前置き
記事閲覧者の混乱を避けるため、本記事ではpixivで連載されている(されていた)『リリカルBASARA StrikerS -The Cross Party-』についてのみ解説をしています。
リブート版については連載されている外部サイトを参考にお願いします。
(どうしてもpixivにも支部として内容を紹介したい場合には別に個別記事「リリカルBASARA(オリ小説2)」の作成をお願いします。)
概要
2012年7月6日からcharley氏によって長期的に連載されている『魔法少女リリカルなのは』と『戦国BASARA』をカオス融合させたコラボ&クロスオーバー小説。
舞台や時系列設定が、なのは側は「魔法少女リリカルなのはStrikerS」、BASARA側は「戦国BASARA3」がメインだが、それ以外の人物や作者考案のオリキャラも登場する。
(ただし、BASARA側のオリキャラは実在した武将がモデルになっているケースがほとんどである。)
2022年現在、Pixiv側は休載しており、設定や人物等を各原作の最新版に一新したリブート版を外部サイトで連載している。
あらすじ
史実とは似て異なる戦国時代…天下分け目の大戦『関ヶ原の戦い』で、長きに渡る因縁に決着をつけようとしていた東軍総大将 徳川家康と西軍総大将 石田三成は謎の光に吸い込まれて異世界ミッドチルダに飛ばされてしまう。
そこで家康は高町なのは、スバル・ナカジマをはじめとする機動六課の面々と出会い、共に戦う事で揺るがぬ絆を作って行く。
一方、三成が出会った悪の科学者 ジェイル・スカリエッティと三成の腹心 大谷吉継、そして石田軍と行動を共にする謎多き妖艶な女 皎月院は、戦国時代から飛ばされてきた西軍武将達そしてナンバーズと結託し、家康の抹殺を兼ねた壮大な陰謀を画策していた……
そして、伊達政宗、真田幸村といったおなじみの武将達も集まり、天下分け目の大戦は関ヶ原からミッドチルダへと舞台を変え、戦国の猛将と若き魔導士達が空に!海に!陸に! 宿命の戦いへと臨んでいく!!
各章あらすじ
※詳しくはリリカルBASARA StrikerS 各話まとめを参照。
群雄割拠ミッドチルダ降臨篇(第一章~第十一章)
謎の光によって家康が転送された先は、魔法によって栄華する近未来世界“ミッドチルダ”。
そこで出会った少女 スバルや、彼女の所属する機動六課の個性あふれる隊員達との会遇で、自分が次元漂流者となった事を知った家康は、日ノ本へ帰る手立てが見つかるまでの間、機動六課の民間人協力者として、留まる事になる。
だが、家康は知らなかった…ミッドチルダに転送されてきた日ノ本の武将は自分だけではなかった事に…
家康VS幸村 六課の決闘篇(第十二章~第十五章)
家康と同じくミッドチルダへと転送されてきた伊達政宗と真田幸村、それぞれの忠臣 片倉小十郎、猿飛佐助が合流する。
事情を知った政宗達は家康同様にしばらく機動六課に在籍する事に同意するが唯一人、幸村だけは首を縦に振らなかった。
先の関ヶ原の戦いで様々な苦悩と迷走の果てにようやく意を決して、西軍へと参戦していた幸村は、異世界とはいえ、自らが決着を着けると決心した宿敵政宗や家康と安易に手を組んでしまう事に迷いを抱いていたのだ。
そんな幸村の意思を察した家康はある提案を申し出る…
ティアナ成長篇(第十九章~第三十二章)
政宗そして幸村らが加わり、ますます戦力が充実してきた機動六課。
フォワードチームもスバル、エリオはそれぞれに家康や幸村から教わる日ノ本独自の戦闘スキルを学び、遂にはそれまで後方支援要員だったキャロも剣術を覚えるなどして、フォワードチームの成長ぶりも拍車がかかりつつあったが、そんな現状をフォワードチームのまとめ役 ティアナだけは面白く感じていなかった。
優秀な才能を持つ周囲との劣等感や自分だけ置いて行かれている疎外感に人知れず苦悩するティアナ。そんなティアナの心の焦りを密かに見守る佐助だったが…
なのは恋路篇(第三十九章~第四十八章)
なのはの元にお見合いの話が舞い込んできた。それは地上本部の戦力強化を目的とした総司令 レジアスによる参謀長 ザインの息子 セブンとの政略見合いであり、なのはをはじめ六課メンバーは対処に頭を悩ませる。
総司令と参謀長が相手となると下手に断る事ができないという事で、はやてが出した提案は「なのはには既に婚約者がいる」という嘘をつく事で、その相手役に指名したのは、なんと政宗だった。
こうして渋々、なのはと“夫婦”を演じる羽目になった政宗。
果たして見合いを上手く断る事はできるのか…?
フェイト修行篇(第五十五章~第六十一章)
幸村達、武将達との修練で急速に成長していくフォワードメンバー。
フェイトも養子であるエリオ、キャロの成長を喜ばしく思う反面、少しずつ自分から離れていくような感覚に、寂しさも感じつつあった。
そんな自分の思いをエリオと“兄弟”の契を交わした幸村に打ち明けるフェイト。
その心情に理解を示した幸村は、フェイトにエリオやキャロの今の心中を察し得る為の有効な方法としてある修行に参加する事を提案する。
それは、かつて幸村自身も経験した武田軍独自の熱血修行法…通称“武田漢祭り”であった。
ヴィヴィオ篇(第六十八章~第八十二章)
訓練の第二段階のプログラムを終え、一日休暇をもらう事になったフォワードチームと家康。
だが、休暇を楽しむ為に出向いた先の街で、エリオとキャロが、レリックを持った謎の少女を保護した事で事態は一変する。
地下にまだ2つのレリックの反応がある事を知った六課はスバルの姉 ギンガが所属する108部隊と協力してこれの確保に向かう。
しかし同じくレリックを奪取すべく、西軍の影の大目付 皎月院率いるナンバーズや、西の猛者 島津義弘、立花宗茂と行動をともにする謎の少女 ルーテシア、ミッドチルダの大企業 ウエストランド社を手中に収めていた知将 毛利元就、更にはミッドチルダに漂流してから度々家康達や六課を狙っていた自称 豊臣派の武将 後藤又兵衛も動き出そうとしていた…
スバル決闘篇(第九十章~第百五章)
街の大食い大会に参加したスバルはそこで、かつての幼なじみで、侍に憧れる魔剣士の少年 ウィリアムと再会する。
ウィリアムは自分の敬愛するサムライ文化を軽んじた所属部隊と対立の末にクビになり、現在は浪人気取りで各地をあてど無く放浪していた。
更にスバル達は、ウィリアムが起こした騒動が原因で連行された特殊警察『特務銃士隊』の隊舎で、スバルのかつての教官にしてウィリアムの恩師だった魔導師 アイリとも再会する。
事情を知ったアイリと総隊長 ジャックの計らいでウィリアムは特務銃士隊に籍を置いてもらう事となる。
だが、そこへかつてなのはとのお見合いを政宗によって台無しにされた参謀長 ザインの息子 セブンが来訪してくる。
例の一件以来、六課に一方的に敵意を抱いているセブンは現在は新たに設立した『機動七課』の隊長をしており、その戦力強化の為にアイリを引き抜こうと目論んでいた。
スバル達がいるにもかかわらず、堂々と六課やなのはを貶すセブン。これに怒ったスバルやウィリアムすらを嘲り笑うセブンに激怒した家康は、とうとう彼を殴り飛ばしてしまった。これをきっかけに、六課と七課の対立は決定的なものとなる。
この状況を前にザインは、六課取り潰しの為にある計略を思いつく。
それは衆人観衆の下 スバルと七課のエース隊員 シルビアを一対一で対決させるという公開模擬戦だった…
梟雄蹂躙篇(第百六章~第百三十三章)
ウィリアムが銃士隊に入隊し、六課に出向していた事が彼の実家 アウトランダー家にバレてしまった。
ウィリアムの母 グロリアや兄 アダムらはウィリアムを強引に連れ戻そうとするが、六課側の嘆願なんとか条件付きで、それを回避させる。
グロリア達の出した条件とは、最近連続で起きている魔導師貴族襲撃事件の犯人と思しき強盗犯が奪取する事を目論んでいるというロストロギア『アヴァロンの果実』をウィリアムと六課の隊員達で防衛する事だった。
こうして長年絶縁だった実家に久々に里帰りするウィリアムと、それに同行する小十郎達。
果たして、ウィリアムとアダムらをここまで仲違いさせたその原因とは…そしてアウトランダー家を狙う強盗犯の正体とは…
※これら長編の間に、一話完結の話をまとめた短編集や、西軍サイドで元親を主役、ノーヴェをメインヒロインに置いた2~3話程度の中編が間に挟まれる事がある。
巻末特別コーナー D.J成実とヴィヴィオ・リオ・コロナの奥州特攻目安箱vivid
2014年9月5日から『 D.J成実とヴィヴィオちゃんの奥州特攻目安箱(ミッドチルダ出張版) 』の名で募集を開始したあとがきミニコーナー。
詳しくはこちらコチラ。
その名の通り、メインパーソナリティーは今作のオリキャラである伊達成実とヴィヴィオの2人でスタートしたが、アニメ版リリカルなのはvivid放映に際して、2015年4月8日更新の回からは、同作品のメインキャラクターリオ・ウェズリー、コロナ・ティミルの2人が加わり、2015年5月28日更新の回からはタイトルも現在のものに一新された。
2016年9月14日更新の回では『真田幸村伝』発売記念として、真田昌幸が登場。タイトルを『トリック昌幸とヴィヴィオ・リオ・コロナの信濃熱血目安箱vivid』と勝手に改題した上で、成実に代わってコーナーの進行役を務めた。
時系列
【魔法少女リリカルなのはサイド】
スバル達フォワードチームは既に単独で任務に出動しており、政宗、幸村ら合流後にホテル・アグスタの任務があった事から考えて、家康がミッドチルダに転送された時間軸は原典(StrikerS)の第6話と第7話の間と思われる。
【戦国BASARAサイド】
本編序盤における家康達の会話等から、戦国BASARA3の家康または三成の赤ルートの最終戦 関ヶ原の戦いの時間軸から転送されたと思われる。
登場人物及び参戦済みの版権キャラ達の所属陣営
※詳しくは戦国BASARA、及び魔法少女リリカルなのはStrikerSとそれぞれの登場人物、及びリリカルBASARA StS 登場人物紹介を参照。
機動六課(東軍主力)
本項目ではBASARA陣営のキャラクターの六課における役割も併記する。
尚、なのは陣営のキャラクターの役割は基本的に原作と同じ。
前線部隊
チームスターズ |
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原作チーム。一部BASARAキャラが加わっている。
スターズ01 | 高町なのは |
スターズ02 | ヴィータ |
スターズ03 | スバル・ナカジマ |
スターズ04 | ティアナ・ランスター |
スターズ05 | 徳川家康…フォワードチーム(特にスバル)の教導、最前線要員 |
チームアズールドラゴン |
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※今作オリジナルチーム。主にスターズの補佐を担当。
アズールドラゴン01 | 伊達政宗…フォワードチームの教導、最前線要員 |
アズールドラゴン02 | 片倉小十郎…フォワードチーム(特にキャロ)の教導、最前線要員 |
アズールドラゴン03 | 伊達成実※下記参照…最前線要員、警護補佐要員 |
チームライトニング |
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原作チーム。
ライトニング01 | フェイト・T・ハラオウン |
ライトニング02 | シグナム |
ライトニング03 | エリオ・モンディアル |
ライトニング04 | キャロ・ル・ルシエ |
チームスコーピオ |
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※今作オリジナルチーム。主にライトニングの補佐と諜報活動を担当。
スコーピオ01 | 真田幸村(今作では東軍側につく)…フォワードチーム(特にエリオ)の教導、最前線要員 |
スコーピオ02 | 猿飛佐助(幸村と同様、今作では東軍側につく)…フォワードチーム(特にティアナ)の教導、諜報遊撃要員 |
チームブルースカイ |
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※今作オリジナルチーム。主にロングアーチの警護とその他専門作業、拠点防衛を担当。
ロングアーチ
戦術アドバイザー
福島正則※下記参照…最前線要員 |
加藤清正※下記参照…最前線要員 |
所属不明
所属しているチームが分からないキャラ。
第三勢力(東軍(時空管理局)寄り)
聖王教会(ザビー教団) |
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今作ではザビー、大友宗麟と、彼らに感化されたカリム・グラシアの手によって教会本部全体がザビー教に宗旨替えしてしまい、実質的にザビー教団に乗っ取られてしまっている。
ザビー教団大教祖 | ザビー |
ザビー教団名誉枢機卿 | カリム・グラシア(洗礼名 ノストラダムスカリム) |
ザビー教団神父長 | 大友宗麟 |
ザビー教団愛の調査兵団長兼宣教師 | ヴェロヴィン・アコースミス/ヴェロシ松(洗礼名 コイズミーベロベーロ) |
ザビー教団専属アーティスト | 酒井忠次(洗礼名 レヴォリューション忠次) |
その他 | シャッハ・ヌエラ(聖王教会で唯一、ザビー教に宗旨替えしていない) |
管理局本局 |
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クロノ・ハラオウン リンディ・ハラオウン 最上義光 |
ユウラク・コネクション |
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ジョアン・ユウラクが総帥を務める巨大財団(オリジナル)。
豊臣軍・ナンバーズ同盟(西軍主力)
上層部 | |
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総大将 | 石田三成 ジェイル・スカリエッティ |
参謀 | 大谷吉継 |
副参謀 | クアットロ |
監察、顧問 | 皎月院※下記参照 |
実働要員 |
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※一部キャラは第四勢力「西南同盟」にも所属する。
第三勢力(西軍寄り)
ルーテシア一派 |
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今作ではゼスト・グランガイツは未登場で、原作における彼のポジション(ルーテシア、アギトの保護者、護衛)は島津義弘と立花宗茂がそれぞれ担っている。
※第四勢力「西南同盟」にも所属する。
ウエストランド・サンライズ社(W.S社) |
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毛利元就が実質的に支配しているミッドチルダの新興軍事企業(オリジナル)。
総大将 | 毛利元就 |
副将 | 安国寺恵瓊※下記参照 |
第四勢力(秘密・部外勢力)
西南同盟 |
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勢力拡大、計画進行と共に先鋭化していき、次第に不可解な行動をとりはじめた西軍上層部を懸念する者達に対して、木村重成が提唱した事で結成した秘密同盟。
表面上は引き続き西軍として活動する一方で、スカリエッティや大谷吉継、皎月院、クアットロといった特に不穏な動きをしているメンバーの動向を内部から監視し、彼らの真の狙いを探る事が目的。重成を始め、基本的に西軍の中でも、穏健派だったり三成達の方針に否定的な面々が所属している。
※人数が多く、役職は不明なためなのはキャラとBASARAキャラに分けて記載。
盟主 | 木村重成 |
加盟キャラ(なのは) | チンク ノーヴェ ウェンディ ディエチ ルーテシア・アルピーノ アギト |
加盟キャラ(BASARA) | 長曾我部元親 島津義弘 立花宗茂 雑賀孫市 黒田官兵衛 |
第五戦力(どこの集団にも無所属)
織田軍残党(天海一味) |
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石田軍の暗躍に便乗して、織田信長復活の為に暗躍する謎の勢力。現在はクアットロの密告を通して、西軍の動向を監視しており、特に表立った動きは起こしていない
後藤浪人衆 |
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生まれ変わった後藤又兵衛がミッドチルダの裏社会に跋扈していた非魔力保持者のならず者達を集め、徒党を組んで立ち上げた発展途上の私軍。
「浪人衆」と称しているが、略奪や殺人、破壊行為を厭わないなど実質的には狂化した無法者の集まった愚連隊である。
また、幹部格の五本槍をはじめ、率いているキャラクターも浪人というよりは、なりゆきで出会った元ギャングや不良などで構成されているが、又兵衛と同様に『不死霊薬』を投与した事で身体能力、戦闘能力が強化されており、劇中では管理局の武装隊や精鋭部隊とも五角以上に渡り合えるだけの戦力を持っている。
単独行動 |
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特定の勢力を作る事も、所属する事もせずに単独で行動している。
豊臣五刑衆
豊臣軍の中でも特に名だたる手練な武将 5人によって構成される覇王 豊臣秀吉の後継者候補及び親衛隊の役割を担った幹部組織。
秀吉の後継者と目された者達の集まりとあって、選ばれた者達はいずれも西軍の中でも上級幹部の地位を与えられる程に、非常に強力な実力を秘めており、生半可な手腕の者では数十人以上の団体でかかっても敵わないレベルである(事実、三成、行長、秀家の3人と交戦したジュイエ率いる機動七課の主力部隊はわずか1分とかからぬ間に壊滅している)。
一方で、メンバーはそれぞれに抱く意図、思想が全く異なっている為、互いの仲間意識や結束力は薄い。
所属メンバー | 先代 | 現在 |
第一席(主将) | ”知将”竹中半兵衛 | ”凶将”石田三成 |
第二席 | 初代”諜将”宇喜多直家 | 不詳 |
第三席 | ”凶将”石田三成 | ”拷将”小西行長 |
第四席 | ”豪将”福島正則 | 2代目”諜将”宇喜多秀家 |
第五席 | ”迅将”加藤清正 | ”魅将”木村重成 |
外伝、おまけコーナーのみ登場
リオ・ウェズリー(「D.J成実とヴィヴィオ・リオ・コロナの奥州特攻目安箱vivid」レギュラー)
コロナ・ティミル(「D.J成実とヴィヴィオ・リオ・コロナの奥州特攻目安箱vivid」レギュラー)
真田昌幸(「D.J成実とヴィヴィオ・リオ・コロナの奥州特攻目安箱vivid」第百四十四章ゲスト)
※今後も随時加筆予定
オリジナルキャラクター
『リリカルBASARA StrikerS -The Cross Party-』には様々なオリジナル武将や魔導師のキャラクターが登場する。ここではその一部のキャラの設定を紹介していく。
※詳しくはリリカルBASARA StS 登場人物紹介(オリキャラ編)を参照。
戦国武将(東軍サイド)
肩書『天真雷撃』
属性 雷
武器 無柄刀『雷蛇』
一人称「俺」
趣味 暴食
政宗の義兄弟で伊達軍の重臣。17歳。
伊達軍内における立場上は小十郎と同格(成実曰く「小十郎に次いでナンパ(正※ナンバー)3」)であるが、将としてはまだ経験が浅い為、これまで戦場に出る機会はあまりなかった(その為、当初は幸村や慶次達にもその存在は知られていなかった)。
しかし武人としての実力は既に政宗・小十郎に次ぐ程であり、『無柄刀』というその名の通り柄がないむき出しの打刀を防刃性の強い特殊繊維で編んだ手袋を嵌めて操るという破天荒な剣術を披露する。
かつて戦の最中で記憶喪失に陥った伊達家の人間と、彼を看護した農村の娘との間に生まれた子供であり、幼名は"藤五郎"。
両親を亡くした後、紆余曲折を経て政宗に家族として引き取られ、現在の名を与えられると共に兄弟の契りを交わした。
元が農民である故に、武士として正規の教養を受けた事がない(一応小十郎に読み書きは叩きこまれたらしい)為、頭を使う事は決して得意ではなく(要するにバカである)、非常に単純かつ脳天気な楽天家だが、非常に明るく、曲がったことを嫌う真っ直ぐな性格。前述の経緯から政宗に対して深い敬愛心を抱いており、匂いだけで居場所を把握するなど忠犬ともいえるような特殊能力すら持っている。政宗からは度々面倒がられる事もあるが、血は繋がらずとも唯一の肉親という事だけあって兄弟内の絆はとても深く、同じく小十郎の事も尊敬する師にしてもう一人の兄的存在として慕っている。
故に初対面時には政宗と仲睦まじいなのはを一方的に敵視した事もあったが、政宗に一喝された後、宇喜多秀家との戦いで共闘した後は打ち解け、「なのは姉ちゃん」と呼ぶようになる。
食べる事が大好きだが、その実、ゲテモノ喰らいの悪食家であり、大抵のものならば食べる事に抵抗は無く、虫やザビッシュ(原作のBASARAにも登場したザビーの顔のある野菜)、挙句に泥や雑草など人間では食べられないものから毒物までも平然と食べきってしまうなど、雑食この上ない悪食ぶりを見せる上、劇中では誰もが不味いと称し拒絶反応を示すシャマルの手料理を大絶賛するという病的なまでに味音痴ぶりをみせた(ちなみにこの時偶発的に食べてしまった小十郎はあまりの不味さに一撃でノックアウトしてしまった)。この他にも食事の際には手当たり次第に調味料を大量にぶちこんで食べるなど度々、悪食さを見せる描写もある他、食い意地の張っている面を見せる事も多い。
その強烈な個性からリリバサに多数登場するオリキャラの中でも人気は高く、第一回人気投票では9位にランクインしている他、おまけコーナーであるリリバサ版奥州特攻目安箱『D.J成実とヴィヴィオちゃんの奥州特攻目安箱(ミッドチルダ出張版)(※第百二十五章より『D.J成実とヴィヴィオ・リオ・コロナの奥州特攻目安箱vivid』に改題)』にてメインパーソナリティを務めるなど、優遇されている。
肩書『軟脳黒鬼』
属性 雷
武器 万能絡繰駆動剣『黒狼』
一人称「僕」
趣味 発明・イタズラ
徳川軍発足当初から家康と固い絆で結ばれた3人の勇将『徳川三勇星』(元は『徳川四天王』だったらしいがメンバーの一人だった酒井忠次が、訳あってザビー教団に移籍した事で現在の名称となっている)の一人。
家康達からは「小平太」と呼ばれている。発明が趣味であり、常日頃から暇さえあれば創作カラクリ兵器の開発に凝っており、自称「東国一の天才発明家」を豪語するメカマニアで徳川軍一優秀な工作員で徳川工学部隊隊長。新しいもの好きであり、ミッドチルダに来てからはアニメやスケボーなどの未来の娯楽にも興味を示している。
製作するカラクリは実用性などは重視せず、ノリと趣向だけで手がける為、唯の現代における電化製品と同じような物や、てんで役に立たないガラクタ同然な物を製作する時もあれば、家康達はおろか、なのは達をして「未来の技術」と言わしめる程の技術を偶発的に生み出す事もある。
基本的に誰に対しても友好的で、特に家康とは公私関係なく「いっちゃん」と呼ぶ程の無二の親友であると同時に忠勝と並ぶ忠臣として、彼に全てを捧げている。無邪気かつイタズラ好きなお調子者で、少々緊張感がなく子供っぽい言動も目立つが、友好的な者達には所属勢力に関係なくフレンドリーに接する社交派な人物で、家康以外にも仲間の武将達(例 風魔小太郎を「コタちゃん」と呼ぶ等)全員にあだ名をつけて呼ぶなど仲間内ではムードメーカーかつ潤滑油な役割を担っている。
その一方で、家康に対し絶対的な信頼を寄せている為、彼や徳川軍を侮辱したり、疑念を抱こうとする者には決して容赦せず、少しでも家康に対して不平や悪口を叩いた者には武器を向けるなどの攻撃的な一面を見せたり、家康の掲げる理念に反対する考えを抱く人間には冷たい態度をとる事もある。
徳川軍の中でも特に豊臣に対する敵意が強く、三成の事は「家康の想いを聞こうとせずに、一方的に人殺し扱いしている」という理由から非常に嫌っている。
肩書『富身猛撃』
属性 炎
武器 種子島刀(日本刀と火縄銃を組み合わせた独自の刀)『斬筒(ざんづつ)』&その他各種砲筒
一人称「俺」
趣味 一服(転送後は禁煙している)・砲筒の整備・猫の世話(周囲には秘密)
『豊臣五刑衆』の先代第四席で、現在は徳川軍の客将。
火縄を仕込んだ種子島刀と呼ばれる特殊な刀を振るう他、片マントで覆い隠している左半身に忍ばせた数々の兵器(砲筒、火炎砲筒、爆炎筒(ダイナマイト)、鋼糸(ワイヤー)、回転式機関砲(ガトリング砲))を使いこなした遠近両用の戦法を駆使する。
少々皮肉屋で事なかれ主義な一面もあるが、面倒見が良く、曲がった事を嫌い、義侠心に溢れた正義漢で、徳川軍臣下達の中では事実上のまとめ役であり、成実などの他国の武将からも良き兄貴分として慕われている。加藤清正とは少年期から死線を共に超えてきた親友同士であり現在でも行動を共にする事が多く、清正のセクハラ的言動を抑えたり窘めるのは大抵は彼の役目。
武将としても人間としても非常に有能な為、誰からも信頼される名将で、西軍からも敵に回られてしまった事を悔やまれる程。豊臣軍時代は兵士達の訓練教官も担っていたらしく、劇中でスバルに特訓を施した際には鬼コーチぶりを発揮している。
基本的に周囲へのツッコミ役が多く、自分からボケる事は少ないが稀に茶目っ気のある一面も見せる。また、猫が好きという意外な一面もあり、周囲に黙って、密かに猫の親子の世話をした事もある。また、(史実同様に)下戸である。
豊臣軍時代は三成、清正と共に、3人で秀吉の為に忠義を尽くす事を誓っていた仲であったが、現在は相棒である清正と共に三成と袂を分かってしまっている。
史実の福島正則は短気かつ浅慮で猪突猛進な武将であったが、この作品における正則は思慮深く、物静かだが、気風が良い性格と完全に反転している。
肩書『勇撃一走』
属性 風
武器 六尺槍(六尺棒に脇差を取り付けた即席の槍。平時は六尺棒と脇差に分けて持ち運ぶ)
一人称「俺様」
趣味 春画集め、覗き、ナンパ
『豊臣五刑衆』の先代第五席で、正則同様、現在は徳川軍の客将。
体育会系の逞しい色黒の肉体とスポーツ刈りを意識した剃髪が特徴で、顔立ちも非常に整っているが、美女と下ネタ、セクハラが大好きなオープンスケベという所謂残念なイケメン。
美女と見れば二言目にはナンパ、三言目にはセクハラ発言が当たり前で、機動六課内でも女子隊員に対して幾度も、覗きや下着泥棒を働いてはティアナやヴィータに成敗されている。
場の空気を読む事が苦手で、発言する前によく考えるといったことを殆どしていないため、下劣な用語や不謹慎な失言を公衆の面前や子どもや女性の前でさえ堂々と口に出すなど、デリカシーのでの字もない変態と言う名の紳士で、度々周囲の人間から軽蔑されたり、呆れられている。
しかし、いざ戦闘に入ると抜群の看破能力と判断力を兼ね揃え、元豊臣軍幹部の名にふさわしい猛将ぶりを見せ、幼少期より独自に修行して習得した我流の槍術(普通の槍術とは違い、打撃を重視した棒術に近いもの)と馬に騎乗した状態で戦う馬上戦法を得意とする。
生まれは平民の鍛冶屋の倅であり、人一倍の努力と鍛錬を重ねて武将となった苦労人で、普段は変態行為や下品な言動が原因で周囲より疎まれたり、呆れられる事が多いが、一度仲間意識を抱いた者には心から信頼を向け、度を超える様な理不尽な暴力は嫌うなど根は義理人情に厚い為、心の底では深い信頼を寄せられている。
たとえ気に入らない相手であっても、戦闘と平時の付き合いは分けて考える柔軟さも持つ反面、状況次第では味方だった者にも容赦なく槍を向ける事ができる実戦家な一面もある。
- ジョアン・ユウラク/織田長益
肩書『茶聖椿影』
属性 炎
武器 ブロードソード型デバイス『風雅(フーガ)』
一人称「私」
趣味 陶器製作、音楽鑑賞
新興企業にもかかわらず、僅か2年でミッドチルダ有数の財団へと成長した『ユウラク・コネクション』の総帥を務める大魔導師。
教師、医師、陶芸家、詩人、料理人、音楽家、弁護士、文学者、デバイス技術者、心理カウンセラーなど幾つもの顔を持つ天才にしてなのは達をもって「完璧」と言わしめる程に日本の文化に関する知識を知り尽くした文化人だが、その正体は、かつて日ノ本を恐怖に陥れた織田信長とその妹、お市の弟にして、織田軍の軍師を務めていた知将織田長益。言うなれば、戦国BASARAの世界出身の魔導師である。
家康にとっては恩師の様な存在で、織田家の人間としては非常に稀有な穏やかで理知的な人物であり、終始にこやかな笑みを絶やさず、その性格や人柄から魔導師や一般人問わず多くの人物から慕われている。
兄 信長が倒れる事となった『本能寺の変』の最中に、発生した謎の光を受けて、本編開始3年前のミッドチルダに飛ばされる。
以来、“織田長益”としての生を捨て、新たに“ジョアン”と名乗り、各地を転々としながら、趣味であった茶道や陶芸の修行を積み、一方で魔導師としての才能も開花し、それらの知識や経験を活かしてビジネスで成功を収め、大富豪に成り上がったチート的な人間。機動六課の活躍のニュースを見た事がきっかけで家康と再会し、以降機動六課に協力する。
ちなみに、スピンオフの端編では兄妹と同様の召喚術が使える事が判明しているが、彼が召喚するものとはある意味、第六天魔王や闇の手よりもトラウマな代物であり、目の当たりにした家康やスバルを震え上がらせている。
魔導師としての名前の元ネタは、長益の通名『有楽斎』とその洗礼名「ジョアン」。
戦国武将(西軍サイド)
肩書『夜狂蛮姫』
属性 闇
武器 番傘・呪符
一人称「わちき」
趣味 花札占い
花魁風の装いをした妖艶な女性で、史実では三成の正室とされているが、今作では大谷と共に三成に付き従っている謎の多き妖術使い。自らは三成の『侍女』、『御意見番』と称しているものの、実際には西軍全体の顧問役を務め、作戦行動の指揮や、三成や西軍全体の行動指針の決定、同盟締結や作戦行動発表などの重要な場の取り仕切り役といった位以上の役目を担う事が多く、元親達やナンバーズなどの実働部隊はおろか豊臣五刑衆すらも命令できる程の実権を把握している。
表向きには柔らかい物腰で接してはいるものの、独特の花魁口調で話す端々には傲慢さや冷酷さ、残忍さが窺え、必要とあれば味方を平然と捨て駒にする事も厭わない。また、処世術や読心術、話術にも優れ、口先だけで怒り狂う三成を宥めたり、手玉に取るほどのしたたかさを見せる。
その性格や得体のしれない素性の為に、ナンバーズや元親、孫市、官兵衛、久秀などの一部の武将から警戒されている。
基本的に水面下で暗躍する事を好む策略家で、直接戦おうとする意思はあまり見られず、ほとんどは部下や仲間に戦闘を任せているが、決して戦闘力が皆無というわけではなく、騙し打ちとはいえエリートと目される魔導師100人のリンカーコアを抜き取り、それらを封じ込まれた謎の髑髏模様の水晶を自身の影に取り込む事で騎士型の召喚獣を生み出すといった多彩な妖術を操り、番傘に仕込んだ刀や鉄扇を駆使した白兵戦で政宗を軽くいなす等、寧ろ相当な実力者である事を窺わせる。
現時点で三成ら西軍はおろか、豊臣から分裂した後藤又兵衛率いる後藤浪人衆や松永久秀、天海などのイレギュラーな武将達を言葉巧みに誘導し、それぞれの暗躍に手を貸したり、魔導師に対しては憎悪とも見て取れる多大な嫌悪感を抱く等、謎めいた部分も多く、久秀曰く「かつて豊臣が崩壊するまで、どこの軍にも属しておらず、突然現れた」とその素性を懐疑的に思われている。
肩書『紅天跳駆』
属性 光
武器 暗殺用トンファー『掌槍』、針子、手裏剣
一人称「拙者」(幸村の前では「私」)
趣味 日光浴
佐助の弟弟子にして、真田忍隊の副長。佐助とは正反対に性格は生真面目で、一度受けた恩義には必ず報いようとする努力家だが、それ故に一本気で融通が利かない。過去に織田軍との戦いの中で故郷と恩師を失い、それ以降力に執着する傾向が強くなり、それを危惧した幸村や佐助と対立し、やがて武田と石田の同盟の象徴として石田軍に出向する事となるが、次第に自分の力を認めてくれる石田へと心が移り、幸村、佐助の東軍寝返りをきっかけに彼らと袂を分かつ。
その後、皎月院の薬によって強化され、彼女の手下になる。
肩書『我高周低』
属性 風
武器 三日月刃の長槍『三日月刈』
一人称「俺様」
趣味 博打
西軍からの尖兵にして作中で最初に家康達と戦うオリジナル武将。功名心と自己顕示欲が非常に高く自分が手柄や名誉を得るためには手段を選ばない自己中心的な性格だが、頭を使う事は苦手でノリのいい間抜けな一面もあり、三成などの自分より位、実力共に上な人間には媚び諂い、逆に格下とみた人間には勝気で尊大かつ傲慢な態度をとるなど本質的には小者である。
かつては黒田官兵衛の家臣であったが、内心では官兵衛を頭からバカにしており、彼を陥れるべく秀吉存命時に、彼の密かな天下への野望を三成に密告。思惑通り官兵衛は追放され、自身は秀吉の軍下へと入った。つまり作中独自の設定であるが官兵衛が九州に追われる直接の原因となった人物。最近では読者や劇中の人物達からも『小物』として認識されている模様(笑)
※なお、2014年発売したのシリーズ最新作『戦国BASARA4』に本当に後藤又兵衛が登場するが、言うまでもなくこちらの又兵衛とは別人、と思われていたが…下記の第三勢力の記事を参照。
肩書『蛇心卑行』
属性 雷
武器 鞭剣(全体に刃の付いた特殊な鞭)×2
一人称「私」
趣味 拷問
『豊臣五刑衆』の現第三席に属する小西軍の将。
外見こそ美青年だが、残酷無比かつサディスティックな嗜癖や性格の持ち主で、笑いながらえげつない方法(刃の付いた独楽を投げつける、刃の付いた鞭で締め上げる、発電装置の組み込まれた首輪を投げ付けて感電させる、強酸を浴びせる、ペットの大蛇の餌にする、等)で敵を痛めつけたり、殺すなど、豊臣版光秀と呼んでも過言でない程に凶悪なサイコパス。
ヴィータ、佐助、ザフィーラ(人間形態)、フェイト、幸村といった名だたる猛者達を相次いで敗戦または苦戦に追いやるなど確かな実力を持っている一方、心理面から敵を苦しめる厭味な饒舌家でもあり、劇中では周囲へのジェラシーや自分の平凡さに苦しむティアナに対して、容赦無い暴言を浴びせ、彼女を原典以上に絶望のどん底に陥れた。
他に計略も優れているのか、今作では、ザビー教に偽装入信した上で騙し討ちを仕掛けた事で、ザビーが所有していた財産と領土を根こそぎ奪い取り、彼が日ノ本を去る根本的な原因となった人物とされている。
登場する度に強烈なインパクトを放つ程の血生臭い戦闘(もとい一方的な殺戮)を披露して敵対者(そして読者達)を戦慄させている作者公認のトラウマメーカーだが、以前投稿していた投稿サイトでの人気投票では意外にも上位に食い込んでいたという。
ザビー教に居た頃は毛利元就すら屈服したザビーの歌などに屈せず、憂さ晴らしに信者に対して残虐な行為を繰り返したらしい。
肩書『操蟲翻弄』
属性 氷
武器 白い羽の扇『白雲』、黒い羽の扇『黒雲』
一人称「ぼく」
趣味 蟲達の世話
『豊臣五刑衆』の現第四席に属する名門武家『宇喜多家』の現当主。豊臣五刑衆最年少の17歳。
欲望や殺意などの人間の負の感情から製錬した『邪蟲(むし)』と呼ばれる使い魔的な存在の怪物を生み出してそれを召喚し、操るなど、呪術の使い手であるが、六爪を装備した政宗と、なのは、成実を同時に相手にして互角以上に渡り合うなど純粋な戦闘能力も非常に高い。
名門の御曹司故に周囲から、名将であった父宇喜多直家(故人・作中には登場せず)と比べられ、小馬鹿にされたり、下に見られる事が多く、豊臣の大幹部の地位を得た現在も、最年少である事もあってか、暗殺などの汚れ仕事ばかりを担わされたりする事が多い。
現在、第三席の行長も、かつては直家に仕えた武将であったらしく、それ故に行長からは一際、直家との差を侮られ、「親の伝で幹部の地位を得ただけのドラ息子」とバカにされており、秀家自身も行長の度が過ぎる程の残虐さに辟易している事もあって、仲は非常に悪い。
その事は秀家本人の心に深い傷を与えており、幼少期から葛藤やジレンマを抱え続け、性格は決して凶悪ではないものの、人間不信の気があり、全てにおいて冷淡で、三成や行長とは違う意味で、近寄りがたい雰囲気を漂わせている。
また自身の経緯からか、我が物顔で権力を振るうばかりで、自分では何もしようとしない「自称エリート」な人間(コアタイル派のような連中)を激しく憎悪しており、彼らを始末する際には邪蟲の生き餌にするなど容赦のない一面を見せる事もある。
肩書『鳳舞鷲斬』
属性 炎
武器 サーベル『牡丹』、改造ボウガン『薔薇』
一人称「拙」
趣味 自炊
『豊臣五刑衆』の現第五席に属する浪人上がりの将。
博識な上に南蛮渡来の兵器 西洋刀(サーベル)と洋弓銃(クロスボウ)の名手でそれらを上手く併用した華麗にして圧倒的な戦闘技能の持ち主でもある文武両道の天才であるが、それを鼻にかける事もせず、豊臣の大幹部達の中でも稀にみる、陽気さと、心優しさを兼ね揃えており、子供好きで人当たりがよく、如何なる時も関西弁で話す親近感が溢れる温厚な好人物。
無駄な殺生や戦いを好まず、風流や時代を先行く物を愛し、戦よりも芸能ことを好むなどの少々自由奔放な言動を見せるが、その人柄から、元親や孫市、ナンバーズといった実動要員達からの信頼も厚く、事実上、西軍の末席達の中心的存在となっている。
後藤又兵衛とは浪人時代からの親友であり、立場が変わった現在でも、何かと又兵衛の事を気にかけている数少ない人物。
肩書『不動破天』
属性 風
武器 金剛杵『大地散華』
一人称「俺」、「節操」
趣味 腕相撲
毛利軍副将兼密偵。
表向きは毛利家の菩薩寺であるが、その真の顔は毛利軍最強と目される冷酷な僧兵集団『安国寺』の住職(頭領)である破戒僧。巨大な金剛杵を軽々と振り回す怪力の持ち主で、他にも刀や、火縄銃、槍や手裏剣に至るまで、様々な武器の扱いに長けた凄腕の殺し屋。
毛利軍の兵士の中でも抜群の戦闘能力から毛利元就の側近として重宝されており、ボディガード的な役割を務めている。しかし外見に反して意外に思慮深い性格で、必要なことしか口にせず、行動で全てを示そうとする。
一人称は基本的に「俺」だが、元就との対話の際は「拙僧」になる。元就に対し、絶対的な服従を誓っており、彼へ危害を加える、あるいは無礼を働いたと判断した対象は独自の判断で徹底的に排除する。
一方で、元就にとって自分は数ある駒の一つに過ぎない事も理解しているが、それでも黙って毛利の果せる通りに行動するなど、その忠誠心は非常に深い。元就の影響からか、彼には及ばずとも、恵瓊自身もそれなりに知略に長けた一面もある。
戦国武将(第三勢力)
CV、武器、一人称 全て原典と同じ
2014年1月29日更新の第百七章最後から登場した生まれ変わった又兵衛。
西軍から放浪され、小物というレッテルを貼られ、立場を失ってしまった自分に激しい劣等感を抱いていた後藤又兵衛(オリキャラver)が、スラム街において魔導師の立場を盾に理不尽な恐怖政治を布く違法魔導師 エスクードに敗れた事で自身の無力感や劣等感へのフラストレーションが限界に達したところに、突如現れた皎月院から手渡された秘薬“不死霊薬(ラストエリクサー)”を飲み、力を得た代償に変貌した姿。
月の前立の付いた兜、薄汚れた袖のない羽織に爬虫類を思わせるようなデザインの甲冑、爬虫類のような輝きのない瞳と、その姿は『戦国BASARA4』に登場した後藤又兵衛そのもの。
戦闘能力は以前とは比べ物にならないまでに向上しており、天井や垂直な壁を床と同じように走るなど、他の武将達のように常識を逸脱した様な運動神経も発揮する様になる。
一方、短気かつ直情的だった性格は、一転して気性かつ猟奇的になり、以前にもまして残忍さや残虐さが増長し、更に声変わりを起こしたり(具体的には戦国BASARAシリーズのものと同じ三木眞一郎)、時折目が赤く発光するなど身体的にも何らかの変化が生じているが、それらは不死霊薬の副作用によるものである事と皎月院に示唆されている。
力を得て自分の実力に自信を持った事で、豊臣軍内の地位への固執を捨てて、どの勢力にも属さず、自分のみで東西両勢力の戦いに身を投じ、天下を狙う事を決意し、エスクード一家から解放した一部の非魔力保持者達を配下に『後藤浪人衆』を立ち上げる。
その後、浪人衆を拡大した後は松永と皎月院に協力する。
浪人となって以降は、武士らしく生きる事を否定する様にもなり、生きる為、そして名を上げる為ならば手段を選ばない様に考える様になり、その考え方を武士道を尊ぶウィリアム・アウトランダーから否定されており、自身もウィリアムの掲げる士道に対しても嫌悪感を抱くなど、互いに強い敵意を向け合う。
※このキャラクター変貌は、連載中に戦国BASARA4発売により原典に又兵衛が操作キャラクターに追加された事で作者がとった辻褄合わせと思われるが、オリキャラ版、版権版の双方のキャラを活かした変換の仕方が見事だったと一部の読者からは好評を博していた。
なお、大半は原作のBASARA又兵衛に基づいているものの、部分的にオリジナル武将時代の設定や名残、原作とは異なる設定が幾つかあるため『半オリ半版キャラ』としてとらえた方がしっくりくるような仕様になっている。
- 五本槍
又兵衛の親衛隊にして後藤浪人衆の幹部を務める傭兵5人組。
元は第百七章にて又兵衛となりゆきで出会った元管理局員だったチンピラの青年達で、又兵衛が潜入した違法魔導師のアジトで捕まっていたが、助けられたことをきっかけに彼に心酔して家来となる。 その後、2015年5月14日更新の第百二十四章において『戦国最強連隊』ならぬ『ミッドチルダ最強連隊“五本槍”』として登場。メンバーは五本槍のリーダー格にして又兵衛の副官的存在の「炎の槍、壱」=ナガト(他のメンバーに先んじて2014年10月24日更新の第百二十章にて名前が発覚)を筆頭に、「氷の槍、弐」=ムツ、「雷の槍、参」=コンゴー、「風の槍、四」=ヒュウガ、「闇の槍、伍」=ヤマトとそれぞれ本物の五本槍同様のコードネームとオリジナルの本名を持った又兵衛同様に『半オリ半版キャラ』となっている。
※ちなみに原作BASARAにおける傭兵部隊 五本槍は『英雄外伝』以降登場していない為、当然ながら又兵衛との接点はない。
魔導師(主要人物)
- シルビア・スパシエール
肩書『一千騎心』
属性 氷
魔法術式 ベルカ式
魔術師ランク AA
使用デバイス レイピア型デバイス『アルマース』→太刀型デバイス『ムラマサ』
一人称「私」
趣味 読書・剣の鍛錬
初登場時にはセブンが新たに設立した『機動七課』の第一分隊『チーム・アルカイド』隊長として登場した魔剣士の少女。18歳。階級は曹長。
コアタイル家に代々仕える一族『スパシエール家』の子女であり、幼少期から叩きこまれた武術や魔導師としての英才教育により、現在では剣による白兵戦、魔法の扱い双方ともに一流。
管理局内でも珍しい『凍結』の魔力変換資質の持ち主であり、その非凡な才能や圧倒的な実力に加え管理局のみならず多くの者達から注目を集める程の美貌と知恵を兼ね備え、局内では『氷華の君』という異名と共に未来の提督と持て囃されている。
コアタイル派に属しているものの、彼らの提唱する魔法至上主義には染まっておらず、ヴォルケンリッターのように騎士道に非常に忠実で、戦う事を『名誉』として重んずる誇り高き根っからの武人。
しかし、シグナム達と違って、幼少期から常に一人で現在の地位にまでのし上がってきた故に、他者に頼るという事を知らず、基本周囲に対しては無関心かつ冷淡に振る舞う事が多く、心から信頼できるのは自分が忠誠を尽くすべき主と己のみという、隙のない一匹狼な性分で、無自覚の内に敵を作ってしまうタイプである。
その一本気さ故に、自分の理想や思念を完全に否定されたり、崩される場面に直面すると自分を律しきれなくなるなど、精神的に脆い一面もある。
また、幼少期から唯一の趣味としてきた騎士道小説などの影響によって「強いものがすべて」「戦士はたった一人の“王”のみを信じ、忠誠を誓うべきもの」という独特の美学を掲げ、一方で自身のワンマン的な考え方から万人を救うや「英雄」という概念に対して激しく蔑視しており、スバルや家康が掲げるような「仲間」や「絆」に対しても否定的である。
一方で己の全てを戦いに捧げ、敬愛する主君の為に武を振るう事だけを喜びとする孤高の精神は、家康や政宗達からは一目置かれながらも懐疑的に思われ、スバルからは自分の掲げていた騎士道共々「自分の運命に抗う事を諦めてしまった事に対する言い訳」とはっきりと否定されている。
あるきっかけで勃発した機動六課と機動七課の抗争に際し、衆人環視の下、スバルと対決。
この時点で、武力・魔力共に他の魔導師を凌駕していたシルビアは当初こそスバルを追い詰めたが、家康や徳川軍の武将達との修行で力をつけたスバルの予想以上の力と、後半に上記にあるようにスバルに自身の思想を真っ向から否定されてしまった事で、怒りに身を任せながら戦ってしまったことが原因となって敗北。
それをきっかけにシルビアを取り巻いていた周囲の人間達はそれぞれ穢れきった本心を剥き出ながら手のひらを返され、かつての主や部下から見限られて、侮蔑の言葉を投げかけられながら、管理局からも追放される。
自分が信じていたすべてに裏切られ、何もかも失ってしまい、打ちひしがれていたところを、凶王 石田三成と出会い、その時に目の当たりにした“復讐心”を糧にして圧倒的な剣を振るう彼の姿に「主」としての素質を感じ、彼に誓いを立てて石田軍の臣下へと下る。
その後、西軍総大将近習に就任した事で名実ともに三成の弟子兼従者となり、新たなデバイスを与えられ、三成の命に基いて汚れ仕事などを請け負い、管理局時代以上に冷徹かつ強力となって、スバルや管理局への復讐を目論んでいる。
名前の元ネタは日産自動車の『シルビア』とフランスの飛行機メーカー『エアロスパシエール』。
- ウィリアム・アウトランダー
肩書『純粋士道』
属性 雷
魔法述式 ベルカ式
魔術師ランク A
使用デバイス 日本刀型デバイス『フジヤマ』、脇差型デバイス『ゲイシャ』
一人称「僕」
趣味 ジャパニーズアイテム収集
スバル、ギンガの幼なじみの少年魔導師。通称「ウィル」。15歳。
その男らしい名前とは裏腹に、小柄な美少女のような外見であり、密かにコンプレックスとなっている。後述の梟雄蹂躙篇以降は、額に後藤又兵衛から付けられた傷痕が残る事となる。
コアタイル家の分家のひとつでミッドチルダ西部 エルセアの地方貴族『アウトランダー家』の次男坊で、ナカジマ家とは家族ぐるみで付き合いがあり、スバル・ギンガとはよき幼なじみ。
スバルや本人曰く幼少期は気弱で泣き虫な性格だった為に、ギンガからはスバルと共に妹のような扱いを受けていたらしい。その縁で知った日本文化(特に戦国時代)が大好きで特に武士を『漢の鏡』と称し憧れている。
その一方で肝心の日本文化の知識には乏しく、必殺技を繰り出す際は日本の食べ物の名前を叫ぶなど、どこかおかしな事になっている。魔力の腕前は凡人であるが、剣術は政宗、小十郎も認める程の腕を持っている。
不器用で粗忽な一面もあるが、優しく義侠心を重んじる純粋無垢な性格。普段は陽気で良識的な反面、武士道を冒涜する者や、余りにも悪逆非道な人物や非礼な態度をとる者には激しい怒りを露わにし、感情が高ぶるなどした際には激情的で荒々しく剣を振るう一面もある。
実は兄 アダムをも凌ぐ程の魔導師としての素質を持っているが、その能力の強大さ故に通常の訓練では上手く育成させる事が出来ず、幼少期から母グロリアや父サイノスをはじめとする周囲より『平凡以下の落ちこぼれ』と見做されていた。
兄アダムや姉バネットはそんなウィルに同情し、ウィル自身も彼らを慕い、共に著名な大魔導師を志し合うなど兄弟仲は非常に良好だったが、自身の本来の素質に気づいて以降、アダムの態度が急に冷たくなった事で、より一層孤独感に苛まれていた。
そんな中で、スバル・ギンガ姉妹と出会い、彼女達を通して知った日本文化(特に戦国時代)に興味を持ち、その中でも強い志と武道の才を持った戦士“武士=サムライ”に強く憧れるようになり、家族の目を盗みながら、独学で武士道を勉強していく内にミッドチルダ侍文化や武士道精神へと傾倒していく事となる。
その後、アダムの斡旋でコアタイル派の訓練部隊『CGR-1』に入隊するも、やはり自身の剣術や武士道趣味への理解が得られず、些細な衝突がきっかけで除隊。その後は「浪人」と称して、ミッドチルダの各地を旅し、弱き人の為に剣を振るいながら武者修行を行っていたが、首都クラナガンへ来訪した際に旅の路銀が尽きた為、丁度そこで開催されていた大食い大会に飛び入り参加した事がきっかけで、偶然にも同じ大会に参加していたスバルと再会。そこで彼女を通して、家康を始めとする本物の“戦国武将”と関係を持つ事となった。
また、その後のある騒動を通して再会した数少ない理解者のアイリや、彼女の所属する『特務銃士隊』との出会いを経て、同部隊に籍を置く事となった後、出向という形で正式に機動六課の協力者となる。
家族には『CGR-1』を除隊した上に特務銃士隊に入隊後、機動六課に出向した事を告げていなかったが、コアタイル家の一族会議でセブンがアダムに暴露した事がきっかけでバレてしまい、一時は実家に連れ戻されそうになるが、その矢先に起きた松永や皎月院、又兵衛が起こした強盗事件を通して、サイノスの本性が暴かれ、グロリアやアダムの真意を知った事で和解。その後、アダム達と力を合わせ松永らに誘拐された妹 セリカを救出し、事件後逃亡したサイノスを除く家族との仲を完全に修復した。
尚、この戦いの中で、侍でありながら武士道を否定する又兵衛と互いに激しい闘志を燃やし合う。
名前の元ネタは徳川家康に仕えたイギリス人 三浦按針こと『ウィリアム・アダムス』と三菱自動車の『アウトランダー』。
時空管理局
特務銃士隊
管理局内でも稀に見るメンバー全員が騎士のみで編成された部隊であり、通常の武装隊などが対処できない魔剣士や気の使い手などの魔導師以外の敵の対処を専門とする。平時は首都クラナガンの防衛と治安維持を主とする特殊警察的な組織として運営されている。
元は聖王教会騎士団の一部隊であったが、戦力不足に悩まされていた地上本部からの圧力により、貸し出される形で地上本部の管轄下となった。その為、機動六課同様厳密には正規の地上本部管轄部隊ではない。
- アイリ・シャルルマーニュ
肩書『才色兼武』
魔法術式 ベルカ式
魔術師ランク 陸戦AA
使用デバイス ロングソード型デバイス『ジュワユーズ』
一人称「私」
趣味 パッチワーク
特殊部隊『特務銃士隊』兵士長を務める女性。階級は一等陸尉。20歳。
スバル・ティアナの訓練校時代の教官で『剣聖』の異名を持ち、ベルカの騎士としてずば抜けた剣術と魔力を持つ事から、なのは、フェイト、はやて等と比例し『ミッドチルダのエース・オブ・エース』と称され、スバルやティアナを始めとする訓練生からは尊敬されて、地上本部からも数少ない有力な人材であると期待されている性格は女神の如く穏やかで、どんな人物に対しても対等に接し、非魔力保持者に対しても理解を示す優しい性格の為、教え子であるスバルやティアナは現在でも彼女を慕っている。また、一時期はアウトランダー家の家庭教師を務めた事もあり、教え子であるウィルは今でも「アイリ姉さん」と呼び彼女に頭が上がらず、アイリもウィルの事を実の弟のように可愛がっている。
実は自身もコアタイル一族の人間であるが、アイリをはじめとするシャルルマーニュ家は至って、良識的な魔導師の一族であり、コアタイル派の魔法至上主義を憂いている。
名前の元ネタは騎士道物語のカール大帝の別名『シャルルマーニュ』と三菱自動車の『i(アイ)』。
- ジャック・ゴルディーニ
魔法術式 ベルカ式
魔術師ランク 陸戦S(普段は魔力リミッターでAランクにまで下げている)
使用デバイス バスターソード型デバイス『ヴァンデミエール』
一人称「儂」
趣味 チェス
時空管理局地上本部・特務銃士隊総隊長を務める地上本部 少将。56歳。
人材の乏しい地上本部では数少ない有力な人材の一人。若干、大柄の体格に無精髭が威圧感を与えるが、性格は少々豪快であるものの、細かい事は気にしない江戸っ子気質なもので、その気さくで飾り気のない人柄から部下達のみならず、他部隊の人間からの人望や信頼も厚い。
非魔力保持者への差別意識も一切なく、時には自ら前線に赴く事も辞さない勇敢さや良識な精神を持ち合わせた人物であり、機動六課や家康達戦国武将の人間に対しても協力的。
レジアスの異常なまでの本局や聖王教会への対抗心や、コアタイル一家をはじめとする多くの管理局の魔導師が思い描く露骨な魔法至上主義、そしてそれぞれの派閥の対立による地上本部の結束力や危機感の欠如を、危惧すると同時に憂いている。
名前の元ネタはテンプル騎士団団長『ジャック・ド・モレー』と自動車会社『ゴルディーニ』。
- コレオス・シャルネー
魔法術式 ベルカ式
魔術師ランク 陸戦AA
使用デバイス サーベル型デバイス『モントシャイン』
一人称「私」
趣味 園芸
時空管理局地上本部・特務銃士隊副長。階級は二等陸佐。26歳。
ジャックの副官を務める若い魔剣士で、基本的に冷静かつ寡黙な性格で、感情を表に出したり、積極的な自己主張を示すことはほとんどないが、ジャック達と同様に良識的な人物で、本気で戦いを挑む際には普段の言動からは想像もできないような激情を見せ、勇猛果敢に挑んでいく。
名前の元ネタはテンプル騎士団管区長『ジョフロワ・ド・シャルネー』とルノー自動車の『コレオス』。
- デュアリス・ドランジェ
魔法術式 無し(非魔力保持者)
使用デバイス 長槍型非魔力仕様デバイス『バヤール』
一人称「私」
趣味 組手
時空管理局地上本部・特務銃士隊第一班分隊長を務める三等陸尉。18歳。
厳格な規律で隊を統制する非常にストイックな性格だが、アイリや銃士隊の仲間達への想いは強く、また、理不尽な魔法至上主義による差別を受けたウィルに同情するなど、人情味の溢れる一面もあり、完全に融通がきかないわけではない。
銃士隊入隊前はコアタイル派などの管理局員から理不尽な仕打ちを受けてきた過去を持ち、現在の管理局の極端な魔法至上主義とその慢心な運営体制を快く思っておらず、ジャックやアイリ達の下で養われた真っ当な価値観の持ち主。
名前の元ネタは騎士道物語『フランスの素材』の中心人物『ギョーム・ドランジェ』と日産自動車の『デュアリス』。
- オルティア・マイヤース
魔法術式 ベルカ式
魔術師ランク 陸戦C
使用デバイス 小太刀型デバイス『オロチ』
一人称「私」
趣味 ショッピング
時空管理局地上本部・特務銃士隊制圧第一班隊員でデュアリスの部下。階級は一等陸士。16歳。
銃士隊の中ではウィルより後に入隊したばかりの新人隊員で、味方の被害や犠牲を最小限にしようと考えている慎重派だが、入隊して日が浅い為かマニュアル的な戦術しか知らず、劣勢に立たされるとすぐに降伏しようとする等、少々消極的な一面もある。
しかし、デュアリスからは「やるときはやる」と評された芯の強い性格で、清正からもその潜在能力を認められている。
名前の元ネタは騎士道物語『フランスの素材』の英雄『ドーン・ド・マイヤンス』と自動車の『オルティア』。
コアタイル一族
魔法こそ最強の力であると信じ、それ以外の力(質量兵器は勿論の事、武術や『気』の力などの魔法以外の異能力の類)を一切認めようとせず、魔導師こそが優等人種であると考える名門貴族『コアタイル家』とその親族、臣下達。作中登場する魔導師貴族の中でも最大の権威を持ち、数多くの同調者達を抱き込み、地上本部内で巨大な極右派閥『コアタイル派』を構成している。
- ザイン・コアタイル
魔法術式 ミッドチルダ式
魔導師ランク S
一人称「私」
時空管理局地上本部・参謀部総長にして少将。
管理局のエリート士官を輩出してきた名家『コアタイル家』の9代目当主。59歳。
地上本部参謀長以外に他にミッドチルダ北部第七陸士訓練校校長、本局上院議員、ミッドチルダ国立魔術研究機関名誉会長、聖王協会聖遺物管理委員会顧問など様々な肩書きを持つ。
息子のセブンからは「パパ」と呼ばれている。現役時代には得意の砲撃魔法はこれまで数々の違法魔導師達や、彼らの召喚した召喚獣達を塵も残さずに一掃してきた地上本部上層部一の武闘派で、右翼派『コアタイル派』の代表格。管理局の中では、通称『イレイザー・ザイン』と恐れられている。
セブン、ジュイエよりは人間的に完成している事もあって、並大抵の事では取り乱したりする事はないが、その実、『魔導師とは人間である以上に、人間の上に立つ存在=神である』という極端に尊大かつ高慢な思想の持ち主で、魔導師以外の人種を完全に見下しており、同じ魔導師でも血筋の卑しい者は歯牙にもかけない。
また、シルビア・スパシエールのような自分やコアタイル派の名誉に貢献した部下は(セブン程、露骨なものではないものの)贔屓し、そうでない部下には高圧的かつ冷淡な態度を取っており、贔屓にしていた部下であっても、一度でもコアタイル派の名誉を傷つけかねない程の大失態を犯した者には、途端に掌を返し容赦なく追放処分とするなど、基本的に家族以外の人間には自分の損得のみで判別する非情と呼べる程の利己主義な一面も見せる。一方で、セブンが見合いの席で政宗に鼻をかかれたと知って以降、セブンと共に政宗と機動六課に激しい敵意を向ける等、子供達に対する愛情は深い。
地上本部代表 レジアス・ゲイズに対しても「非魔力保持者」と陰口を叩き、途轍もなく嫌っているが、地上本部の人材不足などの事態のために表面上は協力している。しかし、内心では非魔力保持者の局員を追放して、本局同様の完全純血の魔導師達のみで編成された組織として再編成する野望を秘めている。
名前の元ネタはヘブライ語で7を意味する『ザイン』と親の七光りの意味である『father's coattails』。
- セブン・コアタイル
肩書『独善七光』
魔法術式 ミッドチルダ式
魔導師ランク B-
使用デバイス 杖型デバイス『グレートセブン』
一人称「俺」
趣味 ギャンブル
時空管理局地上本部武装隊一等陸尉→一等陸佐。ミッドチルダ北部第七陸士訓練校主任教官、陸士66部隊→機動七課指揮官。25歳。
名門貴族『コアタイル家』の御曹司で、地上本部参謀長にして少将のザイン・コアタイルを父に持つエリート魔導師だが、病的なまでに傲慢かつ自尊心や選民思想の塊の様な性格の持ち主で、魔力を持たない人間を「二等人種」と蔑み、塵芥の如く見下している。
加えて、エリート意識やプライドも高く、日頃から何かとつけて己の持つ権力や出自を鼻にかける尊大な言動ばかりとっており、人徳はほぼ皆無。
また、日和見主義な一面や陰湿な一面もあり、機動六課の事も日頃から見下すと同時に激しい敵愾心を抱いており、中でも政宗や家康への敵意が強い。そのくせ、政宗の気迫に一発で怖気づいたり、家康に一発殴られただけで意識を失う等、非常に打たれ弱い小心者でもあり、自分では対処しきれない事態が起きたり、窮地に陥ると「パパー!!」と泣き叫びながら取り乱す小物で、六課メンバーからは「後藤又兵衛(変異前)すら、セブンに比べれば十分大物」とまで言われている。
実戦経験も隊の運営力、経営力も皆無に近く、実質的には親や家の七光りで威張り散らしているだけの典型的な馬鹿息子で、武将達や六課メンバーはおろか、コアタイル派の同志達からも次期当主としては不安視されている始末で、挙句には作者や読者からも蛇蝎のごとく嫌われている。
作中でもなのはとの政略結婚前提のお見合いが失敗、西軍の襲撃で陸士66部隊が壊滅してしまう。機動七課設立後も自身の立場強化を目論んだ機動六課との公開練習試合で敗北、これによって自身の立場どころか魔法至上主義者の立場も大きく揺らいでいく事になる。立て続けに機動七課も壊滅、ジュエイが行方不明になってしまう。
だがそれらの事態を経ても自身の考えが変わるどころかむしろ悪化していき狂気にとりつかれたように非魔法能力者に対する弾圧同然の法案をザインと共に推し進めて行く事になる。
名前の元ネタはBMW『7』シリーズと親の七光りの意味である『father's coattails』。
- ジュイエ・コアタイル
魔法術式 ミッドチルダ式
魔術師ランク A
一人称「私」
趣味 いじめ
使用デバイス 杖型デバイス『グレートジュイエ』
特殊部隊『機動七課』の第二分隊『チーム・ミザール』隊長。17歳。
セブンの妹にして、コアタイル家の令嬢。
外見は淡麗な雰囲気のお嬢様であるが、他のコアタイル家の人間の例に漏れず、自分の地位や魔導師である事を鼻にかけており、非魔力保持者を「猿」呼ばわりして、悉く見下している。
兄共々、父親に散々甘やかされて育ってきた為、何でもかんでも自分の思い通りにならないと気が済まない非常にワガママで、陰湿な性格の持ち主であり、挙句の果てには自分の権力を傘に民間人の店でのたかり行為や他部隊の人間への魔法を使った暴行、苛めといった反社会的行為も平然と行い、それらの悪行を父親のコネを使って完全に黙認させるなど、その横暴ぶりはセブンよりも悪質。
その一方で、いざ窮地に陥ると腰が抜けてパニックを起こす等、性根は兄同様に臆病者である。
自分より実力が高い者や人望の厚い者には露骨に嫌悪感を顕する度量の狭い一面もあり、特に同僚のシルビアとは犬猿の仲だった。後にシルビアがスバルに敗れ、七課をクビになると、それまでシルビアの部下だった者達を自分の取り巻きに加えた上で、彼らと共にシルビアを襲撃。
零落した彼女を散々嘲笑った上に、これまでの意図返しとして仲間達と共に暴行を加えようとしたが、偶然その場に居合わせた石田三成や豊臣軍幹部達に襲撃される。最初は余裕を見せて返り討ちにしようとするも、その実力の差は明らかであり、次々と容赦なく虐殺されていく部下達の姿を見て怖気づき、とうとう自分と数人の取り巻きのみになってしまうと、それまでみせていた高圧的態度を一気に翻して必死に命乞いをするが、皎月院や吉継、行長から西軍の捕虜として壮絶な仕打ちを受けさせられる運命を告げられ、絶望し泣き叫びながら、取り巻き共々行長、秀家に連行されていくという因果応報な目に遭った。
その後、管理局サイドからは行方不明とされているが、チンクや行長の会話によれば、彼に『尋問』と称した拷問を受けている事が明らかになったが、それ以外の事は不明。
なお、父ザインや兄セブンはジュエイ捜索にそれほど真剣に取り組んでいないそぶりを見せている。
名前の元ネタはフランス語で7を意味する『ジュイエ』と親の七光りの意味である『father's coattails』。
機動七課
そして66部隊壊滅事件をきっかけに機動六課への敵意を抱いたセブン・コアタイルが六課に対抗する為に立ち上げた特殊部隊。
六課同様にロストロギアの探索・調査・確保を任務とする部署であり、参謀長 ザイン・コアタイルが選出した選りすぐりの優秀な魔導師が所属するエリート部署と銘打ってはいるものの、実際には部隊長であるセブンが他の部署、部隊の中から魔力の高さと出自だけで判別した魔導師を、半ば強引に引き抜くなどしてかき集めただけであり、隊員達もシルビアを除き、ほぼ全員がセブン・ジュイエ兄妹の同調者ばかりで、隊員達は一部を除いて、実戦経験に乏しい者や、特権乱用に驕って訓練自体も慢性的に怠った者で占められており、全体的な戦力や結束力は六課に比べ、遥かに劣っている。
- カレン・シエトロン&カエリス・シエトロン
魔法術式 ベルカ式
魔術師ランク 陸戦B(二人合わせることでA)
使用デバイス 剣型デバイス『オーダーカリバー』→杖型デバイス『コアタイルシューター』
一人称「私」
趣味 豪遊
機動七課第一分隊『チーム・アルカイド』隊員。訓練校時代からのシルビアの「従者」を自称する腰巾着的存在な魔導師の姉妹。
外見が瓜二つで見分けが付かないが、三つ編みの髪を向かって右分けにしているのがカレンで、左分けにしているのがカエリス。
表面上は尊敬するシルビアの影響から騎士道精神を重んずる性格のように装っているが、これらの忠誠心や性格は全て偽りであり、本性は粗暴で欲深い卑劣な野心家。
シルビアの取り巻きを務めていたのも将来管理局を背負う程に有望視されていた彼女の地位や権力を傘にきる為であり、彼女の騎士道を影でバカにしていた。
スバルとの模擬戦でシルビアが敗北してすべてを失うと、機動七課のメンバー達と共にあっさりと彼女を見放し、ジュイエに取り入って彼女の派閥に寝返り、ジュイエ率いる七課の部隊が壊滅状態になると敵である三成に媚を売って逃れようとするなど、徹底的に他力本願で美味しいとこだけを掠め取ろうとする虎の威を借る狐の如き、悪女姉妹である。
上記の様にシルビアが零落すると、デックスと共に、新たに従う事になったジュイエ達と共に、放免されたシルビアの前に現れ、彼女に対し本心をぶつけて嘲笑いながら襲撃しようとする。
だが、その矢先に石田三成率いる豊臣五刑衆の襲撃を受け、デックスや他の七課メンバー達が三成一行に一方的に蹂躙され、虐殺されていく姿を目の当たりにすると、ジュイエ同様に一転して怖気づき、ジュエイを裏切り三成達に取り入ろうとする。だがそれも三成に拒絶されついにはジュイエ達をも見捨てて逃げようとするも、カレンは三成に両足を斬り落とされた上で斬首され、カエリスは行長のけしかけた大蛇に生きたまま喰い殺されるというそれぞれ一際酷い形で惨殺された。
この時、カレンもカエリスもお互いがピンチになっても助けるどころか罵倒して見捨てるなど双子であるにもかかわらず姉妹間の愛情すら無い言動や行動をしている。
- デックス・ランスロット
魔法術式 ベルカ式
魔術師ランク 陸戦A
使用デバイス 杖型デバイス『コアタイルシューター』
一人称「私」/(本性を表した後)「俺」
趣味 パチンコ
機動七課隊員。『機動七課』の第一分隊『チーム・アルカイド』副官。
無口でクールに振る舞い、他の隊員達とはあまり関わりを持たないが仕事は優秀で、シルビアの意志に忠実。
だが、その一方でシルビアに勝利を与えるためには手段を選ばない一面もあり、スバルとの模擬戦に際し、密かにザインの命令でシルビアが勝てる様に六課に盗聴器を仕掛ける様にシエトロン姉妹を仕向けたり、模擬戦中にもスバルに対する妨害行動の合図を送るなど、七課が仕掛けていた数々の裏工作の先導役を務めていた。
スバルとの模擬戦に敗北した後、ジュイエやシエトロン姉妹達と共に現れた際には、やはり魔法至上主義者としての本性を顕にしており、シエトロン姉妹同様に端からシルビアの権威を利用する魂胆で彼女の参謀役を演じ、本心ではシルビアを「魔導師の恥」と呼び、忌み嫌っていた事を明かす。
また、シルビアに従っていた時には冷静沈着な口調であったが、本性を明かした際には粗暴かつ下劣な言葉遣いになっており、ジュイエの許可の下で仲間達と共にシルビアに性的暴行を加えようとするなど、本質は騎士道のきの字もないような卑小な男である。
ジュイエ一味の中で最初に三成の一撃を受けて右手を切断されながらも必死に指揮を執るなどまだ魔導師として戦ったが戦力差の前に部隊は壊滅。最期は大谷の妖術により骨も残らず焼き殺されてしまう。
アウトランダー家
コアタイル一族の分家のひとつであり、ウィリアムの実家。
祖先は数代前のコアタイル家の後継者争いに敗れた不貞息子であり、その経歴からコアタイル一族内のヒエラルキーは最低層に位置づけられている。しかし、現当主グロリアの探検家、考古学者としての実績と、経営している博物館『シルヴァー・ゴーストミュージアム』の売上などで、財力に関しては一族随一とされており、本家を含む他の一族衆からは「成り上がり」「兎小屋の番人」と揶揄される事がある。
- グロリア・アウトランダー
魔法術式 ミッドチルダ式
魔導師ランク 陸戦AAA
使用デバイス ロッド型デバイス『ブリューナク』
一人称「私」
趣味 珍品集め
コアタイル家の分家 アウトランダー家の実質的な当主で、時空管理局 古代異物管理部局長。51歳。理由は不明だが、職場では夫の旧姓のシュナイダーを名乗っていた。
ウィリアムをはじめとする4兄妹の母親だが、子供達に対する態度は職務時同様に厳しい。
未開の歴史的要所を開拓する冒険家の顔や、珍品に目がないコレクターの顔も持ち、趣味、職務、実益を兼ねて様々な次元世界を渡り歩いては、その世界の珍しい財宝やマジックアイテム、文化的遺産を収集しており、それらの膨大なコレクションを飾った自宅の豪邸を『シルヴァーゴースト・ミュージアム』として公開し、自らの財力や偉業を誇示している。
他のコアタイル一族と同様にプライドが高く、保守的な思想の持ち主で、人一倍富と家の名声に固執しているという一見すれば非常に守銭奴な性格であるが、他のコアタイル派に比べるとまだ柔軟な考え方もできる。
これらの性格は、幼少期より家の歴史のみで優劣を判別され、他のコアタイル一族衆から酷い差別を受けたり、夫を始め、自分の肩書と金目当てな人物ばかりに囲まれた事で、徐々に人間不信になっていった事が原因であり、息子、娘達に対する辛辣な態度も、全ては一心に立派な子供達を魔導師として大成させる事で、自分の様な苦しみや虚しさを背負ってほしくないというグロリアなりの母親としての愛情の裏返しからであり、自らの意図と裏腹に子供達の憎まれ役にならなければならない自分に人知れず苦悩するなど、根は善良な人物である。
当初は前述した経緯からウィリアムと不仲であり、特務銃士隊に入隊したことも知らされなかったが、梟雄蹂躙篇でバレてしまい、怒りながら強引に連れ戻そうとする。しかし、松永久秀や後藤浪人衆との一戦を通して、互いに本心を知った事、そして夫の本性を通して、自分がコアタイル家にまんまと翻弄されていた事を知った事で、アダムと共にウィリアムと和解。
その後、末娘 セリカ救出作戦を成功させた機動六課の事も認め、ウィリアムに今後の銃士隊や六課での活動を許した。
尚、事件解決後は、古代異物管理部局長からの辞職と、隠居を表明し、アウトランダー家当主の座をアダムに委ねた。
名前の元ネタは日産自動車の『グロリア』と三菱自動車の『アウトランダー』。
- サイノス・アウトランダー
一人称「私」
趣味 へそくり
グロリアの夫にして、ウィリアム達四兄妹の父親。婿養子。49歳。
自邸兼美術館の『シルヴァーゴースト・ミュージアム』の支配人だが、家内での主導権は妻であるグロリアに一部始終握られてしまっている。
グロリアをはじめとする自分より強い立場の人間(特に魔導師)には頭が上がらず、完全にコアタイル本家のイエスマンとして常に媚を売る一方、自分の子供を含むコアタイル派の理念に同調しない者全てに対して嫌味な態度を崩さない小物な性格。
自分にとって利益を得ることができる側につく典型的な腰巾着で、妻であるグロリアに対しても「様」付けで呼び、白々しい程に下手に接し、基本的に妻のやる事は全て肯定を決め込んでおり、完全に妻の尻に敷かれている。その為、子供達(特にバネット)からは不甲斐ない人間と思われている。
実は密かにコアタイル本家と内通しており、コアタイル一族において不要な存在であるグロリアや子供達を追放して、アウトランダー家が保有する莫大な富を独占する事を狙っており、グロリアに見せていた下手に出た態度も全ては自らの目論見を悟られない為(ついでにグロリアの機嫌取りの為)の演技であり、その本性は極めて強欲で、自己中心的な拝金主義者で、己の私利私欲の為ならば他者を徹底的に利用し、実の子供であるウィリアム達に対しての父親としての情は皆無に等しく、挙句に表面上では媚びへつらっているグロリアの事も、彼女の目の届かない所では「成り上がりの雌狐」呼ばわりして馬鹿にしていた。
果ては、資金横領や、展示品の密売などの違法な手段で金儲けを繰り返しており、本質的には金の為だけに動き、家族の危機に際してもアウトランダー家の財産やコアタイル家への面目を優先するなど親の風上にも置けない人物。
その為に、彼の本性を知った際にはウィリアムからは「こんな男の血が自分達にも流れている事が恥ずかしい」と嘆かれるも、それを聞いて自分の行いを悔い改めるどころか逆に開き直り、「子供というものは本来、親の為に尽くす道具! 使える使えないを判別して切り捨てるのも親としての当然の権利」と言い放った事で遂には小十郎の逆鱗に触れ、「“親 ”と名乗る資格すら持たないクズ」と罵倒を浴びせられながら、顔面を蹴り飛ばされる制裁を受け、遂にはグロリアからも見切りを付けられてしまい、それまでの資金横領と違法取引の罪で拘束される。
しかし、騒動鎮静後、密かに連絡をとっていたコアタイル派の人間に救助され、全てを失った腹いせに機動六課が守りぬいた秘宝『アヴァロンの果実』を盗んで逃亡。
逃亡後も諦めようとせず、自身を破滅に追いやった妻や子供達、そして機動六課を逆恨みして、『アヴァロンの果実』を手土産にザインの保護下に入る事で権力を取り戻す算段だったが、その矢先に『アヴァロンの果実』強奪の任務を与えられたシルビアに暗殺され、結局自らが再起を図る為の切り札としていた品が原因で、命までも失うという皮肉な結末を迎えた。
名前の元ネタはトヨタ自動車の『サイノス』と三菱自動車の『アウトランダー』。
- アダム・アウトランダー
魔法術式 ミッドチルダ式
魔導師ランクAA+
使用デバイス 双鉾杖型デバイス『ヴェルファイア』
一人称「俺」
趣味 戦史研究
アウトランダー家四兄妹の長兄(第一子)でウィリアムの兄。時空管理局地上本部総合参謀部閣僚。23歳。
後述する幼少期からの英才教育や、過去の周囲へのコンプレックスが影響して、一見ウィリアム同様に上品な美男であるが、それ以上に鋭い印象が強く、かなり融通が利かない完璧主義者。
コアタイル派の閣僚としては稀有な良識派の一人で、魔導師達が犠牲となる事件が乱発している世情を見て、魔法至上主義の不敗神話が崩れつつある事を感じ取り、未だ魔法至上主義を信じ、現実が見えていないその他のコアタイル一族に異見するなど、まともな思考も兼ね揃えている。
物心ついた時から次期当主としての重圧に密かに悩んでおり、幼少期までは出来損ないと蔑まれる事が多かったウィリアムに同情し兄弟仲は良好であったが、ウィリアムの魔導師としての才能が自分以上と知ると、弟への劣等感や嫉妬心と愛情の想いとで板挟みとなり、その愛情の裏返しとして冷たく当たるようになったが、一方で自らや、グロリアの苦悩とその裏に隠されたウィリアムへの『家族愛』を込めた日記に纏めており、この日記が後にウィリアムとグロリアや自身達との和解の鍵となった。
松永・後藤浪人衆の事件を通して父の卑劣な本性を知る中で、ウィリアムに対して自らの本音をさらけ出した事がきっかけで、グロリア同様にウィリアムと互いの真意を知り和解。数年越しに兄弟としての絆を取り戻し、その後の松永、後藤浪人衆との戦闘でウィリアムや六課と協力し合った。
事件解決後は、一連の責任を負って隠居を表明したグロリアに代わって正式にアウトランダー家当主を襲名した。
名前の元ネタはウィリアム同様、徳川家康に仕えたイギリス人 三浦按針こと『ウィリアム・アダムス』と三菱自動車の『アウトランダー』。
- バネット・アウトランダー
魔法術式 ミッドチルダ式
魔導師ランクAA-
使用デバイス 弓矢型デバイス『フェイルノート・ノヴァ』
一人称「私」
趣味 魔石集め
アウトランダー家四兄妹の長女(第二子)でウィリアムの姉。時空管理局地上本部古代異物探査部上級調査官。20歳。
基本的に物静かで感情をあまり表情に出さない為、周囲からは冷淡な人物に思われがちだが、それは母の教えと、調査官としての経験から得た「常に一歩後ろに退いた立場から冷静に場の状況や他者の心境を見定める為」であり、本来はアウトランダー家で一番の温厚派で思慮深い人物。
その性格故にグロリアや兄妹達からはそれぞれに相談役として日頃他人に明かせない胸の内を打ち明けられており、機動六課のメンバーからも「アウトランダー家で一番話が通じそうな人」と認識されている。
また、不自然な程に母親に対し、卑屈かつ媚びを売るような態度を見せている父 サイノスの言動に不信感を抱くなど勘も鋭い。
アダム同様、基本的にグロリアの思考や命令に忠実で、母や兄の行動に積極的に異議を唱える事は無いが、前述したとおり、彼女自身はアウトランダー家の人間の中で一番常識的な人物である故に、何事においても常に中立的な姿勢を保ち、アウトランダー家側に非がある場合は毅然とした態度で家族を諭したり、交渉下手なグロリアに代わって他者を繋ぐためのバイブ役を担うなど、縁の下から家族を支えている。
アダムとウィリアムがとても仲のいい兄弟であった頃から2人の事を間近で見守っており、2人が仲違いするきっかけとなった事件やその真相を唯一知っている。
故に、現在まで続くアダムとウィリアムの愛憎入り混じった関係を憂い、2人の仲が修復する事を誰よりも望んでいたが、梟雄蹂躙編を通してその願いは遂に成就した。
名前の元ネタは日産自動車の『バネット』と三菱自動車の『アウトランダー』。
- セリカ・アウトランダー
魔法術式 ミッドチルダ式
魔導師ランク C+
使用デバイス 杖型デバイス『コアタイルシューター』(訓練生モデル)→日本刀型デバイス『イブキ』
一人称「私」
趣味 ぬいぐるみ集め
アウトランダー家四兄妹の次女(第四子)。時空管理局地上本部付属第七陸士訓練校訓練生。12歳。
活発で自己主張の強く、感受性も豊かだが、やや強情で、後述する経緯から他人の忠告や協力を素直に受け入れる事ができない一面もある。
第七陸士訓練校 士官候補コースに所属しているものの、校内ではやはりアウトランダー家の複雑な事情が原因で、他の生徒達から陰湿な嫌がらせや陰口、蔑視を受けており、同じく偏見や蔑視に晒されながらも苦労して現在の地位を手に入れた グロリアやアダムの事を尊敬しており、母、兄様な偉大な魔導師になる事を目標としている。
一方で、母や兄姉を含む周囲の人間の関心が、落ちこぼれながらも並ならぬ魔力を秘めた次兄 ウィリアムばかりに向けられる事に寂しさを覚えると共に、「誰も自分の事を見ていないのでは?」と孤独感や猜疑心を抱き、自分なりに構ってもらう為のやり方として家の中では必要以上に無邪気な言動をとってみせるなど、自らのアイデンティティを模索しては人知れずに苦悩を抱えていた。
尊敬する母や兄に反発した挙句、兄に推薦された部隊を勝手に抜けて家出した事への反感もあってか、当初はウィリアムや、彼を庇う機動六課のメンバー(特にキャロ)に対して、やや攻撃的な態度を見せていた。
しかし、元々お兄ちゃんっ子である為、ウィリアムの事も決して心の底から嫌っているわけではなく、盗賊などの非道の輩を許さず、自ら果敢に立ち向かうといった強い正義感や、松永久秀の様な凶悪無比な人物にも臆する事なく、堂々と悪態をついてみせる肝の据わった一面も併せ持っており、根は兄や姉同様に良心的かつ魔導師として模範的な心の持ち主。
アウトランダー邸に後藤浪人衆が襲撃してきた際、人質確保の為に現れた松永に襲われ、戦いを挑むも敗北し、人質として松永の居城と化したスクアッドタワーに拉致されてしまう。
その後、自分を救出しに来た兄達と又兵衛の戦い、更に小十郎、キャロと松永の戦いを間近で見た事がきっかけで『サムライ』の強さを実感、感化され、事件解決後、ウィリアムやキャロ達にそれまでの不躾な態度を謝罪し、和解した。
事件終結後、アウトランダー家がコアタイル一族との決別を決意するのと同時に、彼女も第七陸士訓練校を退学を決意し、バネットの所属する古代異物探査部に調査官見習いとして加入する事となり、それに際してウィリアムやキャロ、そして小十郎に触発されて始めた剣術の鍛錬に力を入れる事を決めた。また、松永との戦いで見せた小十郎の剣技に魅了され、彼に対して敬意以上の感情を抱くようになった模様。
名前の元ネタはトヨタ自動車の『セリカ』 と三菱自動車の『アウトランダー』。
一般人
ウエストランド・サンライズ社(W.S社)
管理局の量産型デバイスや次元巡航艦の開発を手がけるミッドチルダ有数の軍産複合体。ここしばらくで急激に事業の規模を拡大していたが、その裏でミッドチルダ侵攻を狙う毛利元就と手を結んでおり、実質的にミッドチルダにおける新生毛利軍として彼とその臣下である安国寺恵瓊によって掌握された状態にある。
- カトラー・ウエストランド
一人称「私」
W.S社のCEO。40歳。非魔力保持者。
時空管理局が創設される以前、様々な質量兵器を開発・販売し、広域に犯罪や戦争を斡旋してきた武器商人(死の商人)の家系の出身。
性格は元就に似ており、平和や道徳などよりも会社の利益を第一に優先させる守銭奴に加え、非常に狡猾。その元就の事は「我が君」、「太陽」と称し、絶対的な忠誠心を見せている。
「非魔力保持者の自己防御力の強化」という名目上で様々な非魔力兵器の開発を手がけるが、実質的に質量兵器に近いのではないかという懸念の声が上がっており、現在管理局との間で激しく論争が巻き起こっている。
ミッドチルダに飛ばされた毛利元就を保護し、彼の知略の高さに目を付けて、その知恵を借りる代わりに日ノ本への帰還する方法を模索すると交渉し、組織に迎え入れて会社を急速に発展させていく。
スカリエッティとは旧知の仲である模様で、西軍本陣営との同盟前は彼の開発した戦闘機人の量産化を独自に行おうとしていた。
マスコミ関係者
- セドリック・A・タカイチ
一人称「私」、「俺」
機動六課に協力するフリージャーナリスト。誠実で正義感の強い人間で、本人の曲がったことを嫌う性格や取材の際の丁寧さや、強い信念もあり、この手の関係者としては珍しく政財界や芸能界の著名人とも友好的な関係を築いている。ジャーナリストとしての手腕は高く、変装した人物なども僅かな違和感から正体を突き止めたり、忍者顔負けの潜入テクニックを持ち合わせている。また、護身の為に管理局にデバイス登録した拳銃を所持しており、最低限の戦闘も可能。かつて時空管理局の官僚であった父親が、議会でコアタイル派を諌めた事を逆恨みされたのをきっかけに、根拠のない横領事件の犯人に仕立て上げられ、さらにはコアタイル派と繋がっていた出版各社の雑誌などで捏造記事を書かれた事で世間から横領犯のレッテルを貼られた上に管理局からも放免され、その結果一家離散したという悲惨な過去を持つ。スバルとシルビアの公開模擬戦の取材の為にプリンス・ロイヤルを訪れた際、街で好き勝手に振る舞うジュイエの様子を密かに撮影をしていたのを発見され、暴行を受けていたところを管理局員に扮した佐助に助けられ、スバル達と出会う。
それが縁となって佐助からコアタイル家に関する情報提供を条件に六課への協力を持ちかけられ、機動七課の一連の引き抜き騒動や活躍ぶりの真相を伝える記事を書くと同時に、エドセルがこれまで書いた機動六課のスキャンダル記事がでっち上げである事を明かす記事を書き、機動六課の名誉を挽回させるという功績を果たした。それをきっかけに家康達から「同じ志を持つ仲間」として認められ、以降協力関係を結ぶ事になる。
名前の元ネタは、日産『セドリック』と本田技研工業の高級車ブランド「アキュラ」、トヨタ『ハイエース』。
- エドセル・リバーリーチ
一人称「私」、「俺」
ミッドチルダをはじめ管理局の管理世界広域にわたって発行されている週刊誌『フライターク』専属特派員。セドリックの元後輩。
セドリックとは正反対に典型的な悪徳記者で、特に金銭に対して非常に汚く、貪欲で、仕事で入手した様々な業界の裏情報を元手にして脅迫して金銭を巻き上げたり、密偵まがいの裏仕事を請け負うなどしている。
『ラッツ・R.R(ダブルアール)』という二つ名の通り、ドブネズミの様に姑息かつ貪欲かつ非常識な卑劣漢であり、スクープを得るためならば人の心を平気で踏みにじる行為や、法に外れた手段を用いる事も辞さない外道。
これまでに数々の管理局に関するゴシップ記事を書いてきた経歴を持ち、過去にはなのは、フェイト、はやて、さらにティアナの兄 ティーダのバッシング記事を書いた事もあり、特にティアナは今でも彼を憎悪している。
最初はセブン・コアタイルに雇われ、機動六課を陥れる為のバッシング記事やネタ探しに暗躍していたが、彼自身は特に何かしらの理念や思想を持っているわけではなく、あくまで支払われる報酬の金額に乗じてクライアントを乗り換える日和見主義者であり、セブンに対しても「執筆料」と称して度々、金銭を巻き上げたり、報酬を出し渋る彼に対し、密かに入手していたセブンの秘密を切り札に脅迫するなど信頼関係は皆無だった。
六課と七課の公開模擬戦後、セブンと決裂した直後、安国寺恵瓊に連れさらわれ、後に対面した元就からその情報収集能力を買われ、毛利軍の密偵として雇われる事となる。
名前及びキャラクターのモデルは、史上最悪の失敗車とされる自動車ブランド「エドセル」とウルトラマンメビウスの蛭川光彦。
作品独自の四字熟語(カップリング)
二次創作のクロスオーバーにはよく、クロスさせる作品同士のキャラやオリジナルキャラで独自のカップリングなどの交流関係が作られる事が多いが、『リリカルBASARA』も例外ではない。既に東西両勢力共に幾多のオリジナルカップルや独自の師弟関係が生まれ、それらコンビを示す四字熟語も設定されている。
○はカップリング及び同士関係
●は師弟及び主従関係
東軍
○『金蒼師弟(こんそうしてい)』…徳川家康×スバル・ナカジマ※ちなみに家康役の大川透はスバルの父親であるゲンヤ・ナカジマの声も演じている。
○『蒼桃英竜(そうこえいりゅう)』…伊達政宗×高町なのは
○『烈火迅雷(れっかじんらい)』…真田幸村×フェイト・T・ハラオウン
○『自由奔放(じゆうほんぽう』…前田慶次×八神はやて
○『射心既影(いしんきえい)』…猿飛佐助×ティアナ・ランスター
●『烈虎兄弟(れっこきょうてい)』…真田幸村×エリオ・モンディアル
●『龍精鋭剣(りゅうせいせいけん)』…片倉小十郎×キャロ・ル・ルシエ
○『忠臣騎武(ちゅうしんきぶ)』…片倉小十郎×シグナム
○『混沌悪舌(こんとんあくぜつ)』…伊達成実×シャマル
○『小身有能(しょうしんゆうのう)』…夢吉×リインフォースⅡ
○『血迷心酔(けつめいしんすい)』…ザビー×カリム・グラシア
●『振回強属(しんかいごうぞく)』…大友宗麟×ヴェロッサ・アコース
○『書淫海花(しょいんかいか)』…ユーノ・スクライア×鶴姫
西軍
○『凶王妖姫(きょうおうようひ)』…石田三成×皎月院
○『狡略連盟(こうりゃくれんめい)』…大谷吉継×皎月院×ジェイル・スカリエッティ
○『海地隻眼(かいちせきがん)』…長曾我部元親×チンク
●『反突門弟(はんとつもんてい)』…長曾我部元親×ノーヴェ
●『天鳳若雛(てんほうじゃくすう)』…雑賀孫市×ウェンディ
○『邪心伏計(じゃしんふくけい)』…天海×クアットロ
余談
作者・読者の双方から『リリバサ』の愛称で親しまれている。
作風はシリアスな展開や残虐な場面もあるが、基本的には明るめの作風で、時には中の人ネタやキャラ崩壊等、BASARA、なのは双方のイメージからは考えられないようなギャグな場面も挟んでいる。
関連タグ
戦国BASARAシリーズ(戦国BASARA3) 魔法少女リリカルなのはStrikerS 版権小説(二次創作) クロスオーバー リリカルBASARA
戦国BASARA4 戦国BASARA真田幸村伝 魔法少女リリカルなのはViVid※最近ではキャプションや一部ネタで4やViVid、真田幸村伝の内容またはキャラクターが登場している為。