概要
『トランスフォーマー』シリーズに登場するキャラクター。スペルは「Lockdown」。
『アニメイテッド』で初登場し、世界観こそ違えど以降のシリーズにもたびたび登場している。作品によって人物像は異なるが、概ねディセプティコン所属の兵士として扱われている。ただし、いずれも軍に従属しないアウトローな人物であることが多い。
容姿としては、骸骨を模した顔と、右腕の鉤爪型の武器が特徴。ボディのカラーは基本的に黒(グレー)をベースにしており、『アニメイテッド』以降ではアクセントに緑や紫を使用している。また、戦闘機等の軍用兵器や重機に変形する者が多いディセプティコンの中では珍しく、ビークルモードが乗用車である。
アニメイテッド
「俺様はロックダウン、デセプティコンではない」
『アニメイテッド』に登場する賞金稼ぎで、違法改造車(要するに族車)に変形する。
日本版では「ディ」がうまく発音できない癖があり、上の台詞は原文ママである。また、族車風のカスタムカーに変形するからか「夜露死苦!」をよく口にする。
ダーティなお仕事上ディセプティコンに加担する事が多いが、どちらに属していると言うわけではなく、報酬次第で時にオートボットにも味方する。なお、胸部には何らかのエンブレムを削り落としたような跡が残っている。全身に武器を仕込んだ身体改造マニアであり、ラチェットのEMPジェネレーターをはじめ、捕えた獲物の有用な部品を奪っては自身に組み込むという趣味を持つ。この為、よく見ると全身が継ぎ接ぎのようになっており、片腕のカギ爪はロックダウンのトレードマークにもなっている。
元々はオールドトランスフォーマーの一人にしてサイバーニンジャの開祖ヨケトロンの弟子であり、オートボット所属のプロールとジャズは同門の弟弟子に当たる。だがロックダウン自身はサイバーニンジャとして恥ずべき行いをしたために破門されており、後に賞金稼ぎとしてのデビュー依頼で師匠ヨケトロンを手にかけ鎧を奪った事もあり、敵討ちに燃えるプロールからは憎まれている。
またグレートウォーの際、オメガスプリームを起動させるための最終アクセスコードを保持していたアーシーと、彼女の警護をしていたラチェットを捕らえたことがあり、彼の片角をへし折り結果としてアーシーは機密保持のために自らのメモリーコアを初期化させて全ての記憶を失い、ラチェットの心に深い傷を負わせた。
シーズン3ではポンチョを纏っている場面が見られるが、元ネタはマカロニウエスタンでクリント・イーストウッドが演じた名無しのガンマンらしい。
賞金稼ぎキャラの先駆としてはG1シリーズのアメコミに「デスヘッド」等が登場しているが、本作ではロックダウンの所有する宇宙船の名称として引用されている。デザイナーによると当初ロックダウンはフランケンシュタインの怪物風のキャラクターになる予定だったという。
pixivではスィンドルとのイラストがそこそこ投稿されているが、劇中で両者が絡むようなシーンはほとんど無く、スィンドルは「賞金稼ぎの知り合いがおり、武器と引き換えに情報を得た」程度の台詞しか語らず、ロックダウン側も特にスィンドルについては言及していない。むしろ彼とは因縁関係にあるラチェットやプロールとの絡みが多い。
IDW
IDWパブリッシングより出版されたアメコミ『All Hail Megatron』の一編『Drift』に登場。デザインは後述の実写映画二作目公開の時期に発売された玩具に近い容姿をしているが、設定は上記のアニメイテッド版に準じたものとなっている。「デッドロックを連れ戻す」というメガトロンの依頼を受け、彼が匿われていたクリスタルシティに奴隷商と共に飛来。ドリフトと激戦を繰り広げた。
その後もIDWのアメコミ『Spotlight』や『More than Meets the Eye』等にもちょくちょく登場している。
キュートランスフォーマー
「だったらさぁ、ビーストウォーズもっかいやろうよ」
CV:鈴木達央
『キュートランスフォーマー 帰ってきたコンボイの謎』では明確にディセプティコンとして位置付けられている。ランボルギーニ・アヴェンタドール に変形。
先行して発売された玩具では実写映画版に近い姿だが、アニメでは『アニメイテッド』を彷彿とさせるデザインとカラーリングに変更。後にオプティマスやバンブルビー同様にアニメ準拠デザインの玩具が発売される。
TVアニメ版ではメインキャストの一人として登場。仮想年齢は31歳。何故か敵対関係にあるはずのオートボットのオプティマスやバンブルビーと日本のサービスエリアで雑談を展開する。
話の冒頭では延々とゲームアプリに興じる二人に難癖をつけるツッコミ役だが、いざ意見を出し合う場面になるとかなりノリ気で立案する。何気に的を射た案が多い一方で、「擬人化」「BL系」や「クソの臭いのするゲーム」などの奇策を提案する、別の意味でもアウトローな人物である。
第一期の最終話にてディセプティコンのリーダーであるメガトロンが登場するが、彼に対して特別へつらう様子はなく、本作でも他シリーズ同様に中立的な立ち位置にあるのかもしれない。
シリーズにおいては比較的登場作品の少ないキャラクターであるためか、他のTF達が過去のタイトルを意識したデザインなどの複数のバリエーションを持つ一方で、自身はそうしたバリエーションがないためか疎外感を持つ。
第二期でも相変わらずツッコミ役を担当。初代シリーズの作画ミスや2010の説明中に脱線したロディマス、果てはラジオ回の一枚絵形式に対しても容赦なくツッコミを入れている。ツッコミも回を重ねるごとに徐々にパワーアップしており、時には畳み掛けにボケを重ねられて咆哮のようなツッコミとともに変形して爆走する姿も。シリーズでも(ある意味)問題作として知られる『ビーストウォーズ』の話題では、アドリブでシリーズの人気回復に繋がったというバンブルビー達の解釈に穏やかに賛同しつつ、最終章である『リターンズ』の話題になるや一転して怒涛のツッコミを展開するという三段オチまでやってのけた。
因みに担当声優の鈴木達央はロックバンド「OLDCODEX」のボーカル「Ta_2」としても活動しており、本作の主題歌(第一期OPテーマ)として「physical」という楽曲を提供した。この曲について鈴木氏は「打ち込みの要素もありつつ、アナログな音たちをちりばめた少し実験的な楽曲」とコメントしている。
ライズ・オブ・ザ・ダークスパーク
2014年にアクティビジョン(日本ではスクウェア・エニックスより発売)より発売されたサードパーソンシューティングゲーム『Transformers: Rise of the Dark Spark』におけるロックダウンは姿こそ実写映画版と同じだが、『War for Cybertron』、『Fall of Cybertron』(いずれも日本未発売)の続編である本作では従来の作品通りディセプティコン寄りの傭兵兼賞金稼ぎとして登場する。
地球に墜落した、マトリクスと対をなす物質「ダークスパーク」を奪い、その力を利用してタイムブリッジ(タイムスリップ用のスペースブリッジ)を作製し、最大の取引相手であったディセプティコンを滅亡の運命から救い、戦争を長期化させて再び傭兵として一儲けしようと目論んだ。だがオートボットとの攻防の末、ダークスパークをドリフトに破壊され、復讐を誓いながら逃走した。
実写映画版
CV:マーク・ライアン/吹:磯部勉
実写版4作目『ロストエイジ』にて登場。グレーの「ランボルギーニ・アヴェンタドール LP700-4クーペ」に変形。所々に散らばるアクセントカラーランプがおしゃれ。
『アニメイテッド』と同様バウンティハンターとして登場し、狙った獲物は決して逃がさない。使っている宇宙船は古代のオートボットの騎士達から奪い移動監獄に改造したもので、集めたコレクションや捕縛したエイリアンで溢れている。狼型のスチールジョーやヒューマノイド型など、多種多様な金属生命体の部下を多数従えている。
ちなみに2作目『リベンジ』の時点で、玩具独自の番外編「N.E.S.T.グローバルアライアンス」シリーズとしてロックダウンの玩具が既に発売されており、スピンオフムービー『サイバーミッション』にも登場するが、そちらはアニメイテッド版に準じたデザインとなっており、映画本編のものとは容姿が全く異なっている。
※以下、ネタバレ注意
「オートボットもディセプティコンもまるでガキみたいにいつもいつも争いやがって、宇宙を滅茶苦茶にしやがる。その後始末を俺がするんだ」
これまでの作品のキャラクター像とは異なり、オートボットとディセプティコンには否定的で、彼らの争いをどこか冷めた目で見ていた。これは、バウンティハンターとして数々の星を渡り歩き、そこで様々な種族間同士の争いを目にしてきた結果、独自の概念を持つに至ったとされている。
「幾つもの銀河を旅したがどの種族も同じだ。自分達が世界の中心だと思っている... なんにも分かっていないくせにな....」
予告編での顔面お砲塔っぷりに面食らったファンも多かったが、顔面の砲塔およびヘルメットを外した素顔はアニメイテッド版に近い骸骨風のデザインになっている。他にも右腕がカギ爪デスフックに変形するなど、アニメイテッド版へのリスペクトは多い。
顔面キャノンとカギ爪の他にも、前腕部を変形させた大型キャノン、トランスフォーマーの体に突き立ててスパークを抉り出す残虐武器スパーク・エクストラクター、ミサイル、ブラスター、小型のブレード、爆風を浴びた有機生命体を金属化させるグレネード(創造主が恐竜などを絶滅させた際使用した装置「シード」と似ている)など多数の武器をボディに内蔵している。
また動きは素早く格闘技術も高く、オプティマスより一回り小さい体でありながら一騎討ちでは互角以上に渡り合っていた(他にオプティマスと互角以上に戦えた敵は、一作目のメガトロン、『ダークサイド・ムーン』のセンチネルプライム、『ビースト覚醒』のスカージくらいである)。
3作目『ダークサイド・ムーン』における「シカゴでの惨劇」から三年後、「創造主」と呼ばれる者達の依頼で地球に飛来し、当初は反トランスフォーマー組織「KSI」(Kinetic Solutions Incorporated)やその実働部隊・墓場の風と協力する姿勢を見せるが、あくまで互いに利用している関係に過ぎなかった。自分に課せられた依頼であるオプティマスの捕獲を一度は成功させ創造主の元へ連れていこうとしたが、オートボットの潜入工作により投獄エリアである小型宇宙船とかつて捕縛したダイナボットと共に奪い返されてしまった。
他に墓場の風・KSIとの協定にあたっては彼らが開発を進めていた人造トランスフォーマーの素材を作り出せるシードを渡す契約になっていたが非常に危険なシードを彼らが心配無用とたかを括った態度や自身の依頼について対等か上の立場かのように聞いてきたのに対し上記のセリフからいい気になる地球人に呆れ果ててもいるようだった。
墓場の風との契約をきちんと履行し、終わった後もメガトロンやセンチネルと違い特段地球および地球人に対して陰謀をしかけるといった敵意は見せずあくまでも賞金稼ぎキャラらしく契約関係に終始した珍しいキャラ。ただし上記の通り、彼らの行く末についてはあまり楽観視していなかった節はある。
再度地球に戻りオプティマスと交戦した際、アティンジャーに殺されそうになっていたケイドを助けて隙を見せたオプティマスを冷徹に打ち倒し、彼の剣を奪って串刺しにすることで、完全に封じ込める。しかしケイドと駆けつけたバンブルビーのコンビネーションに翻弄されて多くの武器を失い、怒りから冷静さを欠いてケイドを抹殺することに過度に執着してオプティマスを放置してしまう。ケイドを追い詰めるものの、その隙にテッサとシェーンの活躍で自由を取り戻したオプティマスに背後から奇襲され、胸を貫かれそのまま頭にかけて両断されてしまった。
オートボット達を狩り殺害してきた代償は、彼自身が顔面破壊大帝の獲物として狩られるという、あまりに高いものとなってしまった。
乗っていた宇宙船は戦闘後のドサクサで行方不明になるが、『最後の騎士王』にて部品商人デイトレーダーが発見、回収しており、オートボットに提供されて最終決戦でサイバトロン星の創造主の元に乗り込むために使われた。
ちなみにコンセプトアートでは、仕留めた獲物の目玉を蒐集するという設定があった。
アドベンチャー
本編未登場の玩具限定キャラとして登場。アニメイテッド版のリカラーだが、ビークルモードでは緑色の模様が描かれておらず、ロボットモードでも紫を主体としたカラーリング。最大の特徴はロボットモードの胸部から腹部にかけてディセプティコンマークが大きくプリントされていることであり、従来の第三勢力的な立ち位置からするとかなり異質なデザイン。
賞金稼ぎではありつつも、ブラッディノックアウトと技術提携し、インセクティコンなどを統べる一勢力の親玉格となっている。
サイバーバース
CV:マイク・ローズ/吹:鶴岡聡
『サイバーバース』ではディセプティコンの一員として登場。IDWおよびN.E.S.T.版に近い容姿をしている。
雇われた賞金稼ぎでも何でも無い純粋なディセプティコンである。
下っ端で弱気で軟弱という今までのロックダウンにはなかったキャラ付けがなされており、日本版では喋り方が田舎訛りである。
『アニメイテッド』出身繋がりか、女体化ラグナッツことクローバーとだいたい一緒にいる。というかクローバーが居ないと彼を語ることは出来ない。
因みにどちらも田舎訛りなんだべ。
本当に出身地が一緒なんじゃねぇっぺか?
武器はロックダウンお馴染みの右腕のフック。鎖付きで射出することも出来る。
また左腕には二連装砲のようなものが見られる。
劇中ではシーズン2の4話より登場。
スタースクリームの後釜になるべく争い始めた上司に巻き込まれ、サウンドウェーブにはショックウェーブの船を妨害する様に、シャドウストライカーにはクローバーと囮になる様に命令されてしまう。
ショックウェーブから同じ様に命令されていたクローバーと共に途方に暮れていたが、突如2人の前にグランドブリッジでワープしてきたホットロッドが現れる。チャンスと見た2人は連携でホットロッドを捕縛してメガトロンに献上、オプティマスとの交渉材料とすることに成功した。
しかしホットロッドは逃走、2人は上司から受け取っていた武器で阻止しようとするも失敗し、元の木阿弥となってしまった。
日本未公開のシーズン3以降も登場。
シーズン3序盤ではオートボットとディセプティコンの最終決戦に参戦。シーズン2のビビりっぷりはどこへ行ったのかオートボットとビビらずに戦っていた。
2話では隙を見てカップを攻撃。だが、駆けつけたホワールのガトリングで撃退されてしまった。
中盤のクインテッサン編ではメインキャラとなっていたクローバーとは違い出番は少なかったが、オートボットと共に勇敢にクインテッサンに立ち向かい、最後まで生き残った。
終盤ではオートボットとディセプティコンでサイバトロン星の領土が二分割され、クローバーはオートボットに鞍替えしたものの彼女との関係が変わる事は無く、領土の境界線を挟んで仲良くお喋りしていた。
シーズン4のパート2ではターンが究極の兵士を操りオートボットを攻撃する中、クローバーが攻撃を受けているのを見かける。
本当なら助ける必要は無いのだが、助けを求めるクローバーのことは見捨てられずに救出。その後はディセプティコンでありながらもオートボットに協力した。