「この世には、目には見えない闇の住人たちがいる。奴らは時として牙を剥き、君たちを襲ってくる」
「彼はそんな奴らから君たちを守るため、地獄の底からやって来た正義の使者…なのかもしれない…」
≪アニメ版オープニングナレーションより≫
概要
「週刊少年ジャンプ」で掲載された、原作:真倉翔、作画:岡野剛の少年漫画。
平成5年38号~平成11年24号まで連載。既刊は全31巻、文庫版全20巻。略称は「ぬ~べ~」。
霊能力を持つ小学校教師を主人公とした学園ホラーアクションコメディ。ジャンプ漫画には異色の作風でありながら、幽霊、妖怪、友情、ラブコメなどバラエティ豊かな作劇や個性的なキャラクターで幅広く支持された。
連載後半にはジャンプらしいバトル・マルチヒロイン要素が登場するが、一話完結のエピソード……特に都市伝説が題材だとトラウマ級に怖い話も多い。
「人の心が妖怪を創り出す」という設定で、妖怪と人の心の関わりを深く描いている。一部の読者に「登場する小学生の思考が大人びすぎている」と指摘されていたが、これも「子供は得てして自分がいっぱしの大人と意識しているものである」という作者の持論に由来する。
女性キャラクターの裸が頻繁に登場する。特に作者をしてやりすぎたという眠鬼登場回は有名。作者は健全なエロを目指していたらしく、『ハレンチジャンプ』を刊行しませんかと持ちかけたこともあったが、一笑に付されたという(当たり前だ)。
しかし、この作品の真骨頂は文庫版のメイキングなどで語られるように「心理学や社会学、論理学などの知識を下敷きにした、計算され尽くした行動原理に基づいたキャラクターの緻密な心理描写」にある。
作者は大の男二人でありながら、少年少女や女性の心理描写で小学生読者や女性の共感を呼んでいた。これは少年漫画を読み漁っていた真倉と、姉妹の影響もあって少女漫画を読んで育った岡野がお互いの漫画事情に精通していたことが大きい。
仕事場のアシスタントは半数以上女性が占め、彼女らの意見も多く採り入れていた(脇役だった木村克也がレギュラー化を果たしたり、高橋律子がリツコ先生とカタカナ書きで呼ばれるようになったのも、彼女らの意見によるという)。
『ジャンプ』定期連載の前に増刊と本誌で1回ずつ読み切り掲載されていた。
その際は「地獄先生『ぬ~ぼ~』」というタイトルだったが、同名の菓子が存在していた(森永製菓『ぬ~ぼ~』)ことを知らなかったため、アニメ化された場合のスポンサーを想定して現在のタイトルに変更された。
また読み切りエピソードの一つがアニメ版第1話として映像化されている。
その他に、2006年に発売されたアニメのDVD-BOX特典としてアニメでの設定を元にした描き下ろし漫画『一夜だけの復活』が付録としてついていたが、2019年にマンガ図書館Zで電子書籍化されている。
ストーリー
とある片田舎の童森小学校には名物教師がいる。
彼の名は鵺野鳴介、生徒からは「ぬ~べ~」と慕われる青年教師だ。彼には一つの“噂”があった。
――幽霊が見える、霊能力教師だと。
ぬ~べ~の左手には地獄の鬼が封印され、この世の霊的存在を一撃で無に帰す最強の切り札“鬼の手”となっている。
これは、彼が生徒を守るために妖怪や悪霊を退治する学園オカルトホラーコメディーである。
スピンオフと続編
高校生となったイタコ少女の葉月いずなが主人公のスピンオフ作品
『霊媒師いずな』(第一部は正式には『現代都市妖鬼考 霊媒師いずな』、第二部は正式には『霊媒師いずな Ascension』)が、平成19年から『オースーパージャンプ』、『スーパージャンプ』、『グランドジャンプ』、『グランドジャンプPREMIUM』と場を移し2016年7月号まで連載された。
青年誌掲載のため現代人の悩みを描いた人情話が多く、エロ描写も更に強化された。
『霊媒師いずな』と入れ替わる形で『グランドジャンプ』誌に『地獄先生ぬ~べ~NEO』が連載開始され2019年1月号で終了。
2018年8月号から2021年5月号まで、『最強ジャンプ』で『地獄先生ぬ〜べ〜S』を連載した。
テレビアニメ
1996年4月13日から1997年6月21日にかけてテレビ朝日系列(23→24)局で放映された。またテレビ岩手、北日本放送、四国放送(いずれも日本テレビ系列局、うちテレビ岩手は岩手朝日テレビ開局に伴い途中打ち切り)、山陰放送(TBS系列局)でも放送されている。
全48+1話。なお+1話は、1997年8月7日に放送された「完全保存版!! 地獄先生ぬ〜べ〜超百科」なる特別番組のこと。
シリーズディレクター(監督)は貝澤幸男、キャラデザは大西陽一、
シリーズ構成及びメイン脚本は富田祐弘。
第48話のラストシーンで「俺たちの戦いはまだ続く」的シーンが出てくるので打ち切り作品と誤解されがちだが、元々全48話で作られた作品であり、打ち切りという訳ではない。作画担当の岡野も公式ツイッターでこの件の説明を行っている。その一方で視聴率がかなりよければ放送延長も検討されていたようだが、実現しなかった。また、玩具販売戦略が難しく、スポンサーが付きにくかったことも触れている。
4クール相当の話数ながら放送期間が5クール分なのは、アトランタオリンピックや神宮球場からのプロ野球実況中継をはじめとした特別番組が差し込まれまくったため。
原作との一番の観点の違いとして、脚本家富田のこだわりで、悪人を描かないという方針があった。そのため、同作では原作に登場する犯罪者などもすべて人間に何らかの恨みを持つ妖怪や悪霊の仕業というように書き換えられている。
主題歌
オープニングテーマ
歌 - FEEL SO BAD
エンディングテーマ
「ミエナイチカラ ~INVISIBLE ONE~」
歌 - B'z
「SPIRIT」
歌 - PAMELAH
劇場版
3作品すべて東映アニメフェア内で公開された。
1:「劇場版地獄先生ぬ~べ~」
2:「地獄先生ぬ~べ~ 午前0時ぬ~べ~死す!」
3:「地獄先生ぬ~べ~ 恐怖の夏休み!!妖しの海の伝説!」
OVA
1998年9月と10月、1999年10月に発売。全3巻。
テレビアニメシリーズの続編に当たる。
登場人物
5年3組
童守小学校関連
ぬ~べ~の仲間・妖怪たち
その他
霊能者
妖怪・悪霊・悪魔など
戦死した女子児童の霊(CV:馬場澄江)
図書室の女子児童の霊(CV:西原久美子)
名もなきモブキャラ
関連イラスト
関連動画
実写ドラマ
2014年10月から12月にかけて日本テレビとその系列局(NNN)ほかの放送局にて放送された。全10話。
これにより、テレビ岩手、北日本放送、四国放送は、アニメ版とドラマ版はどちらも放送したことになる。
ドラマ版は「漫画を基にしたオリジナルストーリー」として制作されたものらしく、舞台が童守小学校から童守高校に変わっていたり、鬼の手に封じられている覇鬼が明確に意思を持っていたりと、諸所で原作と違った点が多い。
えっ?あれって土曜版のmoco'sキッチンじゃないの?
なお、オープニングナレーションは毎回違った人物が担当しているが、事前には明かされず、「今回は誰が担当したでしょうか?」という視聴者クイズ形式を取っていた。
ちなみに第1話の担当者は稲川淳二であった。
キャスト
鵺野 鳴介 - 丸山隆平
高橋 律子 - 桐谷美玲
玉藻 京介 - 速水もこみち
ゆきめ(雪女) - 知英
葉月 いずな - 山本美月
関連タグ
地獄先生ぬ〜べ〜(表記ゆれ、波線文字違い)
地獄先生ぬーべー(表記ゆれ)
美少女戦士セーラームーン:同時期に放映していた東映アニメーション(当時での東映動画)による作品(制作会社繋がり)で、こちらもテレビ朝日系列局他で放送。なおテレビ朝日系列(23→24)局では1996年4月13日から1997年2月8日まで、土曜の19時台の前半と後半を占めていた。
『ぬ~べ~』では主演の置鮎龍太郎が『セーラームーン』シリーズではタイガーズ・アイなどを演じたように、複数の声優が両作に出演した(ぬ~べ~の原作にてヒロインの郷子の髪型が月野うさぎに似てるというネタがある)。
脚本家繋がりが成立する作品でもあり、アニメ版『ぬ~べ~』のシリーズ構成とメイン脚本を担当した富田祐弘は、『セーラームーン』のシリーズ構成&メイン脚本も務めていた。
蛇足ながら富田が当時のジャンプ系ラノベ雑誌で執筆した短編作品『地獄先生ぬ~べ~ 妖怪とりかえっこ』はファンの間では、もはや読む事がかなわない幻の作品と言われている。
SLAMDUNK:テレビアニメの前番組。原作漫画は同じく週刊少年ジャンプで連載。
ママレード・ボーイ:原作漫画が同じく集英社による漫画雑誌(『ママレ』は『りぼん』)上で連載し、アニメが1990年代にテレビ朝日系列局(など)で放映していたことが共通する作品。東映アニメーション(当時の東映動画)による制作会社繋がりでもある。こちらは高校の桐稜大学附属高校を舞台としたトレンディもの。『ぬ~べ~』では主演の置鮎龍太郎氏が『ママレ』にて重要人物の生徒である松浦遊を演じるなど、複数の声優が両作に出演した。うち、栗田まことを演じる浦和めぐみ氏は『ママレ』では教師の桃井亮子を演じており、この二人は『ぬ~べ~』と立ち位置が逆転している。
GS美神:本作と同じく、霊能力者が主人公の漫画作品。アニメは『ママレード・ボーイ』の前番組。東映アニメーション(当時の東映動画)による制作会社繋がりでもある。『ぬ~べ~』では主演の置鮎龍太郎が『GS美神』では端役を演じるなど、複数の声優が両作に出演した。
ボボボーボ・ボーボボ:作中にて魚雷ガールが詩人との交戦中に本作のパロディとして『地獄先生ぎょら~べ~』なるネタを披露した。原作漫画は同じく週刊少年ジャンプで連載。アニメの当初の放送時間帯も同じテレビ朝日系土曜日夜7時台アニメ枠内だった。
ウルトラマン80:元祖教師ヒーローだが、此方は中学校教師を務めるも1クールで教師を辞職してしまう。
超音戦士ボーグマン:80から8年後に放送されたヒーローアニメ。此方は第2クールのラストで学校を放棄する。
地球戦隊ファイブマン:初っ端の第1話でニュータウン小学校は壊滅するも、最終回は教え子に見送られ旅立った。
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