スーパー生身大戦
もうろぼっといらないよね
まず、この現象を説明する前に『スーパーロボット大戦』というゲームの、大まかなコンセプトを振り返っておこう。…そう。そのタイトルが示すとおり「新旧様々な作品から主に巨大ロボットや彼らをサポートするメカが入り乱れて戦うゲーム」である。これだけは、タイトルさえ見れば誰でもわかることだろう。
ただ、最たる目玉が「巨大ロボ」でこそあれ、それに乗り込んで戦うのは結局(スーパー系の悪役とかならいざ知らず)大抵はこの記事を見ている我々とさして変わらぬ人間である。勿論、ストーリー中の描写では人間(または、それに近い存在)同士で戦うことこそあれど、何一つ戦闘に関する能力や心得が無い(ちょっとぐらい喧嘩が強い程度の者も含めて)人物は勿論のこと、たとえガンダムシリーズに出てくるような百戦錬磨の軍人の類であろうと、生身では敵の持ち出す兵器に対してはあまり戦力にはなれないか、如何に運よく事が運べても辛勝というのが「常識」であろう。あまつさえ、特にスーパー系ではよくあることだが、敵は身体能力や技術力で大いに勝る超人・人外であり、戦闘員なら兎も角として幹部クラス以上が相手では生身同士での戦闘ですら結果が見えている…なんてことも少なくない。
…だが!時として生身で敵の幹部クラスどころか巨大メカですら余裕でボッコボコにし、粉砕してしまうような主人公勢も出てくることがある。中には生身で戦った方が強いなんて言われるようなヤツがいる事さえある。そんな状況を揶揄して言ったのが、このタグ(スラング)である。
このタグが生み出されたのは、ニコニコ動画における『第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇』の第31話の動画。『六神合体ゴッドマーズ』の原作再現シナリオにおいて明神タケルの母・静子はロゼ率いるギシン星人部隊に囚われてしまう。母を救うために単身戦うタケルだったが、戦力差は如何ともし難く多勢に無勢。
もはや絶体絶命かと思われた瞬間、ギシン軍へ向けて「砲撃」が始まった。しかし彼らのレーダーには機影が映っていなかった。
…そう、「機影」は映っていなかった。何せ、その砲撃は何と「くろがね五人衆」の安によるものだったのだ。どんなに強かろうと一応は生身の人間なんだから「機影」なんて映るわけないのだ。彼らが現れたのを皮切りに、味方軍のチートすぎる面子が次々と加勢し、こんなこともあろうかとギシン軍が用意しておいた作戦を次々と、モグラ叩きもかくやと言うべき勢いで叩き潰していった。
その後、(ゲーム中のシステム通りに)普通に戦う以外に手段を失ったロゼは「お、恐るべし地球人!恐るべしZEXIS(又はプレイヤーの設定した部隊名)!!」と驚愕する。そして、そこへトドメとばかりに、
カミナ「気づくのがおせえんだよ!」
オズマ「マシンを使わなくとも俺達は戦えるのさ!」
…と、小西アニキ二人組からのとんでもない一言を浴びせられた。…って、話はわかるが、ちょっと待て。
このゲーム(シリーズ)、なんてタイトルだったっけ?
まぁ、コレはその後ももう少しだけ続くし、さらに後のシリーズでも同様のことが起こるのだが。詳しくは動画検索するなりゲームをプレイするなりして、己の目で確かめてほしい。
このタグ(スラング)ができた切っ掛けは(ざっくり言えば)先述の展開が派手且つ盛大すぎたためだが、生身でパイロットが戦うというのは今に始まったことではない。
スパロボに限って考えても、『第2次G』及び『新スパロボ』の頃には、Gガン勢が参戦して生身で戦っていたこともあるし、『α』等ではBF団のエキスパートが生身で大立ち回りを行った。『64』に至っては二大巨頭(中の人繋がりでもあるが)東方不敗VS衝撃のアルベルトという夢(?)の対決もあったのである。
また『GEAR戦士電童』のベガも生身で参戦をしていたり(ユニットとしては乗っているバイクだが)、ケロロ軍曹の武装扱いの日向夏美(パワードスーツを着用してるが)やアンゴル=モア、近い時期でもイクサーや三璃紗人、スダ・ドアカワールドのガンダム族といった普通に生身で巨大ロボットと張り合える種族達が参戦している(遡ればマシンロボも一応この部類)。とか言ってたらついにはメロウリンクまで参戦しちゃったよ(スパクロだが)。
そしてついにはあの光の巨人…の因子を受け継いだ地球人や異星人達(アーマー着用)まで参戦が決定している(余談ながら、生身ではないがギリアムまで追加参戦したので同窓会が出来そうな気がする…一人足りないが)。
これらは生身ユニットと言われ、スパロボでもある種の賛否両論を引き起こしていた(まあ、主軸ではないのでこれはロボットアニメなのか?とかこれはそもそもロボットなのか?という議論の派生ではあるが)。
『第2次Z』でこれだけ騒がれたのはそういった参戦作品が殆どないからともいえよう。
逆に言えば、『第2次Z』で大暴れした面々ですら、上記の面々からすれば殆どがちょっと強い一般人程度に過ぎないのである……。え、ピグマン?あしゅら?いやあいつら一種のサイボーグだし…
あとヨーコも生身でユニットになってるのもこの際言いっこなし(ライフルのおかげでもあるし)。
なお、実は『第2次Z破界篇』では逆に自軍側はロボット総動員で集中砲火を浴びせたのに生身の見た目人間な敵一人倒せないという場面もあったりする。まぁ集中砲火喰らった方も人間やめてるクチだから仕方ない。
また、『無限のフロンティア』シリーズや『PROJECT X ZONE』等、生身で戦うゲームにスパロボキャラが参戦した場合は当然のごとくモンスター等を相手に無双しまくる化け物と化す。
まぁ、彼らは元々(超能力や魔法の類に頼らない)人間としては破格の強さであるのは確かなのだが。
その『ムゲフロ』からハーケン・ブロウニングとアシェン・ブレイデルが『スーパーロボット大戦OGムーン・デュエラーズ』に参戦を果たしたのだが、流石に本家スパロボでは彼らも専用機であるゲシュペンスト・ハーケンに搭乗して戦う…と思いきや、必殺技の「フェニックス・ショウダウン」でアシェンはコクピットを飛び出し生身で敵機に殴りかかっている。
厳密には彼女は完全なアンドロイドなのだが、エンドレス・フロンティアはアシェンと生身で殴り合える奴らがうようよしているんだから、正直何のフォローにもならない。ちなみにハーケンとアクセルとアルフィミィは実際にアシェンと殴り合った事がある。
ちなみにデモンベインにおいては、原作では大導師はデモンベイン相手に生身で殴り飛ばしているが、『UX』登場時にはある理由からあっさりとリベル・レギスを呼び出しており生身での戦闘はなし。
蒼穹に散るゼロ:コードギアスに登場するナイトメアフレームを相手にする彼らは、正にこちらの事例とも言える。実際、ルルーシュ達がナイトメアフレームに乗りこんでいるので、生身で戦うグラン達が目立つ訳だが……。
ナイトメア・オブ・ナナリー:コードギアスのアナザーストーリの一つで、この作品で登場するゼロ(魔王ゼロ)は生身でナイトメアフレームとやり合えるほどの驚異的な身体能力を有している
ファンタジア・リビルド:フルメタル・パニック!も参戦するKADOKAWAのライトノベルレーベルファンタジア文庫原作作品のクロスオーバー作品。フルメタ系も含むプレイアブルキャラクターたちは例外を除き(魔法や超能力等があれど)生身の人間と変わらない姿をしているが、敵に人間サイズのアームスレイブアラストルどころか、通常サイズのサベージまで登場している。
主な関連作品
機動武闘伝Gガンダム ジャイアントロボ 地球が静止する日 GEAR戦士電童 宇宙の騎士テッカマンブレード 勇者王ガオガイガー マジンカイザーSKL リーンの翼 デモンベイン 機甲猟兵メロウリンク 三国伝 SDガンダム外伝 クロノスの大逆襲 鉄のラインバレル ロボットガールズZ ULTRAMAN(漫画)
関連キャラ
あしゅら男爵 衝撃のアルベルト 素晴らしきヒィッツカラルド ゼンガー・ゾンボルト ボン太くん オーガン アクセル・アルマー 海動剣 真上遼 ウィンフィールド アシェン・ブレイデル 東方不敗 ベガ 日向夏美 イクサー1
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