ヒスイバクフーン
ひすいばくふーん
基礎データ
概要
ヒスイジュナイパー、ヒスイダイケンキと並び、御三家初のリージョンフォーム。
ヒスイ御三家の最終進化系の中では唯一、原種と分類が異なっている。
背中の色が濃い紫になった他、本来背中側にだけあった炎の噴出器官が、首回りを一周する形で増加している。
そこから噴き出す炎も妖しく揺らめく紫色のものに変異しており、まるで妖怪や、数珠をかけた祈祷師・霊能力者を彷彿するデザインとなった。
ヒスイの中心にそびえるテンガン山の霊気が影響してこの姿になったとされ、行き場を失いさまよう霊魂を食べる事によりその炎で浄化し、冥界へ送ると信じられている。
また、しばしば何もない宙を目で追っている姿が見られ、生命エネルギーの流れや霊魂を見ていると考えられている。
体型は原種バクフーンよりも前脚が若干大きく、二足歩行化が進んでいる。
性質も荒々しく鋭い目つきをしていた原種から一転、ニヒルで不敵さを感じる顔立ちに変化し、戦闘の際もどこか優雅で余裕を感じさせる所作と、良くも悪くも従来のバクフーンのイメージから離れた物となっている。
その為、炎を出していないオフの時では少々威厳がなく、気怠げな印象を受ける。
このように普段は温厚で非好戦的なポケモンだが、ひとたび怒ると原種以上に感情を爆発させ、灰も残さないほどに執拗な炎で相手を燃やし尽くしてしまう。
その際首元から生み出した最大108にも及ぶとされる鬼火は、恐ろしい獣のような形相となり相手に襲いかかるという。
タイプにはほのおタイプに加え、見た目通りゴーストタイプが追加されており、後付け進化とはいえ炎御三家初のゴースト複合となった。
色違いは背中の体毛が青みがかって、原種とほぼ同じ色合いになる。
ゲームにおける特徴
| HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ヒスイ種 | 73 | 84 | 78 | 119 | 85 | 95 | 534 |
| 原種 | 78 | 84 | 78 | 109 | 85 | 100 | 534 |
| 変化分 | −5 | ±0 | ±0 | +10 | ±0 | −5 | ±0 |
原種バクフーンのHPと素早さを少し削って特攻に回したステータスとなっている。
耐久と素早さが下がったリスクは無視できないものの、素早さに関しては依然として速い方なので、ヒスイジュナイパーほど問題にはならないし耐久はそもそも元のバクフーンの戦略性に全く必要が無いので実質低下したのは素早さのみである。
バクフーン族初の専用技「ひゃっきやこう」を習得し、「たたりめ」に確率のやけど効果を付与したような性能を持つ。
せっかく火力が上がったのに原種の宝刀でもあった「ふんか」が未実装なのは惜しいところだが、代わりに本作では「オーバーヒート」がバクフーン族の実質的な固有技になっている。
ゴースト技が追加されたお陰で欠点であった技範囲が広がり、底上げされた火力でガンガン押していける他、厄介なねこだましやしんそく、フェイントも無効化出来るようになったので安心して出せたりまもるを潰される心配もない。
一方でほのお・ゴースト複合は耐性も多いが弱点も突かれやすく、特に本作はじめん技やあく技を使うポケモンが多いので注意。
ふいうちには更に弱くなったが原種の時点で食らうとほぼ再起不能と化していたのであまり問題にはなっていない。
逆にふんかだけに拘らなくても良くなったのでもうかが生きる様になったとも言える。
分類が「おにびポケモン」に変わっているが、本作では肝心の「おにび」が未実装となってしまった。
主に専用技の「ひゃっきやこう」で火傷を与え、ダメージ増加を狙っていくことになる。
ちなみにLEGENDSアルセウスでは相手を問答無用で数ターン行動不能にするねむり状態・こおり状態がなくまひ・どくに似た別の状態異常に置き換えられており、どんな状態異常であっても相手が行動する可能性が残っている。
せっかくさいみんじゅつを決めたのに捕獲したいオヤブンがすてみタックルを放ってきて自傷し戦闘終了、なんてこともあるので、ノーマルタイプの自傷技を不発にできるゴーストタイプの追加は捕獲面でもそこそこ役に立つ。
第9世代
HOME解禁にてパルデア地方に連れてこれるようになった。ランクバトルでは使用不可能だが、レギュレーションDからは使用できるようになる。
対戦を考えると、同タイプではソウブレイズとラウドボーンが存在する。前者は物理型、後者は素早さの差が大きいので差別化は容易。
夢特性はおみとおし。相手の所持している道具を分かる特性。ダブルだと相手2体の道具を確認できるので更に有用。
ただ、アイテムを奪う・交換する技がほしがるしかない。すりかえ、トリックが欲しかったところ。
しかし相手のスカーフをはじめ道具を確認して行動を選べるので、耐久が減らないと発動しないもうかや読みが必要な上に対象は炎技が通りにくい事が多いもらいびと、原種の受動的な特性に比べるとスカーフ噴火との相性は格段に良い。
前述の通りゴースト技を一致で撃てるようになり、炎半減相手で止まらずに一致ゴースト技を叩き込めるようになったのは非常に大きい。
更に原種譲りの「きあいだま」も使える。炎ゴーストどちらも半減以下にする相手には抜群をとれるので、覚える特殊技の少なさに反して技範囲は完成されている。
とくこうが10上がった分相手へかけれる負担が大きいのも見逃せない。
また「めいそう」、「のろい」を使用できる。前者は原種が覚えない貴重な積み技で、後者はゴーストテラスタルを切らずとも数値受け相手に圧力をかけれる。
噴火の威力を下げたくない関係上ダメージを少しも食らいたくないバクフーンにとってノーマル格闘技の先制技（特に「ねこだまし」）を無効化できることは大きい。
S-5で抜かれる相手（特にミミッキュとウーラオス）も原種でも厳しい相手が多く、何ならひゃっきやこうで殴りながらワンチャン火傷狙いできるこちらの方が可能性あるまであるため、基本的に素早さ低下分のデメリットよりも他のメリットの方が上回る。
総じてバクフーンの代名詞であるスカーフ噴火型に関しては原種の上位互換と言って差し支えない性能をしている。スカーフ以外型でも範囲の広さと火力、補助技の差でやはり軍配が上がる。
悪い意味で戦略性が一切無かった原種バクフーンと比べると取れる戦略が広くなった分、扱いやすさが格段に上がっている(技範囲の狭さのせいで炎半減相手の打点に物理技を選ぶことがあるため時には攻撃が伸びにくい性格を使いづらい原種と比べると、特殊技のみで範囲を完結できるのでまず性格の時点で厳選がやりやすい)。
余談
シャンデラの炎は燃やした魂の行き場を無くし永遠に彷徨わせるとされ、行き場を無くした魂を燃やして浄化するヒスイバクフーンとは、同じほのお・ゴーストタイプでありながら炎の性質が正反対となっており興味深い。
ミジュマル、モクローと違いヒノアラシはBDSPで入手可能だが、現代のシンオウでは育てても原種にしかならない。
ということは、時代を経てテンガン山は霊山としての性質を失ってしまったのだろうか…。
外見については、どうも3Dモデルと公式絵でやや趣が異なっている。
3Dモデルでは瞼のように映る目の上の暗い部分は公式絵ではアイシャドーのように描かれており、目そのものも垂れ目な印象の3Dモデルに対し切れ長な公式絵。
総じてニヒルというよりは妖艶と呼ぶべき、どこか女性的な雰囲気に仕上がっている。
原種のバクフーンが初登場した第二世代おいて、その色違いは背中の炎色がやや紫がかったものに変わっており、この姿がヒスイバクフーンの片鱗（メタ的に言えばヒスイバクフーンがGB時代への原点回帰）とも受け取れる。
ある意味、過去のバクフーンと言える。
