【警告】この記事には、『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』本編のネタバレが含まれます。
キラ・ヤマト「こちらは世界平和監視機構コンパス。攻撃部隊に告ぐ。ただちに戦闘を停止せよ」
機体データ
型式番号 | STTS-909 |
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全高 | 17.80m |
重量 | 67.90t |
装甲材質 | ヴァリアブルフェイズシフト装甲 |
動力源 | ??? |
開発 |
|
所属 | 世界平和監視機構コンパス |
パイロット | キラ・ヤマト |
概要
ZGMF-X20A ストライクフリーダムの運用データをもとに開発された世界平和監視機構コンパス所属の新型機。コンパス内ではキラ・ヤマトの搭乗機として運用されている。
機体本体の設計はオーブ連合首長国(モルゲンレーテ社)、武装の開発・製造はプラントの二大兵器メーカー(やザフトの統合設計局)が担当するなど、国家・体制の枠を超えた最新技術が集結している。
兄弟機のイモータルジャスティスと共通のフレームを採用しており、運用方法に応じた機体や武装のバリエーションを生み出せるマルチロール的な特性を持つ。さらに、大気圏内と宇宙を往還するコンパスの活動範囲に対応するため、オーブ国防軍のムラサメの可変技術を導入した飛行型モビルアーマー(MA)への変形機構を採用している。
このMA形態であればポジトロニック・インターファライアンス(陽電子砲によって生じる前面の真空状態と磁場)による補助こそ必要だが、単機かつ短時間による大気圏離脱が行える。
また、フリーダム(全高18.03m)やストライクフリーダム(同18.88m)より小型化することにも成功し、重量も67.90tとフリーダム系列で最も軽くなっている。
製造された経緯や理由は定かでないが、『FREEDOM』の時代では前大戦終戦から1年以上の時を経て前大戦の英雄でもあるストライクフリーダムでさえ性能がやや旧式化している(ただし旧式という発言自体は最終対決時のオルフェ・ラム・タオによるもの)こと、そして本編開始の半年前にストライクフリーダムが強奪事件に遭い、その際にブラックナイトスコードによって撃墜されたことから、ストライクフリーダムに代わる新たな戦力としてキラ・ヤマト用にMSを手配したものと考えられる。
また、強奪事件の際にストライクフリーダムがテロリストの操縦により地上の施設を襲撃したことから、コンパスの体裁的に表立って運用するわけにはいかなくなったため本機が用意された可能性も高い(初代フリーダムへの回帰や青主体のカラーリングは、可能な限りストライクフリーダムのイメージから遠ざけようとした結果なのかもしれない)。
その場合、強奪事件から半年以内という驚異的な開発スピードになるが、C.E.は新技術の目白押しだったZGMF-Xシリーズ5機を並行開発しながらフリーダムとジャスティスについては最長でも66日間でロールアウトするほどにMSの開発・製造が高速なため、ライジングフリーダムも相当な短期間で開発されたと考えられる(ムウ・ラ・フラガのシン・アスカらに対する「新型には慣れたか?」という質問から、イモータルジャスティスやミレニアム搭載の他のMS共々ロールアウトされたのは比較的最近であることが窺える)。
劇中の半年前に起きたフリーダム強奪事件の時点で既にブラックナイトスコードは完成していたので、C.E.75年においてはイモータルジャスティスと並ぶ最新鋭機の1つであったが、キラの技量をもってしてもあちらには及ばない(機体相性もあるとはいえ)ものの、当時のコンパスが所有するMSとしては間違いなく最強格の性能を持っており、
1.キラを精神的に追い詰める
2.精神操作により地形的に有利な場所まで誘導
3.不意打ちにより武装と翼を破壊し火力と機動力を奪う
4.追い討ちで空に上げず、有利な地形の地上戦にもちこむ
あのプライドの塊の様なブラックナイトスコードが、上記の流れで確実にシヴァが有利な一体一の近接格闘戦を強いたことから、やはり最新のライジングフリーダムとキラの組合せはかなり警戒されていたことがわかる(その状態でもエネルギー切れギリギリまで粘ったことからもキラの技量とライジングフリーダムの性能の高さが垣間見える。またライジングフリーダム搭乗時は特に機体自体を咎める評価もなく上記のようにブラックナイツは最初から全力で倒しにかかっているが、後に別の機体で現れた(実際に乗っていたのは別人だったが)際には一度勝っているからか「集団でかかるのは愚」とその真意に気づくまではかなり侮った態度を取り、「旧式」とまで評していた)。
その為、並のMSはおろかデストロイであっても単独にて制圧している。特に、デストロイを単機で撃墜したことのあるMSはC.E.73年終盤から74年にかけて最高峰の性能を誇っていたデスティニーとレジェンドのみであることから、その2機に匹敵する性能を有していることがうかがえる(小説版ではデスティニーはイモータルジャスティスより火力では劣るとされているため、本機もストライクフリーダムと同等かそれ以上の火力を有しているのは間違いないだろう)。
実際、任務においてもブラックナイトとの戦闘以前はほぼ単独でも大抵の敵を撃破していたようで、その強さと1人で最前線に立ち自身達には市民の避難誘導などを命令する姿勢からシンから「自分は信用されていないのではないか」と零されるほどであったことが明かされている。
外見
全体的にストライクフリーダムよりも初代フリーダムからの強化・発展的要素が目立つ。
腕部のカバーや胴体・肩のカラーリングは黒・白からデスティニーを思わせる青主体となり、どことなくフリーダムはじめZGMF-Xシリーズの原型となったドレッドノートを思わせる要素もある。
頭部は、口部分のスリットが廃されたことやメインカメラの色が青、顎がライトグレーになっていることなど、総じて歴代のフリーダム系列とは大きく異なる印象を受ける。
関節部にはPS装甲由来の特殊素材も使用されている(おそらくこの機構を搭載しないとかつてのストライクのように関節部の摩耗で整備が大変なことになるため)ようだが、金や銀に発光するのではなくデスティニーのような金属光となっている。
機構
胴部
構造は歴代フリーダムと似通っており、コックピットも同じく胸部に存在し、コックピットハッチの開閉や搭乗方式も歴代と全く同じである。
一方、機体設定では動力が明言されていないため、腹部にニュートロンジャマーキャンセラー(NJC)搭載型核エンジンを搭載しているかは不明である。
フリーダムの時にはコクピットハッチ上部に存在した橙色の誘導灯が、本機ではコックピットハッチを挟むように配置されている制気口上部に移動している。
動力
動力周りに関する描写としては、
- スラスターからフリーダム系列機特有の赤い粒子(余剰エネルギー)を放出している
- 発進時のみならず作戦行動中にも確認できる
- OS(後述)は連合・オーブが共同開発した物(第1期GAT-Xシリーズやアカツキ)とほぼ同名のものとなっている=名称に「Nuclear」を含んでいない
- ただし、解体などによって核エンジンが確認されない限りは、OSの表示が当てにならない場合もある
- ストライクなどと同様にコンソールにエネルギー残量計(メインゲージ「ENERGY STORE」と2本のサブゲージ「Hi-CAPACITOR」の2種)が表示されている
- 正規のハイパーデュートリオンエンジン搭載機には、エネルギー供給量を上回る消費量を確認・警告するためか、エネルギー残量計が採用されている(『DESTINY』でのオーブ侵攻戦の折のデスティニーのコックピット描写から確認できる)
- また劇中においては戦闘中に「Hi-CAPACITOR」のゲージが減少のみならず増加もしており、何かしらのエネルギー生成機構が搭載されている可能性が示唆されている
という状態であり、バッテリー駆動、核駆動のどちらとも取れる。
そのため、議論が今でも尽くされているが、可能性の高いものの一つとして核融合炉が挙げられる。実は一口に「核動力」とは言っても劇中でそう呼称されるのは主に「核分裂」方式の動力炉のことであって、NJCを必要としない「核融合」方式の推進システム自体は『SEED』開始時点から既にアークエンジェルのような大型戦艦に採用されている。
C.E.では、MS開発黎明期のC.E.69年にMS用の小型核融合炉の開発を行っていたが、小型化に失敗してバッテリー方式を採用した過去がある。しかし、それらが技術進歩によりMS用動力に転用可能なサイズにまで小型化され、本機らに搭載されているのであれば「ユニウス条約の遵守」と「バッテリーに頼らないハイスペック機の開発」を両立でき、コンパスとしてもかなり都合が良いのである。また、映画劇中および小説版にはエリカ・シモンズが(核とは言っていないものの)「新型融合炉の存在」に言及するシーンが存在しており、この説を補強する根拠になっている。
ちなみに、本来キャパシタ(コンデンサ)の役割は動力源から供給されたエネルギーを蓄積し、より大きい出力でドライブするためのものである。蓄積容量が少ない代わりにバッテリーから直接ドライブするよりも大きいエネルギーを一度に供給するためのものなので、バッテリーでも核動力でも使われて然るべきである。しかし、ライジングフリーダムはUIの「Hi-CAPACITOR」ゲージにエネルギーが供給される中でも「ENERGY STORE」ゲージが回復している。バッテリーであれば電力が勝手に回復することはないので、自発的にエネルギーを生成する能力を持つ動力源が搭載されていることは間違いない(ブラックナイトスコード戦では直前の高速移動と戦闘時の猛攻により動力源からキャパシタへのエネルギー供給が間に合わなくなったと見られる)。
コックピット
これまでのフリーダム系列機よりもさらに範囲の大きい全天周囲モニターを採用しており、視認性が大きく向上した。
全天周囲モニターの採用に伴い、前方や上部を物理的に占領してたメインコンソールの各種計器やビデオ通話用小型モニターはフレキシブルかつ半透明な空中投影型ディスプレイに一新され、必要に応じて全天周囲モニターの内側に表示されるようになっている。
なお、メインパネル、エネルギー残量計、冷却剤残量計、示差走査熱量計(D.S.C)、兵装セレクターパネル、後述の相転移変動率計(仮)については常時表示されている。また、従来のPS装甲搭載機では見られなかったVPS装甲の相転移変動率と見られるものを表示する計器(ゲージが増えていくほど危険を知らせる形式)が追加されている。
空中投影型ディスプレイの採用に伴い、メインコンソールの物理スイッチ等は左右のコントロールスティック前方に新たに設置された制御盤へ移動している。
これまでのフリーダム系列のような「マルチレーダーセンサー」は搭載されていないがマルチロックオンシステムは健在であり、劇中では33機の対象にほぼ一瞬でロックオンしている。
OS
GENERAL
UNILATERAL
NEURO-LINK
DISPERSIVE
AUTONOMIC
[MANEUVER
(Complex)
「単方向の分散型神経接続によって自律機動をおこなう汎用複合体」
一般的に「ナチュラル用OS」と呼ばれている、オーブ軍MSとほぼ同じ名称のものを搭載しており、起動時に表示される国章もオーブのものとなっている。一方、第一次大戦後にザフト製OSの標準規格となった「MOBILE SUIT NEO OPERATION SYSTEM」が採用されている。このことから、コーディネイターが扱うことを前提として既存のオーブ製OSをザフトの規格で再設計したものと思われる。
歴代フリーダムやオーブ軍MSのものとは異なりバージョンが存在しない。
肩部
歴代フリーダムと同じく、内側にサブスラスターを内蔵したショルダーガードを備えている。一方、このサブスラスターに併載されたカバーがショルダーガードが突き出しているという相違点もある。
また、左ショルダーガードの前面にコンパスの組織章がマーキングされている。VPS装甲なためテスタメントのように電圧調整を用いてマーキングを出力することも可能だが、本機は直にマーキングが施されている。
スラスター・主翼
メインスラスター
MA形態時に用いる機首パーツと干渉するためか、フリーダムやストライクフリーダムにて採用された縦に2基並んだ噴射ノズルは廃止され、左右のウイングバインダーそれぞれの内側に、機首パーツを挟むように配置された計2基のスラスターへ変更されている。このスラスターの上下には、機首パーツと同程度の長さを持つカバーが併載されている。
サブスラスター
ショルダーガードの内側・脇腹・足裏・ウエストガード後部にサブスラスターを内蔵している。しかし、フリーダムと比較するとメインスラスター脇と脛後面のサブスラスターは廃止されている。
足裏のサブスラスター群は爪先の1基と踵の2基の計3基により構成されており、フリーダムから踵のサブスラスターが1基増加した。脛後面のサブスラスターが廃止されているため、逆噴射による急制動等を足裏のサブスラスター群が全て引き受ける構成となっている。
フリーダムやストライクフリーダムのサブスラスターの中で比較的大型だった脛後面のレッグブースターはMA形態時に用いる尾翼に変更されており、MS形態時は脛内部に格納されている。
主翼
主翼にはストライクフリーダムの機動兵装ウイングではなく、フリーダムの能動性空力弾性翼(ウイングバインダー)の発展型を採用しており、翼の形状とカラーリングが若干異なるだけで5対計10枚の翼や翼内部に大型ビーム砲を挟み込んで保持する部分は全く同じである。
一方、翼の構成が大型翼2枚・中型翼2枚・小型翼1枚(この内大型翼と中型翼がペアとなって根本で繋がっている)となっている他、翼の付け根部分に内蔵された小型スラスターが若干大型化された代わりにペア翼の表面側に計2基しか存在しない(フリーダムはペア翼と小型翼の表裏に1基ずつ計6基)といった相違点も存在する。
また、2基並んだ噴射ノズルが廃止されていることから、代わりに搭載されたスラスターの付け根部分と接続している。この接続にはフリーダムのようなジョイントアームを用いておらず、ストライクフリーダムと酷似する接続方法となっており、接続部と各翼を一点で留める要部分も同様に独立している。接続部の可動軸が2軸となっている点も同様であり、歴代と変わりない広い可動範囲を持つ。
歴代フリーダムと同様に各形態も健在である。なお、機構上は可能だがフルバーストモード単体は使用していない。
『FREEDOM』小説版の描写によると、メインスラスター・機首パーツと合わせて一つのバックパックとなっており着脱が行える(プラモデルでも同じ仕様である)。
ハイマットモード
翼を展開する高機動形態。ライジングフリーダムも高速戦闘はこの形態で行う。
MA形態でも使用できるが、その際は急旋回・急制動性能よりも排熱性能の向上を目的として、大気圏突入時に用いている。
ハイマットフルバーストモード
翼を展開し全砲門を展開する形態。
初代フリーダム同様の5門一斉発射だけでなく、遠隔操作によるシールドブーメランの突撃も込みとなっている。シールドブーメランの飛行速度がビームやレールガンに追いつけないため、一斉発射で多数を無力化→シールドブーメランで残った目標を無力化&追撃、という流れになっている。
変形
地球と宇宙を往還するコンパスの活動範囲に対応すべく、フリーダム系列としては新たに航空機型MA形態への変形機構が搭載されている。イモータルジャスティスとは共通のフレームなため変形方法も共通している。『SEED』シリーズで言えばセイバーのものが近いが、腰関節を180度回転させるあちらよりも簡素な変形(所謂「寝そべり変形」)となっている。
変形後のフォルムは技術的基礎とされるムラサメにも近い。一方、シールドを機首とするセイバーやムラサメと異なり機首専用パーツが存在し、MS形態時は背部へ折り畳まれている。この機首用パーツを背部から頭部に被るようにしてMA形態への変形を行う。さらに、両脚の脛後面から尾翼が展開、ウエストガードのサーベルラックが反時計回りに約90度回転、携行装備についてもシールドは機体胸部に接続され、ライフルはシールドの上に接続される形で保持される。この寝そべり変形かつ胸部に装備を保持するという点はアビスと酷似している。
また、シールドとライフルの合体をよく見ると、シールド中心部の赤い突起が上下に移動してその間のスリットにライフルのグリップが差し込まれるというかなり凝った仕様になっている(イモータルジャスティスのシールドはスリットがむき出しになっている)。
シールドを胸部に接続する際は、機体胸部上部と腰関節からインパルスのドッキングにて見られたレーザーのような光線が照射されている。
大気圏突入時は必ずこちらに変形しており、さらにハイマットモードを取ることでウイングから絶えず排熱を行っている。見た目は遠目から見ると航空機が翼を生やしている(後ろから見ると気をつけの姿勢で突入している)ようなビジュアルだが、VPS装甲とシールドを活用した上で熱を逃がすためには最適な形態である。
非常に簡易な変形なため、戦闘中でも勢いを殺すことなく迅速に変形することができる。実際にMS形態へ変形しながらハイマットモードとなって制動をかけつつビームを避けている。
武装
構成としては、ストライクフリーダムの運用データをもとに開発されたにもかかわらず、「MGX-2235 カリドゥス複相ビーム砲」や「EQFU-3X スーパードラグーン 機動兵装ウイング(MA-80V ビーム突撃砲)」に相当する装備が搭載されておらず、代わりにフリーダムの「M100 バラエーナ プラズマ収束ビーム砲」や「ラミネートアンチビームシールド」に相当する装備が搭載されている。そのため、全体的に初代フリーダムへ回帰したように感じられ、「フリーダムにビームシールドが追加され、実体シールドが分離飛行するようになった」とも表現できる構成となっている。
また、武装は全てプラントの兵器メーカーないしザフトの設計局が開発しているが、そのペットネームには様々な言語が入り混じっており、英語かラテン語(あるいは神話・伝承の武器名)で統一する傾向にあったプラント(ザフト)らしさがない。
MMI-GAU30 31mm近接防御機関砲 シュラークファング
歴代フリーダムと同じく左右のこめかみに計2門固定装備されているバルカン砲。「シュラーク」はドイツ語で「打撃」、「ファング」は英語で「牙」を意味する。マイウス・ミリタリー・インダストリー社製。
口径はストライクフリーダムの「MMI-GAU27D 31mm近接防御機関砲」と同じだが、新規モデルな上にペットネームも復活している。一方、MMI-GAU系列のペットネームはフリーダムの「MMI-GAU2 ピクウス76mm近接防御機関砲」のように口径の前に付くが、本装備は連合製の「75mm対空自動バルカン砲塔システム イーゲルシュテルン」のように最後にペットネームが付いており、ドイツ語を用いている点からも何かと連合色が強い。
MA-M727A3 高エネルギービームライフル
マティウス・アーセナリー社製の携行式ビーム砲。イモータルジャスティスとの共通装備で差し色(カラーリング)のみが異なる。
「携行式ビーム砲」と称されている通り、ルプスやストライクフリーダムの「MA-M21KF 高エネルギービームライフル」といった従来のビームライフルよりも全体的に大型化・大口径化している。形状は既出のものだとレジェンドの「MA-BAR78F 高エネルギービームライフル」やインフィニットジャスティスの「MA-M1911 高エネルギービームライフル」をベースにフォアグリップを復活させ口径を広げたようなものとなっている。
未使用時はフリーダム同様に、腰部後面上部を守る装甲に設けられたマウントラッチにマウントされる。また、MA形態時は機体底面(胴体前面)に配置されたシールドブーメランにマウントされる。
余談
- ビームライフルはストライクフリーダムの代でフリーダム系列とジャスティス系列の共通装備ではなくなったが、本機の代で再び共通装備となった。
- 本機の装備の中で唯一ペットネームを持たない。
- ビームライフルについてはストライクフリーダムの代でペットネームを失っており、機関砲とは異なり本機の代で復活することは無かった。
- MA形態時に本装備を外付けした機体底面を進行方向に向けながら大気圏突入したにもかかわらず融解も爆発も一切しなかった。ストライクフリーダムのビームライフルのようにVPS装甲が施されているわけでもないにもかかわらず非常に優れた耐熱性能を有していることがうかがえる。
- オルドリン自治区到着時のウィンダムへのヘッドショットを見る限り、ムラサメのようにMA形態でも使用できる可能性がある。
MA-FZ51 ヴェルシーナ ビームサーベル
腰部レール砲のマウントラックに計2本装備するビームサーベル。「ヴェルシーナ」はロシア語で「頂点」を意味する。マティウス・アーセナリー社製。
フリーダムの「MA-M01 ラケルタ ビームサーベル」やストライクフリーダムの「MA-M02G シュペールラケルタ ビームサーベル」と基本的な形状・機能は変わらず、アンビデクストラス・ハルバードモード(両剣形態)も継承している。
デストロイのシュトゥルムファウストをすれ違いざまに一刀両断しており、同じことをやってのけたレジェンドの「MA-M80S デファイアント改ビームジャベリン」相当の切断力を持つことがうかがえる。
余談
- マティウス・アーセナリー社製のビームサーベルは一種を除いて「MA-M」という型式番号を冠していたが、本装備は新たな型式番号「MA-F」を冠している。
- ほぼ同時期に開発されたと思われるギャンシュトロームのビームサーベルも「MA-GFD230」という新規の型式番号となっている。
- ビームサーベルはストライクフリーダムの代までフリーダム系列とジャスティス系列の共通装備の地位を保ってきたが、本機の代でイモータルジャスティスがビームサーベルを兼ねた「MA-F2D2 ヴィーゼルナーゲル ビームブーメラン」を搭載したことによってついに固有装備となった。また、同じ「MA-F」を冠していることからヴィーゼルナーゲルとは近縁関係の可能性がある。
MA-BBF75 400mm超高インパルス砲 シュトゥルムスヴァーハー
ランチャーストライカーの「320mm超高インパルス砲 アグニ」を参考に製造されたと思われる大型ビーム砲。「シュトゥルム」はドイツ語で「嵐」「暴風」を意味し、「スヴァーハー」はインド神話に登場する火神「アグニ」の妻の名前である。マティウス・アーセナリー社製。
大型の砲身はフリーダムの「M100 バラエーナ・プラズマ収束ビーム砲」のようにウイングバインダー内に挟み込む形で保持されており、フリーダムにおけるバラエーナのように本機の装備内で最高の威力と射程距離を持つと思われる。一方、バラエーナに比べてカラーリングや造型は簡略化され、砲口部に赤が追加されていることから「MMI-M15 クスィフィアス・レール砲」系列に似たカラーリングとなっている。また、後部上側にある排熱用と思われる吹出口が倍に増えている。
余談
- 正式名称が明かされるまでは「アグニ砲」と紹介されていた。ランチャーストライカーを開発したのはモルゲンレーテ社であるため、同じくモルゲンレーテ社製の本機にはバラエーナではなくアグニが採用されたという意見が多く見られた。
- ストライクフリーダム弐式の「トヴァシュトリ超高インパルス砲」(腹ビーム)も正式名称が公開されるまでは「アグニ砲」と紹介されていた。このことから「超高インパルス砲」=「アグニ砲」という図式が浮上した。
- ストライクフリーダム弐式への改修を行い、カリドゥスをトヴァシュトリに換装したのもモルゲンレーテ社である。
- ストライクフリーダム弐式の「トヴァシュトリ超高インパルス砲」(腹ビーム)も正式名称が公開されるまでは「アグニ砲」と紹介されていた。このことから「超高インパルス砲」=「アグニ砲」という図式が浮上した。
- ビームライフル・小型ビーム砲系統とビームサーベル系統の開発を主としていたマティウス・アーセナリー社にとって、高火力な大型ビーム砲の開発は本装備が初となる。
- 型式番号の規則はセカンドステージシリーズ以降に開発されたビームライフル(「MA-BAR●●」)に近い。
- 劇中のコックピットモニター表示(兵装セレクターパネル)では本装備と思しき部位が「HYPER IMPULSE GUN(CANNON)」=超高インパルス砲ではなく、「POSITRON BLASTER GUN」=陽電子砲となっている。
- アグニではプラズマを放射していたが、それが陽電子に変更された可能性がある。
- モビルスーツに装備可能な小型陽電子砲には、C.E.71年後半時点で「ローエングリンランチャー」という前列が存在するため、目新しい技術というわけでもない。
- 「超高インパルス砲」と呼ばれているのは、発射物をマイクロ秒オーダーのバーストインパルスとして生成・放射しているためであり、発射物自体は指定していない。
- アグニではプラズマを放射していたが、それが陽電子に変更された可能性がある。
- フリーダムのバラエーナでは見られなかった「照射して薙ぎ払う」という用法が披露された。
MMI-M2020 ヴァイパー3 レールガン
ストライクフリーダムの「MMI-M15E クスィフィアス3 レール砲」をベースとしたと思われるレール砲。「ヴァイパー」は英語で「毒蛇」を意味する。マイウス・ミリタリー・インダストリー社製。
2つ折りの砲身、サーベルラックの位置、小型化された後端のサブスラスターがクスィフィアス3と酷似している。一方、砲身の中間部分がスライドして伸長する新構造が採用されており、伸長時はより長砲身だったフリーダムの「MMI-M15 クスィフィアス・レール砲」に近いシルエットとなる。射撃時には反動をこのスライド機構で受け流して軽減しており、どんな姿勢でも精度の高い連射を実現している。
サーベルラックはMA変形時に反時計回りに約90度回転し、ビームサーベルが機体と平行になるようにして無駄な凹凸になるのを防いでいる。
型式番号から開発順としてはゲイツRに採用された「MMI-M20S ポルクスIV レールガン」の近縁モデルに当たると思われる。
余談
- クスィフィアス系列は本武装や「MMI-M20S ポルクスIV レールガン」やブラストインパルスの「MMI-M16XE2 デリュージー 超高初速レール砲」のように、「MMI-M15」以外は「クスィフィアス」の名を冠していない。
- ポルクスIVやデリュージーにはプラズマを発射可能な設定があり、クスィフィアス系列の最新モデルである本武装もできる可能性がある。
MMI-X525 インフェクタス ビームシールド
両前腕部の装甲に埋め込む形で固定装備されたビームシールド発生装置。「インフェクタス」はラテン語で「染色」を意味する。マイウス・ミリタリー・インダストリー社製。
装備箇所以外にも色・形状・大きさ全てがストライクフリーダムの「MX2200 ビームシールド」に酷似しており、そちらからのフィードバックと思われる。一方、ストライクフリーダムのものと異なりVPS装甲が施されていない。そのため、VPS装甲をアクティブにしていなくても赤色のままである。
余談
- C.E.73年までの機体が搭載していたビームシールド発生装置の型式番号は全て「MX」から始まっており、同時期に開発されたと思われるゲルググメナースの「MMI-MD95/A レフルジェンス ビームシールド」と同じくマイウス・ミリタリー・インダストリー社製のビームシールドとしては本装備が初となる。
- 元々、マイウス・ミリタリー・インダストリー社はセカンドステージシリーズの実体シールドを開発しており、ついにビームシールド開発へ進出した形となる。
- PS装甲(VPS装甲)搭載機かつ埋め込み式の発生器でありながら発生器にPS装甲が施されていないのは本装備が初となる。
RQM73 フラッシュエッジG-3 シールドブーメラン
両側面から展開するウイング前縁部分と上部先端に計3基のビームブレイド発生器、表面に2基のスラスターを備えたシールド兼射出兵装。カラーリングはフリーダムの「ラミネートアンチビームシールド」に近い。型式番号とペットネーム的におそらくザフト(統合設計局)製。
大型とされるフリーダムのシールドに匹敵するサイズであり、ウイングを展開して上部先端を機首にすることにより大気圏内外問わず単独飛行することができる。飛行速度や機動性も機体本体と遜色ないほどに高い。3方向へビームブレイドを展開して突撃する大型遠隔操作突撃武装としては、インフィニットジャスティスのファトゥム-01を彷彿とさせ、デストロイのシュトゥルムファウストを突撃で両断するほどの破壊力を持つ。
多機能な分厚みも相応にあり、歴代の実体シールドと比較しても一段とボリューミーな外見となっている。
MA形態時はビームライフルの固定を兼ねて機体底面(胴体前面)に配置される。さらに、取り外した状態(MS形態)での大気圏突入にも対応しており、大気圏突入の断熱圧縮で一切融解せずに突入直後に射出兵装として多用されていたことから、非常に優れた耐熱性能を有していることがうかがえる。融解しなかった点はフリーダムのシールドと同様だが、戦艦に使用される素材であるラミネート装甲を用いているあちらと異なり、こちらは通常装甲素材に対ビームコーティングのシールドであり、かつて同じ原理であるストライクの対ビームシールドが融解したことを考えるとかなり性能が高い。
型式番号的とペットネーム的にデスティニーの「RQM60F フラッシュエッジ2 ビームブーメラン」の発展型と思われ、自力飛行時の遠隔制御には歴代フラッシュエッジのように簡易ドラグーンを用いている可能性が高い。
本機には防御兵装としてインフェクタスが併載されており、左手のシールドを捨ててでもビームサーベルを握ろうとすることが多いキラの戦闘スタイルから、シールドよりも射出兵装として多用された。
他武装の火力が高すぎるが故にこれまでは攻撃対象に入れ辛かったリニアガン・タンクに対して砲身を切断することによる無力化を狙う際にも用いられた。また、ハイマットフルバーストモードの際にも射出されるが、流石にビームやレールガンの弾速より遅いことから同時攻撃とはならず、撃ち漏らしの処理や追撃に用いられた。
厚みこそあるが実体シールドの例に漏れず対艦刀の類が天敵であり、ブラックナイトスコード シヴァの「VIG-E3/M 近接対装甲刀 ディス・パテール」により切断されている。
余談
- 本装備の携行により、本機はデスティニーに次いで『SEED』シリーズ2例目となるビームシールドと実体シールドを併せ持った機体となった。
- デスティニーはビームシールドをメインに使用するが、本機は実体シールドをメインに使用している。
- 型式番号的にイモータルジャスティスの「RQM75 フラッシュエッジ4 シールドブーメラン」の前モデルだが、ウイングにビームブレード発生器が搭載されている分だけこちらの方が多機能である。
- RQMを冠するビームブーメランは搭載する機体に合わせた設計が行われ、場合によっては後継モデルの方で機能のオミットが起こることもある(フラッシュエッジの実体刃がフラッシュエッジ2で廃止された等)ため、その一種と思われる。
- 作中では、色は変わっていないもののVPS装甲展開時のエフェクトが乗っている。
- 同じく色が変わらないビームライフルやインフェクタスには乗っていないが、同系列のイモータルジャスティスのフラッシュエッジ4には乗っているため、意図的=VPS装甲が施された装備な可能性がある。
- VPS装甲と対ビームコーティングを併用したシールドについては、アビスという前例が存在する。
- シールド中央の赤い部分以外は白と黒(モノクロ)なため、赤い部分だけはライフル用のマウント機構等の都合により別素材だが(演出の都合で)エフェクトが移ってしまっただけとすれば、(両断・投棄された際にフェイズシフトダウンしたように見えないのも含めて)許容の範疇ではある。
- 同じく色が変わらないビームライフルやインフェクタスには乗っていないが、同系列のイモータルジャスティスのフラッシュエッジ4には乗っているため、意図的=VPS装甲が施された装備な可能性がある。
- キラはストライクやフリーダムに乗っていた頃から定期的に左手のシールドを投げ捨ててビームサーベルを握りたがる傾向があった。そのようなキラの戦闘スタイルに対して、ストライクフリーダムでは軽量化も兼ねてビームシールドに据え置いて実体盾を完全に廃止することを回答としたが、本機は変形機構の一部にすることも兼ねて「シルエットフライヤーやファトゥムなどの技術でシールド側から手元に戻るようにする」という別方向の回答を見せている。
- 『SEED』シリーズがファーストガンダム、Zガンダムのオマージュとしての側面があったことを踏まえると、この装備は『逆襲のシャア』におけるリ・ガズィのバックウエポンシステムのオマージュの可能性もある(MAへの変形が機首部の展開と底部へのシールド接続でほぼ完了するという簡素なものである点からもコンセプトが近い)。
- 「ブーメラン」の一般的なイメージとはかけ離れた形状の装備だが、「手元へ戻ってくること」がブーメランの本質である(戻ってこないものは「カイリー」と区別される)ため、左手(左腕)に戻ってくる本装備も立派なブーメランと言える。
- 手元から放した武装を遠隔操作するものとしてブルーフレームセカンドLのタクティカルアームズなどが存在する。
劇中の活躍
映画冒頭、オルドリン自治区のザフト軍基地付近へ侵攻を開始したブルーコスモスを止めるべくミレニアムから発進、モビルアーマー形態へ変形し、ハイマットモードにて大気圏突入を敢行する。
オルドリン自治区に降下後、MS形態へ変形しつつキラがブルーコスモスの攻撃部隊に対して戦闘停止を勧告するも、その返答と言わんばかりにデストロイがツォーンMk2とスーパースキュラを一斉掃射してきたためそれを回避、さらにはデストロイの攻撃を合図として他の機体からもビームライフルやミサイルによる攻撃を受けたため、勧告が無視されたと判断して戦闘を開始する。
手始めにシールドブーメランを射出し、本機を狙ってきたミサイルとジェットストライカー装備のウィンダムをビームライフルで即座に迎撃、地上の105ダガー3機とリニアガン・タンクをハイマットフルバーストとシールドブーメランで一掃する。その後は持ち前の機動力を以て空中にてデストロイのシュトゥルムファウスト2基の攻撃を掻い潜りつつシールドブーメランを射出して左手を空け、1基はすれ違いざまに左手に握ったビームサーベルで両断、もう一基も射出していたシールドブーメランを死角から突撃させて破壊した。
これを受けたデストロイがツォーンMk2とスーパースキュラの発射態勢に入ったのを見て先にハイマットフルバーストを撃ち込むことにより発射を阻止しつつ無力化、苦し紛れに撃とうとしたツォーンMk2もシールドブーメランの辻斬りにより破壊して戦闘不能に追い込んだ。
このように、約1年半前にフリーダムで戦った際にはあれだけ苦戦したデストロイを単機で瞬殺と、先の大戦を通して更に磨きがかかったキラの操縦技術と合わせて圧倒的な戦闘力の高さを見せつけた。
この後撤退していくブルーコスモスに追撃を加えるザフト機を目撃したキラが戦闘停止を呼びかけたものの応じなかったため、地上に着陸してビームサーベル主体の白兵戦により105ダガーとジンを複数無力化した。
ファウンデーション王国との合同作戦でも出撃、前衛を担当する。イモータルジャスティスとの同時攻撃でデストロイを堕とすなど戦場を駆け巡り戦いを止めるべく奔走するが、オルフェ・ラム・タオの策略の下グリフィン・アルバレストが言い放った「闇に堕ちろ、キラ・ヤマト」という言葉、そして彼らの持つ能力によりキラが暴走。目標であるミケール大佐の位置を見せられた暴走中のキラは協定を無視してユーラシア連邦領内へ侵入してしまい、防衛部隊に攻撃まで加えてしまう。
協定違反行為をしてしまう形となった本機はブラックナイトスコード隊の攻撃対象とされ、ブラックナイトスコード シヴァおよびルドラの集中砲火を受け、ライフルと左翼を欠損しシールドブーメラン上部を切断される。シヴァの追撃で残った部分のシールドブーメランをも弾き飛ばされ喪失、即座に左腕のビームシールドを展開するも無数のミサイルによる爆撃を受ける。
VPS装甲でダメージこそ無力化したが、その後も手負いのままシヴァと交戦する。戦闘力では敵わず、レール砲と右腕を失ったところで機体全身に短針砲を食らってフェイズシフトダウンし、そのまま全身を蜂の巣にされ機能を停止(この時コックピットにも突き刺さっており、キラこそ生きていたが機器類は全滅し操縦不能となっている)。
さらにアグネス・ギーベンラートの裏切りに遭い、彼女のギャンシュトロームに左腕と両脚を切断され横倒しになり完全に行動不能にされた。
全身に針を刺され翼と四肢をもがれたその無残な姿は、戦いを止める為に戦い続けた果てに身も心もボロボロになり、遂に折れてしまったキラの姿そのものと言える。
キラ脱出直後ギャンにとどめを刺されかけるが、アスラン・ザラのズゴックにギリギリで救助され、シヴァとギャンが飛び去った隙にキラはキャバリアーアイフリッドとドッキングしたズゴックに救出された。
そのまま本機の残骸は放棄され、ユーラシア連邦側から発射された(これもファウンデーションの策略である)核ミサイルの爆発に巻き込まれ失われた。キラを乗せたズゴックは着弾前に離脱に成功している。
シヴァを駆るシュラ・サーペンタインはキラの死を確信しており、オルフェにキラ死亡を報告していた。実際、コックピットまで針が刺さっていたので中のパイロットの死若しくは離脱困難な状況にあると思うのも仕方無かったと思われる。
しかし、キラは針が貫通して来た際に咄嗟に身体を捻る事で致命傷を免れており、加えてアグネス及びアスランの乱入により状況が想定外に混乱し、通信妨害により裏工作を行っていた他のブラックナイトスコードたちと連絡が取れないまま作戦のタイムリミットも近付いていたため、完全な死亡確認が出来ないままシュラは離脱を余儀なくされ、最終的に仕留めたのは機体だけだったことが、この後彼らの命運を大きく動かすこととなる。
なお、作中で正式名称で呼ばれることは一度もなく、終始「フリーダム」と呼ばれ続けた。
本機の性能は決して低いものではなく、コンパス内では間違いなくハイスペック機だった。しかしながらブラックナイトスコードの性能が高すぎたことに加え、完全に孤立した状況で敵MSの対処と実弾兵器の防御でエネルギーを消費させ続けられトドメにフェイズシフトを一瞬でダウンさせる程の威力の短針砲を回避できない状況で撃ち込まれるという文字通りキラに手も足も出させない戦法によりあえなく破壊されてしまった。本機もまたキラ抹殺を目論むファウンデーションの被害者と言っていいだろう。
一方、劇中での苦戦の原因が徹底的に不利な状況に追い込まれたことやキラの精神的な動揺も大きかったこともあり、万全な状況であれば十分に対抗できていたとする推測もある。実際、総合性能では大差ないであろうストライクフリーダムガンダム弐式に乗り換えた上にラクスとの蟠りが解消され精神的に絶好調だった際は、ブラックナイトスコード シヴァと互角に渡り合っている。
余談
- 型式番号が「STTS」と、ザフトの従来機「ZGMF」・地球連合の従来機「GAT」・オーブの従来機「MBF」「MVF」の何れにも当てはまらないものが使用されている。
- 兄弟機のイモータルジャスティスと合わせてコンパス所属機としての新規型番と目されていたが、オーブ国防軍にも採用されているムラサメ改(モルゲンレーテ製)の型番としても使われている。また、コンパス所属機のゲルググメナースやギャンシュトロームはプラント製のためかザフトの型番のままである。
- ザフトやオーブの命名規則である「Maneuver(機動)」を示す「M」、「Fighter(戦闘機)」を示す「F」、「Variable(可変)」を示す「V」は一切含まれていない。
- 「S」や「T」の一部は、その用途から連合における命名規則である「Suppression(鎮圧)」「Tactical(兵装)」と思われる。
- ストライクフリーダムと比較すると、武装の初代への回帰やスーパー・ドラグーンとヴォワチュールリュミエールの廃止と要素的には劣って見えるものが目立つ。
- 一部からはイモータルジャスティス共々「バッテリー駆動機ではないか?」という考察が飛び交っている。
- 福田己津央監督からは「今回は正式採用の機体」という発言があったことから、ユニウス条約に批准する範囲のスペックに収まっているかと思われる。逆に言えば未発表機体には表に出せないユニウス条約違反全開なNJCによる核エンジン、ミラージュコロイドなどを搭載したオーバースペック機が控えている可能性も考えられる。ただし、監督の発言は、「ラフデザインでない映像化したデザインだよ」の意図で発言した可能性もあるため注意が必要。
- 劇場版パンフレットのインタビューにて、「ワンオフ機ではなく正式採用機という設定」なことが明かされた。大河原氏に対しても「ライジングとイモータルは装備が異なるだけで同じ機体」とデザインを発注していた。しかし、全く異なるデザインが提出されるも、それがカッコよかったため採用し、今のデザインに至る。
- 動力についてはバッテリー説が濃厚だが、「機構」の項目でも述べた通り、核駆動機のOSと思しき画面が表示されていることから、核駆動機の可能性も捨てきれない。
- エネルギー問題についてはC.E.73製のバッテリー駆動機の時点でヴァリアブルフェイズシフト装甲やデュートリオンビーム送電システムなどの技術によって劇的に改善されており、C.E.75時点の技術であればバッテリー機にフリーダムと同等かそれ以上の武装を積むことも可能ではありそうだが…。
- 実際にセカンドステージではラケルタより高出力なヴァジュラが装備されていたり、セイバーにバラエーナと同等の火力を誇るアムフォルタスが搭載されていたりと、フリーダム開発時と比べ武装単位のエネルギー効率が格段に改善されていることもあって、武装面は特に問題なさそうである。
- プラント側でも本作では核エンジンを搭載したデュエルブリッツ、ライトニングバスターが登場しており、オーブ側でもミラージュコロイドステルスを施したコンテナが使用されるなど、前作序盤で形骸化したユニウス条約が現時点で機能しているかも不明なため、核動力MSの制限については事実上無くなっている可能性もある。
- 劇中では、余剰電力を赤い粒子として放出しているのも明確に描かれているため、何らかの新動力である可能性が高い。
- ストライクフリーダムの運用データが使用されている割に、武装構成など諸々初代フリーダムの方が似通っている。オーブ製ということもあり、過去にフリーダムのデータを流用して作られたエクリプスのデータも使われているのではないかという考察も出てきている(事実、あちらはフリーダムとほぼ同じフレームを用いた可変機である)。
- 只、ストライクフリーダムの直接的な後継機にするとドラグーンが大気圏内だとデッドウェイト気味になる問題が発生する上、直近のコンパスの活動圏内としても対ブルーコスモス残党との地上での戦闘が多くなっていたであろう事を考えると、ドラグーン無しのストライクフリーダムより高火力を担保でき、後述のように元々軽量だった重量のさらなる軽減も見込めるフリーダムの基礎レイアウトを活用した方が最適と判断された可能性はある。元々ドラグーン自体は強力ではあるものの制約が多い武装でもあるため、ストライクフリーダムの運用データを参考にした結果「汎用機としては向かない」と判断されて、大気圏内外で汎用性に大きな差が生まれないフリーダムの方がコンパスでの運用に最適と判断された可能性もあるだろう。
- フリーダム自体が実験的要素(特にバラエーナとウィングバインダー辺り)の強い機体だったため、ストライクフリーダムの運用データも用いて各所を洗練し、より完成度を高めて実践的にしたのがライジングフリーダムという見方もできる。
- 公開前から「機動戦士ガンダム 逆襲のシャアのリ・ガズィや機動戦士ガンダム00 A Wakening of the Trailblazerのダブルオーライザー(粒子貯蔵タンク型)のような劇場版ガンダムの続編作品にありがちの前座機体」といった考察が挙がっていたが、この考察は見事に的中しており、本作の目玉機体は別に用意されていた。
- とはいえ、これらの前例と比べると映画本編にてかなりの大立ち回りを見せており、デザイン公開時と比較すると公開後は人気が爆発的に伸びている。
- 公開前は様々な要因からストライクフリーダムよりも性能では劣るだろうと予想されていたが、実際はデストロイを瞬殺するなどの非常に高い性能を見せており、公開後はストライクフリーダムと総合性能はほぼ互角という見方が主流となっている。
- またストライクフリーダムはキラの搭乗を前提として極限までチューンナップさせた結果の高性能化のため、そういった過程を経ずにストライクフリーダムと同等の性能を実現させているなら、実質的な性能はこちらの方が上と言えるだろう。
- 重量が67.90tだが、劇場版前はMS形態で大気圏内を飛行可能なガンダムタイプとして最軽量だったフリーダム(71.5t)からさらなる軽量化に成功している。
- 大型の携行装備やバックパックを有していながら、全高が殆ど同じなストライク(64.8t)と3.1tしか変わらない。
- なお、一部媒体では87.90tと誤植がされていた。
- キラが普段の乗機としたMSにおいて試作機ではない=型式番号に「X」を含まない機体は本機が初である。
- 一度でも乗ったMSも含めるのなら、ストライクルージュが初となる。
- 本機喪失後に乗り換えたストライクフリーダム弐式についても、実戦運用を想定していない実験機なためか「X」を含んでいない。
- 映画公開記念に商品化された「HG 1/144ライジングフリーダムガンダム[クリアカラー]」のプレミアムバンダイ発送分は最速で2024年5月のものが最初だったが、その詳細な発送日は5月17日で、余程の僻地でない限りは翌日の5月18日には品が届くようになっていた。この日といえばそう、キラの誕生日である。わざわざパイロットの誕生日に合わせるあたりかなりの拘りよう。
- 当初、プラウドディフェンダーは本機(新型フリーダム)の追加装備という設定だった。
- 「新型で勝つんじゃなく、最後は旧型で勝つ方がカッコいいでしょう?」という両澤氏の発案により、プラウドディフェンダーはストライクフリーダム弐式の追加装備となり、本機はマイティーストライクフリーダムの前座になった。
- それを汲んだのか、『FREEDOM』小説版では本機に接続された状態で調整が行われていた。
- そのため、小説版ではバックパックの交換が可能となっているが、その場合、プラウドディフェンダーと同じ接続規格なはずのストライクフリーダム弐式の機動兵装ウイングも装着できる可能性がある。
立体物
ガンプラ
HG及びSDEXでの立体化、公開当日である1/26に発売。
どちらもMA形態への変形を実現しており、HGは本体とシールドに専用のジョイントを介する以外は完全変形、SDEXは差し替えで変形を再現している。ただしSDEXはパーツの都合上、ウイングバインダー備え付けのインパルス砲は展開できない(フルバーストモードができない)仕様になっている。
HGはカメラパーツとビームシールドに偏光樹脂を採用している。ただしブラックライトには反応しないため、同時発売だったHGイモータルジャスティスと違ってカメラは発光しない。
また上記の設定を反映して、「HGCEマイティーストライクフリーダムガンダム」に付属するプラウドディフェンダーを無改造で装着可能。
HGは売れ行きが好調だった事からイモータルジャスティスと共に全国のファミリーマートやローソンでも発売される事となり、それでもすぐに在庫がはけてしまう有様だった。
2024年5月現在でもネット通販での供給は安定せず、SFREEDOMのガンプラ在庫が出回ると春頃になってようやく供給も安定してきたHGイモータルジャスティスと違い、劇中よろしくHGライジングフリーダムだけが局地的に狙われすぐに完売してしまうという事態が相次いでいるのが現状である。
アクションフィギュア
METAL ROBOT魂での立体化が決定している。
劇中のスタイリッシュなデザインで立体化されており、HGと違って翼の中型翼が稼働するので翼を畳んだ状態でも全体的に細身のシルエットとなっている。
また後に発売された同シリーズのイモータルジャスティスに角度の付いたライジングフリーダム用の手首パーツが付属しており、劇中でデストロイをコンビネーションで撃墜したシーンを再現できるようになってる。
登場ゲーム
機動戦士ガンダム EXTREME VS.2 OVER BOOST
2024年1月27日に、第4弾追加リリース機体として発表された。
コストは2500で、実装は2月6日アップデートにてプレイアブル機体として参戦。
映画公開およびガンダムゲームの祭典『GGGP』を直前に控えた2024年1月22日に参戦決定がX(旧:Twitter)にて告知、そして同月27日に開催されたGGGPでの全国大会会場にて翌月実装が正式に発表されるという歴代でもトップクラスのスピード参戦である。
通常のフリーダムと同じく2500コストとなっているものの、こちらは格闘寄りの性能と告知されており特に後格闘は当たり判定の頭身が低くなりながらの攻撃ゆえに相手の射撃をすり抜ける事もある(ただし持続時間は短いので過信は厳禁)。
また、フリーダムからバレルロールは形を変えて引き続き継承されており、バレルロールは格闘中に特殊格闘入力で行う派生、そして再入力で急降下斬りで締める格闘となっている。フルバーストも継承、こちらは銃口は劣るが左右ハの字にレールガン連射も打ち出されるので相手の横移動を狩るような用途にも使える。
SEEDも発動可能。1出撃に一回だけ使える時限強化となっており、ブーストゲージを回復し、機動力を高める効果がある。それゆえ咄嗟の緊急離脱用にも使える。
特徴的な武装としてシールドブーメラン投げがある。普通に投げるとこれは射撃CS・特射・各格闘の突撃中に行うとそれぞれの動作と平行して射出する事が可能となっている。
『コストアップしたエアリアル』と例えられており、初心者にもとっつきやすい率直な武装構成となっている。
特に機動力に関しては同コスト帯でもトップクラスの機動力。耐久値(他ゲームでいうところのHP)が少なめだがその分手堅い立ち回りもできる択も揃っている。
反面、遠距離武装に乏しく、ある程度積極的な接近戦を挑まないとコスト相応の仕事を果たせない。ゆえにゲームのセオリーを理解した押し引きが必要となる使い手の腕がはっきり出る機体となっている。
モンスターストライク
2024年2月中旬に映画公開記念でコラボし、獣神化前の姿という扱いとはいえ光属性の当たり枠として参戦する。そこにキラだけでなくラクスも描かれている。獣神化後の姿はマイティーストライクフリーダムガンダム。詳しい性能はこちらを参照。
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