セカイ系とされることがある作品一覧
せかいけいとされることがあるさくひんいちらん
前提事項
本記事ではセカイ系の要素を含んだ作品を紹介する。
この記事を読む前に、親記事に挙げた解説や注意点をよく読んでいただくのをおすすめする。
もし何も詳細の記述なく後述の一覧をただ見せられただけでは共通点を見つけることは難しい事がうかがい知れるだろう。
そのため、一覧をより良く分かりやすく閲覧・編集いただけるよう、解説を挟んでおく。
まず、人それぞれの捉え方によっては違っている可能性こそあるものの、少なくともほとんどはセカイ系の様式に当てはまる世界観や設定やストーリー展開をみせている作品を紹介している。
そうしたセカイ系作品を探している読者側にとってより良い判別材料になると考え、親記事に挙げたような構成要素を示す【A】【Z】といったナンバリングを用意した。
編集する際にナンバリングを表記するかどうかもどの作品を追加するかも基本的に自由としているが、構成要素だけを頼りに作品を追記しているとキリがなくなるので、あくまでも「やはりこの作品はセカイ系だと感じた」といった、編集側の慎重かつ強い感覚に基づいた判断を第一にした追記を推奨する。
必要であれば、その後に短めの補足説明を追記してもよいとする。
また特に読者側には、以下のセカイ系構成要素の該当数と、セカイ系としての相対的な認識が必ずしも完全に比例するわけではない点を留意していただきたい。
そもそも「セカイ系」という言葉自体が感覚的なものであるため、作品をセカイ系であるという実証ができるものではなく、あくまで人々の感覚も含めて反映された一覧であることに注意。
そして親記事でも述べているように、作品をセカイ系と分類するかどうかの感覚や認識には人それぞれで多様性がある。またそれもセカイ系の魅力や特色でもあるといえるので、それを認めつつ閲覧、追記、編集に臨むとよい。この際「真実は人の数だけある」といった心構えとし、間違っても自分とは違ったセカイ系の認識について否定してはならない。
ただ一方で無秩序に作品が増えていくと記事の肥大化につながるおそれも高まるので、なるべく無駄を省いた記述での加筆・修正を心がけること。
また加筆・修正に関しても、編集合戦を避けるため、特に除去する部分については記事全体の校正・見直しといった場合を除いて基本的には編集者自身が記述した部分のみとするように。
人それぞれが持った感性による楽しみ方で、セカイ系の世界を楽しんでいただければと思う。
作品一覧におけるセカイ系の構成要素
【A】主人公らのもたらす影響が特大・深刻
影響しうる範囲が大都市や宇宙など範囲が広いものだったり、範囲は狭くとも凶器などで人々を傷つける度合いが高く危険なものだったりと様々だが、「誰が」「どの範囲で」「どのように」それが作用するかがはっきりと示される。これにより主人公たちは世界に対して顕著に問題意識を向けることになる。
セカイ系に限らず物語類型として代表的なもので、なぜ主人公たちがその影響力を持つに至ったかも作品によって異なるが、全体の傾向としては主人公たちが意図せずその影響力を持っていることが多い。
いずれこの影響力が周囲との関係性を大きく揺るがし、やがてそれに対する心理的問題に直面せざるを得なくなる。
災害や戦争による都市壊滅や、特殊兵器などによる暴力といった描写もしばしば含まれるため閲覧には注意が必要な場合もある。
【B】中間領域の簡略化、または謎多き設定
主人公とそれ以外の視点を明確に切り離すことで、主人公サイドへの感情移入がしやすくなる。
国際情勢や経済などの社会状況が隠されたり、敵対勢力の詳細について解説されなかったりするのは代表的だが、モブキャラとメインキャラの描写の差がはっきりしていたり、広い空間にぽつんと主人公たちが立っている場面が頻出したりなど意図的な演出によってそれが象徴的になされることもある。
外部勢力などの設定が終盤になるまで明かされなかったり、さらにはそれが明かされぬままで物語が完結するケースも多い。その謎を明かすのが物語の目的である場合もある。
それゆえに「世界」という漠然とした視点が作中で出来上がりやすい。
難解な用語や未回収の伏線が多く含まれるため、ファンの間では考察の対象となりやすくなる。
【C】世界へ関与する人物のほとんどが、「最初の村」にいる
家族、学校、所属する団体、住んでいる街など、主人公が積極的に動こうとしないかぎり変わらないような関係性の中で物語が進行する。
血縁によるもので主人公が重要な能力を引き継いでいたり、友達全員が奇遇にも「選ばれた存在」として活躍することとなったりだけではなく、世界を滅ぼすラスボスが地元の街に出没したりするのもこれに当てはまる。
旅に出ようとしたり出世や成り上がりのために努力したりせずとも、世界規模の壮大なテーマと直面するようになるため、より自意識にフォーカスしやすくなる。
【D】精神面中心のテーマ・徹底した心理描写
作品にセカイ系らしい重みを与える要素として特に代表的なものである。
登場人物の心境変化によって能力が大きく変化したり、キャラクターの葛藤の解決が顕著に優先されたりで、戦闘や危機管理がそっちのけになったりもする。
主人公たちによる印象的なモノローグや回想を多用した作品が多いが、そうでなくとも脚本構成や声優の演技や舞台背景などによってキャラクターたちの深層心理の動きが際立たされているのも相当する。
どこでもないような心象風景の中にキャラクターが立たされたり、敵キャラが心の闇をモチーフとしたものだったり、ひいては作品全体の世界観や設定が精神世界そのものであったりで、リアルというよりは象徴的な作風となる。
中には最終的な物語の着地点が「心」に関するものであり、例えば序盤や事前情報ではアクション重視の作品だった場合、そのイメージをひっくり返すような展開が描かれる作品も。
【E】大きな代償、究極の選択
「天秤にかける」とも言う。例えば、ヒロインを犠牲にして世界を救うかどうかを問われたり、戦いに勝利した結果大切なものを失うなど、あらゆる選択肢や結末を強制される要素がこれに該当する。
セカイ系作品においてはこうした強制性を物語の土台としていることも多い。
ストーリー全体にわたってその小さな選択の連続である場合もあれば、わかりやすくストーリーの要所で急にその選択を突きつける場合もある。
【F】重要人物と、主人公との立場・力関係の差による感情
重要人物となる対象は多くの作品ではヒロインが当てはめられるが、それが家族だったりと必ずしもそうでない場合もある。いずれ両者の立場の違いとそれによる心理的背景の違いは主人公に葛藤や重要な目的を与えるのでセカイ系としての物語を駆動させやすい。
例えばヒロインが主人公より強い立場であったと仮定すると、主人公はヒロインに対して無力感を抱いたり積極的に気持ちを知ろうとしたりする。またその逆のケースであれば、敵の攻撃から大切な存在を守るために戦闘する、など。
【G】社会的に認知されない領域が世界とリンクする
これにより主人公たちは問題を抱え込みやすく周囲と孤立していくようになるなど、より社会領域を排除したセカイ系としてのストーリー進行になりやすくなる。
具体的には、関係性や出来事や内省を介した想像力により世界規模に拡大した自意識が代表的だが、魔法のような特殊能力、場合によっては組織がらみによる機密事項もそれにあたる。
また、「世界」といった壮大なワードや作品世界全体についての言及が、登場人物のセリフやモノローグなどのあらゆるところに多用されがちになるのも大きな特徴。
その主人公たちが社会領域と接触するシーンとなった場合、社会サイドと主人公サイドとの両者の認識のギャップが印象的に描かれることも多い。
【H】「きみとぼく」の構図を中心に描く
多くはヒロインと男性主人公による恋愛ものとしての傾向が強いものを指すが、それが逆パターンだったり、友情などによる同性同士や異種間での関係性であったりする場合もある。いずれにせよその小さな関係性は作品世界において大きな影響力を持っている。
そうした描写はセカイ系作品たらしめる特徴として代表的なものであり、極端な話、セカイ系作品のキャラクターは「きみとぼく」という最小単位を中心に構成されているといえる。
そのうち、「主人公とヒロイン」との関係性をわかりやすく描くものをセカイ系作品だと連想する人は特に多い。
【I】崩壊中の世界を護衛するか、崩壊前の世界へ戻すために尽力する
「今の世界は崩壊している」という前提のもと物語が進行していくので、主人公たちは世界に対して創造的な作用があり、問題の改善や軽減といった前向きな働きかけをすることが多い。
それとは別に、物語全体の破滅的な展開を救済しようと動くケースもある。
いわゆるポストアポカリプスもの、ループもの、タイムリープものといったような要素を含む作品に多い。
ちなみに、これらに立ち向かわずに受け入れて生活していく場合、セカイ系というよりは単なる新日常系に分類される。
【J】強大な技術や存在と主人公が関係している
巨大ロボやメカの操縦をはじめ、人類の命運に関係する神や伝奇存在との接触、特殊能力や先端技術の取得などで、主人公たちが世界の命運をどうやって左右するかの方法に具体的に迫れる描写が数多くある。
それらが規模の大きいものや力の強いものであるほど、その迫力そのものがセカイ系的な空気感を演出する要素になっている。
この場合は戦闘シーンなどが作品の目玉となるが、例えばSF作品では作中で扱われるメカや技術がどの原理で駆動するかの説明を受けたりそれらが開発中の過程が描写されたり、ファンタジー作品では不思議な存在や超人的な存在との交流によって魔術や能力の使い方を教わったり世界全体の隠された問題を知らせられたりの展開もそこに上乗せされていくことも多い。
【K】主人公の心が世界に対する矛盾を抱えている
セカイ系の要素が多く含まれている作品の主人公には、自身や周囲の日常を防衛しようと抵抗していたり、自信がなかったり、世界と対峙して戦う姿勢に違和感や疑問を感じたりといった弱みや迷いを抱えながらも、世界の問題に向き合わざるを得なくなる。
またあくまでも「単なる傾向」ではあるが、その副産物として「内向的で弱気」「逃げ腰」「世界の問題について無関心/無気力」といった主人公の像も特に序盤で形成されがちである。
そういった主人公の行動は作品世界において破壊的な側面も中にはあり、賛否こそ分かれるものの、その主人公が自身の問題を乗り越え世界の問題に向き合うことで感動的な成長を果たしていくなど、作品によってはそれがセカイ系としての最大の魅力となる場合もある。
【X】同系列や類型作品と比べてセカイ系的な傾向を持つ
同じ作者やシリーズ作品の中でも、挑戦的と思えるほどセカイ系的な特徴やセカイ系作品のオマージュが盛り込まれているもの。
多くは時代背景が反映されており、おおよそセカイ系ブームが隆盛を極めた1990年代後半から2000年代末までに制作された作品には特にこの傾向が強くみられる。過去にセカイ系作品を担当したスタッフが制作に参加しているなど「系譜」がそれを裏付けているものもある。
もともとセカイ系とは呼ばれないような作品でも、展開によってはセカイ系らしくなっていくパターンもこれに該当。
物語単体ではセカイ系に見えなくともシリーズ全体で見るとセカイ系的な意外性や希少性があるため、一部のマニアからは一般的なセカイ系作品以上に「セカイ系作品」としての高評価を与えられやすい。
【Y】セカイ系ジャンルに影響を与えた作品とされる
基本的に知名度の高い作品が該当するが、比較的マイナーな作品でも影響を与えていたりするものもある。
セカイ系という言葉が存在する前にもかかわらず「セカイ系そのもの」と思わせる前衛的な作風だったり、反響の大きさからセカイ系作品全体の傾向に影響したりなど。
【Z】セカイ系の代表例としてよく挙げられる
基本的に知名度の高い作品が該当する。
数多くの人に「セカイ系」として認識され、また「セカイ系」を語る上で必ずといっていいほど紹介されている。
セカイ系ジャンル全体だけでなく、ゲームやライトノベルといった各メディアタイプ別に代表例として紹介されているものも。
作品一覧※ネタバレ注意
一部の構成要素記述により作品のネタバレとなる可能性あり。ネタバレの心配がない一覧記事はこちら
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わ行
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