「レッツ…変身!」
「お楽しみは…俺からだ!」
変身する仮面ライダー
概要
『仮面ライダードライブ』第12話より登場する、仮面ライダーマッハに変身する青年。職業はフリーカメラマン。年齢19歳。
詩島霧子の実弟である。MOVIE大戦フルスロットルにて先行登場した。
※劇中では変身後の姿だけだったが、パンフレットには変身前の姿と霧子の弟であることが記されている。
人物像
良くも悪くも自信家且つお調子者。登場した当初はエンジンの掛かりが遅い進ノ介をやや見下している節があった。しかも本気なのか冗談なのかは不明だが、第13話冒頭にて彼と姉のやり取りを見て2人の仲を男女の仲と考え、同話以降は進ノ介のことを「進兄さん」と呼んでいる。
また敵の前で口上を決めたがり、横槍を入れられるとわざわざ仕切り直す。
口上は「追跡! 撲滅! いずれも…マッハ! 仮面ライダー…マッハ!」
第14話の前半では進ノ介のフォローに入ってロイミュードを追ったが、仕切り直したせいでポーズを決めた時には逃げられていた(後半では流石に反省したのか、冒頭を言い終えると「以下省略!」と縮めている)。この件については関連イラストも参照されたし。
また、かなりの目立ちたがりの様で、姉である霧子に自分の日本でのデビュー戦を観て貰いたいがためにわざわざガンマン・ロイミュードとの決戦の場所に電話で呼び出していた(余談だが、初登場時に本来はドライブの仲間であろうシフトカー「アメイジングサーカス」も舞台演出に加担させていた)。
マッハに変身する際は彼独自の口上として「Let's…変身!」と言う。
一応自身の性格がトラブルメーカーである自覚はある様で、姉に迷惑を掛けないため、霧子との同居は断っている。
だが、どうも単なるお調子者という訳では無い様で…?
実姉の霧子のことは「たった一人の家族」として非常に大切に思っており、前述の件の様に姉のことを思いやる描写も多い。
お調子者の様に振舞っている理由も、過去にロイミュードに襲われた姉に自身のロイミュードへの復讐心、そして父である蛮野が元凶であることを悟られないように無理矢理に笑顔を作り道化を演じているためだった。
また霧子の方も剛のことを気に掛けており、第17・18話の様に彼が調子に乗った際には厳しい言葉を掛ける言葉もあるが、彼が悩みを抱えている時には後述の様に姉として彼が立ち直るきっかけを作る等、姉弟の絆は強い。
また、もう1人の仮面ライダーである進ノ介のことは、前述の様にやや見下していたり姉とのことでからかったりしていたが、彼が「自分のブレーキになる」と決意を自身に伝えてからは、事件の情報を提供する形で解決に貢献したり戦闘で共闘し見事なコンビネーションを見せる様子も増えてきている。その他にも、第27話終盤にて自分がずっと1人で心に抱えてきたことを彼にのみ伝える等、何だかんだで信頼関係は強い。
姉同様に身体能力はとても高く、劇中でもバク転や側転を連発している。
その他にも捜査能力もかなりの物で、進ノ介に先んじて事件に関する情報や証拠写真を仕入れてくることも多く、自身の立ち位置を利用して大活躍している(進ノ介達は警察組織に所属しているが故の利点を持っている一方で、自由に動けない等の制約も抱えているために、彼が自身の身体能力やフットワークの軽さを活かした単独行動で援護している)。
初登場時はアメリカ帰りということもあり、英語混じりの口調だったが、物語が進んで行くごとにその要素は薄れ、内に秘めた熱い面がクローズアップされる様になった。
変身までの経緯
当初はアメリカに住んでおり、そこでハーレー・ヘンドリクソン博士の指導の下、仮面ライダーの訓練を受けていたらしいのだが、017と018が渡日したことと蛮野が父親であることを知ったため突然帰国した(MOVIE大戦フルスロットルの時系列を考慮すると、本編第9話と第10話の間に帰国したことになる)。
小説版ではこの点に関して深く掘り下げられ、過去にオクラホマ州の断崖絶壁で宙吊りになっていた所を、「危険が大好物だ」が口癖の「イーサン・ウッドワード」という青年に助けられ、親友となるが、偶然ニューメキシコ州にてマフィアの兄弟(正体はロイミュード017とロイミュード018)に遭遇してしまい、殺害されてしまう。彼等のアジトを突き止めた際に剛も殺されそうになるが、ハーレー・ヘンドリクソン博士に助けられて仮面ライダーマッハの力を手に入れた。しかし、訓練を完了せずに飛び出したために、マッハには装着者への負担が大きい・活動限界時間があるといった弱点が残ったままになっている(仮面ライダーとしては完成しているため、ロイミュードと戦うことは可能)。
イーサンが嘗ての親友であり、激しい差別の末に死んでしまったというネイティブアメリカンのブライアンから聞かされた「自然はこんなに優しい。なのに、何で人間は人間を憎むんだ」という言葉は剛にも受け継がれ、最終回後の彼はこの言葉の本当の意味を理解できた様子。
ロイミュードへの憎悪
前述の様にチャラい印象が強いが、不意に真剣な表情を見せることもあり、進ノ介には「何か深いものを抱えている」と推測されていた。親友を殺害された影響でロイミュード達を一切信用しておらず(チェイスも例外ではない)、一刻も早く全滅させるべきというある意味過激な思想を持っている。このため、劇中でも「ドライブは人を守るライダー、マッハは敵をぶっ潰すライダー」と発言した(それでも第22話でチェイスの処遇を進ノ介に任せる等、状況に合わせた柔軟な行動を取ることもあり進ノ介と決定的に対立したことは無い)。
また、姉の霧子がチェイスのことを気にかけていた時には、彼との関係を「機械人形とのラブロマンス」と呼び皮肉ったりもした。
第23話ではドライブばかりがパワーアップし、自身は敵に対して苦戦しつつある現状に危機感を抱き、その焦りからシュート・ロイミュードの攻撃でマッハドライバー炎を破壊された。
続く第24話では、りんなにマッハドライバー炎を無事修理して貰うも自身の実力不足を憂い、マッハのパワーアップを嘆願する。しかしベルトさんには「焦り過ぎている」ことを指摘され、自分をもっと信じる様に助言を受ける。
その後、霧子と幼少期を振り返り、彼女の「信じている」という言葉で立ち直り自信を取り戻すことによってデッドヒートを完全に制御することに成功、シュート・ロイミュードを撃破する。
しかしその後も味方となったチェイスを敵視し、人間の味方である筈の仮面ライダーチェイサーに対して敵意も剥き出しに攻撃を加えるなどロイミュードへの憎悪は消えておらず、その件で第27話冒頭では意見が対立した霧子から平手打ちを受ける(この際、先に剛が霧子のことを力強く押したため、霧子に非があった訳では無い)等、ある程度チェイスやロイミュードに対して寛容な考えを持つ周囲の人間から孤立を深めていく。
そして、第27話での戦いの後に彼から語られたのは、ロイミュードを生み出した蛮野博士は彼の父親であり、その罪悪感が彼のロイミュードへの憎悪を増幅させているという、信じ難き真実であった。
なお、霧子はこのことを知らない様で、剛も進ノ介に対して固く口止めをしている。つまり、剛の目的は最愛の姉が罪悪感で苦しまない様に、彼女が父親の犯した罪を知る前に一刻も早くロイミュードを全滅させることである(訓練を途中で抜け出したのはこの目的のため。また、彼がこの事実を知ったのはアメリカにいた時だと第37話にて判明)。
そして、その強い憎悪の念を第27・28話にてシーカー・ロイミュードに利用されてしまい、遂にロイミュードと融合していた人間を分離させること無く撃破する=殺害する寸前まで暴走してしまい、心身ともに疲弊しきってしまうことに……(自分の醜い目的のために他者を弟にでっち上げ、現場に居合わせた子供の両親がシーカーの差し金で争い始める等、「家族」を踏み躙る彼等のやり方は複雑な家庭環境で育った剛にとっては地雷でしかなく、心身をボロボロにするには十分過ぎるものであった)。
そして第29話終盤では何とブレンと共に姿を現し、マッハに変身してドライブとチェイサーに襲い掛かった。上記の様に激しくロイミュードを憎んでいる彼がどうしてロイミュードの手先になってしまったのか、詳細は不明であった。
これに関して、ロイミュード001は剛を仮面ライダーを倒す最強の戦士にするために何らかの謀略を張り巡らせていることを示唆している。
続く第30話において彼もまた、001によってロイミュードへの憎しみをライダーに向ける様に記憶を改竄されていたことが発覚したが、その事実は進ノ介から「家族というものが人間にとって如何に大切なものであるか」を聴いていたチェイスの意向により、姉の霧子は知らされていなかった。
その真意と活躍
ところが、第33話で剛を救出に来たチェイスが001に追い込まれた瞬間に、何とブレンを人質に取ってロイミュード側から離反し、ブレンのタブレットPCを強奪してみせた。
実は裏切った振りをしてロイミュード側に潜入しており、目的もブレンのタブレットPCだった。因みに彼も特異体質だった様で、これが原因で001の能力が効かなかった(もしかすると仮面ライダーの資格者に選定された理由の1つにこの体質があるかもしれないが、詳細は不明)。
このタブレットには「ロイミュードの全て」を記録したデータベース(=蛮野博士を模した人工知能)が存在し、それをネタにブレンが裏切りの交渉を持ち掛けてきたという。剛はこれを狙って裏切った振りをし、ブレンが隙を晒してタブレットを奪えるチャンスを虎視眈々と狙っていた。それさえあれば、ロイミュードを一網打尽に出来ると確信して。
これ以外にも、特状課に「ミスターX」を名乗って真影壮一の行った全国一斉検診のデータを密告しており、特状課を陰から支援していたのだった。
だが、流石に進ノ介が目の前で倒されたことや彼の死によって悲しむ霧子の表情を見たことによるショックは大きく、奪ったタブレットをヤケになって捨て去ろうとしてしまった。だが寸前でチェイスに組み臥され、タブレットの情報を霧子のために活かせと諭される。
その後、霧子の自宅に向かい、彼女の前で土下座しながら経緯を説明して懺悔。その誠意が伝わり、何一つ叱らずに自分を許して信じ続けてくれた姉に「これで姉ちゃんはまた笑顔になれる」とタブレットから得た情報を書いたメモ帳を見せて情報を提供。そして、そこにあった計算式はある奇跡への足掛かりとなったのだった。
以後の行動
上記の出来事以降暫くの間は、自責の念から「今更仲間面出来ない」として特状課やドライブピットに姿を見せずに単独行動を取り、前述のタブレット内の人工知能の研究及び活用法を見つけようとしていた(因みに、人工知能のことを第33話では「蛮野博士」、第34話以降は「父さん」と呼んでいる)。
第35話ではシーフ・ロイミュードとの戦闘に加勢する形で進ノ介やチェイスと再会したものの合流はしなかった。因みに第33話での出来事があった後もチェイスに対してはどこか突き放した態度を取っており、「俺はお前のダチじゃない」と告げている。また、同話終盤ではタブレットを取り戻しに来たハートと対峙した。
続く第36話にてハートとタブレットを巡って戦闘になるも敗北、奪われかけるが蛮野博士自身の力によりその場を切り抜ける。
その後、ブレンの毒に侵された唐沢ゆかりを救うために、彼女の治療を蛮野に依頼したチェイスと共にその治療を見守り、治療が成功した後は元気なゆかりとチェイスと一緒にゆかりを救出!イッテイーヨというコメント付きの動画を撮影して特状課に送信、ゆかりの安否を心配していた進ノ介を安心させた。
そして同話終盤にて追い詰められた仁良とブレンが正体を表した際に、遂に進ノ介・チェイスと同時に変身。
ライダーが3人になってから実に10話かかって、漸く3人が揃い踏みした瞬間であった。
それ以降も暫くは蛮野と共に単独行動をしていたが、第38話にて蛮野の静止を振り切って他の仮面ライダーとクック・ロイミュードとの戦闘に加勢したことが切っ掛けで、第39話以降は再び特状課に出入りする様になった。
しかし第39話にて、蛮野が特状課の面々に自ら正体を明かしたことで姉に自らが隠していた真実を知られてしまう。それでも霧子を安心させるべく、蛮野が悪人でないと証明するために彼の言葉を信用してトルネード・ロイミュードの事件に取り組むが、同話終盤にて蛮野がライドブースターを操り自分達を襲撃するという信じ難い光景を目の当たりにしてしまう。
そして遂に第40話にて、ハートから父親である蛮野天十郎の邪悪な本性と自分達は彼の復活のためだけに利用されていたという最悪の現実を知らされて絶望してしまう。しかし進ノ介からの激励を受け、彼が自分の父親の事件と向き合い続けた様に、父親から決して逃げずに向き合い、蛮野を含めた人類を脅かす『全ての悪』と戦う覚悟を決めて立ち直り、終盤でトルネード・ロイミュードに苦戦するドライブの援護に駆け付け、撃破に大きく貢献した。
また、チェイスとの関係も前述の仁良との決戦や第37・39話でのロイミュード006の襲撃等で共闘を重ねるにつれて徐々に良好な方向に向かって行っている様で、何やかんやで彼の相談に乗ったり彼に笑顔を向けたりと、これまでの彼なら考えられない行動も増えてきている。
しかし、第41話での事件を「メディックによる卑劣な人体実験か何か」と決め付けたり(彼女の場合前科があるので止むを得ない部分もあるが)、第43話にてチェイスに「お前はロイミュードなんだ!ダチになれる訳があるか!」と発言をしたりと、話数が進むにつれてロイミュードに対して共感の様な感情を抱き始めた進ノ介とは違い、ロイミュードへの不信感は拭えていない模様であるが、その一方で第44話で霧子の見舞いを躊躇する進ノ介を見て、傍らのチェイスに笑顔を向けており、父親の件もあってか変わりつつある。
ただ、第44話にてブレンの最期を目の当たりにした際には怒りを爆発させており、同話ラストでの蛮野の卑劣な策略から進ノ介やチェイスのみならず敵幹部であるハートやメディックをも庇っている。
チェイスとの友情、蛮野との決着
そして遂に第45話にて蛮野との最終決戦を迎える。しかし前述の蛮野の策略から皆を庇った際に剛の肉体は大ダメージを受けてしまっていた。そのことに気付いたチェイスに戦線離脱を勧められるもそれを拒否して作戦に参加、蛮野ことゴルドドライブと対峙することに。
しかし、案の定ダメージのせいで実力を発揮出来ずに変身解除にまで追い詰められ、危うく蛮野の手によって始末されかける。しかし、身代わりとなって彼を救ったのはチェイスであった。
自らを庇い倒れたチェイスから、「人間が俺にくれた宝物」である運転免許証とシグナルチェイサーを託される。そして満身創痍の彼は蛮野を倒すべく自爆してしまい、剛は彼の最期に立ち会った唯一の人物となった。
だが、それでも生きていた蛮野がチェイスのことを「無駄死に」「愚か者」と侮辱するとこれに激昂。
「人間じゃねえ奴が…こんなに優しいのによ!腐りきったお前の心こそ一番愚かだ!」
激しい怒りのまま変身してゴルドドライブに立ち向かうも、これまでの肉体へのダメージやマッハとゴルドドライブとのスペック差から返り討ちにされてしまい、遂に戦闘不能状態に。
薄れゆく意識の中で、剛はチェイスとのこれまでの出来事を思い出し、意地を張り続けて今迄気付かなかった自分の本当の思いを自覚する。
それは紛れもなく、チェイスとの間に芽生えていた「友情」だった。
ボロボロの身体でありながら、自分や霧子、クリムを利用し、「ダチ」であるチェイスの命を奪った蛮野への更なる怒りの炎を燃え上がらせ、剛は再び立ち上がる。
「行くぜチェイス…一緒に戦ってくれ!」
チェイスとの友情を胸に、剛は仮面ライダーチェイサーマッハへと奇跡の変身を遂げた。
その後はこれまで敵わなかったゴルドドライブを圧倒。
「返せ。それは“俺たち”の武器だ!」
奪われたゼンリンシューターとシンゴウアックスをも取り戻し、彼を追い詰める。
そして、仮面ライダーチェイサーの幻影と共に放ったライダーキックで、遂にゴルドドライブを撃破した。
戦闘終了後に、駆け付けて来た霧子に自らの思いを吐露。チェイスとの友情を認めようとしなかったことを、強く悔いていた。
しかしゴルドドライブは撃破したものの、シグマサーキュラーは「シグマ」として覚醒、全世界規模の重加速を発生させてしまった。そして蛮野はドライバーの状態でしぶとく生き残っており、その混乱に乗じてデータを再構築、復活しようとしていた。
だが、剛はそれを見過ごさなかった。シンゴウアックスを手に、彼は蛮野の元へ歩み寄る。
そしてシグナルチェイサーを装填し、剛はトドメの準備に入った。
「よし…今なら…消えかかっている私のデータの再構築も……
……っ!?……!」
『ヒッサツ! マッテローヨ!』
「待て…待ってくれ!待つのだ、剛!偉大な私の頭脳をこの世から消してはならない!! 」
操るボディを失い己の本体であるバンノドライバーは損傷し、最早先刻までの剛やチェイスを蹂躙していた力など残されていなかった蛮野。
家族の情に訴えることもなく自分勝手な命乞いをするも剛に届くはずもなく(情に訴えたところでどのみち結果は変わらなかったであろうが)剛に相変わらず傲慢な命乞いをするも、彼には当然それを聞く気等微塵も無かった。
『イッテイーヨ!』
剛「“イッテイーヨ”……ってさ」
「待ってくれ、剛っ!
待て、待つのだ、落ち着け! やめろ! やめろ! 剛…!
うわぁっ! うわぁぁぁっ……!」
『フルスロットル!』
「っーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!
ごっ、…」
シンゴウアックスの処刑宣告と化した音声を合図にアクロスブレイカーの一撃を叩き込み、蛮野を文字通り断罪。
散らばったドライバーの部品を見ながら、小さく零す。
「さよなら…父さん。俺の未練」
こうして、全ての元凶であった蛮野との因縁は剛自身の手によって決着を迎えた。
その後は元々のダメージに加え戦闘での疲労等が重なったことで流石に心身共に限界を迎え、姉にシフトデッドヒートを託して彼女がシグマの重加速内で動ける様にした後、自身は重加速の影響下で完全に静止した。
そして未来へ
戦いはハートの消滅を以って、遂に終わりを迎えた。
特状課も活動休止し、それぞれが自分の未来へと進んでいく中で、剛はシグナルチェイサーを手に旅に出る。いつか、ダチの魂を取り戻せる時が来る様に。
そんな彼を追って、ハーレー博士がサイドカーでやってくる。
彼は自分もまた「剛の家族」と言い、剛も「本当に自分のことを思ってくれる奴が家族」と、戦いを経て父の呪縛を振り切った。
そして、ハーレー博士のサイドカーの運転を変わり、彼と共に走り出して行った。
その後はチェイスの魂を探して世界を放浪。行く先々で発表した自然や動物の写真が話題となり、幻のカメラマンとして世界的に有名になっている。
遂に主役に
2016年4月20日にチェイスを主役にしたVシネマ作品『ドライブサーガ 仮面ライダーチェイサー』と共に、講談社キャラクター文庫より剛を主役にした公式小説作品『小説仮面ライダードライブ マッハサーガ』が発売された。
物語の舞台は本編最終回の2年後で、その後の剛の人生や初変身時のエピソード等が取り上げられている。
余談
■第12話の終盤で進ノ介が事件の核心に辿り着いた際に「進ノ介の脳裏に浮かんでいた映像を現場に転がっていた柄杓で叩き落す」という、どこからどう突っ込めば良いのか分からない謎の技を披露した。真っ当に考えればただのメタ表現だが、その後進ノ介が叩き落された脳内映像のパネルを拾い集めていたため「逆に脳内映像を実体化させている進ノ介の方が凄いのではないか」とも言われる。
■チェイスを主役としたエピソード『仮面ライダーチェイサー』の事件捜査において捜査権の縄張り争いとなり、進ノ介と一緒に出会うことになった風都警察署の照井竜については、当初、照井の鉄面皮や「俺に質問をするな」等の取り付く島もない照井節(照井としても、ガイアメモリ犯罪だと他部署の警察ではまともに捜査出来ないと踏んでいたので仕方ないところではあるが)により、
剛(何なんだよ怖ぇーよこの人、話聞く気ゼロだもん…!)
進ノ介(ロイミュードより手強いぞコイツ…)
と二人してビビっていたが、「チェイスが苦境にある」と連絡を受け、その場を辞そうとする進ノ介に「仮面ライダーの仕事なら行って来い。捜査情報は特状課にも回す」と理解ある対応をしてくれたことや、その直後のビースト・ドーパント出現、そして照井も仮面ライダーとして共闘してくれたことにより急に隔絶間が無くなって気に入ったのか、「アンタやるじゃ~ん!」と、進ノ介よりもずっと階級の高い照井に超馴れ馴れしいタメ口をきいてしまい、進ノ介とベルトさんに怒られたりしていた(最も剛自身は全然懲りておらず、進ノ介に連れて行かれながら「警視庁特状課の、詩島霧子を、宜しくお願いしま~す!」と姉のPRまでやらかしていた)。
因みに照井とは脚本家が同じ作品のバイクがモチーフの2号ライダー、大切な人を亡くした過去を持つ、当初は憎しみを抱いて戦っていた繋がりがある。
■仮面ライダーの多くが「ショッカーの手下として」戦っている、という衝撃の展開で始まる映画『スーパーヒーロー大戦GP』では、進ノ介さえショッカーの走狗となっている状況でありながらショッカーへの従属を免れており、人類の自由と平和のために戦い続けていたが……結末部分において何と死亡してしまい、復活のチャンスさえ与えられなかった。この展開は視聴者に大きな衝撃を与えた。
だがそれは、結果として見れば映画の続編である『仮面ライダー4号』への前振りであった様で、同作である人物の犠牲と引き換えに死を免れて復活している。
■幼少期を演じた橋爪龍は『特命戦隊ゴーバスターズ』の桜田ヒロムの幼少期も演じていた。
■チェイスの宝物で、彼の形見として剛に遺されたチェイスの運転免許証の「特例により下記の者が所有者変更を許可する」という項目に『詩島剛』と記載されていた。
■ロイミュード大戦終了後、姉の霧子が進ノ介と結婚し息子が誕生したことにより続柄は「叔父」になった。
■物語には一切関係無いが、Tシャツと靴紐の色はいつも同じである。
■バトライド・ウォー創生で他ライダーと組ませた際のセリフは結構辛辣なものばかりである。警察ライダーに関しては『(進之介とは違って)頭の固そうな奴』と評したり、劇中でのチェイスやロイミュードとの確執から怪しいと感じた対象には敵意をむき出しにしている。
後者に関しては内輪揉めを煽った人物、やたらと敵に騙され続けた挙句、主人公を裏切ったこともある人、ライダーのみならずスーパー戦隊を引っ掻き回した面倒臭い性格のコソ泥、風都史上最悪の犯罪者、ショッカーライダーとして蘇らせられたライダー、変身者がすり替わっていたライダー等、曰く付きの面子が揃っており、剛の対応が辛辣なのも仕方がないと言える。
一方で、ファングジョーカーやZXと組ませると家族に関係した掛け合いを見ることが出来る。
関連イラスト
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ドライブサーガ 小説仮面ライダードライブマッハサーガ マッハ夢想伝
ハーレー・ヘンドリクソン 詩島霧子 泊進ノ介 チェイス 蛮野天十郎 ヒュプノス
仮面ライダーマッハ 仮面ライダーチェイサーマッハ 超デッドヒートマッハ 仮面ライダーマッハチェイサー
2号ライダー変身者
外部リンク
本編以降の活躍(ネタバレ注意!)
【警告】これより先、多くの機密情報が記載されているため閲覧には注意されたし
- 『小説版仮面ライダードライブマッハサーガ』
正しい仮面ライダーの在り方を模索しながら旅を続けていたが、テロ予告によって延期されていた進ノ介と霧子の結婚パーティーに参加するため、二年振りに帰国。しかしまたしても発生した、西堀光也によるロイミュード事件の大規模模倣犯罪に仮面ライダーとして関わり、嘗ての特状課の面々と共に事件解決に奔走することとなる。
捜査の中でチェイスのコピー元である狩野や、西堀の娘であり嘗て自身の怒りを爆発させた令子と関わりを深めていきながら自身の過去を振り返り、仮面ライダーとロイミュードの関係を見つめ直していく。令子とは怪物の様な父親の元に生まれたという似た境遇にあることから徐々に親密になっていき、彼女を蔑む西堀に彼女の真意を代弁し、それを踏み躙られた時には蛮野に感じたものと同じ怒りを覚えている。
西堀の死後、令子と共に真の黒幕を突き止めることを決めたものの、令子は服毒自殺を図り意識不明となってしまう。彼はそれが黒幕の手によるものと一人信じ、令子の残したヒントから黒幕の正体を突き止め、自身を呼び出した黒幕に一人立ち向かうことを決める。
正しい仮面ライダーの在り方はまだ見つけていないものの、りんなを説得し5分間しか変身出来ないプロトタイプマッハドライバーと、チェイスの「人間に近付こうとした魂」の宿ったライノスーパーバイラルコアの改造品であり、ロイミュードと人間の技術が合わさったシフトバイラルコアを手に黒幕の元に向かう。
リベンジャー・ロイミュードへと進化した005との戦いの中で、「人間とロイミュードが互いに補い合うことが仮面ライダーの完成系」だと自分なりの結論に辿り着き、チェイスの思いを宿した超デッドヒートマッハへ変身し、リベンジャーを撃破した。
戦いの後、コアが破壊された005が蘇ったことから、チェイスも復活できるとりんなに協力を頼み明るい未来を確信した。
続編の『ドライブサーガ 仮面ライダーマッハ』ではチェイス復活事件の影響で再構築されたロイミュード005と対決し、令子の記憶を利用しようとする卑劣漢に今度こそ引導を渡した。
ラストにてキーパーソンとして登場。
『ドライブ』からのレジェンド枠として、クリム・スタインベルトと共に登場。
クリムの遠い祖先がクォーツァーに狙われたため、時間移動が出来るソウゴ達にクリムの祖先の保護を依頼。
その一件が解決した後はホログラム状態のクリムと共にドライブとマッハのライドウォッチをソウゴに授けたが、力を継承した影響でライダーとしての記憶を失ってしまう。
その後、クォーツァーが開始した「平成のやり直し」に平成生まれである彼も巻き込まれかけたが、タイムマジーンに密航して戦国時代からやって来ていた忍者・牛三に助けられ、「平成のやり直し」に巻き込まれない様に彼を重りとして背負いながら、クォーツァーによって牢屋に幽閉されていたソウゴを助け出す。
尚、経緯は不明だがこの時点で既にライダーとしての記憶を取り戻しており、ドライブとマッハの力を奪ってしまったことをソウゴから謝罪された際は「王様だから渡したんじゃない。お前だから渡したんだ」と励ました。
そしてクォーツァーとの最終決戦では、ソウゴのオーマフォームへの変身、そしてウォズがクォーツァーに反旗を翻した影響でマッハの力が戻り、自身もマッハに変身してカッシーン軍団を相手に奮闘したのだった。