草御三家
くさごさんけ
概要
ポケモンシリーズで冒険の最初に選べるポケモン御三家の内くさタイプ枠全般を指す総称である。ここでいう御三家は三匹組という本来の意味ではなく「御三家」の中の「草」タイプの略称に過ぎない。
ゲームでは、主に進化前がビジュアルに恵まれており(※)、ねむりごな・やどりぎのタネ・みやぶるなど捕獲に役立つわざも持っていることが多いためそこそこ人気がある一方、後述するようにタイプ一致攻撃以外のレパートリーに乏しいものが多いため、技不足に悩まされる。
これに敵との相性の悪さが加わった場合難易度はさらに上がる。歴代だと特にチコリータがこの「技不足」と「相性不利」を兼ね備えた例として挙げられることが多い。
(※)かわいさで人気が出たポケモンの数は他の御三家と同じぐらいである一方、他の御三家と違ってビジュアルの点で賛否が出たポケモンはほぼいない。アニポケにおいても、XYと新無印以外の全ての世代でサトシにゲットされておりその安定ぶりが窺える。
この草御三家に限り
- 通常特性は全員が「しんりょく」で固定されている(隠れ特性は例外)
- 第三世代(FRLG)から最終形態のなつき度が高いとある場所で「ハードプラント」を教えてもらえる(元々はフシギバナの専用技、第4世代から全最終形態に解禁された)
- 第五世代からはある場所で「くさのちかい」を教えてもらえる
という共通点がある。
ステータスは素早さ・攻撃面・耐久面それぞれが高いポケモンがバランス良く分かれているといったところ。特に素早さは速いのでジュカインの120、遅いのでドダイトスの56までいる。
覚える技に関しては物理アタッカーであるドダイトス、ブリガロン、ゴリランダーを除けば他の草タイプに比べてマシな程度な物ばかり。要するに特殊技がタイプ一致技の他にほとんどない。御三家なのに…。
特に鋼対策が乏しく、特殊型で運用するにはほぼめざパ炎が必須。ないとだいたいエアームドかふゆう有りのドータクンで止まります(補助技で強引に突破する事も出来なくはないがかなり難しい。)。特にジャローダはめざパがなければロクに戦えない。ジュカインも鋼対策が命中率不安定なきあいだましかなく他の特殊技も乏しいためめざパが欲しくなる場面が多い。
半減・弱点共に多い草にもかかわらず草単が半分を占めている(御三家に限らずくさタイプは何故かサブウェポンをもらえない傾向がある。)事や二足歩行も少なくパンチ技を覚えない種族が最終進化に多いのがレパートリーの乏しさの元凶だろうか。
その代わりやどりぎのタネやしびれごなをはじめとした変化技を多く覚えるため、テクニカル戦法をとるタイプとして設定されているものと思われる。
隠れ特性に関しては炎ほどではないが有用なものが多い。
特に目を引くのはジャローダの「あまのじゃく」で、めざパが必要なくらい貧相な技のレパートリーもこの特性に合わせたバランス調整とも言われている。ただでさえ素早さと耐久が高いのに、それに加えてリーフストームで本来下がるはずの火力をどんどん上げることができるためだ。
フシギバナの「ようりょくそ」も目を引くものがあるが、メガシンカが別方向に上を行く性能を持っていたため現在はメガシンカ前を考慮し通常特性のまま厳選される事の方が多い。ただし、第8世代では、メガシンカが廃止された代わりにだいちのちからとウェザーボールとキョダイベンタツを獲得したため、晴れパのようりょくそアタッカーとしての需要も上がりつつある。
ゴリランダーはカプ・ブルルと同じグラスメイカー。ダイマックスの技により7世代よりもフィールドの書き換えが激しいものの強力な特性であることに変わりなく、グラススライダーをはじめとする習得技との噛み合いも相まってかなりの活躍ぶりを見せている。キョダイマックスでの草技でグラスフィールド状態にできなくなるデメリットを自身のグラスメイカーである程度補うことも。
また、ブリガロンの「ぼうだん」も地味に強力。シャドーボールやヘドロばくだん、きあいだまを防げることでゲンガーに対しての牽制になっていた。くさタイプであるが故の粉・胞子耐性や、ニードルガードと組み合わせればなかなか優秀な盾である。・・・・・・・・もっとも、ファイアローやメガボーマンダ、カプ神などが逆風となり目立つ機会は少なかったが。
草御三家一覧
アニメでは
アニポケではサトシのポケモンになることが多いが、それに限らず、ライバルトレーナーのポケモンとしても登場することがある。ナナコ:メガニウム、テツヤとショータ:ジュカイン、シンジ:ドダイトス、シューティー:ジャローダ、シトロン(旅仲間でもある。):ハリマロン、ハウ:ジュナイパー…という組み合わせでこの時点でライバルのポケモンになってない草ポケモンは、フシギバナとゴリランダーである。あと、メインヒロイン的なトレーナーのポケモンとして登場したことが未だにないのも草御三家のみ。大半がアニオリキャラだがシトロンとハウは原作シリーズから登場しているライバルである。
DPのドダイトスを最後にサトシ一行の手持ちは進化前の方が人気があるためか、1回も進化せず、進化系はライバルに持たせるという事態が起きている(例:
- フシギダネ→ある回で自分の意思で進化を止めている事が判明した為、フシギバナはククイ博士の手持ちとして登場。
- ツタージャ→進化しない理由は現在も不明であり、ジャローダはシューティーの手持ちとして登場。
- ハリマロン→サトシの手持ちではなく旅仲間及びライバルであるシトロンの手持ちだが未だ進化してない為、ブリガロンは単発ゲストらの手持ちとして登場。
- モクロー→ある回にてかわらずのいしを食べてしまったのが原因である為、ジュナイパーはハウの手持ちとして登場。
)。このこともあってか、「すべてのポケモンをゲットする」事を夢見てるゴウのサルノリが進化する事を望んでいる声が多い。
その他
メディアでの扱いについて
上記の通り、アニポケではサトシ及びライバルのポケモンに入ることが多く、フシギダネやモクローなどの進化前の人気が高いものの、グッズなどのメディア露出では、炎御三家や水御三家に比べて扱いがよろしくない感じ。
そのアニポケでも、近年進化させてもらえないことは上述の通りである。
グッズや外伝作品のパッケージでは同期の炎、水御三家が描かれているのに草御三家だけいないということもザラであり、6世代からは、
- 劇場版でいましめの壺を作るシーンで必要なものに「炎」「水」に加えて草の代わりに「土」が挙げられている。これだけならまだしも、その際炎と水に使用したポケモンがゲコガシラとフォッコであり、土がその辺からわざわざ引っ張ってきたゲストのヒポポタスであったため、ハリマロンがハブられている感が拭えない
- 上記に伴い、配布されたアルセウスがブラストバーンとハイドロカノンを覚えているのにハードプラントを覚えていない。代わりにだいちのちからが添えられているが、大文字とハイドロポンプなどいくらでも該当する技はあったろうに。配信による特別感を出すためだろうか?
- スマブラシリーズでは草御三家だけが最終進化単体で参戦していない(※)
- ポケモン関係者の公開オンライン会議でヒバニーとメッソンのぬいぐるみが映っているのにサルノリだけいない
など格差が顕著になってきている。
このため、「御三家はみんなが選んだポケモンなのに優遇が偏っている」などの声もあり、特に純粋に草御三家が好きな人、毎回くさタイプを選んでいる人からの不満の声も多い。ただただ性能やメディア露出で不遇なポケモンは他にも山ほどいるのだが、御三家は最初のパートナーいわば主役のポジションであるため、それが際立ってしまうのだろう。一方で、一部の炎御三家やゲッコウガなど特定の御三家ポケモンが性能、アニメでの活躍、外伝や他作品コラボやグッズなどで頻繁に出演することが、さらに拍車をかけている。
このような冷遇ぶりの理由としては、
- 弱点タイプと半減されるタイプが多い
- 大柄や重量級であるなどどちらかといえば子供受けや万人受けしにくいビジュアルが多い
- 他二つと比べて緑や木属性自体が派手な演出がしづらい
- 単純に炎御三家や水御三家の人気が高すぎる
- 耐久戦法やテクニカル戦法が主人公に合わない
- 四足歩行や手足なしが多くアクションシーンや着ぐるみショーで扱いにくい
などが挙げられているが、あくまでファンの憶測の域を出ない。仮にそういった理由であったとしても、当たり前のように仲間はずれにしていい口実にはならない。商売のためと言ってしまえばそれまでだが。
それに、フシギダネ系列をはじめとする四足歩行はつるのムチを手のように扱っているし、近年では二足歩行で手や武器を使いそれなりにサブウェポンを充実させ、アタッカーが主流の草御三家も増えている。木属性でも花弁や木の葉を舞い散らしたり巨大な樹を暴れさせるなど派手な演出は不可能ではないと思われる。
また、よく囁かれる「緑が不人気」を意識してか、6世代以降の草御三家の配色は緑を控えめにした者も増えているが、緑でも主人公キャラや人や気のキャラは多いし、神秘的な路線の演出(「森」という要素と相性も良い)で人気を獲得することもできるため、一概には言えない。余談だが、総選挙イベントの「ポケモン・オブ・ザ・イヤー」でホウエン地方の人気トップ3に輝いたのは全て緑色のポケモンだったりする。ちなみにジュカインがそれに次ぐホウエン4位であった。惜しい!
とにかく、草御三家にもリザードンやゲッコウガのように、対戦、アニメ、グッズと多方面で活躍し、地方別人気や一般層に対する知名度がダントツ一位になるポケモンが現れることが望まれる。
※…ただし、フシギソウがポケトレの手持ちとして参戦し、ポッ拳では最終進化形のジュカインとジュナイパーが登場している。また、桜井Dはあくまで個性を重視した人選を行なっており、事実SPではジュナイパーとガオガエンでギリギリまで迷ったとか。
モチーフ種類について
他の御三家と比較した場合、爬虫類モチーフの比率が多め。
参考までに本タイプの場合はツタージャ(カナヘビあるいはヘビ)、キモリ(ヤモリ)、ナエトル(亀)の三匹。広義的な爬虫類を指すのであれば、恐竜型のチコリータも含まれる(
フシギダネ系もモチーフはカエルであるが、最終進化系のフシギバナの英名は「venusaur」(venus flytrap+dinosaur=ハエトリグサ+恐竜。和訳するとハエジゴクトカゲ)となっている。
ちなみに、BW発売と同時に発売された雑誌「ポケモンぴあ」のインタビューでは「くさタイプと哺乳類を合わせると気持ち悪くなってデザインしづらい」といった旨のコメントがされている。毛皮と植物の合成グラフィックが難しいためだろうか?緑という色自体が爬虫類を連想しやすい色というのもあるかもしれない。
ただし、御三家に限らず最近は哺乳類モチーフのくさタイプも増えている。