけど
おまえは じゃまになってるんだ!
ネスの家の隣に住んでおり、彼の友達。他者に借金をする程お金に困っているが愛情に溢れている彼の事を羨ましく思っている。
また、やたらとノックの音が下品であり、この点は何故か弟も同様。好物はお菓子らしいが、嫌いなものはネスの好物(デフォルトでは『ハンバーグ』)である。
『オネット』の丘に落ちた隕石の近くで、はぐれたピッキーをネスと一緒に探しに行った際にブンブーンと出会う。そこで、ネスがギーグから地球を救う子供の1人である事が告げられ彼は旅に出るが、同時にポーキーもギーグの陰謀に巻き込まれ彼の部下となっていく。
カーペインターに取り入って『ハッピーハッピー教』の幹部にのし上がってポーラの誘拐を行う、『フォーサイド』ではモノトリーに取り入り実力者として君臨させる、彼が正気に戻ると今度はネス達の為に用意されたヘリコプターを強奪するなど、とにかく常に先回りして彼らの足止めを行う。
また、途中で改心する振りを見せるなど狡猾な面を覗かせる。
終盤では、過去に行く為にどせいさんが製作した『スペーストンネル』を強奪。ギーグを倒す為にロボットになってまで『過去の最低国』にやって来たネス達の前に重機械に搭乗して立ち塞がり、勝負を仕掛ける。
しかし、ギーグが倒された後はネス達に捨て台詞を残し、時空間を渡って逃亡した。その後の行方は不明だが、EDのラストで彼が書いたと思われる手紙がピッキーから渡された。
エピローグの自由行動で見る限りではミンチ家は実質的に家庭崩壊している様子。
MOTHER3
◆おわりの はじまり。
◆すべての おわり。
◆なかよく しようよ。
◆ぼくが ポーキーです。
◆ほんとうは こんなに すなおな
ただの ちいさな しょうねんです。
当初本人は登場せず、"キングP"として『ノーウェア島』に来た事が仄めかされている。これをきっかけにブタマスクやヨクバが登場し、本編の序盤から間接侵略で『タツマイリ村』を中心に支配されるようになっていく。
第7章『7本の針』のラストで運転手を通して『ニューポークシティ』へリュカ達を招待した。そして、第8章『なにもかも なにもかも』ではリダの情報から『エンパイアポーキービル』の100階で指示を出している事が明らかになる。
しかし、ようやくビルの100階に辿り着いたリュカ達の前に、彼はメカポーキーを召喚した。当初は、本人が戦わない代わりに幾ら倒しても無尽蔵に送り続けられるメカ達に任せ、徐々に彼らを追い詰めようと試みる。
しかし、音楽を心から愛した為にポーキーの洗脳が効かなかった『D.C.M.C.』の乱入と援護によって全て蹴散らされた。更に、3年前の悲劇からずっとリュカ達を心から信じ支え続けたライタやフエル、ブロンソン、ウエスなどの仲間達、彼の大切な家族であるフリントやアレック、そしてかつて『キマイラ研究所』から離反したアンドーナッツ博士も駆け付け、一気に劣勢状態へ逆転する。
窮地に立たされた彼はリュカ達に声をかけた後、遂に無数の天井の蔦から目の前に現れるが......。
◆ゴホンゴホンゴホ。
◆もうすこし まえにでて
よくかおを みせてくれ・・・。
◆おお そんなかおを していたのか。
◆ここまで きみたちを
よんだのは ぼくだ。
◆みらいと かことを
じゆうに いききしてきた たびびと。
◆だれよりも おりこうで
だれよりも チャーミングで
だれよりも いたずらっこな
◆ポーキー・ミンチさま でーす。
◆この ちきゅうさいごの じんるいを
きどっている
へろへろ いきのこりの しょくん!
◆あらためて ようこそ。
おしり ぺんぺーん!
あはははははは。
招かれざる侵略者の顛末 (ネタバレ注意)
そこで明らかになったのは、前作からは想像も出来ない程老化が進み歩行や呼吸すら困難になる程衰弱した姿だった。実際に、移動時には棺のようなカプセルから足の生えたマシンに、まるで介護される老人のように収容された状態で行動している。
しかし、時間転移の影響によるものか不死の存在と化し、無限に老化する歪な人間になっている。また、ねじくれた性格のまま独り旅を続けた為にどの時代や世界にも受け入れてもらえず、その結果子供の心のまま成長を止めた自制心が無い精神と、自己顕示欲や支配欲だけが肥大した悪の権化となってしまった。
その歪んだ性格を自覚してはいたものの、最後まで認める事はしなかった。
前作から時間転移を繰り返した末に『ノーウェア島』に転がり込む形で辿り着いた彼は、序盤から住民の洗脳や島で動物のキマイラ化による生態系の破壊を試みた。更に、自己の欲望の塊とも言える『ニューポークシティ』や街の何処かに『キングのぞう』を作り上げ王として君臨するなど、文字通り子供らしく島をおもちゃのように扱いやりたい放題やっていた。
また、ブタマスク達は旅の道中で出会い洗脳によって集めた人々で編成されており、彼らに島の侵略の促進も命じていた。
このような経緯から彼は本作の全ての元凶であり、皮肉にもヒナワとクラウスを間接的に死へ追いやっている。
マジプシーのロクリアから島にある7本のハリと闇のドラゴンの話を聴いた事がきっかけで、自分を必要としない世界を滅ぼしてやろうと仮面の男にハリを引き抜かせるように命じる。そして、7本目のハリの所へ向かった彼の後を追うリュカ達を阻止する為、勝負を仕掛ける。
しかし、想定以上の強さで乗っていたマシンが壊れる事態に遭った事で追い詰められた彼は、アンドーナッツ博士を騙して製作させた『ぜったいあんぜんカプセル』に逃げ込んだ。これはあらゆる外部からの干渉を阻む事が出来る"絶対に安全な"カプセルであるが、同時に1度入ったら永遠に出られないという代物で博士曰く"外に居る人にとっても絶対に安全"なカプセルであった。
ポーキーはそれを知ってか知らずか、リュカ達の前で嬉しそうに揺れていた。
そして、最後の1本はリュカによって抜かれた事で野望が潰えだだけでなく、彼はカプセルの中で死ぬ事も許されず、例えドラゴンが目覚め全てが終わった後も永遠に生き続ける運命を辿る事になってしまった。
ステータス
MOTHER2
序盤では一時的にNPCとして行動するが、戦闘中では臆病者な一面から死んだ振りをしたりネスを盾にするといった行動を取り、敵には一切攻撃しない。
一方、終盤では先述通り敵として登場。第1形態のギーグに攻撃が効かない為、展開を進めるにはまず彼を攻撃しなければならない。
味方全体のオフェンスとディフェンスを下げる『とてもくさいガス』や、味方1人に大ダメージを与える突進を繰り出して来る。一定ダメージを受けると、ギーグを制御していた『あくまのマシン』のスイッチを切った後にネス達の戦闘から離脱し、戦闘が終わるまで状況を俯瞰するようになる。詳しくはじゅうそうびポーキーを参照のこと。
MOTHER3
メカポーキーは、力尽きる前に爆発で全体ダメージを与えてくる。その為状況に応じて攻撃と回復のタイミングをしっかりと見極めなければならない。
重装備のポーキーは、前2作のラスボスのような正体不明の攻撃(主に物理や『なみだ』の状態異常攻撃)を仕掛けてくる。
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ
スマブラX
アドベンチャーモード『亜空の使者』で、ボスキャラクターの1人として登場。容姿は『MOTHER3』の物を踏襲しており、原作と同様に棺桶から足の生えたようなマシンに搭乗している。
最初は『キングのぞう』に乗り込んでリュカを追い掛け回していたが、救援に駆け付けたネスに像を破壊された事で遂に姿を現し、両者と激突する。
なお、『キングのぞう』は無敵で絶対に倒す事は出来ず、接触すると大ダメージを受けて吹っ飛ばされてしまうので注意。その為、序盤はポーキーを倒すのではなく逃げ延びる事がシナリオを進める条件となる。
超威力の突進やボディプレス、脚部の1つを使った乱れ付き、さらにレーザーなどで攻撃してくる。重い一撃と多段ヒットして大ダメージを与えてくる技の両方を兼ね備えており、更に鈍重そうな外見に反して意外に素早い為、経験者でも苦戦する。
特に、最高難易度の『ゲキむず』ではあらゆる攻撃から一撃でKOされる危険性を孕む非常に危険なキャラクターとなっており、ガレオムやデュオン以上に苦手意識を抱いているプレイヤーも多い。
因みに、亜空軍の一味だったかどうかは不明(厳密には亜空軍配下の兵士と共に登場するが、『キングのぞう』の状態では敵味方関係なく押し潰して歩いていた為)。
スマブラWiiU
口の達者なワガママぽっちゃり少年だった彼、しかし、ごらんのとおり異様な姿である。
いったい彼に何があったのかを説明するには、ゲームを2本ほど、作らなければならない。
オネットの町に住んでいた頃は、ネスのママに「いつもきれいですね、へへへ」といったような、おせじを使うたんなるマセガキ君だったのに・・・・・・。
(参戦後のフィギュア名鑑より)
フィギュアのみで登場。
スマブラSP
同シリーズからメジャーやマイナー問わず様々なキャラクター達がスピリットで登場する中、彼は現時点で未登場となっている。ファンの間では「『ぜったいあんぜんカプセル』に彼も含まれているのではないか」といった説も考えられているが、真相は謎のままである。
余談
- 糸井によると、非道な悪行を繰り返しておきながら生き延びたという点を批判するプレイヤーもいれば、死ぬよりも悲惨な末路を辿る事になった彼に同情する声もある。
- 実は、『MOTHER3』の没データ上にはマシンが落下して死亡するポーキーというアニメーションが存在する。
ネスとの関係性
原作
- 『MOTHER2』においては幾度となくネスと衝突したポーキーだが、本音では彼を大切な友達と思っていた。
- 実際に、作中では彼の事を何度も馬鹿にしたり見下したりしているが、同時に心の奥では親の愛情に恵まれずねじくれた自分に普通に接してくれる唯一の人物で大事な存在と考えており、同時に親の愛に恵まれていた事を羨ましく思っていた。
- 『MOTHER3』ではそれが顕著に示されている。例えば、ネスから貰った『ともだちのヨーヨー』を『イカヅチの塔』でマシュマロちゃんに管理を任せる程厳重に保管していたり、彼の活躍を収めた映画を『ニューポークシティ』の映画館で上映もしている。
- また、それは決してポーキーの一方通行の思い込みではなくネスも何処かで気に掛けていたのではないか、彼の行動原理が両親に愛されなかった事によると知っていたのではないかと思われる。ネスの仲間達も彼の育った家庭とその行動原理の事を既に話されていたか、あるいは理解していた節も充分に考えられる。
- なお、『MOTHER2』の『マジカント』ではこんなポーキーの台詞も見られる。
◆ネス
おまえは いいよな・・・・。
◆なんか おまえのこと
うらやましいよ。
◆・・・・・・。
◆おれなんか ダメさ。
◆だけど、ネス
◆・・・・ま、いいよ。
◆いつまでも なかよく
やっていこうぜ な。
この事から、彼の理解者に最も近かったのはネスなのではないかと思われる。
- しかし、その真意を知る前にポーキーは時空間に飛び去った為、やがて『MOTHER3』で一連の悲劇と彼の悲惨な末路へと繋がっていく事になる。
- もし、もう少し早くお互いがお互いを理解出来ていれば、あるいはネスがより早くポーキーと話し合う事が出来ていれば『MOTHER3』の悲劇は回避され、ポーキーも悲惨な末路を迎えずに済んだのかもしれない。
小説版
- 年齢が14歳に変更された事で、ネスより年上となっている。幼い頃は彼の良き兄貴分だったが、入学後に上級生にいじめられていた所を目撃した彼に見て見ぬ振りをされた事がきっかけで、性格が歪み始めるようになった。
- そして、本編では『オネット』に墜落した隕石に潜んでいたギーグに寄生され、徐々に蝕まれるようになった。終盤ではギーグが復活する前に自我を取り戻し「今のうちに殺してほしい」という自身の願いを聞き入れたネスによって倒された。
- その後、ギーグ打倒で生じた歴史改変でポーキーはネスの兄という世界に変化し、仲の良い兄弟のままエンディングを迎えた。
- なお、改変後は体格や性格がスポーツマン然とした面倒見の良い頼れる兄貴となっている。一方、ミンチ家はピッキーの1人っ子の家庭でネスの家との力関係も逆転した。
- このように、小説版の結末は『MOTHER3』に繋がらない(と思われる)展開になっている(もっとも、この小説版が出たのが『MOTHER3』よりもずっと前なので無理は無い事だが)。
- 恐らく、ポーキーの行動原理が"両親に愛されなかった事"にある事を一番良く知っていたネスが望んでいた結末かもしれない。色々と賛否両論ある小説版だが、もし興味があるなら是非読んでみよう。
関連イラスト
関連動画
MOTHER2
- 『Pokey』
ポーキーのテーマ。サントラには未収録の為、正式な日本語版の曲名は不明。
- 『Pokey's House』
ポーキーの家のBGM。サントラには未収録の為、正式な日本語版の曲名は不明。
- 『Pokey Means Business!』
作曲:田中宏和
ギーグ(第1形態)&じゅうそうびポーキー戦のBGM。サントラには未収録の為、正式な日本語版の曲名は不明。
MOTHER3
作曲は4曲とも全て酒井省吾が担当している。
- 『ぼくはポーキー』
ポーキー初登場のBGM。
前作の「過去の最低国」を思わせる不気味な曲である。
- 『ポーキーのポーキー』
メカポーキー戦のBGM。
前作の最終決戦第一段階の前半を思い出させる「ファミコン風味」の曲。イントロがどことなくコレの戦闘曲っぽい。
- 『ポーキーさまのテーマ』
ポーキー戦のBGM。
- 『絶対安全カプセル』
カプセルが登場した後のBGM。
関連タグ
メインタグ
ジェフ(MOTHER) プー(MOTHER) じゅうそうびポーキー
愛さえ知らずに育ったモンスター:まさしくポーキーと言う人物を端的に表した言葉。
似た者同士
彼同様、裕福な家庭ではあるものの親の愛に恵まれていない家庭で育った為、悪の道に走ってしまった悪役。ただし、最終的には両者共に改心している。
こちらも同じく、外道な事をした子供のボス繋がり。ただし、ポーキーとは違い悲しい過去が全く無い上、恵まれた環境で育っていたのにも関わらず生まれながらの悪であった為、多少なりとも同情の余地があったポーキーよりもタチが悪く全く同情の余地が無いようになっている。
仮面の男との関係上、ポーキーはこの立場と同じといえる。また、ブタマスクは実質ストームトルーパーのパロディとなっている。
一見すると親切な雰囲気に反して本性では主人公に嫌味や皮肉を言う一面や、敵として立ちはだかる点などが共通している。ただし、彼の結末については進むルートによって異なっている。
- マモー (『ルパン三世 ルパンVS複製人間』)
容姿や世界を滅ぼす野望を抱いたという共通点がある。しかし、ポーキーは時空転移を繰り返した影響で不死身の力を持った死神の如き存在と化したのに対し、マモーはクローン技術によってあたかも不老不死であるように見せかけていた。
TVアニメ版本編で死亡した後、物語の舞台となる世界に戦乱の根源を作った罪によって死ぬよりも悲惨な末路を辿った後、TVアニメ版の後日談に当たるOVAにて地上への帰還と復讐、そして自らの死を成就させる為に物語の舞台となる世界を滅ぼす野望を抱いた。
- レッドスカル (『キャプテン・アメリカ』)
死ぬよりも悲惨な末路を辿る事になった悪役繋がり。コズミック・キューブ(インフィニティ・ストーンの1つであるスペース・ストーン)を悪用して外道な事をした天罰によって、インフィニティ・ストーンの1つであるソウル・ストーンのストーンキーパー(守護者)たる死神の如き存在に変えられた。
こいつの行った非道の数々は邪悪の極みそのものだが、カルラ自身は生まれた時からの根っからの悪人ではなかったらしく、鬼の社会では致命的ともいえる戦下手のせいで出世の手段を選ばなくなったが為に徐々に性根が歪んでいった結果である事が作中でも僅かに触れられている。