「ババァルクウッ!!」
基礎データ
※:ゲーム上では「EXPANSION*E*」と誤植?されている。
概要
初登場は『ポケモンSM』。アローラ地方を脅かす謎の存在ウルトラビーストの一種。
『ポケットモンスターサン』バージョンにのみ出現する。
「UB02 BEAUTY」ことフェローチェとは対の関係。
UB02EXPANSION(イクスパンション)というコードネームで呼ばれている。
名前の由来はmassive(どっしりとした)+ブーン(羽音)をかけていると思われる。
英語表記の「buzzwole」はbuzz(蚊の音のブーン)とswole(スラングで筋肉隆々な人、「膨れた」の意味を持つswollenの略語)から来ていると思われる。
赤く透き通る筋肉質な上半身と四足の下半身という、半人半虫な外見をしており、血を吸う→蚊の生態に準拠するとメスになるが、こちらは男性的なイメージが強い。
ダイヤモンドよりも硬いとされる長い口吻で他の生物のエネルギーや体液を吸収し、体内でマッシブーンの体液と反応させ、コードネームの「膨張」が表す通り、その体を鋼のように逞しく膨れ上がらせるらしい。
その吸収力は膨大なカロリーを蓄えるカビゴンがあっというまに萎んだ風船の様になってしまう程で、「きゅうけつ」が異常なまでに強化されたのはコイツのせいでは?と言われる事も。
そのすさまじい筋肉を使った攻撃は非常に強烈で、ただのパンチでさえダンプカーを一撃粉砕。ましてフルパワーの威力は計り知れないと言われている。…………えっ?すでにココドラとヒヒダルマがやってる?ココドラに至ってはその残骸を食う?
ポケマメを与えるとその先端でちゅうちゅうと吸って食べる。どうやって吸っているのだろうか。
他のUBは「ザ・害獣」といった習性ばかりだが、こいつに限っては何か行動を起こすたびにやたらとポーズを取って自分の肉体をアピールするというやけにコミカルな習性を持つ。
実際戦闘中でも、出現から倒れる時までポーズを取って必ずマッチョな筋肉を見せ付けようとしてくる。例を挙げると
- 登場時に両腕を上げてアピール
- 待機時は時折背筋を見せつける
- 「ビルドアップ」使用時は勿論、Zワザを放つ際もマッスルポーズ(※)
- ダメージを受ける際も筋肉で受ける
- 倒れる時は両腕を上げてアピールしながら前のめりに倒れる
……などなど。
図鑑によると「威嚇か自慢かは不明」らしい。ポケリフレでも同様で、喜んだ時にやはりポーズを決めてくる。さすがに怒った時はその限りではないが。
その愛嬌溢れる仕草がかわいいと評判であり、実際、人間とコミュニケーションを取れる可能性が示唆されている数少ないUB。
ちなみに彼(?)の鳴き声である「バルク」は、ボディビルダーの用語で筋肉量を意味している。声まで筋肉か。
(※)図鑑では見る事が出来ない。それを嘆かれたかどうかは不明だが、USMでは図鑑の登録ポーズがこのマッスルポーズになっている。
ちなみに色違いは腕と足の側面が蛍光色の緑色になっている。
蚊のポケモンで赤と黒と蛍光緑…狙っているとしか思えないが真相は不明。
ウルトラジャングル
ウルトラサンのみ、ウルトラワープライドで白いホールを通ると行くことができるマッシブーンの世界。
大樹の下に広がる原始林と巨大な火山が特徴的。主人公はこの大樹の上を進んでいく事になるが、その大樹もよく見るとマッスルポーズを決めたような形状をしており、マッシブーン並に自己主張が激しかったりする。
流れているBGMも非常に軽快で「セイヤッ!」「ハッ!」と合いの手も入っており、聞いている内に思わずこちらもポージングを取りたくなってくるノリの良い曲調になっている。そのリズム感やジャングルという名前から同じくジャングルを住処とする任天堂のゴリラに似ているといわれている。
初めて訪れた際は奥の木にたどり着くと共に火山が噴火し、主人公の前にマッシブーンが飛来し戦闘になる。今作では色違いの厳選も可能だが、イベントのない2回目の方が楽。
ここで出現するマッシブーンのレベルは60。
ゲーム上での特徴
ストーリー中ではメレメレ島に出現、しまキングのハラの前に姿を現し、直後にやって来たカプ・コケコと対決するシーンが見られる。
だが実際にプレイヤーが遭遇し、捕獲できるのはエンディング後である。
殿堂入り後の「ウルトラビースト捜索イベント」で、ウツロイド捕獲後にメレメレの花園に出現が確認され、2体が捕獲できる(「サン」バージョンのみ)。
ちなみにそのストロー状の口、むしタイプ、メレメレの花園で出現するといった共通点に加え、英語版のコードネームが"UB02 Absorption"ということから、「アブリーがムキムキマッチョになったように思える」…ということで、一部ではメガアブリーとも呼ばれている(実際にアブは蚊と近縁の昆虫である)。
種族値
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
107 | 139 | 139 | 53 | 53 | 79 | 570 |
見た目で予想はつくと思うが、むし・かくとうの複合タイプとなる。むしろじゃなかったらなんなん?というレベルに分かりやすい。ちなみに、相方である「UB02 BEAUTY」ことフェローチェも同じ複合タイプであり、この組み合わせは第2世代のヘラクロス以来だったりする。
マッチョな外見に違わず、物理寄りの種族値配分となっている。
特に攻撃の種族値はそれまで(メガシンカ除く)むしタイプ最強だったシュバルゴを抜いてトップに躍り出た。防御もフォレトスやグソクムシャより僅か1低いだけで十分高水準。
また、実装時点ではむしタイプ唯一のHP種族値100越えであった。(現在はマルヤクデが追加)
逆に特殊面はすこぶる低く(例えるならば、Dはアーボより低い)、特殊技で弱点を突かれるとあえなくマットに沈められることも少なくない。4倍弱点の「ぼうふう」や「エアスラッシュ」はもとより、2倍弱点でも油断できない。
ただし潤沢なHPのお陰で特防の低さは補いやすく、うまく補強すれば不一致の等倍くらいなら特殊技もある程度は耐えられる(参考までにH振りのみの場合の特殊耐久値は、耐久無振りのフライゴンとほぼ同じ。少なくとも紙耐久とは呼べない)。
素早さも高くはないが低くもないため、意表をついてスカーフを巻くのも面白いだろう。
「メガトンパンチ」「グロウパンチ」「きあいパンチ」「かみなりパンチ」「れいとうパンチ」「ばくれつパンチ」など、覚えるパンチ技の種類が多いのが特徴。
その他として、かくとう技は「アームハンマー」や「ばかぢから」など、クセの強い高威力技も覚える。
それに対してむし技は(角は無い為仕方がないが)「メガホーン」を覚えず、最高威力は「とびかかる」もしくは「きゅうけつ」の80止まりとイマイチ火力不足なのが欠点。
かくとうタイプ定番のサブウェポンとして「じしん」や「ストーンエッジ」などを覚えられるため、それらも上手く活用していきたいところ。
補助技の方はそう多くないが「ビルドアップ」の他、「ちょうはつ」と「はねやすめ」を使える点は特筆に値する。特に後者はたべのこしやオボンのみに頼らずとも回復を行えるのが大きく、持ち物の自由度が広がる意味で非常にありがたい技である。
熱心なファンが多いためか、トレーナーの使用率はやや高め。「ばかぢから」で下がった攻撃力が「ビーストブースト」で元に戻るという点は非常に便利である。スカーフ持ちなら更に効率的だろう。とは言え、防御は下がったままなので注意。
USUMの教え技では、威力こそ控えめだが吸血より通りが良い「ドレインパンチ」を習得。「アイアンヘッド」「とびはねる」といったZワザ向きの有用な技も覚えた。
また、8世代では当初ほかの世代の伝説やUBとともにリストラされるが、2020年10月23日に配信されたDLC「冠の雪原」でほかの伝説、UBともども復活を果たし、それとともにインファイトを取得した。
また、8世代より追加された「ダイマックス」システムにより、「とびはねる」を「ダイジェット」に変化させ素早さを上げる戦法がとれると期待されていたところ、より圧倒的に使い勝手の良い新技「ダブルウイング」を習得しダイジェットで素早さを上げつつビーストブーストで火力を上げた後に相手の上から一致A上昇インファイトで粉砕という脳筋プレイができるようになった。ちなみに、マッシブーンの素早さだと準速であればダイジェット後にかそく済みバシャーモを抜くことができ、最速であればドラパルトよりも早くなる。もっともドラパルトはゴーストタイプなのでサブウェポンがなければ手も足も出なくなるが。
ちなみに、コイツの場合特殊型はネタ中のネタ。
「めざめるパワー」「りんしょう」「いびき」しか特殊技は無い為、どう頑張っても使い物にならない。逆にここまで物理技ばっかりガンガン覚えるポケモンもそういないと言えばいないが。剣盾ではめざめるパワーがなくなったため、2つになってしまった。
番外作品
『ポケモンマスターズ』
2021年10月29日開催のスペシャルコスイベント「激突! ポケモン合戦!」では、マジコスグズマのバディとして参戦。
『ポケモンGO』
初登場は2022年7月22日~24日に開催された「Pokemon Go Fest 2022 Seattle」。アメリカ・シアトル内の時間帯で受け取れるフィールドリサーチから入手できる。その後、同年8月27日に開催された「GO Fest フィナーレ」にて、ウツロイド、フェローチェ、デンジュモクと共にレイドボスとして登場し、事実上の一般配布が行われた。
デンジュモクと同様、攻撃と特殊の区分けがなくどちらか大きい方を種族値に採用する本作とは相性が良く、攻撃面・耐久面共に非常に高く、対となるフェローチェよりも遥かに扱いやすい。
技は通常技が「どくづき」と「カウンター」の2つ。どちらもゲージ回収力が高く扱いやすい。一致技である「カウンター」での運用が基本となるが、こちらの弱点を突いてくるフェアリータイプに対抗したい場合などは「どくづき」の採用もありか。
ゲージ技は、「グロウパンチ」「とどめばり」「ばかぢから」「とびかかる」の4つ。「グロウパンチ」と「とどめばり」はどちらも使用後に確定で自身の攻撃力を上昇させる効果のある技。一方、「とびかかる」は使用後に確定で相手の攻撃力を低下させる技。どれもPvPではかなり重宝することだろう。ちなみに、現状、確定バフ技を2つ覚えられるのも、確定バフと確定デバフを両立しているのもマッシブーンのみである。
難点としてはゲージ技の追加効果こそ優秀だが、単発の威力そのものは大したことがなく、イマイチ決定力に欠けてしまう点。
唯一「ばかぢから」のみは威力こそ申し分ないものの、PvPにおいては使用後にこうげきとぼうぎょが低下してしまい、せっかくの攻撃上昇が台無しになってしまうというデメリットがある。
このように、安定性を考慮すると火力不足に陥りがちになり、火力に重きを置こうとするとバフをかけにくくなるという何とも言えないジレンマを抱えている。「ばかぢから」ではなく、せめて「ばくれつパンチ」を覚えられていればもう少し扱いやすかったのかもしれないが……そのあたりはバランス調整の関係で見送られたということか。
また、上記の技を見ればわかるように、本作では苦手なひこうタイプやほのおタイプに対抗できる技を一切覚えられない。万が一これらのタイプとかち合ってしまった場合は確実に積むので、無理せず別のポケモンと交代させること。ひかえにいわタイプやでんきタイプ等を用意しておくと対応しやすくなるか。
このあたりを考慮してどう技構成やチーム構築を組むかがプレイヤーの腕の見せ所となるだろう。
もちろんGOでもマッスルポーズは健在。ARを使えばマッシブーンと一緒にポージング写真が撮れるし、連れ歩き時にゾロアが湧こうものならフィールドがボディビル会場と化す。攻撃を避けるモーションでは横に小ジャンプしながらダブルバイセップスを披露する。そしてこの操作は連続で行うことが可能。マッシブーンがポージングしながら横に跳ねるモーションを連続入力できる。
『ポケモンユナイト』
諸元
ロール | バランス |
---|---|
タイプ | 攻撃 |
攻撃範囲 | 近接 |
わざ1 | メガトンパンチ(範囲)→ レベル5 とびかかる(範囲)/うちおとす(妨害・ムーブ) |
わざ2 | とどめばり(近接)→ レベル7 きゅうけつ(近接)/ばかぢから(範囲) |
ユナイトわざ | ウルトラバルクマスキュラー(必中) |
とくせい | ビーストブースト |
価格 | 12000コイン/575ジェム |
2022年8月4日に実装。価格はポケモンユナイト初の12000コイン。ついでに初の準伝説キャラでもある。
豪快な外見とは裏腹に攻撃性能は低め。その代わり敵の位置操作や妨害行動に非常に優れており、繊細な筋肉キャラとなっている。因みに豪快な筋肉キャラはこっち。
とくせいはビーストブースト。敵をKO、もしくはKOアシストを行うと一定時間移動速度と攻撃速度が上がる。上昇量はかなり強力であり、一度とくせいが発動すれば残りの相手を一気に破壊することも可能になる。
余談だが、本編では正規の手段で素早さを上げることは出来ない。
ユナイトわざは相手の残りHPが少ないほど威力が上がる処刑用ユナイト。ビーストブーストを発動させるのに役立つ。
アニメ版
「マブシ!」
『サン&ムーン』編61話にて登場。ゲーム同様メレメレ島に現れ、カイリキーの集団やドサイドン等を蹴散らし、カビゴンを萎れさせるほどの吸血(?)を行った。
またキテルグマに対しても、腕比べで互角の勝負を繰り広げている(ロケット団が現れたことで、キテルグマはそちらの安全を優先し退散した)。
このように一見見境なく襲いかかる凶獣のようだが、人的被害の報告はなく、キテルグマが去った後大きく落胆している辺り、強者を見るとつい腕比べを仕掛けたくなる性の持ち主のようだ。
水面に映る自分を見てマッスルポーズを取る、「10まんボルト」を受けてもやはりマッスルポーズを取るなど、ここでもコミカルさが強調されている。
サトシがピカチュウをけしかけたことでポケモンバトルになり、ここでもピカチュウを圧倒するが、カキが駆けつけるや否や、舐め回すように彼を見た後再びマッスルポーズを取る。
カキもそれに応えマッスルポーズを取り、サトシやピカチュウも続いていつのまにかボディービル大会に。後から駆け付けた他の一行に呆れられながらも、ポージングしている隙にウルトラボールで捕獲された。
ゲットされた後はサトシ達と親愛のマッスルポーズを取りながら、メレメレ島のウルトラホールへ帰還した。
マッシブーンからすれば未知の世界で戸惑うことばかりだったのだろう。
しかし視聴者を一番驚かせたのは、マッシブーンを呼ぶときのアクセントだと思われる。
なんと最初の「マ」を上げて呼ばれていた。
(由来がMassiveだから当然といえば当然だが…)
とはいえポケモンの家あつまる?にて辻本達規が扮した「ツジモッシブーン」、及び公式の動画「カイリキー体操」における掛け声「マッシブーンかよ!」はどちらも「ブ」にアクセントが置かれている為、明確な決まりは無いようだ。
余談
現実世界では、蚊の最大の天敵である虫はトンボだが、偶然にもタイプ相性的にも天敵と言えるポケモンが既に存在している。
登場した世代とはレート環境が全く異なるため、出くわすかどうかは運次第だが「エアスラッシュ」を食らったら努力値振り、性格補正の有無に関わらず一撃で切り捨てられてしまう。
有志の検証で素早さがあと1つ足りていればビーストブーストの対象になっていた。
2021年、2月19日。令和のコイルショックとも言える事が起きた。
なんとマッシブーンがポケモン人気投票「キミにきめた」の第1次速報発表で圧倒的な一位に輝いたのだ(二位との差は1000票以上)。その後の中間発表では他ポケモンの猛追もあって順位を落としたものの、最終的に8位入賞で全体TOP10入り、第7世代部門では2位のミミッキュを圧倒して優勝する快挙を成し遂げた。(ちなみに、最終的に1位になったのはこのポケモン)
去年はアローラ地方で11位だった彼の躍進はいかにして達成されたか?答えは恐らく...。
因みにTwitterのトレンド一位にもなったり、Yahoo!のトレンドにも入った。
関連イラスト
関連タグ
カイリキー…ポケモン界における元祖筋肉自慢。マッシブーンが二腕四足に対しこちらは四腕二足。対面した日には張り合いになる事間違いなしだろう。
アレックス・ルイ・アームストロング、街雄鳴造…マッシブーンと同じく愛すべき筋肉バカ。
ウルトラマンタイタス…同じく、戦闘中やたらと筋肉をアピールしてくるキャラクター。やはりというか当然というかこちらもかなりの筋肉バカ。
テラフォーマー…マッシブーンと同じくやたらマッチョな虫。
もしかして…→ぽへチャンネル
イダイナキバ…種族値配分がかなり似ているポケモン。どちらも格闘タイプであり、正体がよくわかっていない点で共通している。