永遠の星の彼方、遙か300万光年を超えたM78星雲。
ウルトラの国から地球の危機を救うためにやってきた戦士たちが、ここにいる。
空や海や地底、そして宇宙から襲ってくる怪獣・超獣・宇宙人。
地球を守れるのは、君たちだけだ──。
概要
事の発端は、ウルトラシリーズ冬の時代だった1988年に放送されていた帯番組『ウルトラ怪獣大百科』まで遡る。同作はメジャー・マイナーを問わずあらゆるウルトラ怪獣をザラブ星人…もとい青野武氏と赤木優女史のナレーションで解説していく5分番組であり、なんと257回に渡り怪獣をレビューしてきた。
これを各怪獣の属性ごとに纏めて紹介したVHSソフトが『ウルトラビッグファイト』であり、テーマになった属性のイメージに見合ったウルトラ戦士と戦った怪獣を4匹（80編のみ3匹）、残りを各1匹ずつ紹介していく形になっている。
赤木女史の指の動きと明らかに合ってないデタラメなタイピング音、時にマニアックかつ歯に衣着せぬ青野氏のナレーションは、90年代に幼少期を送った世代ならば忘れようにも忘れられない思い出だろう。
各巻構成
第1巻『ウルトラマン 怪獣大進撃!』（Big Fight of Famous Monsters）
地球を愛し、人類を愛し、僕らのために戦うウルトラ戦士。
光線技や強力武器が、怪獣の猛攻を食い止める。
レッドキング、ギエロン星獣、アストロモンス──強敵相手に、ウルトラ戦士のパワーが弾ける!
「今、世紀の戦いが始まる。」
各作品を代表する怪獣を紹介。ラインナップ的に彼が色々な意味でブチ切れそうな気がする……。
第2巻『帰ってきたウルトラマン 地球危機一髪!』（Big Fight of Strongest Monsters）
広い宇宙には、ウルトラ戦士の力を超えた超強力な怪獣がいる。
兄弟が力を合わせたり、人間の協力がなければ勝てない最大の敵たち。
帰ってきたウルトラマンは、セブンにもらったウルトラブレスレットがなければ、ベムスターを倒せなかったかもしれない。
「ウルトラ戦士、絶体絶命!」
ウルトラ戦士を苦しめた強力な怪獣を紹介する。
第3巻『ウルトラマンタロウ 宇宙怪獣来襲!』（Big Fight of Monsters from Space）
遠い宇宙から、地球を狙ってやって来る宇宙怪獣。
地球の科学力では解明できない能力を持つ恐怖の侵略者に、ウルトラ戦士が立ち向かう。
ウルトラ兄弟を順に倒しながら、冥王星からやって来たタイラント。強敵・ムルロア。
タロウの必殺技が炸裂する!
「ウルトラ戦士、地球の危機を救え!」
宇宙怪獣を紹介する。『セブン』の怪獣はなぜか、メジャーなエレキングではない。
第4巻『ウルトラセブン メカ怪獣出現!』（Big Fight of Mechanic Monsters）
硬い体は痛みを感じず、敵に恐怖することもないメカ怪獣。
生身のウルトラ戦士は、痛みを感じ、恐怖を感じる。
そのハンディをひっくり返す、機械にはないウルトラ最大の武器は、“友情”と“勇気”だ。
キングジョーの猛攻、恐竜戦車の突進を、セブンがその身を挺して食い止める!
「ウルトラ戦士、命を燃やせ!」
ロボット怪獣を中心に紹介。
巻末の宣伝映像では『セブン』第15話の映像が使用されている。
第5巻『ウルトラマンA 地球怪獣復活!』（Big Fight of Monsters in Earth）
太古の眠りから目覚め、また知られざる秘境から現れる地球怪獣。
鋭い爪や牙、強烈なパワー。ウルトラ戦士との戦いは、まさに肉弾戦だ。
アリブンタ、ガラン──地球の生んだ怪物たちが、エースを襲う!
「ウルトラ戦士の戦いを見よ!」
地球出身の怪獣や、モチーフになった動物の特徴が大きく出ている超獣を紹介する。
第6巻『ウルトラマンレオ 凶悪星人侵略!』（Big Fight of Aliens）
強敵ぞろいで、人類以上の知能を持つ凶悪な宇宙人たち。
地球人には想像もつかない光線や分身の術、円盤との連動攻撃には、ウルトラ戦士も苦戦を強いられる。
カーリー星人、フリップ星人──レオは、アストラやキングの力を借りながら地球を守った。
「僕らの地球は、渡さない。」
宇宙人との戦いを紹介。チョイスが渋すぎる。
ガッツ星人、ナックル星人、ヒッポリト星人、テンペラー星人、ガルタン大王がいるのに……。
第7巻『ウルトラマン80 復活怪獣逆襲!』（Big Fight of Monsters Strikes Back）
何度倒されようとも再び立ち上がり、地球を襲う復活怪獣。
より強力に、さらにずるがしこく力を蓄え、ウルトラ戦士に牙を向ける。
バルタン星人、ゴモラⅡ、レッドキング──過去に倒された怪獣の怨念が、ウルトラマン80を危機に陥れる。
「ウルトラ戦士の技が冴える!」
ウルトラ戦士と戦った怪獣の同族を紹介。
一番チョイスが酷い。なぜか以前紹介されたはずのガイロスが再登場。さらにベロクロン二世ではなく巨大ヤプール、マグマ星人ではなくブラックエンドと、実際に出ている怪獣が（本放送の時点でそうなのだが）取り上げられていない。
また、なぜか巻末の宣伝映像ではザルドンが登場していた。
第8巻『ウルトラ戦士 主題歌集!』（Theme song of Ultra Warriors）
海に、空に、地に、怪獣の雄叫びがこだまする。宇宙から魔手を伸ばす侵略者。
戦え、ウルトラ戦士よ!
傷ついたウルトラ戦士たちの心を癒すのは、僕らの熱い歌声だ。
「ウルトラの歌を聴け!」
これまでとは趣向を変えて、歴代作品の主題歌やBGMをバトルシーンとともに紹介。こちらは上述の帯番組とは無関係であり、放送時に紹介されなかった怪獣も登場する。
『ウルトラQ』のテーマも収録している。
増刊号、特別編
レギュラーシリーズ以外にも、以下の増刊号、および特別編が存在する。いずれも帯番組とは無関係である。
『増刊号 ウルトラファミリー大集合』
『増刊号 激闘! ウルトラファミリー』
上記2巻とも、アニメ作品の『ザ☆ウルトラマン』を含めて、ユリアンまでのウルトラファミリーを振り返る構成の作品。1989年発売。OPにささきいさお版「ウルトラマンの歌」、EDに「ウルトラマン物語〜星の伝説〜」が流用された他、ウルトラファミリーのウルトラサインも紹介された。ナレーションは田中秀幸氏。巻末にて、当時の最新作『ウルトラマンUSA』のVHS発売が告知された。
「凶悪怪獣の雄叫びとともに地球に危機が訪れるとき、銀河系から300万光年離れたM78星雲ウルトラの国からやってくる勇者たち。それがウルトラ戦士なのだ。
戦え! ウルトラマン、セブン、帰ってきたウルトラマン! 走れエース、タロウ! 負けるなレオ、80よ!
果てしない戦いに傷つき倒れるとき、新たな戦士たちが現れる。ゾフィー、ウルトラの父、ウルトラの母、ウルトラマンキング、アストラ、ユリアン、そしてウルトラマンジョーニアス。
強い絆で結ばれたウルトラファミリーに恐れるものは何もない。
ゆけ、ウルトラの勇者たち! ウルトラファミリーよ!」
(OPナレーション)
「平和を乱す者は許さない!次々と襲いくる侵略者に敢然と戦うウルトラ戦士たち。
だが、敵は強大だ。時には傷つき、倒れることもある。ウルトラファミリーの力を合わせて立ち向かうのだ!
宇宙に平和がくるまで、ウルトラファミリーに休息のときはない。
ゆけ、ウルトラファミリーよ!」
(EDナレーション)
『誕生! ウルトラマンG』
『闘え! ウルトラマンG』
日豪合作の『ウルトラマンG』について取り上げたもの。それぞれ、第1話～第6話のいわゆる「ゴーデス編」と第7話～第13話の「新ウルトラマンG」の再編集となっている。
ウルトラビッグファイトスペシャルシリーズ
- 第1巻『誕生! 光の超戦士』
- 第2巻『ウルトラ戦士スーパーミュージック』
- 第3巻『ウルトラ戦士VSバルタン星人!』
『光の超戦士』は1991年、『スーパーミュージック』と『VSバルタン星人』は1992年に発売。それぞれ、当時の最新ウルトラマンだったグレートまでの歴代ウルトラマン(『ザ☆マン』と『ウルトラマンUSA』も含む)の初登場エピソード、主題歌集の続編(前回紹介された作品は挿入歌および後期OPを採用)、そして歴代のバルタン星人との対決を取り上げたもの。ナレーションはいずれも浦野光氏。
ウルトラマンパワードシリーズ
- 『大公開! ウルトラマンパワード』
- 『大迫力! ウルトラマンパワード』
- 『大決戦! ウルトラマンパワード』
- 『大勝利! ウルトラマンパワード』
- 『ウルトラマンパワード 怪獣大図鑑』
日米合作の『ウルトラマンパワード』について取り上げたもの。本シリーズをもってビッグファイトシリーズは最後となる。
最後に…
ウルトラ戦士によって、地球の危機がまた救われた。
しかし、次の敵は、すぐそこまで来ているのだ。
ビッグファイトは終わらない! 頑張れ、ウルトラ戦士!!
