データ
ポケリフレ情報
好 | 緑の触角(?) |
---|---|
嫌 | 両腕 |
危険 | 無 |
他言語版の名称
英語 | Lurantis |
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イタリア語 | Lurantis |
スペイン語 | Lurantis |
フランス語 | Floramantis |
ドイツ語 | Mantidea |
韓国語 | 라란티스 |
中国語 | 蘭螳花 |
進化
カリキリ→ラランテス(日中にLv34)
概要
初登場は『サン・ムーン』(第7世代)
分類名通りハナカマキリをモチーフとしたポケモン…と思いきや、その逆でカマキリに擬態した花である。そのためむしタイプは持たず、タマゴグループも「しょくぶつ」のみに属している。 即ち、むしタイプは弱点となる。
このように一捻りしたモチーフとなった理由は定かではないが、一説にはハナカマキリの擬態先である蘭が非常に多様な進化形態を持つ種族であり、実際に虫に擬態するものさえ存在する事を表現した結果ではないかと考えられている。
ただし、現実のそれら花々が繁殖目的(花粉の媒介)で擬態を行っているのに対し、ラランテスは「花のような姿と香りで敵をおびき寄せて仕留める」と説明されており、技としても「きゅうけつ」を覚えるため、食虫植物の一種になっている。
こうした事から、種族名は英語と日本語が入り交じる形で「lure(ルアー、おびき寄せる)+蘭+mantis(カマキリ)」で構成されるものと思われる。
とはいえ元々が花であるのに花が虫に擬態た姿を取り、だが花の姿と香りでおびき寄せて仕留めるというもはや何に擬態してるのか、何度手間なのかよくわからないことをしており結局何故虫に擬態しているのかは謎。現実の花が虫のフリをするのは自分では動けないため鳥などを呼び寄せて受粉を狙うことが目的だが、虫を狙ってくるであろう鳥(ひこう)にもタイプ的には弱いので獲物と言うには少し厳しい感じはある。
特徴
外見はカリキリから大きく頭身が上がり、古参のカマキリモチーフポケモンであるストライクに遜色ない体型へと進化した。
両者を比較すると、胸付近の構造に植物らしさが現れており、こちらはパンタロンでも履いているかのような太い脚を持っている点が特徴。羽もあくまで花弁でそのような形を作っているにすぎず、機能はしていないようだ。
鎌部分も見るからに鋭利だったストライクとは異なり、鞘に納めているような波打ち厚みを持った構造となっている。この鎌もまた、花弁が変化したものである様子で、分厚い鉄板をも切り裂くビームを放つと一般的な鎌とはだいぶ使い方が異なるらしい(→「ソーラーブレード」)。
ただし、「れんぞくぎり」や「シザークロス」といった技も覚えるため、切断能力が皆無というわけではなさそうだ。
頭部からも3対の花弁が伸びており、うち1対は犬耳のように横方向に広がり、1対は緑色をした蕾状で触角のように細く尖っている。また、目の周りは、むしっぽいドラゴンタイプとして有名なフライゴンを思わせる、赤いゴーグル状の構造で覆っている。
色合いはピンク色を基調に各部に赤や白のアクセントが入る鮮やかなもので、優雅な動きと合わせて「最も華やかなくさタイプのポケモン」と言われている。
脚部は他とかなり雰囲気の異なるストライプ模様となっており、上述のとおり衣服のような見た目をしている。また、先述した蕾部分の他に、付近の丸い突起、首筋、股間、鎌の先端と足先の靴状になった部分が緑色となっている。
色違いは全体的に黄緑色系統の色合いに変化する。
その鮮やかな色を保つには非常に手間がかかるため育てるトレーナーを選んでしまうものの、あえてそれを趣味とする好事家も存在するらしい。
ストーリー中の扱い
「しゃらんしゃらんら!」
アーカラ島のキャプテン・マオの試練において、シェードジャングルのぬしポケモンとして登場するのが初陣となる。
オーラによって素早さが2段階上がっており、ほぼ確実に先手を取った状態から「パワフルハーブ」を用いた溜め無し「ソーラーブレード」を叩き込んでくるという圧倒的な初見殺しぶりによって、挑戦者に過剰なまでのインパクトを与えるのである。
おまけに「こうごうせい」で回復するため、長期戦となりがちで一層姿が記憶に残りやすい。アーカラ島のぬしポケモン全体に言える事であるが、新ポケモンのお披露目としては非常によく練られた舞台設定であると言える。
ただし、サブウェポンはむし技のみであるため攻撃範囲はそこまで広くなく、「ソーラーブレード」も挑戦時点で「まもる」のわざマシンを購入可能であるため、2発目以降の攻撃に対しては比較的対処しやすい。
さらに、くさ・むし両タイプを4分の1に軽減できるヒノヤコマが近くに生息しており、8番道路で出会う科学者が素早さを抜き返せる「ニトロチャージ」のわざマシンまでくれるため、ラランテス自身は他のぬしポケモンに比べると理不尽さは少ない条件となっている。
この試練の真の脅威は、援軍として呼び出してくるケララッパやポワルンの存在である。
ケララッパはひこうタイプであるためモクロー系統が強く出られず、サブに「ロックブラスト」を備えているため他のひこうやほのおも撃ち落とされる。いわ4倍のヒノヤコマなどひとたまりもない。どちらも効かない相手には「ちょうおんぱ」による運ゲーまで仕掛けてくる。
ポワルンはやはり「みずでっぽう」でほのおタイプ対策をしており、それがいなくなると「にほんばれ」を使ってラランテスの「ソーラーブレード」の溜めターンを無くし、「こうごうせい」の回復量をアップさせてくる。
自身も晴れ状態とシナジーのある「ウェザーボール」を覚えているほか、ひるみ効果のある「ずつき」によって、遅い相手には容赦無く運ゲーも図ってくる。
結果として何重ものメタとコンボが張られた地獄絵図と化し、中途半端なパーティを簡単に全半壊させる、『サン・ムーン』におけるみんなのトラウマとして名高い試練となっているのである。
なお、試練以外に野生の個体は出現しない。手持ちに入れるにはカリキリを育てて進化させる必要がある。
対戦における扱い
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計値 |
---|---|---|---|---|---|---|
70 | 105 | 90 | 80 | 90 | 45 | 480 |
ストーリー中と対人戦で評価が変わるポケモンは珍しくないが、ラランテスはそのギャップが極端に大きい事でも知られる。
なにしろ、登場直後から第7世代唯一の不遇ポケモンにノミネートされたのである。
なんと素の「すばやさ」が僅か45しかなかった。オーラで2段階も強化されていたのはこのため。
これはローブシンやガラガラといった鈍足重戦車らと同速、同じくさタイプで言えばぎりぎりユレイドルは抜かせるがモジャンボには負けるというレベルである。
「こうげき」も105と今日では決して高くはない。「ソーラーブレード」のインパクトが強かっただけに残念な数値。
残りを「とくこう」に大幅に回しているが、自力では特殊攻撃技を何も習得しない。遺伝とわざマシン頼りである。
単くさタイプにはありがちな事であるが、サブウェポンの選択肢も少ない。
むし技や「ローキック」・「しっぺがえし」が良いところで、とても相性補完が効いているとは言えない。
補助技も豊富ではないので、技レパートリーはかなり悲惨な部類に入っている。
擬態設定やビーム設定をほとんど活かせていないのが歯がゆい。
そもそも、単純に「ソーラーブレード」を放つだけでも「にほんばれ」と「トリックルーム」の二重の場作りがほぼ不可欠であり、パーティ単位での手厚いサポートが必要になってくる。
しかし、ジョウトの太陽神のような超火力を発揮できるわけではない。
ならば攻撃範囲が広く、特性に「ようりょくそ」を持つため、「にほんばれ」か「トリックルーム」の一方を展開するだけで済むモジャンボに軍配が上がるだろう。
一方、隠れ特性(夢特性)は「あまのじゃく」と、それ自体は優秀である。
ただし、最も発動を狙いやすい「いかく」対策としては、タイプと技構成の都合上所有者のほとんどに弱いため、その後が続いていかない。
遺伝で「リーフストーム」を習得できるため、確保してしまった特殊火力を利用して、ジャローダでおなじみの「とくこう」を上げ続けゴリ押しするという戦法にシフトする事も提案されている。
ただし、これもサブウェポンが天候に左右される「ウェザーボール」やフィールドに左右される「しぜんのちから」ぐらいしか無く、結局はポケモン複数体を要する。
ジャローダは本来高速で多数の補助技を展開できる優秀なサポーターとして起用されてきたポケモンであり、ゴリ押しはあくまで副業である。補助技が乏しく、むしろ他のサポートを求めるラランテスが攻撃面まで大差ない働きしか出来ないのであれば、力不足と言わざるを得ないのである。
特殊よりはいくらかマシな範囲を持つ「ばかぢから」を用いる所謂物理型においても、すばやさが低いために、特性の真価を発揮できずにいる。先制で打てるかどうかで物理耐久が1.5倍も変わるのだから足が遅いというだけでどうしても大問題になってしまう。
だが、トリックルームで補助するほどのアタッカーかと聞かれると厳しい。
一応の勝ちルートとしては
・有効な相手に「ばかぢから」で能力を上げる
・ダイマックスして「ダイソウゲン」を放つ
・ダイマックスを生き延びる
・「ダイソウゲン」で展開したグラスフィールドを活かし、「グラススライダー」を使用して高威力の先制攻撃をしつつ能力アップを狙う
という、あまのじゃく+草の先制技を活用した、ラランテスのみが持つ自己完結型の戦法がある。
ストーリー攻略においてもカリキリが出現するのとほぼ同じタイミングでアマカジにNPCとの交換イベントが用意されているため、カリキリを捕まえて育てる必要はほとんど無い。
進化もあちらの方が早く、ストーリー後半に進化形のアママイコでもう一度交換イベントまで存在している。
こちらの覚える「きゅうけつ」や「はなふぶき」を習得しない、「リーフブレード」などの主力技を覚えるのはこちらの方が早い等、両者の差別化は可能。
もちろん趣味で選ぶ人もいる。
何気に「第7世代の新ポケモン」の中で、「序盤で捕まえられるみねうち使い」はモクロー系統、カリキリ系統のみ(グソクムシャも覚えられるが、進化前は無理であり育て上げる必要あり)。
新ポケモン縛りで旅パを組んでいた人はお世話になったこともあるのではないだろうか。
その後『USUM』では、復活した技教えシステムにより最も恩恵を受けたポケモンの一種となった。
なんと「ばかぢから」が習得可能になりカラマネロに次ぐ「筋トレ」勢として頭角を現し始めたのである。華やかに擬態する筋トレってなんだよとか深く考えてはいけない。
元々持っていた「こうごうせい」や「きゅうけつ」とのシナジーも良く、鎌由来の技として新たに「つじぎり」「はたきおとす」「ダブルチョップ」が追加されてもいる事から、物理型の可能性を飛躍的に拡大させている。「きゅうけつ」がタイプ一致ではないのはやや残念。
しかし単タイプ故に4倍弱点が無いのはカラマネロとの差別化ポイントの一つである(あくまでカラマネロとの比較の話であるが)。
「リーフストーム」の特殊型も変わらず健在であるため、両刀ステータスを存分に活かせるようになったという点もポイントで、これらが評価されて見事不遇卒業と相成った。
一方、固有技の「ソーラーブレード」には何も手が入っていない。
ぬしポケモンを手持ちに加えられるようになったが、当該個体は特性「リーフガード」固定である上、オーラもないため最も役割の無いぬしポケモンとさえ言われてしまっている。。欲を言うならこちらの救済にも期待したいところである。なお剣盾。
また、設定資料のみの描写としてカリキリ共々「フラワーモード」なる休息形態(下画像左側)が存在する。「ダルマモード」のようなものが構想されていたのか、それとも単に生態の説明の一つなのかは不明。
トレーナー側の変化としては、女主人公限定でラランテスをモチーフにした着せ替え衣装が追加されている。(上画像右側。名称は「ララントップス/ボトムス/シューズ/カチューシャ」。なお、男主人公の場合はジャラランガモチーフのものになる)
『SM』時代から特定のポケモンをモチーフとした服の中でも、数段手の込んだデザインとなっている。
その分価格も桁違いであり、なんと一式で240万円。また、あくまでモチーフであってコスプレではないため、ポケモンごっこはできないのであしからず。
ポケモンGOのラランテス
2022年3月、カプ・テテフと共に初登場した。
原作ではすばやさが低くトリルとの両立は必要不可欠と書いたが、こちらでは「れんぞくぎり」を覚えるため迅速にゲージ技を撃つことができる。そのゲージ技もラランテスを象徴する「リーフブレード」「ばかぢから」「リーフストーム」「シザークロス」と発動の早いものばかりで、相性が非常に良い。一方で、もう一つの通常技「はっぱカッター」も「あまえる」並みの高火力を持っているため軽視できない。ただ特性の概念がないため、「ばかぢから」「リーフストーム」を撃つとステータスが下がってしまうのが欠点だが。
似たようなものにジュカインがいるが、サブウェポンのタイプで十分差別化している(尤も、今はもう一つの技の方が優秀だが)。
回収性能は優秀なのにタイプ相性のせいで使いにくい現状を抱える中、数少ないれんぞくぎりの使いに名を連ねてもおかしくはないだろう。
アニメのラランテス
CV:清水理沙
「サン&ムーン」第35話で登場。課外授業でアーカラカレーを作る為に必要な食材であるきせきのたねを探しに奥まったジャングルでサトシとマオの前に遭遇。ニャビーがひのこやほのおのキバで応戦するも、ポワルンを呼び出し、にほんばれでソーラーブレードを貯め無しで応酬する。
実際はライチとも知り合いで、サトシの実力を見極める試練を食材探しを隠れ蓑に課していた事が判明する。その実力を認めクサZを手渡している。
関連イラスト
外見的な人気は当初より高く、第7世代くさタイプとしてはアローラ御三家に次ぐ注目を集めている。