概要
異世界転生もの、特に悪役令嬢ものに登場するキャラ造形の一種。性格や振る舞いに難があるヒロインを表す「ヒドイン」からの派生語。
ゲームや小説等フィクション(創作作品)の世界に入り込み、本来の女主人公(ヒロイン)の肉体やポジションを奪い乗っ取った、性根の腐った女性転生者を指す。(※1)
基本的に悪役もしくは迷惑キャラとして登場し、語源であるヒドインのように物語本筋のヒロインとしてはほぼ扱われない。(※2)
乗っ取りの手段はヒロインの肉体への憑依(憑依転生)によるケースと、モブ転生の後に原作知識を用いて本来のヒロインを蹴落とすケースに大別される。
後に反省したり、考えを改める者もいるが、前世から陰湿な性格で他人を陥れることを好む者や、面食いで他人の恋人を奪うことに喜びを感じる転生者も多い。
ちなみに、転生者ではないが思慮が浅く無邪気なヒロインは「お花畑ヒロイン」と呼ばれる。(これは後から転生ヒドインだったと判明するケースもある)
※1:なお、ヒロインの肉体や立場を奪えていないにもかかわらず「この世界のヒロインは私!」と自称している女性転生者はこの枠に含まない。
※2:物語本筋のヒロインとして扱われる転生主人公のキャラ造形が残念だった場合は、「転生ヒドイン」ではなく「ヒドイン」の枠に入る。
特徴
キャラ造形
以下の傾向の内どれか1つで済むケースもあれば、複合型のケースもある。
- 自分至上主義
転生ヒドインは、しばしば自分が好きな作品の世界に転生した状況を、「自分はこの世界に招かれたのだ」、「望む世界を与えられた」と解釈し、「自分はこの世界で最も特別な存在なのだ」と思い上がって暴走する。
特に、ヒロインの立場に憑依転生した場合、その事実が根拠となることが多い。
モブ転生した場合でも、自分の方が正ヒロインより特別であるという妄想に基づいて行動することがある。
もし前世で(本人の主観において)悲惨な人生を送っていた(自業自得も含め)場合、「前世の苦労が報われた」、「前世の努力の賜物だ」と誤ったポジティブな思い込みをし、自己中心的な行動を取るようになってしまうこともある。
彼女たちは、自分が周囲から「至上の存在」としてちやほやされる状況を強く求める。そして、注目を集める・愛情を独占するためなら、虚言を使ってでも他者を貶め、害することも厭わない。
チーレム作品はジャンル自体が主人公中心になるように設定されていて、恋愛以外にバトルなどのイベントをこなすか攻略相手を立てるのが大前提であり、高飛車キャラ(萌え属性)は作中で人並み以上にその性格だと言及されていて部下たちの信頼があるが、転生ヒドインにこの設定はない。
- 読者・プレイヤー感覚を引きずる
転生者である主人公は、今生きている世界を「ご都合主義のフィクション」ではなく、「厳しさも美しさがある現実の世界」として認識する。そして、キャラクターたちを一人の人間として理解し、向き合うようになる。
一方、転生ヒドインはこの世界をフィクションの延長、まるでVRのようにしか見ていない。キャラクターたちを「自分に都合の良い嗜好品や玩具、舞台装置」としてしか認識していないのだ。
するとどうなるか。
まず、転生ヒドインは、実際の出来事を物語のイベント扱いして、周囲をよく見ずに行動する。
攻略情報に基づいたセリフや行動さえすれば、攻略対象を落とせると決めつけているのである。
しかし、事情を知らない第三者から見れば、彼女は「妄想と現実の区別がつかないおかしな女」や「人を人と思わない狂人」にしか見えない。
さらに、思い通りに事が進まないと、「なんでイベント通りにやったのに好感度が上がらないの!?」と喚いたり、誰も見ていない場所で人や物に当たり散らしたりする。酷い場合は、本人の前で怒りを爆発させることもある。
悪化すると、
- アイテムや能力で他者の感情を操作しようとする
- 他人に危害を加え、最悪の場合、殺害にまで抵抗を持たなくなる
という状態にもなる。
- 言動が薄っぺらい
これは「周囲から良く思われようとして取り繕っている」パターンと、「本人にとっては本気の善意でやっている」パターンがある。
転生ヒドインは一見美しい理想論や情け深さに基づくような言動を取る。しかし、実力や見識が伴わずに事態を悪い方へ引っ掻き回したり、思いが伴わずボロを出したりする。
前述の読者・プレイヤー感覚が合わさっている場合、「シナリオではこうだったのだから、その通りにやれば大丈夫だろう」との浅はかな考えから生じる場合もある。
- 同じ転生者である主人公にだけ親友面で甘える(=地を晒して寄生する)
このタイプの転生ヒドインは、普段こそ原作ヒロインとしてTPOに沿った振る舞いができる。
しかし、主人公と2人きりになると往々にして「友達だからお願い!」とばかりに、主人公の事情を一切汲まずに一方的に欲求を押し付ける。
自分の目の前で主人公が死ぬような事態になれば、流石に良心に沿った言動を見せるが、逆説的に主人公が死ななければいかなる事情もガン無視する姿勢を貫く。
要求の中には「攻略対象を落とす為の必須イベントの消化orアイテム入手の代行」などの比較的理解を得やすい内容もあれば、時には「主人公の現状や立場を悪化させるだけの、極めて個人的かつ意味不明過ぎるワガママ」を押し付ける場合もある。
後者であれば最早トラブルメーカーを通り越した、DQNや主人公への寄生虫でしかない。
酷い場合だと原作知識(あるいは原作ヒロインの容姿や立場)を悪用し、主人公が自分に従わざるを得ない状況を作って、無理難題を押し付けるケースもある。
- 推しキャラ至上主義
文字通り推し以外に興味が無い(中には「キャラの中の人が推し=キャラクター自身にも興味が無い」 程の極端な声優オタクもいる)。
誰とも極力関わりを持たないスタンスを取り続けている為、基本的に無害で主人公に対し明確な邪魔や妨害行為はしない代わりに、万が一推しが不利益に遭う事態になると知るや否や、推しを守る為だけに暴走する場合がある。
文面だけを見ると「一途、ヤンデレ(萌え属性)」、「思春期の女子全員に当て嵌まる心理」と勘違いされるが、推しのみにこだわった結果、推しを貶めアンチを付けるような行動になるのが問題。
時には自分の立場(平民である、劣等生であるetc……)を悪い意味で自覚しているのを口実に、自分に代わる別の人(主に主人公やメインヒロインに転生した主人公)に推しを守ってもらうように縋る、無事に推しが守られても口でお礼こそするがそれ以上の行為はしない等々もあり、やはり精神衛生上良くない振る舞いを散見させる。
酷いパターンだと推しが隠しキャラや別シリーズのキャラだった為に、別の攻略対象で妥協しようとした矢先に、主人公の介入や活躍による改変で推しが登場すれば、せっかく攻略したキャラをあっさりと切り捨ててそちらに鞍替えする等、傍目には尻軽な女と見られる。
また、このタイプの中には推しに一方的な思慕を抱く危険人物もおり、仮に推しが主人公に接触する事態になれば、一気に危険度が跳ね上がる(しかも、こうした場合は往々にして、肝心の推し側が主人公を「おもしれー女」扱いして付き纏うので余計にタチが悪い)。
サブキャラorモブキャラ転生の転生者に多いが、積極的に正ヒロインを追い落とそうとせずただ相手役(の1人)の獲得を競うだけ、あるいは「推しさえ護れたら見返りは要らない」姿勢の場合、枠組み的に「転生ヒドイン」ではなく「モブ転生・サブキャラ転生」に寄るとも考えられ分類が難しくなるが、上記の通り玉石混淆もあり判断は読者に委ねられる。
- 極度の原作厨
原作のストーリーを絶対視する余り、主人公の善意介入によって生ずる変化(=破滅を回避したキャラクター達の言動の改善、味方化etc……)を許せないタイプ。
中にはせっかく不幸な未来を回避して良い方向に向かっていたキャラクター達を、強引に本来の流れに戻そうとするなど、相手の幸せを踏みにじるような所業を行う。
- 派手で男好き
前世からイケメンと高価なアクセサリーに目がなく、顔がよければ攻略対象以外の男にも色目を使う。魅了した男に金銭や宝石を貢がせ、宝石をごてごてに装飾した成金趣味のドレスを好む(そうした自身の成金趣味を棚に上げ、着飾った他者を貶めようとする)。気に入った衣装やアクセサリーの持ち主に難癖を付けて奪う。他人の恋人を略奪しておいて、手に入れればもう興味ないとばかりに捨てて別の男に乗り換えるなど、典型的な悪女キャラである。
時には主人公にマウントを取ってきたり、最悪の場合には断罪イベントを待たずに学園内で攻略対象と肉体関係を結んだりする。
なんでこんなアバズレが地獄に落ちずに転生したんだろう……
あるいは前世では喪女・デブス・ゴリラであった故の反動で、このような行動に出ているパターンもある。
- 外見至上主義
自分の容姿を鼻に掛け、「美しければ/可愛ければ何をしても許される」と言わんばかりの振る舞いをし、自分より美しく/可愛くない人物を貶める。また、自分と同等以上に見える美貌の持ち主を害そうとする。
他にも、「顔が良い男は皆私のもの」とばかりに粉をかけまくり、略奪愛も厭わない。
だが、我々読者から見て「モブ設定の地味キャラのほうが読者から見て外見も性格がいい」「怠惰と勘違いされそうな魔法アタッカーや庶民や地味で大人しい人間の方がよく動いている」と気付かれる自業自得な目に遭う。
- 前世からいじめっ子気質
このタイプは転生する前から他人を見下し虐げることを楽しむ陰湿な性格で、死因もいじめていた相手の思わぬ反撃で一緒に死ぬ等々、自業自得なものが多い。実は主人公の前世からの因縁の相手というケースもある。
なんでこんな(以下略)
- 精神年齢が未熟
前世で死んだ年齢が年若かったせいで、倫理観が育ちきっていなかったりする場合が多い。自分の過ちを理解できれば改心の余地はある。
- 怠惰
極端なまでに努力を嫌い、せっかくの主人公としての潜在能力を鍛えなかったせいで、原作よりも弱い力しか使えなかったりする。しかし、このタイプは場合によっては実力行使を取り巻きに代行させるので、余程の事態にならない限りはその弱点は弱点にならない。
行動
主に逆ハーレムや推しキャラ攻略の為に物語を引っ掻き回す役が多く、本来の『悪役令嬢』と同等かそれ以上の悪事を働くケースも。時にはラスボスやラスボス(笑)として対峙する作品もある。一時的なギャグキャラや雑魚キャラで終わってフェードアウトするならまだマシな方である。
- 目上の立場の存在に対する礼儀作法の欠如
転生先のジャンルにもよるが、攻略対象のほとんどは王公貴族などのやんごとなき身分故に「カーテシーもなく急に抱きつく」「初対面なのに愛称で呼ぶ」等々の、本来ならば身に着けてしかるべきマナーを一切守らない挙動から「礼儀がなっていない非常識な令嬢」と周囲に白い目で見なされてしまう。
作品によっては後述の方法でコレをクリアできる可能性もあるが、悪事三昧の後に制裁される時は洗脳スキル等に頼ったツケとして、自国や他国に悪事を上乗せで擦り付けられ全責任を負わされるリスクを払わされる。
- 攻略対象の周辺を付き纏う
イベント再現の為に行っているが、対象からすれば自分の行動を予測するかの如く必ず現れるので、相手から鬱陶しがられたり気味悪がられたりする。
相手も立場柄、女性を相手に乱暴な言動を使うわけにはいかないので穏便に注意するなどして遠ざけようとしても、ヒドインは『貴方と私が結ばれるのは運命なんです』と相手からすれば支離滅裂なことを言ってしつこく食い下がってくるので苛立ってしまう。
時にはその攻略対象しか知らないはずの『秘密の休憩所』にさえ押し掛けたりもする為、攻略対象が心休まる暇もない。相手によっては他国のスパイではないかと疑われる。
- イベントの強行再現の為の暴走
- 我が世の春を謳歌すべく、生前の知識を用いるもイベントが起こらない為に、強引にフラグを立てようと暗躍・裏工作に走る。
- まずやるのは『悪役令嬢』に対し「自分をイジメろ」「悪役に徹しろ」と強要する。将来的に破滅・死亡するかもしれない『悪役』またはその身内からすれば理不尽な言い分である。
- それでも悪役令嬢が動かないのならば、自分の持ち物を自分で壊す・燃やす等しておきながら「悪役令嬢が私に酷い行いをした」と被害者面して攻略対象となるヒーローに泣きつく、マナー違反等への真っ当な注意に対して「イジメてきた」と騒ぎ立てる等々の嫌がらせの捏造を行う。
- そうして(強引かつ無理矢理にフラグを完成させたと思った)タイミングになると、転生ヒドインは憎き悪役令嬢の「悪事」を衆目の下で公表し悪人として吊るし上げる、ざまぁ系の山場たるシーンである公の場で断罪イベントを無理矢理再現しようとする。もっとも、ほとんどは転生ヒドイン側の言いがかりや捏造である場合が多く、それらを白日の下に晒され返り討ちに遭う。大抵は卒業式の最中に行うが、国王を初めとする名だたる貴族がいるパーティーを乱すのは問題行為であるので、そのまま衛兵に縛り上げられ会場から摘まみ出される。
- この際に「清純な少女」の化けの皮が剥がれ、醜い本性が顕になるのを見た攻略対象に失望されたりもする。上記の『推しキャラ至上主義』であれば、「王子は隠しキャラを登場させるための道具でしかない」と自白することがあり、そうなると王族に対する『侮辱罪』に問われる。
- イベント再現のために知識チートでキャラ達に助言して誘導した結果、そのキャラクターが本来の性格から歪む事態にもなる。
- イベントを再現する為に主人公達を暴行、殺害しようとする
転生ヒドインが暗躍する最中、〈自分以外の転生者(主に主人公)〉の存在に気付くと、単純に「自分の計画の邪魔になる」と判断した、あるいは「主人公がいるから攻略対象が自分を好きにならない」等と、自身の問題点を棚に上げた逆恨みの末の暴挙。
酷い時には籠絡した攻略対象をけしかけ、彼等が失敗・死亡しても心配するどころか「役立たず」と罵倒し癇癪を起こす等、この時点で他者の命を奪うのに躊躇しなくなり始める。
特に危ないのが「主人公が手強いならその周囲から潰せばいい」と判断し、本来無関係な主人公の友人や専属メイド等を標的にしたパターン。
主人公が標的ならば周囲の助けを得られて窮地を脱せる可能性が高いが、友人は1人や護衛の少ない移動時を狙い事故や強盗を装った暗殺に遭いやすく、メイドに関しては主人公不在時にあっさり拉致され殺されていたケースも珍しくない。
更には「貴族が暗殺されるのは日常茶飯事、ましてや家臣等が死んでも雇い直せば良い」とする、身分制社会の闇そのものな共通認識から、周囲もメインヒーローすらも大して対応してくれない(そして主人公も異世界の常識に従って「この世界ならよくある事だわ」として、大してダメージを受けていない場合もあるが)。
ただし、そんな面従腹背な環境だからこそ、周囲の人物を大切にする主要人物も居るので、やはり多少なりのダメージになるのも事実である。
- 正史のヒロイン・主人公が使う能力、あるいはプレイヤーの特権etc……の悪用
- ヒロインが作品における「聖女」や「救世主」であった場合、その力やメタ的な特権を利己的な目的の為に行使する。特に好感度を強制的に上げて攻略対象を魅了する行為は、ある意味では最も質が悪く重罪な所業で、これらを王族にも使えば『クーデター』の謗りは免れず、後述の事態にまで至れば『国家転覆罪』となるのは必至。
- 主人公補正の一環として、先天的に『魅了』の能力を使えるケースの場合、作品によっては主人公と親睦を深めた者達ですら術中にハマったりと極めて厄介
- 特に上記の『目上の立場の存在に対する礼儀作法の欠如』をこれでフォローされると、対象は転生ヒドインの言動を「慣習に囚われない自由な女性」「自分を『王侯貴族の嫡男』ではなく『一人の人間』として見てくれている」等の都合の良い誤認を起こさせ、逆に強い興味と愛執を抱かせる利点に変わる。
- 課金用の好感度アップアイテムを用いる場合、原作では『攻略対象の好感度が上がる』としか説明されていなかった代物が、実は【依存性の高い違法薬物】や、【人の心を洗脳する禁断のマジックアイテム】だったりする。
- 上記のいずれもない作品、もしくはサブキャラorモブ転生の転生ヒドインであれば、それこそ原作知識を「預言」「未来予知」等と吹聴して活用し、舞台となる国の権益をひたすら上げれば、それだけで攻略対象の王侯貴族や聖職者は、転生ヒドインを『奇跡の聖女』と一方的に礼賛し依存する状況が醸成されていき、下記の惨劇に繋がりやすくなる。
- 魅了した攻略対象の権威を利用し、贅沢三昧の末に国を傾けさせる
上記の状態に至った転生ヒドインは攻略対象の権威の庇護下に居る為、自分は安全圏から他者を顎でこき使うようになり、攻略対象も籠絡により前後不覚に陥っているのもあり、自らの我欲のままに放蕩に耽るようになる。
更に攻略済みの対象の愛情を独占する為だけに、自分以外の女性ネームドキャラクターの粛清を実行する可能性も0ではない。特に主人公への嫌がらせや見せしめの意味を込めて、主人公と仲の良い令嬢が狙われやすい。
作品によっては、主人公が最初の犠牲者になるケースも十分にある(無論この後の転生ヒドインには、凄惨な末路が確定される)。
一応、主人公グループの介入が早ければ大事になる前で止められるが、作品の傾向・展開が復讐ものであればあえて敵の自滅促進の為に放置し、国際問題を引き起こし戦争に発展させるか、現状への憂いや不満から『旧体制の打倒』を掲げる騎士団や民草による内乱が誘発される。
もしくはヒーローがいち早く情報を掴むも、運悪く間に合わなかったか、転生ヒドインの尻尾を掴む為に敢えて令嬢を見殺しにする。
- 黒幕と手を組む
もはや修正しようがないほど落ちぶれたりした場合、転生ヒドインの能力あるいは知識チート(未来予知・予言etc……)に目を着けた主人公の対立組織にスカウトされ、ヒロインの座に返り咲くべくそれに乗って暗躍する。
黒幕からすれば「利用価値がなくなればいつでも切り捨てられる駒」 としか見られていないが、時に転生ヒドインの手綱を握れず暴走を許し、却って振り回される事態に巻き込まれる。
- 禁術の使用
正史では悪役令嬢が使うはずだった邪悪な力を、転生ヒドインが得て主人公に立ちはだかる。
こうなってくるともはやどっちが悪役令嬢なのかわからなくなってくる。
- 邪神・魔王等の復活
上記の黒幕が魔族だった場合、彼らが崇める邪悪な存在を復活させる為に平然と犠牲を払う。
本来の『ヒロイン』の状態
ほとんどの場合は転生ヒドインの自我に塗りつぶされてしまい、その魂は事実上消滅している。
時には本当の取り憑かれあるいは、半二重人格の状態にあって本来の自我は封印・潜伏・休眠状態にあり、後述する「記憶喪失・記憶消去」の末路を迎えた後に、本来の人格が再起動して光落ちするパターンも無いでは無い。
中には転生ヒドインに肉体の所有権を握られ、自分の肉体が好き勝手に悪行をする様を見せつけられるなど、ある意味最も辛い仕打ちを受けている。
もっと酷いものだと、下述するような報復を受ける段階で転生ヒドインの自我が消滅又は分離してしまい、ようやく肉体を取り戻したヒロインがそのまま転生ヒドインの業の全てを被らされ非業の死を遂げる展開すらある。仮に死にはしなくても十何年も自身の人生を奪われ踏みにじられた挙げ句、事情を知らない家族・友人から誤解され孤独になってしまうなど、悲惨な未来になるのは想像に難くない。
多くの場合、この時分離したヒドインの自我は続編のヒロインに憑依、再び主人公に立ちはだかる事態になる。
中には離脱したヒドインの魂が、自分の代わりに処刑される本来のヒロインを嘲笑っていく描写すらある。
末路
改心して主人公達に謝罪し和解したり、笑えるギャグキャラでフェードアウトするならばまだしも、最後まで自分がしでかした行為の意味を見いだせない場合、当然ながら相応の報いを受ける末路を迎える。
- 退学処分
公の場で問題行為を起こし続けた末に学園から追い出され、そのまま実家に引き込むしかなくなる。貴族社会を知らない面倒な大貴族タイプだと、その事実を認められず学園や攻略対象の実家に押し入ってくる。
- 賠償金の支払い
多額ではあるが比較的無難な謝罪方法。
- 修道院行き
ざまあ系では一番メジャーで恩情のある普通の罰で、二度と男性に近寄れないようにふしだらな性根を叩き直すべく入れられる。
修道院なので将来結婚できる確率は低く、娯楽もほとんどないかなり厳しい戒律の下で奉仕作業に勤しむ。
- 貴族席を剥奪され平民になる
爵位が上の家柄に敵対するような真似をしたとして、実家あるいは養父母から事実上の勘当を厳命される。平民時代の実家に素直に帰れればまだ良いのだが、往生際が悪いタイプだと「今更貧乏暮らしは嫌!」と帰るのを拒んだりもする。
時には廃嫡された攻略対象の王子を押し付けられたりもする(作品によっては相手の廃嫡理由が、転生ヒドインとの交流によって才能を持ち腐らした末に堕落・無能となった為もあり得る)。
- 聖女等、主人公の資格・能力を剥奪される
身勝手な振る舞いを続けた末に、本来は人々や世界を救う為に使われるヒロインの能力・選ばれた者の証を「清らかな心ではない」からと神等から没収される。
憑依時期によっては「邪悪な心」を持っていた為にそもそも最初から選ばれなかったりする場合もあり、資格は主人公やヒロインなどの善良な心を持った他者に継承されたりもする。
- 記憶喪失・記憶消去
魔力の暴走の末に肉体が損傷しかねない重症の後遺症として、前世どころか今世の記憶を全て失う。ある意味普通の罰とも悪霊退散とも見える。
- 王妃教育・国務によるオーバーワーク
悪役令嬢の婚約者が王子だった場合、婚約破棄後に王妃教育を叩き込まれる。本来ならば幼少期から徐々に学ばなければならない教育を短い期間で覚えなければならず、さらに国務も重なればブラック企業ばりの重労働に絶望する。
- 病棟に隔離
転生の事情を知らない家族・学園がヒドインの言動を『精神に異常をきたしている』と判断し、半ば強制的に精神病棟に入院させられる。
更なる末路
上記の罰ならばその後の生活態度(=改心)次第では、穏やかな余生を送れる為まだ温情。
しかし、劇中の悪行が目にも当てられない所業であれば、更に重い罰となり……
- 牢屋に閉じ込められる
普通の刑罰だが、場合によっては無期懲役。
何らかの希少な特殊能力を持っていて始末できない場合は、能力だけを封印する措置を施されるか、上記の剥奪イベント後に収容される展開も。
修道院行きと似ているが、こっちは完全な刑罰である以上、劣悪な環境下である場合が多い。
共犯者と共に収監された場合は互いに責任を擦り付け合った後に、醜く殴り合った末に殺されるケースもある。
- お家取り潰し
実行したヒドインのみならず、実家までもが責任を問われて貴族席を剥奪され路頭に迷う。
- 逃亡生活
上記の牢屋から脱獄し、国から指名手配される。大抵は攻略対象の手引きで脱走するのだが、道中ヒドインに恨みを持つ人物や魔物に殺害されたりする末路がほとんど。
- 攻略対象あるいはその身内からの報復
廃嫡・継承権剥奪などのお咎めを受けた攻略対象達、もしくはその煽りを受けて損害を被った彼らの実家や関係者各位が、元凶である転生ヒドインへの恨みから彼女に復讐したりする。上述の修道院行きでは生ぬるいからと下記のような重い罰を上乗せしたり、より過激だと攻略対象達自ら転生ヒドインを殺そうとしたりする。
特に未来の王太后の地位を磐石にすることを目論む王妃からすれば、由緒ある公爵家を後ろ楯にするべく必死に結んだ婚約が、ポッと出の下級貴族のせいで全て台無しにされたも同然なので、腹いせとばかりに王妃の権限を使った罰をヒドインに下したりする。
- 攻略対象達のヒドインに対する執着
こちらは逆に全てを失い転生ヒドインに縋るしかなくなってしまった攻略対象達がある種のヤンデレ化してしまい、ヒドインを独占するべく常軌を逸した行動を取るようになってしまう。
自室に監禁ならまだマシな扱いで、よりひどいと無理心中を企てようとする。
- 娼館に売られる
ヒドインが実行しようとした悪事の趣向返しにやられる刑罰。仕事の都合上醜悪な男とも寝なければならないので、面食いにとってはこれ以上ない屈辱。
それでも割りきって見目麗しい姿で客を取り続ければ生きていく分には問題ないが、加齢により若さと美しさが陰っていけば客足が遠退く。最終的には性病を貰って衰弱死もありうる。
- 顔を潰される
二度と男を誑かせないようにと、美しい顔に切り傷や火傷を負わせる。もっとひどいと喉を潰され手足を折られる場合も。
- 罪人として鉱山で働かされる
ヒドインが実行しようとした悪事の趣向返しにやられる刑罰。肉体労働による苦痛だけでなく、粗暴な罪人の男性に慰みものにされたりもする等、人間として扱われる保証もない。
また、運良く「過酷な肉体労働に耐えられない」 と判断され上記の苦役を免れたとしても、逆に最低限の防備だけで石綿や辰砂等の毒性の強い鉱物の研磨・加工作業に携わる=事実上の死刑執行を下される末路も0ではない。
- 暴行・凌辱
原作がR18指定描写のある作品で、いわゆる「暴漢に教われそうになるところで攻略対象に救出される場面」がある場合、攻略対象が問題行動を起こすヒドインに全く好感度を抱いていないために助けてもらえず、そのまま辱しめられてしまう。
作中の罪が重ければ「凶悪な男囚人しかいない、外界と隔絶された場所」に置き去りにされ、性奴隷すら生温い暴力を受け続けて死亡したりもする。
- 機密情報源を吐かせる為に拷問
ある意味では知識チート(未来予知・予言・神託も含む)を持つ転生者全員に降りかかる可能性のある代償。転生者と分かって拷問するケースと転生者と分からずに拷問するケースがある。
本来ならば最重要人物しか知り得ない機密情報を誰から聞いたのか、あるいは他に話した者がいるのかを調べる為に拷問される。当然ながら「自分は転生者でフィクションの設定を見たから」と真実を告げても信じられるはずがない。
情報収集以外にも上述の報復として受けることもあり、中世ヨーロッパに似た文化の世界であれば史実で実際に行われた凄惨な拷問器具を用いられる危険性もなくはない。
- 暗殺
上記の拷問で情報が漏洩されないように第三者から、あるいは黒幕から完全に見捨てられた末に、送り込まれた刺客に口封じされる。
もしくは悪役令嬢が嫌がらせなどの生ぬるい手段を用いらずに平然と殺人を辞さない人物の場合、ヒドインが攻略対象に接触する前に先手を打って始末したりする。
- 自殺・事故死
報いを受ける現実を認められず「リセットして最初からやり直す」と自ら命を絶ったり、上記の逃亡の際に運悪く馬車に轢かれるか魔物に襲われたりなどで死ぬ。
- 「国を混乱に陥れた」として民衆の前で処刑される
上述の『魅了』・『洗脳』で国の中枢部を傀儡にした末に内乱・国際問題が発生した場合、争乱の終結後に各国の悪事を上乗せられた上に、その全責任を押し付ける意味でも〈諸悪の根源〉として処される。
聖女の資格等を剥奪されていれば「聖女を騙った魔女」として、信徒から苛烈な私刑を下されたりもする。
今際の際まで「主人公は私なのに!?」と喚くのがほとんどだが、稀に主人公の親族やシンパの殺害等の爪痕を残していれば小悪党定番の捨て台詞、負け惜しみの勝利宣言、勝ち逃げ宣告する転生ヒドインも居る。
なまじ1度死を経験している為か「死んでもまた生まれ変わる」 と根拠もなく信じ、処刑を恐れないケースがあり、そうであれば最早おぞましい悪霊でしかない。
処刑対象が憑依あるいは死に戻り能力者と分かっている場合は、死ぬより酷い目に遭い続ける封印を施されるか、廃人に追い込むか、記憶消去や除霊等の対処に移行する場合もある。
落ちぶれかけた国家や敵国が、転生ヒドインに全ての責任を擦り付けるのに成功するケースが多く、この場合は悪徳貴族が断罪されないので当然だが、今後の禍根や火種が残る(他国や敵国ならば、その場しのぎにはなるので放置でも問題は少ない)。
また、ざまあ返しの段階でも『王太子を誘惑し、王命による婚約を破談させた罪』あるいは『王族に毒(好感度アップアイテム)を盛った国家反逆罪』で処刑される場合もある。
- 生け贄
上記の黒幕の計画遂行の為に、邪神復活の生け贄にされ死亡。あるいは復活した邪神の視界に、たまたま映ってしまったせいで最初の犠牲者になる。
中には実はヒロインの存在そのものが、国を守る結界を維持するための燃料だったというパターンもあり、逆ハーを達成したかと思えば城に繋がれて死ぬまで酷使され続けたりもする。
- 禁術の代償
上述の禁術を行使し続けた末に、副作用等で肉体が不随になったり醜くなったりする。最悪のケースでは暴発して死亡したりする。
- 人体実験
一度死んで生まれ変わった魂という極めて特異な存在であることから、国の研究機関やマッドサイエンティストにモルモットとして使い潰される。
- 「世界の秩序を乱した」として、異世界の神に肉体もろとも魂を消される。
果ては転生先の神が直々に天罰を下し、二度と転生しないようにと消滅させる(「だったらなんでこんな悪女をヒロインに転生させたんだ」と思わなくもないが……)。
中には邪神が意図的に彼女らを転生させたケースもあるので、いずれにせよ現地の人間からすればはた迷惑極まりない。
運良く消滅を免れたとしても、既に犯した所業の多さと酷さから、最早魔王や邪神やウィルスと同等の存在と見なされて、存在そのものを厳重に封印される末路もあり得る。
似たケースでは、主人公である転生ヒロインのパートナーが邪神か魔王の作品ならば、そちらに粛清される可能性が高い。
神の呪いなどによって、二度と人間に転生できずに小動物やムシケラに永遠に転生し続ける。
- 地獄行き
シンプルに地獄に落とされる。
実は「前世の時点で地獄に堕ちる末路が確定していた魂が手違いで転生してしまった」 場合もあり、生きたまま引きずり落とされる。
……等々、死か、死ぬよりも過酷な罰が下される末路もある。
該当者(キャラクター名の50音順)
流行ジャンルにつき作品数が膨大になるため、ここでは商業化(書籍化、コミカライズ)されている長編作品の該当キャラのみ掲載する。
※記事の肥大化、及び過度のネタバレを防ぐため、過剰に詳細な個別説明の記載はご遠慮ください。
※追記する場合は、『該当キャラ自身』もしくは『登場作品』の個別記事がある転生ヒドインに限ります
あ行
- アイリス・ペラム:『脇役令嬢に転生しましたがシナリオ通りにはいきません!』
- アカリ:『悪役令嬢は隣国の王太子に溺愛される』
- ※主人公が事情により減刑を求めた為に収監に留まり、そのまま主人公の親友枠に収まって味方化というウルトラCを遂げた
- アニス:『BL原作者最強!我が子を守るために転生者を撃退する!』
- アメリア・ローガン:『私は悪役令嬢なんかじゃないっ!! 闇使いだからって必ずしも悪役だと思うなよ』
- アリサ:『転生ヒロインに乗っ取られていた私は、初恋の人に嫌われています』
- アリシア:『悪役令嬢ルートがないなんて、誰が言ったの?』
- アンネローゼ・ディ・イソルテ:『起きたら20年後なんですけど!』
- ※該当する中では恐らく終盤の展開に違わず最も凶悪・狡猾な部類に入る。
- エイミー・フォン・ブレイエス:『町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい 』
- エリー:『ヒロインに婚約者を取られるみたいなので、悪役令息ヤンデレキャラを狙います』
- エレーネ・マーシュ:『断罪された悪役令嬢は続編の悪役令嬢に生まれ変わる』
か行
- カトレア・ウードワット:『貴方達には後悔さえもさせません! ~可愛げのない悪女と言われたので【記憶魔法】を行使します~』
- ※『運命』では『主人公の親友』となるはずだった。だがその『運命』は始まりさえもしなかった。
- ガブリエラ・ユーストス・ヴィランデル:『転生したら乙女ゲーの世界?いえ、魔術を極めるのに忙しいのでそういうのは結構です。』
- ※国の重要機密と知らずに前世の知識を口にしてしまい、拷問にかけられた。
- キャロライン・ラムゼー:『弱気MAX令嬢なのに、辣腕婚約者様の賭けに乗ってしまった』
- キャロル・ノースヒル :『お助けキャラも楽じゃない』
- キャンティ:『隣で一緒にモブしてた友人が、実は続編のヒーローで王子様とか初耳なんですが』
- 倉橋美緒:『お前みたいなヒロインがいてたまるか!』
- クララ・オルタ:『残念令嬢~悪役令嬢に転生したので、残念な方向で応戦します~』
さ行
- サクラ :『悪役令嬢だそうですが、攻略対象その5以外は興味ありません』
- サフィラ:『本日貴方を愛するのをやめます』
- シャーロット・シルバ:『悪役令嬢(仮)の奮闘』
- シャーロット・クライヴ:『破局予定の悪女のはずが、冷徹公爵様が別れてくれません!』
- ジュリアナ・ロイヤット・ボルビアン :『魅了が解けた世界では』
- ステファニー・モーリア:『訳あり悪役令嬢は、婚約破棄後の人生を自由に生きる』
- ※彼女自身は主人公が登場する作品の次回作のヒロインなのだが、実は主人公が拠点にしていた屋敷が次回作の舞台であった。そのため拠点を奪おうと悪どい手口を用いた末に全てを失ってしまう。
- ソフィア=モルガナ:『追放された悪役令嬢は断罪を満喫する』
た行
- デイジー・レイノルズ:『悪役令嬢のおかあさま』
- ※厳密には彼女が成り代わろうとしていたのは「ヒロインの母親」である。しかしそれすらも彼女の勘違いでしかなかった。
- テレネッツァ・ホプキンス:『最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか』
な行
該当キャラなし
は行
- ピクセル・ルノー:『私の上に浮かぶ『悪役令嬢(破滅する)』って何でしょうか?』
- ひな :『広報部出身の悪役令嬢ですが、無表情な王子が「君を手放したくない」と言い出しました』
- ピナ・ブランシュ:『悪役令嬢の中の人』
- ※断罪劇までは完璧な立ち回りで一度は悪役令嬢を精神的に死に追い込んだ。同時に起こしてはならない竜の逆鱗に触れてしまった、詳しくは個別項目。
- ヒローニア・インデロン:『自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。』
- ※攻略対象に対するストーカー行為、各々の婚約者に対する批判、王子と相思相愛の婚約者への攻撃を行う。ついには唯一の友人である精霊が犠牲となり、友の復活の為に僻地の修道院で暮らす。
ま行
- マナ・プリメラ:『超弩級チート悪役令嬢の華麗なる復讐譚』
- マリー:『乙女ゲームの世界で私が悪役令嬢!? そんなのお断りです!』
- マリエ・フォウ・ラーファン:『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』
- ※反省して廃嫡された攻略対象の王子達と結婚した。彼女メインのスピンオフあり。詳しくは個別項目。
- マリナ・グレイフォード:『悪役令嬢は『萌え』を浴びるほど摂取したい!』
- マリベル:『転生令嬢は冒険者を志す』
- マリン・クロスフィード:『いじめられっ子の悪役令嬢転生記 第2の人生も不幸だなんて冗談じゃないです!』
- ※前世は主人公の同級生だが、主人公と共に屋上から落下死したため転生したという形。
- ミア:『悪役令嬢と鬼畜騎士』
- ミーア・アバズン:『処刑された悪役令嬢は、時を遡り復讐する。』
- ミサノ・アロガ:『令嬢はまったりをご所望。』
- ミミリア=ボルドール:『悪役令嬢に転生した私と悪役王子に転生した俺』
- ミュール・ハーティ:『中ボス令嬢は、退場後の人生を謳歌する(予定)。』
- ミュリエッタ・ウィナー:『転生しまして、現在は侍女でございます。』
- ミリア・ロベール:『人でなし神官長と棺の中の悪役令嬢』
- モモ=パレット:『追放悪役令嬢、只今監視中!』
や行
- ヤロミーラ・シュチャストナー:『大相撲令嬢』
- ユリアナ・リズリット:『悪役令嬢になったウチのお嬢様がヤクザ令嬢だった件。』
ら行
- リリア・レインワーズ:『悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました』
- ※後に味方化。
- ルーティエ:『悪役令嬢?いいえ、極悪令嬢ですわ。』
- ※当初は設定通りに動かない主人公を目の敵にはしたが、逆ハーこそ狙えど悪事等はほぼ行わず、物語中盤の段階で主人公と和解。
- ルナリーゼ・フォトン:『今日もわたしは元気ですぅ!!(キレ気味)』
- ローゼンリーゼ・アリンフィーゼ:『今日もわたしは元気ですぅ!!(キレ気味)』
- ※同作もうひとりの転生ヒドイン。転生悪役令嬢化してしまった転生ヒドイン・ルナリーゼに対する無自覚な鏡として機能する。結果として自分を見ているようで放っておけなかったルナリーゼに助けられ改心エンドを迎えた。
- ローラ・コーナー:『悪役令嬢、五度目の人生を邪竜と生きる。』
わ行
該当者なし
氏名不明
- 氏名不明∶『乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル』
- モブ転生の後、正ヒロインであるアーリシアに自身の記憶と精神を植え付け、自身の分身に変えようとしたが、アーリシアの必死の抵抗であっけなく死亡してしまう。乗っ取りが未遂で終わったため厳密には転生ヒドインとは言い難いかもしれない。
余談
このキャラ造形の元ネタは、夢小説における悪女キャラと考えられる。
夢小説には主人公の敵として、ヒロイン願望を拗らせた悪質な夢女子(ネットイナゴ、承認欲求モンスター、ヤリ目である説もある)や原作至上主義を拗らせた厄介オタクが転生やトリップによって登場するものが存在し、それらの悪女達の思考・行動パターンが転生ヒドインと合致する。
(そもそも異世界転生や悪役令嬢もの自体が夢小説のフォーマットを一次創作に転用したものとも言われている。)
ちなみに『主人公がモブキャラや友人キャラとして創作作品に転生する作品』において、転生ヒドインの男版(転生ヒードー?)のような悪役が登場することもあるが、そちらは該当ケースが少ないため、特に呼び名は特に決まっていない(悪霊が『勇者である主人公』に憑依転生する場合は、悪徳勇者が呼び名としては当てはまる)。
関連項目
ヒドイン 悪役/ヴィラン/ヴィラネス/敵女 乗っ取り 狂人 間女/泥棒猫 悪女 毒婦
悪霊/憑依/憑依転生:原典となる作品の女主人公の肉体を乗っ取る場合
悪徳転生者:転生ヒドイン及びその男版(転生ヒードー?)を併せた呼び方。
知識チート:転生ヒドインが備えるチート。転生先となる作品(乙女ゲームやマンガ等)を知り尽くしている事情もあり、その情報の量と深さは同じく知識チートを備える主人公以上であるのが定番。なのだが、性根が腐っている為、鍛錬による努力を怠り、十歳で神童のアドバンテージを捨て、十五歳で才子、二十歳で唯の凡人という流れで最終的に凡人以下に成り下がり自滅や破滅をするのが定番。
洗脳/誘惑:洗脳による被害が酷い為、どさくさに紛れて没落しかけた国や各国や悪徳国家によって、ついでに上乗せで全ての罪を擦り付けられて断罪させられる扱いが多い。
逆行/タイムリープ/死に戻り:転生ヒドインの好きなタイミングでやり直しを利かせられる能力。上述のゲーム感覚を助長させてしまう最も厄介な能力の一つ。
メインヒーロー:転生ヒドインの最終目的の双璧の片方である「逆ハーレム」のリーダー格を務める男。「作中の舞台となる王国(帝国)の皇太子」「転生ヒドインが破滅させたい対象である悪役令嬢とは許嫁の関係」「『転生ヒドインに乗り換える為』という身勝手極まる理由で(明確な落ち度もない)悪役令嬢との婚約を破棄する」といった特徴を持ちがち。転生ヒドインはこのメインヒーローに取り入って悪役令嬢の破滅を企むのが常用手段である。悪役令嬢を理不尽に弾劾する加害者であると同時に、転生ヒドインのせいで人生を滅茶苦茶にされた被害者でもある。「スパダリ設定にされて転生ヒドインの便利道具にされる」「転生ヒドインの工作でスパダリ設定にされたサブヒーロー達に攻撃されて金品を抜き取られる」「口述で転生ヒドインの濡れ衣を着せられる」「洗脳されたり偽物を設置されたりする」など、被害は計り知れない。
転生主人公/転生者:同じく作品世界に降り立ったイレギュラーたる存在にして転生ヒドインの不倶戴天の敵。「悪役令嬢が憑依転生者だった為に蹴落とそうとしたら、返り討ちにされたor復讐された」、または「非転生者の悪役令嬢を蹴落とそうとしたら、ノーマークだった転生モブに阻まれ自分が悪者に」等の展開になるのが鉄板。知識チートの強度や活動開始時期は作品によって様々。
悪役令嬢:転生ヒドインが原典通りに破滅させる対象。しかし、ゲーム(原典)ではなく、異世界を舞台にした現実である為、相手が憑依転生者なら人脈やガッツで負け、相手が非転生者なら前述の転生モブによって阻まれた挙げ句、悪役令嬢は原典のメインヒーローである婚約者(王族の御子息)が原典以上に堕落したのを契機に完全に見限り、自分を救ってくれた転生モブに感謝や好意を寄せるようになり、最終的に姿を消そうとした転生モブを貴族の力を使って探し出して引き留めるか、くっつくのが鉄板である(結果は作品によって異なる)。
悪役令嬢もの/モブ転生:転生ヒドインが悪役として登場する作品ジャンル
ラスボス(笑)/小悪党:知識チートや異能だけに頼り、努力を怠る人物だと小悪党か、威厳のない敵と化す。地味な努力を嫌うので主人公やヒロインの身体が持っている潜在能力を発揮出来ない宝の持ち腐れの雑魚と化す。ラスボスの威厳がある場合はそもそもヒドインと呼ばれず、悪女の部類に該当する。
ドラッグ/呪物:ゲームで好感度アップアイテムとして扱われていた物が実は……という形で登場することが多い。分類上は毒や使用を禁止される危険なアイテムを王族にも使用したとバレれば重罪確定である。
魔女教/大罪司教:偶然異能を得て悪行三昧する救いようの無い狂人の集まり。人格破綻者が多く、某所では荒らし扱いされる程碌な連中ではない。