「俺を信じろ。縁にも色々あるが、俺との縁は超良縁だ!」
「どんな小さな縁も縁は縁。この世では無数の縁が絡み合い、結び会い、奇跡が生まれる」
「何故一々理由を求める?やるべき事は今置かれている状況が教えてくれる……それで良い」
概要
『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の主人公。ドンモモタロウに変身する。
21歳の青年だが人間界出身では無いらしく、赤ん坊の時に桃型のカプセルに乗せられて空間の裂け目から人間界にやって来た。
偶然その場に居合わせた青年・桃井陣に育てられ、とある団地で一緒に暮らしていたが、現在は諸事情から家出し「シロクマ宅配便」の配達員になっている。
また、その縁の深さたるや(本編とリンクしているか不明……とするよりも、他のスピンオフでも本編と明らかにリンクしていない節が見られるため、コレに関してもリンクしていない可能性の方が高い)過去の桃太郎モチーフのヒーローである仮面ライダー電王まで、ある程度ながら知っている模様。
仕事や事件の合間に「お供」に当たる仲間達の変身前と出会って行くのだが、鬼頭はるか/オニシスターがドン3話で自力で気付き、続くドン4話にて猿原真一/サルブラザーが、はるかから事情を聞かされる形でタロウの素性を知らされ、ドン6話にて雉野つよし/キジブラザーが目の前で変身した場面を目撃して知るなど、メンバーの素性を把握するまでに何度か会遇したにもかかわらず、互いの素性を把握するまでに時間が掛かり、犬塚翼/イヌブラザーに至ってはドン44話まで互いに正体を把握していなかった始末、とスーパー戦隊シリーズ史上類を見ない程にメンバーとの意思疎通、情報交換が乏しい(もっとも、タロウが本業を優先し自発的に交流しないだけで、お供から呼ばれた場合は律儀につき合う)。
人物像
とにかく「縁」を大切にしており、「名前を尋ねた」「道端で肩がぶつかった」果ては「自分を見た」など、どんなに些細な関わりも「縁」と考えている。
そのため、ほんの少しでも自分と関わった相手には「これで縁が出来たな!」と喋り掛け、一度接触した人物と再会した際には「縁があるな!」と挨拶代わりに話しかけている。
ただし(本人的には)無作為に他人と縁を結ぼうとしている訳でもなく、時に「悪縁は断ち切るに限る」と発言している他、警察に追われていた初対面時の翼に対しては「彼とは縁が無かったようだ」と断じている。
加えて「嘘を吐けない人柄」や「馬鹿正直」なんて生易しいものを通り越して「生まれ付き嘘を吐く機能が欠けている」らしく、その加減や遠慮の無い態度を心配したつよしから「場の空気を悪くしない為には、時に嘘も必要」とする趣旨の忠告を受けても「言葉は心の声……俺には嘘を吐く意味が分からない」と一蹴している(その根底には「真実がこの世で価値のある物」と考えているかららしい)。また、仕事の最中に受取人からのサインの代筆も断る程と、やたらとルールや正義感を優先する頑固で杓子定規な一面もある。
小さいところでは聞かれた際にはどんな内容でも必ず素直に答える(黙秘すらしない)、お世辞が口にできないなどと融通が利かず、たとえほんの軽い一言でも嘘を吐こうとすれば、たちまち拒否反応を起こして死に瀕するレベル(後述参照)。
前者の場合は初対面の者達からそんな性質を面白がられて、下らない質問をふっ掛けられる等してからかわれたり、ジャンケンで「何を出す?」と聞かれた際も自分の出そうとしている手を素直に答えてしまうので、仕事の同僚とのジャンケンでは勝てた試しがない。まあその程度ならまだ可愛い方だが、問題は後者の場合である。
後者はお世辞=他者への忖度もできないため、基本的に「相手に気を使って黙秘する考え」や「相手を褒めて伸ばす考え」はまずなく、相手の問い掛けには「相手が望むだろう言葉」などを一切考えず事実“だけしか”口にしない、批評等をする際は「ダメな物はダメだ」と、良くも悪くも白黒ハッキリした評価を下し、それが悪い物だと強行的にも改善させようとする傾向にあり、ドン4話では接客態度の悪い「おにぎりごろごろ」の店員達に対し、徹底的なスパルタ教育を課したり、ドン5話では、立て籠る翼を説得しようとして自身の俳句を披露してきた真一に対して、「自分の言葉に酔い痴れているだけで、説得として成っていない」とハッキリ酷評し、ドン12話でははるかが振る舞ってくれた得意料理のビーフストロガノフに対し「敢えて点をつけるとしたら……25点だ!」と採点したために、逆鱗に触れてしまっている。
ただしこの極端に低い採点については、単にタロウの評価基準が厳し過ぎる部分が大きい(詳しくは後述の余談の項目を参照)。
更に、上述の一件が原因で「ビーフストロガノフが作れなくなった」と愚痴をこぼすはるかに対して「それはよかった!」とダメ押しのように返したり、吉良きららの偽乳を堂々と指摘したり、鷺山美奈子が幽霊であると聞かされた際に、その真偽を確かめるために彼女の身体に堂々と手を突き入れてみせる(幸い、幽霊だったため触られずにすり抜けたものの)など、女性に対するデリカシーも著しく欠けており、無自覚の内にセクハラともとれる行動を平然と行ってしまうことも。
当然「自分が絶対に正しい」前提なので、自らのやり方や言動に対して謝罪や撤回する考え等は毛頭無いし、逆に相手の長所や成果を良く評価する場面も、絶対と断言しても良いレベルでない。
ドン13話では褒めようとしても拒否反応を起こして、即座に死に瀕するレベルと判明した。ただしドン21話で現在のドンブラザーズメンバーの意外な優秀性が発覚した際には(かなり上から目線な態度ではあったものの)素直に褒めることができた。
この様に、その難点を度々目的の大小を問わず)他者から悪用されているのだが、タロウ自身はそれを考慮した上での行動を一切取らず、そもそもそれが自分を不利にしようとする悪意による物とすらに気づいていないようにすら見える。
そのため、人を疑うことを知らない行き過ぎた性善説者……身も蓋も無い言い方をすると、文字通りの意味での「馬鹿正直」ならぬ単なる「馬鹿」と評価されても過言では無い。
加えて極端な利他主義者でもあり、相手のためになるなら自身の損益(と、施しを受ける相手の心情)さえも度外視し、徹底的に奉仕の限りを尽くす……ある意味彼以上の全力全開。
その内容こそ精神と技術の両面揃って至極真っ当な内容である……が、それは同時に「他者の手抜かりに対するグウの音も許さない正論パンチ(=上記の「ダメな物はダメだ」の延長)」、満点で無ければ99点でも駄目でもあるため、時にそれが「余計なお世話」になってしまい、結果として「変な人」or「嫌な奴」と邪険にされる、又は嫌われてしまう等、自らが傷つく事態を生む場合も……。
もっとも、他者への奉仕についても常識に基づいた一定の線引を設けており、明らかに身勝手且つ一方的だったり、軽薄な動機で自分を頼ろうとして来る者(例:ドン7話で津野角高校の生徒から「金がなくて困っているから貸して欲しい」と頼まれるが、本当に貧窮しているのではなく、単に遊興費目当てであった)に対しては「そう言うのは困っているとは言わない」と正論を説きながら、一蹴する場合もある。
また、彼の正義とは見返りを求めることのない無私の奉公であり、仲間に気に入られたい余りに空回りする桃谷ジロウに対しても「人に好かれたいと言う気持ちは分かる。だが、そのために何かすれば卑しくなる」と諭している。
生まれながらに卓越した才能を持っていながら周囲に慕われず、逆にまるで蛇蝎の如く忌み嫌われているのは、主にその行き過ぎた人格に起因しており、この様に本人に悪意は一切無いが、マイペース且つ強引な性格やポリシーに拘り過ぎる一辺倒さが原因で、対面した相手によっては気味悪がられるorワガママまたは居丈高と捉えられるなどの結果、反感や怒りを買ってしまい、不本意な挑発を受けたり、運が悪いと損をするか泣きを見る羽目になり、下手すれば自ら居場所を追われ兼ねない状況に陥る場面も多々あり、最悪の場合はヒトツ鬼に憑かれた(又は取り憑かれる危険性を含めた、強いコンプレックスや歪みを抱える)人間に対しても、何時もの調子で率直な想いや真実を突き付けた結果、図らずもその人物の精神を逆撫でしてしまった挙げ句、ヒトツ鬼を誕生・暴走させる切っ掛けとなるなど、知らぬ内にトラブルの元凶となってしまう場合も……。
しかも、その恵まれた能力と才覚故に多少の不備や齟齬があっても、それを覆して勝利や成功に至ってしまうため、合理性や効率を重視し穴を埋め欠点を克服する必要もなく、自分は最上なのでより自身を磨く必要性を感じていないため、向上心も欠落し伸び代を殺している面もある。
以上の言動から、ある種異様とも思われるタロウのその様は公式からも「善意の怪物」と称されてしまっている。
幼少の頃から既にその兆しを見せていたらしく、子供の時点で「洗濯物を業者並に綺麗に畳む」「プラモデルをパッケージの完成例さながらに組み立てる」など、常軌を逸した才色兼備さを遺憾無く発揮していた。
……が、当時はまだ子供なのもあって現在以上に率直かつ容赦無く、何かと「ダメだよ」と誰彼構わず全否定する指摘や、相手に才能の差を見せつけた上で、それを自分と同じにする様強要する様なやり方が反感を買い、当時住んでいた団地の人々から疎まれた末に、たった1人の子供相手に老若男女問わず総出を上げて「タロウ!!!出ていけ!!!」「NO!!TARO!!」と集団デモを起こされた上、応じないと反対に住民全員が逃げるように引っ越してしまう状況に陥る等、特に悪事をした訳じゃ無いのに、リアルでは絶対にあり得ないレベルで忌み嫌われていた。
又、自分の誕生会の時には、陣と共にバースデーケーキを用意するなど、盛大に祝おうとしたが結局、日が暮れても誰1人来なかったために陣と2人だけで祝っていたり、関わっていないにしてもほとんどの子供が一度は遊んだor見たハズであろう、だるまさんが転んだの遊び方すら知らずにオニシスターに尋ねる等のエピソードから察するに、幼少期から現在に到るまで友達所かマトモな人間関係に一切恵まれなかった(そもそもタロウに近づこうとする人間が1人も居なかった)と思われる。
上述の人との”縁”=繋がりに固執するのも、そうした幼少期に経験した孤独なエピソードが関わっていると推測される。
その一方で、陣以外の”人間”と殆ど接せずに育った結果なのか、何処か「感情」や「それに付随する反応」を理解する力が欠落していると思われる部分もあり、上記のデモですら「賑やかで楽しそう、祭かな?」と他人事で好意的に捉えており、陣を戸惑わせてしまった(もっとも、流石に住人達が自分を避けるかの様に全員引っ越してしまった事態になって、漸く「自分が嫌われていた」事実を理解し、寂しそうな様子を見せていた)。
一応、自覚や罪悪感が全くない訳ではなく、現在(本編時)では、社会経験を積んだ甲斐もあってか、ある程度は他者の感情や反応を正しく理解出来る様になっているが、それ故“自分の善意や正直さが噛み合わず、空回りしがちになる現実への葛藤”が生じる事態にも、度々出くわしてしまう。
例えば、ドン4話で自身の行為が原因で「おにぎりごろごろ」の店員達から陰口を叩かれているのを偶然聞いた際には、それを真に受けて困惑の様子を見せ(その直後に自身の発言によって、店長の水野をヒトツ鬼にしてしまった事実も併せて)、事件(依頼)解決後は無言で去ってしまう、ドン12話で同僚の怒りを買って「暫く職場に来るな。来たら、俺達が辞めてやる」と、最早脅迫その物な理不尽極まりない宣言をされた際には、過去の二の舞を恐れてか、(折り良く、同様に職場に居辛くなったはるかから、バイトの代役を頼まれた事情も重なり)頼まれるがまま職場から距離を置くなど、自らの性質によって人を傷つけたり、疎遠にされてしまう実態も少なくない現実について、人知れず戸惑いや寂寥感を抱え、時折思い悩む場面もある(ただし、それでも絶対に謝らない)。
タロウ自身も「幸せと言う物が分からない」と自覚し、上述の過剰なまでのお節介を見せるのも「誰かを幸せにしてそれを学ぼうとしている」と説明している。
更に、ドン6話での真一とはるかのやり取りから、自分と他者が抱く「認識の違い」への理解力も乏しく、”ドンブラザーズの使命”を疑いも無く邁進する自分と、”ドンブラザーズの使命”も分からず困惑するはるかと真一に対し、上記3段目のセリフで一蹴するが、対する真一からはそんな天上人な考えを「嫌いではないが、君のような超人と僕達凡人は違う」と皮肉を投げ掛けられてしまった。
また、彼が重視しているのは飽くまで結果(だけ)の節が強く、達成感や100点に至るまでの成長・道筋に関して評価する余地は無いスタンスの上、自身は精神的な調子に関係無く成果を出せる為に、モチベーションの管理は一切考慮していない(出来ない)。例えば上記の友人のプラモデルの件の様に「“完成品”より“作る喜び=過程”のような、不出来になろうと当人が自身の手で成さねばならない物」にまで注意・手を貸して成し遂げてしまったり、目的が一般的な正解とズレている状態の時までは考えが及んでない面もある。
更にそれに拍車を掛けているのが、上記の様にモチベーションを考慮しない故に、根本的に説明が足りず、相手が何の意図を持っているのか引き出せてないなどの対話不足のため、周囲からはタロウの意図や好意は伝わり難い上に、そのまま結果のみを突き付けるだけのため、相手は何が足りないのか分からなくなり、努力の方向性を見失わせてしまい、結果的に暴走へと導いている状況も多い。
こうした事実や後述するドンモモタロウ時の言動から、表向きの人懐っこさの裏側に、共感性や協調性等の“本当の意味での社会性”を持ち合わせていないと、ある意味人として致命的過ぎる欠陥を抱えており、真一からも「君はもっと人間を理解した方が良い」「君の傲慢さは許し難い」と手厳しく断じられている。
更にドン43話では「夢」というものを持たず、そもそも理解出来ていない本心が判明している。椎名ナオキの正体=未来の(別時空の)はるかが漫画を描く理由を未来の真一が「それがはるちゃんの夢だから」と語っても、タロウは「夢よりも、目の前の現実のほうがずっと大事だ」と断言している。これに対し未来の真一は「いつでもどこでも変わらないな、君は……」とタロウの本質が変わらないことに納得しつつも、「君は夢を持つほど不幸ではない」「だから幸せを知らない」と皮肉を投げ掛けている。
この様に、一方的かつ自分本位な善意が仇となり、初見の人とのコミュニケーションに難儀しているが、利他主義自体は本物なため、縁を結んだ人物には(時に強引ではあるが)損得勘定無しで親身に接し、彼なりに背中を押して奮起させるなど、心優しく面倒見の良い姿を見せる。また、相手の言動や態度から「嘘を吐いているか否か」「善人か悪人か」等の他人の本意・本質を見抜く観察眼にも秀でており、ドン5話では翼が見せた些細な言動から、彼が無実であると信じ態度を軟化させている。
加えて、嘘を吐けない欠点も見方を換えれば「隠し事をしない誠実さ」に繋がる上、生来の生真面目さも本物のため、報連相を徹底し不祥事は包み隠さず告白・即座に代替処置を行うので円満解決に繋がる等、この人となりも悪い面ばかりではない。
そのため、ある程度親交を深め、自分の人となりを理解して貰えたら、受け入れて貰うのも不可能では無い模様で、現在の職場では同僚の従業員と共に弁当を食べ合う程、良き人間関係を築けている。
更に、ドン4話でのタロウの言動に感化され奮起するつよしを実例に、秘めたるカリスマ性も本物のため、これらの面は清濁を併せ“ワンマン社長”と評価出来る。
人は殴らない主義らしく、他者から暴力を受けようとも人を傷つける行為は好まない。
ドン3話では、横暴な顧客のチンピラから一発殴られただけでダウンして、はるかに呆れられたが実は失神したフリで、その客がはるかにまで無礼を働こうとした際には、弾いたピーナッツを当てて気絶させていた。
また、ドン5話では届けるはずの荷物に手を付けた上に顧客への謝罪を拒む翼から腹パンを食らうも、全く効いている様子も見せず、逆に翼の耳を引っ張り強引に連れて行った。また、ドン8話で仕事中に車上荒らしに襲われた際には、手刀で撃退している。
この様に決して生身での戦闘が不得意であったり、打たれ弱いわけではなく、横暴な輩や筋の通らない振る舞いをする者には「殴らない」代わりの手段で、相手に「傷を残さない」程度の無力化や強行手段を行うなど、非暴力主義者ではないと考えられる。
特に変身後は殴ってはいないが、味方である筈のお供に対して割と酷い扱いをしている(後述参照)。
このポリシーは少なくとも高校生の時点で身に付いてたらしく、ドン15話のジロウの回想シーンでは、町の不良達に絡まれてタコ殴りにあって傷だらけになっても最後まで立ち続け、逆に不良達が殴り疲れてヘトヘトになっていた。
「配達員」の仕事に強い誇りを持っており、ポリシーとして「俺が運ぶのは荷物だけではない、幸福を運ぶ」を掲げ、上記の利他主義もあって出会った人に対し、積極的に何らかの恩恵を齎している。
仕事に対する責任感も強く、悪人を追っている最中でも、車に割れ物を載せていればスピードを上げない様に心掛けたり、配達員を装い窃盗を繰り返す犯罪者・クロクマに対しては「どんなことがあっても悪事は許されない」と断じる一方で、真一が発した「配達員が酷い扱いを受け易い」発言には同意しており、このためか(連続窃盗犯だが)手前勝手な理由でヒトツ鬼毎クロクマを消去したソノニには、これ以上にない怒りを見せている。
また、ドン6話でキビ・ポイントの使用で有頂天になっていたつよしが、自身をスカウトした際に仕事配達業)を軽んじる発言をされた際には「俺は今の仕事に不満は無い」「仕事に大きい、小さいもない」と半ば怒りを含めて反論している。
ここまでの彼の人物像を簡単に纏めるならば「常に自分の考えや感情を、即座にありのまま表現してしまう」=「良くて何色にも染まらない純真無垢な真人間、悪ければ偽善者の悪名すら生ぬるい、”空っぽな人間”」と評するタイプ。
下記の本人の弁と合わせて考えるに、その根底にあるのは「何でも出来る自分は、他の誰かや世界の役に立たなければならない」とする一種の使命感に駆られているであろう実態が窺える上、お供を始めとする周囲との圧倒的なまでもの力量差が、それに拍車を掛けている様にも見える。
しかし、根底の行き過ぎた完璧主義や上昇志向が仇となって、周囲の人達から理解を得られず、その上本人も性善説者のせいで他者をロクに分かろうとしないため、宝の持ち腐れになっているのが現状である。
しかし、復活後はお供の意見に耳を傾けることが増えており、本当に助けて貰った際には感謝を述べることやお供の言い分が正しかった場合は素直に謝罪したり、復活前は出来なかった『褒める』ということが出来るようになるなどと少しずつ改善しつつある(とは言え、「1回」だけしか言わず、復唱を求められても頑なに拒否するが)。
ドンモモタロウへの変身時
普段でさえも相手を困惑させてしまう彼だが、これでも落ち着いている方であり、アバターチェンジをするとより威勢の良い自信家へと一変。
4人のお供を引き連れながら扇子を片手に高笑い、エンヤライドンに乗りながら御輿に担がれて登場する、(普通に変身するも腑に落ちなかったからか、わざわざ)エンヤライドンで疾走しながら登場し直すなどの派手な振る舞いを見せる様になり、逆に王道や一般的に由来する「枠に嵌った行動」を毛嫌いする等、その様は「祭りや戦い(喧嘩)を楽しむ“江戸っ子”若しくは“傾奇者”」としての側面が強く出てくる。そのためか、下記の動画のラストでは王道的なスーパー戦隊の名乗りに対し、かなり嫌気を感じていたらしく……(後述を参照)。
一方、“戦隊のリーダー”としては現状かなり身勝手な面も散見され、そもそもポジションに収まっていられるのも、ドンブラザーズのチーム構成自体が強制徴兵かつ、彼を集中して担ぎ上げるシステム故に他ならない。
更にドン7話で、はるかから「あたし達(=ドンブラザーズの4人)はあなた(=ドンモモタロウ)の何なの?」の問いには、堂々と「お供だ!」と断言すると、徹頭徹尾「自分がリーダーである」強い自覚・認識がタロウの根底にあるのも判明している。
アバターチェンジ時の彼は、非日常的な世界の極致とのこと。
極めつけは、些細な切っ掛けでスイッチが入ると、文字通りの「暴(れる)太郎」と化し、仲間である筈のドンブラザーズのメンバーにさえも、容赦なく攻撃を加えてしまう理不尽且つ不可解な暴挙を起こす点である。
最初にこの暴挙を起したのはドン3話で、ようやく自分の素性を理解して忠誠を誓おうとして来たはるか/オニシスターを高笑いしながら粗雑に蹴飛ばした挙げ句、自棄気味に叫びながら他のドンブラザーズのメンバーにためらいなく斬り掛かった(ただしこの時は快盗鬼の宿主を救えず複雑な思いを抱いていたところに、はるかがタイミング悪く話しかけてきたのがトリガーになったらしく、一概に彼が悪いとは断言し難い)。
上述の行動については、はるかだけでなく視聴者からも大いに困惑され、ドン3話放送直後から物議を醸す事態となった。
この時は、直前にソノニにクロクマを消去された直後だったのもあり、傍からは「クロクマを救えなかった悔しさ故の八つ当たり」にしか見えないが、一方で上述の通り、はるかがタロウの気持ちも読まずに虫の居所が悪いタイミングで、一方的に忠誠を誓ったのがトリガーになってしまったとも見え(実際、ドン10話において前田真利菜が同様に忠誠を誓った際には、ぞんざいにせず素直に了承していた)、ドン7話でその挙動の意図が明かされるまでの間、視聴者の間では「二重人格」「サイコパス」等と様々な憶測が交わされるに至ったが……。
因みに、後の短編動画第三弾では、単なるツッコミの一環で同様に襲い掛かっていた(メタ的にはドン3話のラストシーンの流用な為、多少不自然だがなるべく目を瞑って頂きたい)。
また、ドン4話にて真一が“戦い慣れしていない素人である自分達を鍛え上げるため”とする荒療治の一環と推測していたほか、視聴者の中には「脳人の危険性を改めて認識した結果、与えられた使命を全力で遂行するためにチームを強化せんと、多少無茶苦茶な手段も厭わない考えに至った……所謂“メサイアコンプレックス”の延長線」と考える層もいた。
そしてドン7話において、遂にタロウ自身の口から「鍛えるためだ! お前達が足手纏いにならないためにな!」とハッキリ宣言された。因みに、ドン7話の時点でのお供達の実力はタロウ曰く「まだまだだな! 今のままでは足手まといだ!」。また、ドン13話では他の意見を無視するばかりか「チームワーク以前に個人の弱点をなくせ!」と酷評した上でお供の弱点を次々と断じた。
だが、ロボタロウやドンオニタイジン登場や、自身の消滅・復活騒動を境に、お供達の実力や連携力も向上してきた事情もあってか、上述した理不尽な暴挙は起こさなくなりつつある。
この様に絶対に他者を尊重しない本来の性格も相まって、他のドンブラザーズメンバーを始め第三者からは横暴極まりない振る舞いが散見されるも、戦闘中に仲間から救援を求められると即座に助太刀に入ったり、彼らの奮闘を見えない部分からサポートしたり、忖度抜きで褒めるべき点は素直に褒める等、決して仲間達を邪険に思ったりしている訳ではない様子が窺える。事実、 闇堕ち状態(?)のドンドラゴクウが仲間から奪ったサングラスで、ドンブラザーズの姿に(非正規ながら)アバターチェンジした際は本来の変身者が重なって見え、攻撃を戸惑ってしまっていた。
更にドン11話で翼が体調不良に陥った時にヒトツ鬼が出現、敵の目的が自分だと分かると「ヒトツ鬼の相手を自分が行う」と宣言し他のお供に翼を任せる、ドン13話では真一の呼び掛けに素直に応じるなど、何だかんだ「主人とお供」の仲に限れば関係は築けている。
こうした性格の変化は、アバターチェンジによる副反応的な効果か、タロウ元来の性格の一面なのか、はたまたもう1つの人格なのか現時点では仔細が明らかになっていないが、この変化は公式でも意図的にしているらしく「“変身前後で性格が違う”のが特徴」ともインタビューで語られている。
また、アバターが当作品のモチーフであるのも踏まえると、所謂ネット人格が元ネタだろうか。
但し、どちらがタロウ元来の性格か判らないが、ドンモモ時の人物像はドン王家(下記)の王侯貴族らしい尊大な性格が変身によって復活(?)すると考えれば納得出来る。
能力
配達員アルバイトの域に留まらない多種多様な特技・能力を持ち、あらゆる物事を卒無く熟す多才さを持つ。
洗い物に掃除・整頓と家事はお手の物、また脱臼の施術から(前述の通り)ピーナッツ飛ばしで大の男を昏倒させるなど、人体への知識も備えている。
更に一瞬の目撃情報だけで配達員を装った窃盗犯を見抜く記憶力・洞察力、背後から投げられた手裏剣や近くのビルの屋上から放たれた水鉄砲の狙撃を振り向きもせずに、持っていたファイルや鍋蓋で防ぐ反射神経に加え、空手の板割り勝負を挑まれた際には、十数個も重ねて積み上げた椅子(※脚部は金属)を文字通り粉砕して見せたり、(タロウ曰く「子供の頃に1度だけしたことがある」)将棋勝負では「一手(に掛ける待ち時間)1秒」とプロ棋士所か、最早AIで無ければ対応出来ないような無茶苦茶なルールを自ら提案し、それでいて残像が残る程の速さで指し合いを展開した末に勝利してしまう(尤も、これに関してはこんな破天荒なルールを強いられたにもかかわらず、ある程度渡り合えた対戦相手の津野角高校の将棋部部長・鈴木もかなり人間離れしているが……)と、1回でも経験すれば達人クラスに匹敵する思考・技量を備えるなど、明らかに人間離れしているハイスペックぶりを披露する事態も珍しくない。
この実状を見た雉野と猿原の両者は、タロウとは圧倒的な力の差があるのを認識し、想像の中でも肉体的な勝負は元より、指相撲ですら勝利できないイメージをタロウの言動によって植え付けられた。
果ては、紙に「必勝」と記して受取人の司法試験へのやる気を促進させると、シンケンジャーのモヂカラの様な力を使う(文字を書く際の効果音もショドウフォンと同じ)など、ここまで来ると 人外の域に達しうる異能まで持っている。
ヒトツ鬼の能力にも惑わされ難いのか、ドン2話では対峙した謎の美女の誘惑に惑わされずに、その正体が同僚の磯野さなえと見抜いていた(しかも、その上で外見的に若返っていたにも拘わらず、正確に実年齢を当てていた)。
ドン12話ではヒトツ鬼とは関係なく吉良きららの偽乳を指摘したり、本物の悲鳴を聞き分ける等、真贋を見抜く眼力を持っている(恐らく、上記の人間性を見抜く観察眼の延長)かも知れない。
また、ドン9話では後述する事情から黍団子を大量に食わされる事態に迫まれるも、体調不良状態にもかかわらず最終的に599個もの黍団子を平らげた後、そのまま激しい動きを伴う戦闘を熟していた。
弱点
作中では嫌になる程の完璧超人ぶりがこれでもかと目立っているが、実は自らの才能に自惚れたシーンはただの1度もなく、ドン6話でタロウ自身「あらゆることを卒無く熟せる代わりに、絶対的に得意な物がない」と告白・珍しく卑下している(ただし、これはタロウ視点であり、周囲からは「全ての技能が一般人を超える程の高水準」であるのだが……)。
また、将棋やイス割り、モンスター退治etc……技術や知力を要する事柄は圧勝出来るが、つよしとみほのやり取りを見て「お前の勝ちだ。オレには女性をあんな笑顔には出来ない」と最終的に自ら負けを認めた様子から「完全無欠の技術特化型」の人種であり、個人の感性や感情に依存する行為は不得手と思われる。
また、自分は器用貧乏だと思っているが故か、「持っている技術を他人の為に使う」視点も欠けている可能性がある。
事実、あれだけの技量を少しでもその様に活かせば社会貢献や実績を残すのも容易で、誰かに評価される事態もある筈なのに、現状その様な描写は無く、勝負を挑まれたら返り討ちにする程度にしか発揮されていない。
折角の才能と実力を持っていながら、世間知らずなのと持ち前の自分の性格のせいで、それ等が何一つ活かせていないのが現状である。
加えて、その圧倒的なハイスペックさに肉体が付いて行かなくなる時もあるのか、力の反作用によって肉体に負荷が掛かり続けると、数年に1度の単位で無力に陥る。
更には、嘘を吐こうとすると拒否反応を起こして「一瞬死ぬ」状態になる異常体質(誰が言ったか虚弱体質ならぬ「嘘弱体質」)を持つ。お世辞も嘘に含まれる様で、強要されるとやっぱり死ぬ。ただし、芝居の台詞は含まれないようで死なない。
また、ドンオニタイジンの合体解除直後の数秒間は「反動で力が抜けて隙だらけになる」致命的な弱点も持つ。
ちなみに、コレはタロウだけに限った話では無いが「超人」たる彼でも、流石にキビ・ポイント使用による影響は覆せない様子(ただし、ポイントの根幹にタロウが関わる性質上「実はキビ・ポイントの影響を受けていない」説もある)。
「幼少期に友達がいなかった」過去も、友達づき合いに関する経験の不足、及びそれに関連する事柄へのトラウマの形で弱点になっている。
前者については、子供時代に誰もが遊んだであろう「だるまさんがころんだ」の勝利条件を知らなかった事実が挙げられる。それ以外のゲームも知らない可能性がある。
だるまさんがころんだに沿って攻撃するヒトツ鬼との戦闘では、はるかが生き残って勝利条件を教えたため事なきを得たが、もしはるかまで消されていたら勝てなかった可能性すらある。
後者は、子供の頃友達のいなかったタロウにとって唯一の友達だった「カブトムシのギィちゃん」が逃げてしまった過去がトラウマとなっていると語られている。
どうやら未だに帰って来ると信じていたようで、「ギィちゃんが帰って来た!」とはるか達に告げられた時は、お供達との自分から一本を取る勝負の最中だったのにもかかわらず、ギィちゃん探しに夢中になり無防備になっていた。
ちなみに作中ではるかにも指摘されている通りカブトムシの成虫の寿命は通常1~3ヶ月くらい」とされており、(特別な力でも与えられていなければ)少なくとも十年経過している中でギィちゃんが生きている可能性はまずない。
出自
人間界にやって来た際の描写や人間離れした性質から謎の多いタロウだが、ドン13話にて彼の出自が判明。
脳人の世界"イデオン"に今は滅んでしまった「ドン家」なる王家があったのだが、滅亡寸前に1人の赤子をカプセルに入れて人間界に流したと伝わる。その赤子こそがタロウ。即ち、タロウは脳人の1人であると同時に滅んだ王家の最後の生き残りであり、脳人達にとっては最大の「お尋ね者」であると判明した。
出自からドラゴンボールのカカロット/孫悟空、スーパーマンのカル=エル/クラーク・ケントのように、別の名前がある可能性もある(前述のドン家のドンが姓ならば"ドン"モモタロウ自体が本名、そうで無くとも「ドン・~~」or「~~・ドン」の可能性が高い)。
当然、何の説明もないために、自分達がどんな組織で何の目的があって戦っているのかすら把握出来ていない他のメンバー達(勿論タロウ本人も含めて)には、そんな重要な事実を知る由等微塵もないし、本人達の性格上おそらく今後も知る事態は万一の可能性すらないだろうが……。
繋がった縁の先
※「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」終盤のネタバレ内容となります。
ヒトツ鬼との戦いや獣人を巡る問題、お供たちとの交流などの様々な経験を経て、タロウの心は少しずつ変化していった。
そしてドンブラザーズにソノイ達脳人三人衆が仲間として加わり、王様鬼との戦いを終えた後、喫茶どんぶらにやって来たタロウを迎えたものは……
はるか「ハッピーバースデー、タロウ!」
「「おめでとう!!」」
派手な装飾で飾り付けられた店内、クラッカーの音と共に祝福するはるかやソノイ達―。介人の発案によって、タロウの誕生日会がサプライズで計画されていたのだ。
実際のタロウの誕生日はまだ先だったのだが、せっかく開いたのだからと、そのまま前倒しという形で誕生日会は続行。
その時彼の脳裏に過ぎっていたのは、育ての父と二人だけで祝った、幼少時代の誕生日の思い出だった。
ジロウによってバースデーケーキが運ばれ、タロウは仲間達に見守られながら嬉しそうに蝋燭を吹き消し、皆から拍手が送られる。
お供とジロウたちからは、ドンブラザーズと脳人、それぞれのマークが9つプリントされた枕を。ソノイたちからはドンモモタロウの色である真っ赤な箸を誕生日プレゼントとして贈られた。
はるか「そういえばさタロウ、前に言ってたよね?幸せの意味がわからないって」
真一「その後どうかな?少しは幸せがわかったかな?」
そんな彼らの問いに、タロウは「少しわかった」と返答するも、その続きを言う前に、はるかから「私たちと一緒にいることでしょ?」と言われてしまう。
その言葉に「馬鹿なことを言うな!」と否定しかけたその時…
タロウの脈が止まり、そのまま床に倒れ込んだ。
図星を突かれたことによる照れ隠しで思わず嘘をついてしまい、それによっていつもの嘘をつくと死ぬ体質が出てしまったのだ。
つまり、タロウの幸せとは「仲間たちと共にいること」であると、証明された瞬間でもあった。
つよし「脈がない…。死んでます!」
「「やったぁー!!」
そんなタロウの体質を知っている面々も、タロウが幸せを感じていることを確信して大喜び。(なお、翼だけはタロウの体質について知らなかったため、一人困惑しきっていた。)
床に倒れ仮死状態となっているタロウも、どこか幸せそうな表情を浮かべているのだった。
なんでもできて、嘘がつけない性分故に人に疎まれ、幸せが分からずそれを知りたいと願い続けていたタロウ。
そんなタロウも、ドンブラザーズの皆と共にいることこそが、自分にとっての『幸せ』なのだと気付くことができたのだ。
縁を結び、『悲しみを退治』してきたタロウは、ついに自分自身の過去の悲しみと寂しさをも退治したのである。
関連人物
- ドンブラザーズの面々
一応自分がリーダーとして率いる仲間なのだが、現状「用意されたお供」としか思っておらず、最初期は素性に対する興味すら薄かった。
上記の通りタロウの気分が悪いと酷い扱いをするが、その代わりに「自分達の実力を示そう」と不意打ちを仕掛けたサルブラザーとオニシスターに対し、驚きこそしたが怒らず「ハッ! 面白い!」とすんなり受け入れており、お供の暴挙も(タロウの精神が安定且つ、お供の行動がよほど酷いものでなければ)責めないと、見方によっては“自分もお供も対等な存在”と考えている風にも見える。
また、タロウは「“ドンブラザーズの役目”を使命として淡々と受け止めている=半ば思考停止気味に邁進する」に対し、お供の4人は「使命以外の要素を求める=困惑しつつも”ドンブラザーズの役目”を、各個人で考えた上で受け入れようとしている」対比を描いてもいる。
互いの正体を知って以降は、ドン11話の様にTPOに応じて互いに頼り合う場面も見せると次第に信頼関係が醸成しつつあり、ドン13話ではタロウの死と復活をきっかけに互いが互いに無くてはならない存在と気づき、ついに不仲が解消し信頼関係の構築に成功。
それ以降は変身時に訓練と称しお供たちに殴りかかる暴挙も無くなり、不慣れながらも自分の非を詫びたりお供たちを褒める言動や気遣う行動が徐々に増えていった。
特に鬼頭はるか、猿原真一の二人とは年齢が近かったり、最初期に互いの正体が分かった事情もあってか、何かと3人一緒にいる場面が多く、時に漫才のようなやり取りをしたりもする。
案外タロウ自身は(無自覚ながらも)孤独だった幼少期の寂しさを、今になって4人のお供達で埋めている可能性もあるかもしれない。
自身の代わりに『ドンブラザーズのリーダー』にならんと現れた人物。
タロウと同じくドン王家の関係者であり、幼少期に送り込まれた人間界で育ったが、全く正反対な性格と生い立ちと境遇をしている。高校時代に修学旅行先で一度だけ見かけたのをきっかけにタロウに対し、一方的に憧れや尊敬の念を懐き、タロウも一度だけの会遇にもかかわらず覚えており、復活後は新たなヒーローとしての力を得た彼を「お供」の1人として加えた。しかし、ドンブラザーズの「新しいリーダー」である状態に拘るジロウは、「お供」では納得がいかず、密かにその座を取って代わらんと対抗心を燃やされてもおり、更にその野心や敵愾心がより瞭然としているもう1つの人格の存在もあって、現状は他のお供達よりは距離があると言わざるをえない。己の発言がきっかけでやみおちしたジロウによりお供たちを危険な目に合わせた反省からか、絡まれたり突っかかられても頭ごなしに貶さず軽くあしらう程度になった。
- シロクマ宅配便の人々
共に働く同僚達。その内の1人である磯野さなえから弁当を振る舞われたり、されどその具を巡って同僚とジャンケンするも負けて取られたりするが、上述のタロウの性格を良くも悪くも理解した上で受け入れられている模様で、職場の人間関係自体は良好。
しかし、ドン12話において、同僚の桐山が疎遠になっていた母親の為を思って、所長が楽しみにしていた希少なお菓子である「メロン煎餅」をくすねてしまった際には、犯人が彼であるとバラしてしまったせいで、桐山は所長から罰掃除を命じられて母親に会えなくなった事態に、同僚の石川と竹中から反感を買い、遂に人間関係に亀裂が生じ始めてしまう。しかし、ドン12話ラストでは償いのために桐山を、故郷へ帰ろうとしている母親の許に連れて行っただけで無く、母親への手土産としてメロン煎餅を用意してどうにか信用を取り戻した(もっとも、前半の桐山関連の降りは負のご都合主義の側面も強く、一概にタロウだけが悪い訳ではない)。
育ての親。幼少期では働く彼のためにおにぎりを作ったりするなどとても懐いており、陣本人もタロウを我が子の様に可愛がっていた。
但し、陣が「血縁上の実父ではない」事実に加え、タロウが悪い方向で「“お父さん”の定義」に忠実である為、『陣』と名前で呼ぶなど、何所か距離があるように見える。
敵対関係にある脳人の1人。タロウにとってはヒトツ鬼を消去させないために真っ先に倒すべき脳人のリーダーであり、ソノイにとってはヒトツ鬼の消去を邪魔する存在ではあるものの、その力を惜しむ位には気になっていたが、ドンモモタロウがドン王家の生き残りであることを知り、抹殺対象となった。
一方で、互いの正体(人間態)を知らないため、車上荒らしに囲まれたタロウを助けたり、火事に巻き込まれた人々を協力しての救助も行い、タロウは言わずもがな、ソノイも過度な欲望こそ忌避するものの、人間の命は何よりも尊いと考えているため、お互いに「利他的な善人」として馬が合い、認め合った。
他のメンバー達と信頼関係が築けていなかったタロウにとっては自分の悩みを相談できる位心を許しており、ソノイも、タロウに「世の中には美しい嘘もあり、嘘の方が信用できる事もある」と嘘が悪いだけのものではないと教えつつ、タロウの嘘が吐けない性格を称賛し、「私の希望」とまで称賛している。
しかし、運命の悪戯か、その矢先に互いに正体を知ってしまい、一度はそれまでの交流の中で評価していたタロウの正直過ぎる一面を突く形で彼を討ち消してしまった。
だが、そんな卑怯な手段を採ってまで、タロウを手にかけてしまった事態を後悔したソノイは、タロウ復活を望むドンブラザーズメンバーに手を貸し、復活を見届けると今度は「正々堂々と決着をつける」事を心に決めた。
尚、彼らの早期の正体バレはマジメな敵対関係にするためではなく、それを前提としたギャグ回的な絡みを持続させるためと語られている。
ニチアサの桃太郎モチーフのヒーローのでー先輩。こちらは鬼にして仮面ライダー。
放送前から共演……したが、「まだまだだな、電王」と終始“先輩・後輩”の立場が逆転しているかの様に振る舞い、そのクセの強さで振り回しまくっており、3度目ともなると最早ビビられるレベルであった。
アイドルに憧れるドン12話ゲスト。
アイドルに憧れる吉良きららの「胸が(物理的に)苦しい」発言に対し、如何に正直な人間でも口を憚るであろう「その胸の詰め物を取れば良いだろ」と指摘する始末であった。
彼女が嘘を吐く理由が「祖父のため」と知っても、スタンスを変えるつもりは無かったが「嘘を本当にしてみせる」彼女の言葉が結実した姿を見て、何やら考えに変化が生じた模様。
余談
- ドン12話できらら・はるかに叩きつけた「25点」だが「タロウの基準が高過ぎるだけで、世間一般的にはかなりの高得点なのでは?」と推測もされている。
- 根拠はきららが最終的にアイドルデビューした描写、及びタロウが何を基準に点数を付けているか分からない点にある。
- そして、後に番組サイドから公式HPにおいて「タロウの採点を一般標準に例える場合、採点された数字に2倍計算して考える様に」という回答が明かされた。
- つまり、はるかのビーフストロガノフをはじめ、タロウから「25点」と下されたもの(例:きららの歌唱力、ドン24話のゲスト東智子の手料理、ドン43話のはるかの新作漫画)は『50点』。「32点」と下されたもの(例:ドン25話でつよしが作ったラーメン、ドン34話に登場したおでん屋のおでん)は『64点』が最終的な総合評価(身も蓋もなく言えば「可もなく不可もない、ごく普通」なレベル)である。
- これにより、タロウにとっての100点が世界レベルを指すのであれば、新人アイドルの歌や素人の得意料理が25点なのも納得できる理屈となった。
- また、この点から「25点がプロデビュー級なら、はるかのビーフストロガノフも店を出せるレベルなのでは?」と考える人もいたが、タロウの言う25点が(一般人基準で)50点である事が明かされると「プロで通じるかはさておき、素人の家庭料理としてはまずまずの高評価」「きららがプロデビューできたのは才能だけでなく、彼女自身の努力の成果も大きかったもの」と納得する意見が上がっていた。
- 但し、この場合80~99点のおにぎりを作った「おにぎりごろごろ」の店主が「凄過ぎる」意味にもなるが……。
- また性格に難はあれど、人間界とも脳人とも孤立している状況なのにもかかわらず「この世は楽園」と断言してみせる豪胆さ、率先して最前線に立つ頼もしさは素直に評価するべきだろう。
- 8/28日に更新された公式ブログにて、『ドンブラザーズ設定用語攻略本ペディア』と題してドンブラザーズの作中用語や登場人物の簡易的な紹介が行われたが、タロウの項目になんと「語ることが多過ぎて、全て説明するにはあと5時間かかるので、詳しくはP〇xiv百〇事典さんにお任せします」というとんでもない文章が記載されていた。
関連タグ
シロクマ宅配便:勤め先
脳人:当初は単なる敵対勢力と思われていたが、上記の通りタロウも脳人であった。
実際、人間に育てられて脳人の価値観には染まっていないが「過剰なまでもの完璧主義」「非合理を嫌う行き過ぎた合理主義」な脳人の本能とも評せる部分を頻繁に垣間見せている。
理想の上司/独裁者/ブラック上司:現状、この両極を右往左往している。
だいたいこいつのせい:無自覚ながら烈車鬼や超力鬼、手裏剣鬼、特捜鬼の場合はこれ。
器用万能:タロウ自身「明確に得意な物が無い」と卑下ているが、実態はこちら。
コミュ障:表向きの言動と裏腹に、本質的にはこの傾向が強い。
戦隊主人公
以下ネタバレ
※これより先、最終話のネタバレとなります。
いつの日も、縁は結ばれる
ドン49話からタロウの様子はどこか変で、自分が出会って縁を結んできた人達を覚えていなかったり、「ドンブラザーズに入って幸せだったか?」とお供に聞いて回るなどタロウらしくない言動をするようになる。
何か様子がおかしいと思ったはるか達はマスターから衝撃の事実を聞かされる。
それは、タロウが役目を終えたことで記憶をリセットし、戦いとは無縁の人生を送るために休息に入るという、余りにも哀しすぎる真実だった。介人が前倒しで誕生日会を開いたのも、これを見越していたためである。
この事実に一同が困惑する中、タロウは育ての親である陣と亜空間で最後の時間を過ごす。おにぎりを握り、それを美味そうに頬張るタロウと陣。
「だが、誰だったかな…アンタ。確か前に会ったような気がするんだが…。」
「気にするな。」
どこか悲しそうに笑いながらそう答える陣。
そしてタロウが陣のことを忘れるのと同時に亜空間から消えてしまう。
《ご苦労だったな…タロウ》
タロウが落とした食べかけのおにぎりを食べながら、陣は心の中でタロウをそう労った。
マスターから衝撃の事実を聞かされた一同(タロウの記憶のことを知らないジロウ含む)とタロウに誘われたソノイは彼と共にいつものおでん屋台で最後の時間を過ごすことに。お供のことを忘れかけていたタロウのためにソノイが横から耳打ちでお供達の説明をし、それを受けたタロウが彼らに最後の言葉をかけていく。
「はるか、お前のマンガを楽しみにしている」
「雉野つよし。泣くな!名前のように強く生きろ。」
「猿原真一。俺はいつかお前の句集が読みたい。」
そして犬塚の事を説明しようとした瞬間…
「誰だ?あんた。確かどこかで会ったような気がするが…。」
なんとタロウは目の前にいるソノイのことも忘れてしまっていた。その事実を悲しむソノイの前におでん屋のおやじから卵が差し出される。それを受けたソノイは初対面の時の敬語に戻り、
「いいものですね。おでんというのは。こうして偶然同じ席に着いても心が和む。」
「ああ。いいもんだ。」
人間界に来て初めてタロウから教わり、いつしかソノイの好物になっていたそれを美味しそうに食べる2人。
だがそこへ脳人の処刑人ソノナとソノヤの襲撃を受けたソノニから救援要請の矢が飛来する。タロウと仲間達の最後の時間を邪魔させまいと1人で救援に駆けつけるソノイ。
3人が苦戦する中、タロウを見送ったドンブラザーズ5人も合流して立ち向かうが…。
一方その頃、喫茶どんぶらに立ち寄ったタロウはマスターから「作者から読んでもらうよう頼まれた」という原稿を渡される。そこに描かれていたのは『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』という題の漫画。そのストーリーは、主人公が出会い頭に縁を結んだり、嘘をつけない主人公が好敵手と嘘について語り合ったり、時には主人公が一本勝負で騙されたりと、これまでの思い出が描き記されていた。そして一ページ、ヒーローに変身した主人公が決め台詞を発するページには空白のフキダシが。それを見たタロウは……。
そして場面は再び戦場へ。処刑人たちと戦うタロウを除いたドンブラザーズ8人と自分の意思で処刑人に反抗して加勢したドンムラサメ。だが処刑人達は今までの敵よりも強く、9人で力を合わせても敵わない。絶体絶命かと思われたその時、戦場に祭り囃子が響き渡った。
「やあやあやあ、祭りだ祭りだ~!
袖振り合うも他生の縁、躓く石も縁の端くれ!
共に踊れば繋がる縁!この世は楽園!
笑え笑え!ハーハッハッハッハ!!」
いつものように、神輿に担がれエンヤライドンに乗ったドンモモタロウの姿がそこにあった。
そして新生ドンブラザーズ10人(ムラサメ含む)で披露した名乗りでは、フキダシの空欄を埋めるようにあの名乗りを口にする。
「桃から生まれたァ!ドンモモタロウ!」 《よっ 日本一!》
名乗りで処刑人を吹き飛ばすと、ザングラソードのギアディスクをこれでもかと回転させ、処刑人の反撃をものともせずに最大出力のモモタロ斬で、一刀の元に斬り伏せた。
しかし、技がぶつかり合ったことで生じた爆炎と共にタロウは姿を消し、それ以来ドンブラザーズの前に姿を現すことはなかった…。
時は流れ、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』が大ヒットし、売れっ子漫画家になったはるかはソノザ編集長のテレワークによる指示のもと、漫画を描いていた。
そこに、宅配便がやってくる。はるかはやってきたシロウサギ宅配便の宅配員の顔を見る。そしてその宅配員はいつかのように笑顔でこう言った。
「縁ができたな!」
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五十嵐一輝:半年間30分前の主人公。終盤に記憶障害に陥る繋がり。