概略
プリキュアシリーズも作品が20年近く続くごとに様々なキャラクター類例が増えている。その中でもいわゆる大富豪なお嬢様は外せない要素として扱われることが多い。こうしたキャラクターをまとめて扱う事になる。
その出自ゆえなのか全体的に上品で物腰が柔らかく、口調も女性語や丁寧語、あるいはその二つを掛け合わせたお嬢様言葉を使うことが多い。(ただし、お嬢様だからといって全く使わない女の子も少なからずいる)
また生徒会長を務める女の子も多くいる。
そのためプリキュアのイメージカラーとしても、知的なキャラクターが多い傾向にある青キュア・白キュア・紫キュアなどの寒色キュアに分類されることが多い(黄キュアや赤キュアにも多少いるが……)。
主人公格であるピンクチームにほぼゼロなのは、「普通の女の子」らしさが特に最重視される設定なのだからだろう。
その一方で、出自ゆえ一般的常識とはかけ離れた考え方や行動を起こす天然ボケなキャラクターにもなりやすい場合もある。
また、実家は初期は音楽家、学校法人兼古武道家、書家と言った文化人系が中心だったが、現在は政府高官を除けば企業経営(四葉財閥、海藤グループ、立神コンツェルン、愛崎コンツェルン、レストラン・デュ・ラク)が中心になっている。
富裕層故に思想や進路が制限され、束縛からの自立がテーマとして描かれることも多い。
余談だがプリキュアの登場人物は一般家庭と設定されていても、充分すぎるくらい立派な一軒家に住むケースがままあるため、大人の視聴者からは裕福な家庭環境にあるとネタ的に捉えられることもある(父親が失踪し故人となり、母子家庭になってしまった女の子を除く)。
なお、王家に属するプリキュアについては姫キュアの項目が別途存在するので、このお嬢様キュアの項目では扱わない。
該当するキャラクター
水無月かれん/キュアアクア(Yes!プリキュア5&GoGo!)
元祖お嬢様キュア。サンクルミエール学園の3年生、生徒会長も務める。両親は共に音楽家で揃って演奏旅行に出かけているため、普段は大豪邸でじいやこと執事の坂本さんと暮らしている。ヴァイオリンと乗馬をたしなむ才媛。
お嬢様育ちゆえ特に金銭感覚が一般人とは大変ズレており、くるみとりんから度々突っ込まれている。
明堂院いつき/キュアサンシャイン(ハートキャッチプリキュア!)
明堂学園中等部2年生。明堂院流古武道(合気柔術)道場の跡取り娘かつ、同学園理事長の孫娘にして生徒会長。実家は道場を兼ねた和風な大邸宅で執事もいる。
本来跡取りとなる兄・さつきが病弱であるため、その代わりになろうと普段は男装するなど男の子のように振る舞っているために、女子力や女性らしさをアピールするような女性語やお嬢様言葉を全く使わない。
青木れいか/キュアビューティ(スマイルプリキュア!)
七色ヶ丘中学校2年生。クラスの学級委員長兼生徒会副会長を経て、生徒会長になった。実家は和風な邸宅で祖父は書家らしく、父も画家である模様。礼儀正しく、普段の会話でも敬語で話す大和撫子。責任感が強く真面目だが、その真面目さ故なのか家庭環境故なのか、俗世間に疎かったりボケを真面目にかますこともある。
クラブ活動は弓道部に所属しており、彼女の格闘センスはアマチュアながらそれなりに高い。
四葉ありす/キュアロゼッタ(ドキドキ!プリキュア)
七ツ橋学園2年生(学園生活の描写はほぼ皆無)。デパート・銀行・ホテル・リゾート・病院・不動産・鉄道・船舶・空港・テレビ・芸能界など幅広く経営する四葉財閥の御令嬢で、このメンバーの中でも最大クラスな大富豪であるのは疑う余地が全くない。
お嬢様言葉を常用しているのは、このメンバーでは彼女のみである。
専属執事のセバスチャンの公私にわたるサポートの元、家から任された企業の経営を中心としている。
おっとりした性格でこちらも大変浮世離れした感性の女の子。その一方で芸術もスポーツもあらゆる面で英才教育を受けており、特に武芸一般を体得しているため、それがプリキュアとしての戦闘にも活かされている。また、現在まで続くお嬢様プリキュアのイメージを決定づけた雛形キャラでもある。
海藤みなみ/キュアマーメイド(Go!プリンセスプリキュア)
ノーブル学園2年生。海藤グループの御令嬢で、こちらも企業体を手広く経営しているが、みなみの場合は経営に携わることなく勉学に励んでいる。
こちらも生徒会長であり、仲間たちと出会う前はドーナツを食べたことがなかったりプリクラを経験したことがないほど、世間とは大変ズレている女の子。
立神あおい/キュアジェラート(キラキラ☆プリキュアアラモード)
いちご坂中学校2年生。立神コンツェルンの御令嬢なのだが、跳ねっ返りなお転婆娘でもある。
それ故にいつき同様、やはり女性語やお嬢様言葉を全く使わない。
ロックに目覚めてからはバンド活動を主にし、それと並行してパティシエもやっている。
ロック仲間と交流を密にしているためなのか、お嬢様特有な一般常識のズレはこのメンツの中では全くない。むしろプリキュア仲間たちの誰かがボケ始めるとツッコミ役に必然的に回るくらいであるほど、常識人枠として扱われている。
庶民的でお転婆な性格が原因で、専属執事の水嶌みつよしから𠮟責されることもしばしば。ただ流石というべきなのか、社交辞令や礼儀作法など一通りなお嬢様としての基礎は身につけている。
愛崎えみる/キュアマシェリ(HUGっと!プリキュア)
ラヴェニール学園小等部6年生。愛崎コンツェルンの御令嬢で、お城のような大豪邸に住むお嬢様。
口調こそ語尾に「~なのです」をつける丁寧語口調だが、極度な心配性かつ暴走癖の持ち主だったり、ヒーローに憧れるようになったりとお嬢様らしからぬ要素も持つ。
音楽を幼い頃から嗜んでおり、あおいのようにエレキギターに目覚め、そちらを弾くほうを最も好む。
香久矢まどか/キュアセレーネ(スター☆トゥインクルプリキュア)
観星中学校3年生。地元名家の御令嬢で、父は政府高官、母は世界的に著名なピアニスト。和風なれいかの家とは対照的に、広大な敷地に洋風の大邸宅を有し、両親と執事・使用人と共にそこで住んでいる。
ピアノと弓道は全国大会を制するほどの腕前、さらに華道や茶道もたしなみ、学校の成績もトップを維持し続ける才媛。
こちらもまた生徒会長で、「観星中の月」と呼ばれるほどに憧れな存在となっている。そしてやはり通学は車移動、学校が終わってからはすぐに稽古事に取り組むという「綱渡りな生活」だったため、仲間たちと出会うまでは、みなみ同様商店街に行ったりドーナツの買い食いをした経験が全くなかった。
芙羽ここね/キュアスパイシー(デリシャスパーティ♡プリキュア)
メイクやカワイイものが大好きな新鮮中学校2年生。クールビューティでおしゃれ。おいしーなタウンの洋食ストリートにある高級レストラン「レストラン・デュ・ラク」の御令嬢で、それ以外にも父親が多数のレストランを経営している。周りからは「高嶺の花」と一目置かれる存在。口数は少なめで、1人で過ごす時間も好む。専属執事の轟に車移動を行わせている。
準お嬢様キュア
公式的にお嬢様とされているわけではないが、状況描写などから経済的に大変裕福な家庭環境であり、お嬢様扱いが充分可能なお嬢様キュアに準ずるキャラクター。
雪城ほのか/キュアホワイト(ふたりはプリキュア/MaxHeart)
両親が画商を営み、普段は祖母のさなえ、愛犬・忠太郎と大きな日本家屋で暮らしている。言うなれば、ほのかが準お嬢様キュアの元祖となる。
来海えりか/キュアマリン(ハートキャッチプリキュア!)
父はカメラマン、母は元モデルで現在はデザイナーとしてブティックを経営し、映画ではパリにまで出店している。姉も現役高校生スーパーモデル。
北条響/キュアメロディ(スイートプリキュア♪)
父は世界的な音楽家、母は世界を飛び回るヴァイオリニスト。家も敷地も莫大な大邸宅。主役キュアの中では、経済力が間違いなく最も高いセレブリティ。
円亜久里/キュアエース(ドキドキ!プリキュア)
養祖母が茶道の師範。自身の口調もお嬢様言葉。自身の素性から考えれば姫キュアとも言える。
天ノ川きらら/キュアトゥインクル(Go!プリンセスプリキュア)
自身が人気モデル、母も現役スーパーモデル、父はハリウッド進出も果たした俳優という芸能一家。タワーマンション住まい。
琴爪ゆかり/キュアマカロン(キラキラ☆プリキュアアラモード)
祖母が茶道の家元で茶室を備えた和風な大きな屋敷に住む。また、様々な習い事や英才教育を幼い頃から受けている。
薬師寺さあや/キュアアンジュ(HUGっと!プリキュア)
こちらも母が大女優でタワーマンション暮らし。
沢泉ちゆ/キュアフォンテーヌ(ヒーリングっど♥プリキュア)
歴史ある旅館沢泉の看板娘で、番頭の川井からは「お嬢さん」と呼ばれ、母のなおは若女将、祖母のはるこは女将を務めている。
涼村さんご/キュアコーラル(トロピカル〜ジュ!プリキュア)
実家があおぞら市のコスメショップ「Pretty Holic」を営んでおり、上述のえりか同様プリキュアファッション仲間の一員に数えられるほどに、メイクやコスメのことならとても物知りな女の子。
プリキュア以外のお嬢様キャラクター
小田島友華(ふたりはプリキュア/MaxHeart)
※一番右の女子
なぎさとほのかの先輩にあたるお嬢様。プリキュア以外のお嬢様キャラクターの元祖でもある。
五星麗奈(ドキドキ!プリキュア)
四葉財閥に並ぶ大企業グループ「五星財閥」の令嬢で、ありすをライバル視する。
一条蘭世(HUGっと!プリキュア)
大女優を夢見るお嬢様兼さあやのライバル。
姫ノ城桜子(スター☆トゥインクルプリキュア)
姫ノ城家21代目当主というお嬢様。まどかに憧れると共にライバル視もしている。