概要
元々スクウェア・エニックスの漫画雑誌『月刊少年ガンガン』、2019年11月号に掲載する特別読み切り。
同誌2020年11月号より正式連載化の漫画作品。作者は中吉虎吉。単行本は2024年8月時点で既刊7巻。
公式略称は「異世界レッド」(語順注意)。
なお、公式の表題は「レッド」と「異世界」の間に空白が入る『戦隊レッド 異世界で冒険者になる』だが、本項目の名称はpixiv百科事典の仕様により空白を含まない(空白をアンダーバーで代用する場合『戦隊レッド_異世界で冒険者になる』となる)。
舞台は異世界。単身異世界へと転生した戦隊ヒーローのレッドが常識外れの冒険者として活躍する物語。彼が異世界で新たに得た仲間と共に繰り広げるドタバタコメディ&痛快アクション&王道冒険譚である。
ガンガンの先輩である『爆裂機甲天使クロスレンジャー』、他社の『鋼鉄奇士シュヴァリオン』や『戦隊大失格』同様にスーパー戦隊物のパロディではあるが、「ヒーロー物のお約束を崩す」タイプと違い「ヒーロー物のお約束には至って真面目」で、異世界でもへこたれず己の道を突き進む灯悟の熱血バカぶりと、異世界ものにありがちな設定の客観的なツッコミが魅力である。
また『作者の狙いはツッコミやジョークだが読者にはジャンルへの嘲笑にしか見えない描写や台詞が無い』為、特撮と異世界転生、双方のジャンルのファンから高い評価となっている。
ちなみに、連載版の第一話は読み切り版のベースですか、物語の流と造型、設定はもっとシリアスなり、よりリスペクト仕上げる。
あらすじ
絆と友情に溢れる熱血な少年浅垣灯悟は「絆創戦隊キズナファイブ」のキズナレッド、通称レッド。人々から絆を奪う悪の組織「ゼツエンダー」から人類を守るため、絆を武器に仲間と日々戦いを重ねていた。
そして遂に迎えた最終決戦。仲間に地上を任せ空に浮かぶ要塞に単身乗り込んだ末に、彼は敵の首領と相討ちに。
要塞と絶縁王の爆発に巻き込まれ意識を失ったレッドが目を覚ますと、なんと異世界の大地へと転生していたのだった!
異世界でも困った人々を救うため冒険者となったレッドの前に、立ちはだかるのは邪悪な魔獣、太古の魔竜、伝説を受け継ぐ孤高の勇者、そして死んだはずの魔王の配下。
新たに異世界の人々と結んだ絆を携え、灯悟はキズナレッドに変身して今日も戦い続ける――!
登場人物
主要登場人物
浅垣灯悟/キズナレッド
CV:井藤智哉
本作の主人公。元居た世界では高校生ながら「絆創戦隊キズナファイブ」のレッドをやっていたが、敵の首領との最終決戦の際に生じた爆発に巻き込まれて異世界転移。冒険者として身を投じる。
正義感が強い熱血漢で、人の夢を嗤う者や、暴力で自由を奪おうとする者は大嫌い。一方天然でもあり、敬語や加減ができない。そのため騒動を引き起こすことも多く、また倒した魔物を爆散させるため金がなく誰ともパーティーを組んでもらえなかった。
しかし決して馬鹿なだけではなく、イドラとB級冒険者の喧嘩を仲裁しクエストの形に整える、剣が当たらない相手に即座に対応するなど、戦隊レッドとしての能力が垣間見える瞬間もある。
相棒のキズナビーストは赤いドラゴン…ではなくティラノサウルス型のフレンD。やんちゃな末っ子タイプ。
CV:稲垣好
本作のメインヒロイン。16歳とは思えないほどの巨乳。魔導士の名門貴族・アーヴォルン家の若き当主。父親は「王の杖」だったが没落しており、一族復興のため、強力な冒険者を探していたところ灯悟と出会う。四大精霊の魔法を得意とする。
灯悟の戦隊のアイテムなどに驚かされっ放しだが、魔法に関しては研究者としても使い手としても一流であり、仲間の危機を救うことも多い。エルフ達との交流で刻印による魔法も使うことができる。
後に灯悟への好意を自覚した。太陽の森で怪我した時に灯悟に左手薬指に絆創膏を貼られ、以降その絆創膏を大事にしている。なお、異世界での結婚指輪は草の茎みたいな指に巻けるものなら成立するらしく、それを知った灯悟は慌てる羽目になった。
腹部を大きく露出したセクシーな衣装が特徴。
CV:田中美海
灯悟達が住むアヴァルロスト王国の第三王女。危険な魔導具「魔力の種」の分析と回収を依頼しにイドラの元を訪れ、二人の仲間となる。
王女というやんごとなき身でありながらなんらかの覚悟を元に危険に躊躇なく踏み込む度胸を持ち、世界を救おうとしている。実は自身も魔力の種を宿し、他者の魔力の種を取り除く特権魔法「簒奪の銀狼」を使う。ロゥジーのことは「私の勇者」として大切に想っている。
灯悟とイドラの恋路に興味津々で、水浴び場にイドラが残っていることを知りつつ灯悟を向かわせたり、気まずそうな2人の様子を見て「もしかして“絆創合体”したんですか?」と訊いたりした。
現在はしっかり者の性格だが、幼少期は我儘な性格だった。
ロゥジー・ミスト
CV:大野智敬
テルティナの従者にして勇者。"孤高の剣鬼"の異名を持つS級冒険者であり、かつて魔王を倒した勇者が振るったとされる、魔力を吸収し意思に呼応して変形する神器"王家の聖剣"の使い手。灯悟をして「幹部怪人以上」と評されるほどの実力を持つ。
生まれながらに魔力を持たない体質から幼少期迫害を受けた経験を持ち、彼の心に寄り添い孤独を癒してくれたテルティナに忠誠を誓っているが、彼女との絆への強い執着心によりトラブルを起こすこともしばしば。
灯悟に関してはその無礼さだけでなく、勇敢で強く自身と同じように魔力を持たない体質を持つことから隔意を持っていたが、後に和解。仲良くはしないものの、「マキシマム・キズナカイザー」に乗れるほどの絆を感じるようになった。
一時期、仲間ができたことで弱くなったと思い込んだが、孤児院でのエルマリオ卿との戦いで無意識に孤児達を護ろうとし、灯悟のおかげで孤児達を見捨てずに済んだこともあり、護りたい者が増えるのも悪くないと思うようになった。
マキシマム・キズナガイザーで初めて宇宙を見た時、感動を覚えた。
実はキズナファイブの宿敵・絶縁王の転生体。灯悟と反りが合わなかったのも、前世の因縁によるものであった。
王家の聖剣の名称は七つの大罪と西洋の精霊・怪物の伝承から取られている。
第5巻では複数の形態の融合が行われた。
番号 | 銘 | 特記事項 |
---|---|---|
一 | 永求希環(アングリード) | 通常形態。対応する大精霊は、体育座りの体勢をした顔がない人型精霊・無限精アン。 |
二 | 核熱怒号(ドラグラース) | 炎を吹き出す片刃大剣。峰にスラスターが付属。対応する大精霊は、肩と肘が火山になっている筋肉質の竜人・炎龍精ドラグマ。 |
三 | 羨姫絶響(エンヴィーネ) | 無数のワイヤーを展開し、突き刺した相手を内部から伝播した衝撃で破壊するサーベル。対応する大精霊は、ハープを携えた人魚・水姫精アディーネ。 |
四 | 冥休楽土(スロウスノーム) | 重力場を展開する幅広の両刃大剣。20秒しか使用できない。対応する大精霊は、ヒゲを蓄えた肥満体型の鬼・土轟精ノーム。 |
五 | 餓生疾風(グラドシルフ) | 鎌鼬を生み出す鱗で覆われた鉄扇。対応する大精霊は、扇を持った妖精・風天精シルフ。 |
六 | 星蝕浄咬(ラストノワール) | 巨大な闇の竜巻を発生させる突撃槍。使用時には眼が黒白目になる。対応する大精霊は、扇情的な姿の女悪魔・闇堕精ノワール。 |
七 | 王輝金轟(ソルプライド) | 両刃大剣二刀流+背中の五本をフィン・ファンネルのように動かし戦う。対応する大精霊は、同じく5本の剣を背中に浮かばせた筋骨隆々な大男・光覇精ソル。 |
ラーニャ/七代目「アメン」
砂漠の中の巨大サボテン群生地「太陽の森」に住まうエルフの次期族長。
弱気でおしとやかな性格で、心に強気な仮面をつけて勢いをつけないと自信を持てない。
アルヴァロスト王家関係者
ダリエル
アヴァルロスト王国の第一王子。
亜人連合に戦争を仕掛けようとするタカ派であり、ティルティナを「放蕩娘」と呼んで見下している。今まで接収された魔力の種を利用した新兵器を携え、亜人連合を侵攻しようと企てる。
25年前の人間と亜人の和平を結ぶための式典で起こった暴動でトラウマを植え付けられており、亜人への敵愾心もその時の恐怖心から来たものである。
ティルティナに対しても、実は心の底では大事な妹として見ていたが、メカモの戦いで魔力の種の暴走を抑えて獣人化した彼女を見て錯乱し、それをヴィダンに利用されて操られてしまう。
そして、シャウハによって引き起こされた、保管された魔力の種の暴走に巻き込まれ、消息不明。
レグルス・マッハヴォルト
皇国騎士団団長にして、ティルティナの許嫁。前髪が長く左目が隠れている面長の男性。
歴代騎士団長の中でも最強と謳われ、魔法剣の腕前は勇者に並ぶと謂われるほどの天才。
お節介焼きで説教臭く、キャンディを持ち歩いて他人に分け与えるという、親戚のおばちゃんのような性格をしている。ティルティナを敬愛するロゥジーから灯悟以上に突き放されているが、灯悟曰くレグルスはロゥジーのことを気にかけている感じがするらしい。
指揮能力も高く、メカモの戦いで的確な指示で避難誘導を行った。
ダリエルと皇国騎士団と共にヴィダンに操られてしまうが、洗脳に耐え、皇国騎士団を抑えつけて灯悟達を庇った。後にその行動を不問にされたようで、国王と共に魔力の種の暴走に巻き込まれるダリエルを目撃する。
シャウハ・シェムハザール
アルヴァロスト最高の魔導士「王の杖」。リアリストだが高圧的であり、空中楼閣には手厳しい態度を取る。ヨドンナではない。出自は不明で、10年前にダリエルによって何処かから連れてこられた。
イドラの父親を負かして追放し、アーヴォルン家を没落させた張本人であり、イドラに対して威圧的なのはそのため。
ただ、褒められ慣れていないのか、イドラに「ズバズバはっきりモノを言うアンタの性格、わりと好きよ」と言われると赤面して慌てふためいた。
今まで接収した魔力の種を使い、新型魔導具ヴルトゥームを開発するが、その威力は人間の手に余るくらいの威力を持ち、イドラは再びシャウハに対して疑念を持つようになった。
その正体は魔王の愛し子の最後の一人・『惨美のシャウハ』。正体を明かした以降は魔王族の項目を参照。
冒険者・市井の人々
ポセイドン
アーヴォルン家に代々仕える老執事。イドラの事になると過保護になり、灯悟を警戒している。当初は灯悟からはセバスドンだのテレスドンだのまともに名前を覚えてもらえなかった。
元冒険者であり、若い頃は筋骨隆々な大男だった。イドラの祖母やギルドマスターと組んで冒険していたとのこと。その時の武器はトライデント。
トビー、フォウ、トパーズ、バリー
灯悟が異世界で最初に出会った冒険者パーティ。メンバーは、リーダーの剣士のトビー、金儲けに敏感な女神官のフォウ、ビキニのような衣装の弓使いのトパーズ、そして斧が武器で女好きな戦士のバリー。
女関係でトパーズとバリーが喧嘩した事でバリーが追い出され、偶然出会った灯悟(当時、絆不足で変身できなかった)をパーティに迎えた。
後にトパーズが心配になったバリーが戻って来たことにより、彼らの絆の深さに感化された灯悟がキズナレッドとして大事なことを思い出したことで変身することが可能となった。
トビーは灯悟が他人のために自分の都合を後回しにする性格であることを考えて灯悟と別れ、後にイドラとパーティを組んだ灯悟と再会し、灯悟が「自分を助けられる仲間」に出会えたことに喜んだ。
ステラ孤児院の皆さん
マム・ステラ(巨乳)の経営する、海辺の孤児院に住む子供たち(最初に出会った額に傷があるマクス、褐色肌のウルート、大人びているが根は年相応のオーレイ、お下げ髪で勝ち気な少女クリミナ、お姫様に憧れる絵本好きのゾフィアの5人)。上述のトビーのパーティとも面識がある。
平民ながら高い魔力を有しており、孤児院の畑で育てた野菜をルイーグの町に売りに行くため、町の人達からの印象は悪くない(孤児とはいえ、子供に暴力を振るうことを厭わないガラの悪い宝石店を除く)。勇者や大魔導士、王女というパーティーには興味津々であったが、『キズナファイブ』世界の子供たちとは異なりキズナレッドはまるでウケなかった(もっとも、知名度がある称号を持つ他3人はともかく、灯悟は異世界ではほぼ無名なので致し方ないことである)。おまけ漫画でも、戦隊ヒーローや特撮ヒーローにおけるツッコミどころを容赦なく指摘している。
その孤児院の立地条件だけでエルマリオの地上げ被害を受けることになってしまうが、灯悟たちにより難を逃れ、破壊された孤児院も無事に再建された。
亜人連合
ピナス・モネ
亜人連合の海上警備隊『武装人魚隊(マーメイドネイビー)』の部隊長。現代の軍服を着た人魚であり、歌いながら喋る。
亜人連合の領海を侵犯する船を、ロケットランチャーで撃沈する。
かつては歌を歌うしか能がない種族として虐げられていたが、連合を掌握することで現在のような楽園にしてくれたウラギリスことツギハギ博士に感謝している。博士の開発した変身ベルトにより、陸上では尾びれを人間の足にして生活できるようになった。
ヘラクレスオオトカゲ
ツギハギ博士によってレールガンと融合改造されたリザードマン。頭にヘラクレスオオカブトの角ようなレールガン装置があり、そこから電磁砲を発射する。
ガトリング砲と融合改造されたハーピィのトリガーハーピィ、戦車と融合改造されたデュラハンのデュラパンツァーと共にツギハギラボに侵入した灯悟達を追い出そうとするが、僅か数コマで返り討ちにあった。
元々は迫害や負傷で路頭に迷っていたが、ツギハギ博士に拾われて失った四肢や居場所を与えられ、その恩を返すため自ら改造手術に志願した。
「魔力の種」被験者
ノイゼル卿
最初に灯悟一行が戦った魔力の種の暴走体。
元は普通の田舎貴族であったが、「財産を守る」という願いから魔力の種を暴走させ、ダンジョンのボスに成り果てていた。
一度はビクトリーキズナバスターにより倒され、ギルドに救助されるも、夜なかに脱走し再び暴走。しかし通りかかったロゥジーにより瞬殺され、「種」を抜かれた。
ルルグアット
「喧噪の街」アカリナの領主。
「町の秩序と静寂を守る」という願いから魔力の種に手を出し、魔物を使役して圧政を敷く独裁者になってしまった。視界をジャックし、様々な禁則事項を規定し違反したものの所に使い魔の巨人をワープさせる。
一度は灯悟とロゥジーに倒されたかに見えたが「種」に取り込まれて大首の姿となるが、マキシマムキズナカイザーにより宇宙空間に運ばれて処理され、「種」を抜かれた。
グロッサ
アカリナの領民であり、反ルルグアット軍の総督を務める女性。姉御肌で巨乳。元々は食堂の女将である。
当初は灯悟一行に協力していたが、ルルグアットの圧政から「町を取り返す」という願いをアブダビに利用され、同士と共に「種」(しかも失敗作として破棄予定だったすぐ暴走する欠陥品)を埋め込んだ為に暴走してしまう。
シャウハの加勢により同士たちと共に制圧され、無事に「種」を抜かれる。自分達のしたことを自業自得だと受け止めており、自分達を助けてくれた灯悟達に感謝し、再会した際は自分の手料理を振る舞うと約束した。
アジール・アヌマ・ククジャ
太陽の森の近くのオアシス都市ククジャの領主。砂を操る特権魔法の使い手で、触れた物体(生物は無効)を一瞬にして砂に変えてしまう他、砂漠の地形を操ったりできる。時間を止める砂を撒き散らす巨人「ウアス」を作り出し、操る。
元々はラーニャのボーイフレンドであったが、エルフとの共存を進めるうちに領民の不満を抑えきれなくなり父を眼前で殺され、そのトラウマから力で無理矢理平穏を作り出すという歪んだ考えにとらわれるようになる。後にこれは、魔王族のヴィダンの精神操作によるものであると発覚した。
ラーニャを倒して自らアメンとなり、新フォーム「クロコダイル」や「ファラオ」、特権魔法との併用で灯悟一行を苦しめたが、その特性を見抜いたイドラにより突破口を見出され、逆転される。「種」に取り込まれ砂嵐そのものと融合して暴走するも、ラーニャの持つ絆の力で無事に砂嵐から切り離され、「種」を抜かれる。
太陽の森を襲ったことは許されなかったものの、ヴィダンに操られていたことと、アジール自身の悲劇から情状酌量の余地によりエルフたちと和解した。
なお、ラーニャとはしっかり“PATCH UP”なことを経験済みである。
ユーゲス
アジールの側近だが、内心ではアジールを倒してエルフのハーレムを横取りすることを考えている。
触れたものをカードに封印する特権魔法の使い手。願いは「美女をコレクションする」という下劣な物。イドラの策に嵌り敗北し、「種」を抜かれる(変態的な態度を取ったことが仇となって、本来なら丸呑みされるところを、テルティナの命令で簒奪の銀狼に噛み砕かれる羽目になった)。
目的が目的なので、ギミックと違い再登場しなかった。
ギミック
アジールの側近。様々な魔物を接収して変身する特権魔法の使い手。普段はアジールのアッシー。
すごくあっさりやられたので願いは不明。暴走形態になるもコマの外でテルティナに「種」を抜かれ拘束される。
その後は改心したらしく、戦地に向かうラーニャをアジールやエルフたちと共に見送った。
コナー・ヴァンダイン
ニヅベルの街の領主エドガーの息子。「子供の頃に戻りたい」という想いを持っている者を子供化させる特権魔法の使い手(灯悟のように、「過去をやり直したい」という願いを持っている者も対象である)。子供に戻された人間は人格が子供の頃まで戻ってしまい、尚且つ周りに大人がいないなどの不都合・辛い現実から目を背けるようになる。また、「子供に戻りたい」と思っていない相手でも強制的に子供にしてしまうことも可能であるが、こちらは人格は大人のままになる。
灯悟達と会った当初は子供の姿だったが、これは自身の特権魔法によるものであり、実際は25歳の大人である。
願いは「玩具で遊んでも咎められない、子供だけの世界」。英才教育でろくに遊べなかった子供の頃に、街の子供たちが持っている聖剣の勇者の人形に興味を持ち、執事のハデスに頼んで買ってもらい、それがエスカレートしていろんな玩具を密かにコレクションルームに飾るマニアと化した。しかし、縁談相手にそれを知られてから他の貴族に嘲笑われ、恥を晒したとして父親に否定されたことで、帝都から逃亡した男が持っていた魔力の種を奪って使用した。
魔王族のブイダラと手を組み、灯悟達を子供化させ、人形を操って襲いかかった(精神も子供化した灯悟とテルティナは友達として引き入れた)。しかし、仲間への想いで自分を取り戻した灯悟が変身した余波でコレクションが粉砕されたことに激怒してキズナレッドと戦うが、元の世界における玩具への理解と、それによる絆を教えられて和解し、自分の特権魔法を灯悟達を助けるために使用した。
刑期を終えた後は玩具商人として更生すると約束し、父親とも一応は和解する。
エルマリオ卿
ボサボサ髪の半裸の男。魔力の種の接収を拒み、帝都から逃げた貴族の1人。
魔力の種を接収しにきたはずの魔術の塔の上級魔導師・オレガノを従え、亜人連合へ亡命するためにメカモに向かっていたが、その途中で自分の別荘にピッタリな場所を見つけ、その場にあった孤児院を破壊したが、灯悟達がたまたまその孤児院に世話になっていたため、彼らと交戦する羽目になった。
「いつでも、どこでも泳ぎたい」という願いを持ち、物質を透過して泳ぐことができる特権魔法を使える。これにより地面の中を泳ぐことができ、相手の攻撃をすり抜けて無効化したり、相手を地面の中に引きずり込んで生き埋めにしたりできる。深海の強い水圧をものともしないため重力攻撃も効かないが、高熱は透過できないという弱点を持つ。
魔力の種の影響で黒目になり、信頼や尊敬などといった「正の魔力」を嫌い、失望や憎悪などの「負の魔力」に変えようとするなど様子がおかしくなっている(魔力の種も、魔王族の角のように変異している)。
上述の能力で灯悟達を苦しめるが、オレガノをキズナレッドに倒され、自分の弱点が発覚されたため逃走する。しかし、ロゥジーが第二の聖剣と第五の聖剣を合体させて生み出した暴餓憤竜嵐(ドラグラースィルフ)による高熱の竜巻に巻き込まれ、成敗された。
なお、彼らが破壊した孤児院はマキシマム・キズナカイザーの力もあって一晩で元通りに修復した。
アライヤ・クライガン
元・皇国騎士団の上級騎士である、筋骨隆々・巨体の中年女騎士。魔力の種の接収を拒んで帝都から逃亡した貴族の1人。一人称は「儂」。
騎士団長候補になるほどの実力を持っていたが、無茶な訓練で多くの新人騎士を再起不能にしたことで騎士団から追放された。その事を逆恨みし、ダリエル達を追ってメカモを襲撃した。
「誰も自分に着いて来ないなら自分一人で騎士団になればいい」という考えから、分裂し増殖する特権魔法を習得した。分身はすべて本体のため、1人でも分身体が残っているとそこからさらに分裂して数を増やし、しかも倒すと分身体も暴走する。さらに、念のために街の外に分身体を待機させておくなど、抜け目のなさを見せる。
キズナブラックやアメンの活躍で1つにまとまって暴走体になるが、そこからさらに分裂しティルティナに襲いかかる。しかし、ダリエルが持ち出した新型魔導具ヴルトゥームによって倒され、拘束された。
魔王族
1000年前に勇者とその仲間たちに倒された魔王とその子供たち。
魔王の封印を解くために、各地に魔力の種をばら撒いて事件を起こした。
魔王
1000年前に勇者に倒され、5体の巨像によって封印された。
女性であり、子供達から母親として慕われている。
絶縁王や不死王と同じ、ラスボス族と呼称される怪物。
彼女を解放するために、5体の子供たちが各地で暗躍する。
肉体が滅んでも、輪廻転生の輪から魂を切り離して現世に留まり、力を分け与えた者の体に乗り移って何度でも復活するため、1000年前の勇者たちは封印するしかなかった(バッドエンドの世界では、魔力の種を宿したテルティナに憑依して復活した)。
彼女を完全に倒すためには、ラスボス族の魂を輪廻転生の輪に繋ぎ止める事が出来る灯悟のビッグ絆ソウルが必要である。
アブダビ
常笑のアブダビという二つ名を持つ、灯悟達が最初に遭遇した魔王族。三男。魔王の事を「ママン」と呼ぶ。
嘲笑うかのような仮面を被り、宙に浮く6つの手を持つ道化師のような姿をしている。自分の笑い話を聞く魔王の笑顔のために、魔王復活を目論む。
反面、人間の欲望や善意を揺さぶり、魔力の種で暴走する彼等を見て嘲笑い、灯悟の怒りを買っている。また、魔王や自分の兄弟達への家族愛は本物で、ブイダラがキズナレッドに追い詰められた時は身の毛がよだつほどの殺気を放った。
1000年前の勇者達との戦いの経験から「ヒーロー達を下手に追い詰めると理不尽にパワーアップする」と学んでおり、油断せずに一気にトドメを刺そうとしたり、特撮ヒーロー作品の禁じ手である「変身前を攻撃」も行った。
ギザ歯の笑みの様な空間ゲートや魔法陣ワープを駆使したトリッキーな戦闘を得意とする。蛇腹剣と鎌を合体させたような武器「挽き笑い(ジャンク・スマイル)」や、手で触れた場所を爆発させる「爆笑」、「挽き笑い」を展開して無数の手を花弁に見立てた花型ハンマー「ビッグ・スマイル」などを繰り出す。
ヴィダン
求愛のヴィダンの二つ名を持つ、魔王族の次男。人族に近い見た目の悪魔のような怪人。魔王の事を「おかあさま」と呼ぶ。
人間に化けることができ、砂漠の国の暴乱と悲劇を引き起こした。電撃を操る事ができ、その応用で人間の思考を操る事ができ、これによって労働者を操って暴動を起こし、アジールの執事に化けて彼の傷心をつけ込んだ。
魔王の事は「おかあさま」と呼んでおり、復活した暁には母親と結婚すると公言するほどの重度のマザコン。
体が吹っ飛んで首だけになっても生きる事ができるが、体が修復するまで二頭身になるという欠点を持つ。メカモでの戦いで体が完全に修復し、ダリエルや皇国騎士団の疑心を操って暴走させた。
必殺技は、ブーケ型の巨大な電撃の剣「ブライダル・ブレイド」。
ドマド
魔王族の長男坊。巨躯を有する、角と多腕を生やした青年の姿をしている。魔王の事を「ははうえ」と呼ぶ。
母なる魔王の手料理が好物であり、彼女を封印されてからは絶え間ない空腹に苛まれている。常に飄々としているが、怒らせると弟妹たちの手に負えないほど強いらしい(一瞬、彼と対面した灯悟が「絶縁王以上の恐怖」を抱いたほど)。
負の感情を抱いた人間が放つ負の魔力を無限に吸収し、際限無くパワーアップできる能力を持つ。唯一魔王の封印である巨人像を破壊できる力を有している。魔王復活の要である事から、魔王への願いの順番は、彼が最初だと決まっている。
ブイダラ
悠戯のブイダラの二つ名を持つ、魔王族の娘にして長女。序列はアブダビより年下。ゴスロリ服を着た単眼(?)の少女。自分のことは「ブイ」、魔王の事を「マミー」と呼ぶ。
一度単眼で見た武道・術技・能力をコピーすることができ、1000年前の勇者パーティーの力をコピーし、キズナシルバーの予知能力を使って策謀を巡らせていた。単眼は複数所持しており、コピーできる能力は目1つにつき1つ。能力を使うときは「〇〇ごっこ」と称する(聖剣を使う「勇者ごっこ」、アメンの技を使う「アメンごっこ」など)。その他、1000年間ありとあらゆる冒険者や英雄の能力もコピーしてきたと語っている。
「人間が大好き」と豪語するが、それは人間を素材とした芸術や標本を作るのが好きという外道極まりない理由によるもの(前者はあまりにヤバすぎるためかモザイクがかかっていた)。
しかし、予知能力のキズナシルバーごっこは元の能力者であるキズナシルバーによって灯悟に関する予知ができなくなっている。それにより、灯悟の行動が全く読めないことが最大の弱点と化している。また、魔力の種による特権魔法はコピーできない。
シャウハ
惨美のシャウハの二つ名を持つ、現「王の杖」であるシャウハの正体。魔王のことを「かかさま」と呼ぶ。次女であり、これでもブイダラより年下。
本来の姿はタコ様な触手と、腰から生える偶蹄目のような足を持つスキュラみたいなもので、右腕についている複数の口から同時に幾つもの魔法を提供する事が出来る。人類が制御不可能な神格魔法を使えるのも、元から人間ではなかったからである。
人間として『王の杖』になった本当の目的は、「負の魔力を集めるために魔王復活まで人間を生かすため、人間の文明が発展して戦争で自滅しないようにコントロールする」のが理由であった。そして各地で暗躍する兄妹達を陰ながらサポート(初登場時にアブダビを攻撃した様に見せたのは、灯悟達に味方だと思わせるための芝居と考えられる。追撃も灯悟を妨害するためであり、本当に倒すつもりがなかったと思われる)しており、早い段階から魔力の種とその危険性の事を調べ上げたイドラの父の進言を「噂程度」と称して黙殺していた。
そして回収してアヴァルロスト王国に集めさせた魔力の種を一斉に暴走させ、王国の人々を閉じ込めると同時に魔王城を復活させる。
しかし、発展した亜人族の国を見て「壊すのがもったいない」と零しており、何やら複雑な想いを隠している模様。
1000年前の勇者パーティ
本編の1000前に魔王族と戦い、魔王を封印した勇者とその仲間。後の伝承では勇者が異世界人であると伝わっているが、実際は異世界人は勇者の仲間の3人であり、勇者自身は本作の世界の人間である。
なお、魔王封印の偉業を成し遂げる前は、勇者一行を自称する超危険変人集団という扱いだったという。
聖剣の勇者
本名不明。王家の聖剣を駆使し、魔王を封印したという勇者の青年。上述の通り、本作の世界の人間。
自分を捨てた家を見返すのに躍起になっていたらしく、ワアド曰く「根暗勇者」。
魔王封印後の消息は不明。
二階堂天理/キズナシルバー
美人な巨乳のボクっ子。灯悟のかつての想い人。
生まれつき強い予知能力を持っており、当初は「キズナファイブに入ると死ぬ」という予知から、キズナ戦士になりつつもキズナファイブとは別行動を取っていた。
自分を気に掛ける灯悟に心を開いたが、灯悟を庇って絶縁王に殺されてしまう。
その後は、灯悟が転移するより1000年前の異世界に転生し、勇者の仲間として戦っていた事が判明する。1000年後に灯悟が転移してくることを予知し、彼に向けたメッセージを残していた。
更には、自分の予知能力をコピーしたブイダラに対し、方法は不明だが灯悟に対する予知ができないように妨害している。魔王封印後の消息は不明だが、メッセージに「これを見ている頃にはもう、この世にはいない」と残している。
なお、当時は予知能力を悪用し、相手の言いたいことを先読みして会話するという問題行動をしていたらしい。
実は別の並行世界では彼女は存在せず、彼女の働きかけによって本編の世界は比較的希望がある状況になったという重要人物であったことが6巻で判明した。
あまりにも本家スーパー戦隊における戦隊金銀のイメージとかけ離れていることから、明確なモチーフの無い完全なオリジナルキャラクターであると考えられる。
雨沼太陽/初代アメン
新進気鋭の考古学者の青年。仮面の戦士「アメン」に変身するスーパーヒーローであり、キズナファイブとは別の世界の異世界人。ラーニャの先祖。
元々は不滅の怪人マミーラの王によって妹にかけられた呪いを解くためにアメンとしてマミーラと戦っていた。彼が変身するアメンは、本来はマミーラの王が歯向かう同族を抹殺するために使用していたものである。
女癖が悪く、妹や助手からいつも注意され、ワアドから「ナンパ男」と呼ばれており、ワアドの妹を娶った事で彼女から恨まれている。
しかし、魔王によって砂漠化したエルフの森のことを憂い、砂漠の植物と魔鉱石を融合させた「矢筒の木」なる巨大サボテンを作り出し、エルフの森の復興に生涯を捧げた。「太陽の森」という名前も、彼の名前から名付けられたものである。
その後は元の世界に帰らず、遺体は遺跡の奥に安置された。
ラーニャの父・ラーヴァンはかつてピナスを口説いていたらしく、先祖の血の繋がりの濃さを感じられた。
ツギハギ博士/プロフェッサー・ウラギリス
キズナファイブの宿敵・ゼツエンダーの幹部。元々はペタゴラス博士と同じ研究機関の科学者だったが、ゼツエンダーのテクノロジーに魅せられて人類を裏切った。彼が作ったゼツエンダーの兵器や、改造絶縁魔(怪人)はキズナファイブを苦しめ、特に灯悟の親友・進藤清弘を、怪人・バンソウキラーに怪人化させたことから、灯悟はウラギリスに関して、悪印象を抱いている。
絶縁王に裏切られて斬り捨てられて死亡するが、天理と同じく、1000年前に異世界へ転生しており、勇者パーティとして活躍していた(この時、当時のアヴァルロスト王国の王にしてペタゴラス博士の前世・ペターリンに出会っている)。実は王家の聖剣は、彼が作ったものである。
勇者一行の中では現在も生存しており、「ツギハギ博士」として亜人連合に身を寄せている。元の世界で辛酸を舐めさせられた灯悟との協力を嫌い、種族間抗争で地獄のような国であった亜人連合を掌握し、現代社会のような文明まで発展させた。
亜人連合の外の状況や灯悟達の足取りも、衛星軌道上に打ち上げた監視衛星で把握している(灯悟は「急に世界観を壊すような物を出すんじゃねぇぜ」と激怒したが、仲間から「お前が言うな」と言わんばかりの冷たい視線を向けられた)。
そのため連合の亜人達から英雄の如く慕われているが、本人は平和になった世界でスローライフに余生を楽しみたいだけと嘯いている。亜人連合を掌握することで幻の亜人ドッペルゲンガーを探し出し、並行世界の浅垣灯悟をコピーして操ろうとしたが、バッドエンドの並行世界のキズナレッドの暴走もあり、渋々灯悟達に協力することを決めた。
天理がいないバッドエンドの世界では魔王族と結託し、灯悟を騙し討ちして彼の仲間の命を奪った。ツギハギ博士も天理の誘いに乗らなかったら魔王族と結託することはあり得たと語っている。
絶縁王に殺された際の回想から、人類を裏切ったのは自分を認めなかった者達、特に友人だったペタゴラス博士に認められたかったという気持ちが強かったらしい。
キズナファイブ世界の住人
万丈寺流/キズナブルー
24歳。眼鏡の似合うイケメンでIT企業の若き社長。理詰めで物事を考える。クールキャラだがノリが良く、妙なこだわりを見せる変人(本家スーパー戦隊にも、そんな性格の者も数多く存在したりする)。
バイザーは水玉モチーフ。名乗りの口上は「澄み渡る清き信頼の戦士」。
相棒のキズナビーストは青い鳥型のトラストーム。自分をキズナビーストのリーダーだと思っているナルシスト。
飛星エミリ/キズナイエロー
26歳。元ヤンの高校教師で怒ると怖い。問題児の灯悟に手を焼いている。あだ名は「イエティー(イエロー先生(ティーチャー)の略)」。何気に初期メンバー最年長。貧乳なのを気にしている。
バイザーは星型。名乗りの口上は「永久に輝く約束の戦士」。
相棒のキズナビーストは黄色い虎型のプロミストライカー。上記のトラストームとは、名前に「トラ」があってややこしいと思っている。
堅岡修二/キズナグリーン
20歳。サバゲオタクの大学生。礼儀正しく筋トレ好きのマッチョ。初期メンバーの中でも背が高い。
バイザーは岩モチーフ。名乗りの口上は「固く揺るぎ無き団結の戦士」。
相棒のキズナビーストは緑色のゴリラ型のユニコング。寡黙で堅実な司令塔的存在。キズナカイザーの両腕担当だが強敵相手だとよくもがれるとか。
愛沢ツカサ/キズナピンク
16歳で灯悟の後輩。恋愛脳なギャル。運命の王子様を募集中。
ちなみに灯悟の事は一緒に神社のお参りに行くが恋愛対象ではないようで、天理に見惚れた灯悟を仲間と共に弄っていた。
バイザーはハート型。名乗りの口上は「咲き乱れ荒ぶる恋愛の戦士」。
相棒のキズナビーストはピンク色のイルカのラブマリナー。潜水能力やエコロケーションによる探知能力を持っているが、海で戦うのは滅多にないが悩み。
ペタゴラス博士
絆創膏のようなゴーグルを付けた老人。絆エネルギーの無限の可能性を研究している。
キズナファイブの装備やキズナビーストの開発に携わっている。
前世は1000年前のアヴァルロスト王国の王・ペターリン。
カサブー
三度笠を被った豚の姿をしたサポートキズナビースト。スーパー戦隊におけるサポートロボットやマスコットの位置づけ。語尾に「〜ブレラ」をつける(傘=アンブレラから来ていると思われる)。
キズナビースト
呼べば異世界だろうがやってくる頼れる巨大戦力。
上記の通りティラノサウルス、鳥、トラ、ゴリラ、イルカに似た姿をしている。
大きさは5~6mくらいと、元ネタより小さめ。
喋れないがAIによって独自の自我を持っている。
マキシマムキズナカイザー
キズナビーストが5大合体する巨大ロボ。非常に強力だが、乗っている人の絆エネルギーという不確定要素で動いているため、ちょっとでも絆が足りないとすぐエネルギーが切れる。大きさは人間の10倍くらいと、やはり元ネタよりはやや小さめ。
さらに、ゾウ型キズナビースト・エレファンダムと重創合体することで、あらゆる武装を搭載した砲撃特化形態ギガンティック・ジュウショウグンとなる。
ゼツエンダー
人々の絆を断ち切り、邪悪の限りを尽くす悪の軍団。キズナファイブによって滅ぼされた。
本家スーパー戦隊ヴィラン同様、灯悟曰く倒されるとしょっちゅう巨大化していたらしい。
ちなみにザコ戦闘員ですらオーガやトロル並みの強さがある(そもそも、作品によるが特撮の戦闘員は一般人どころか警察や軍隊でも太刀打ちできないものが多い)。
首領の絶縁王の他、幹部として絶縁王の息子を名乗る殺戮番長ゼッコウハ、惚れっぽい紅一点の宇宙海賊ハーキョック、ゼツエンダーの技術に心を奪われて人類を裏切った裏切りの狂科学者プロフェッサー・ウラギリス、そして解読不能な言語を発する超能力少年の奇怪生命体リサンがいる。なお、ゼッコウハとハーキョックは犬猿の仲だが、灯悟の回想ではゼッコウハがハーキョックを庇う場面が見られており、ハーキョックはゼッコウハに本気で惚れていたとのこと。
6巻ではおまけページで彼らの境遇が描かれており、ウラギリス以外は同情の余地があったことが判明している。
なお、7巻のおまけ漫画にて、ゼッコウハとハーキョックは絶縁王に反目した事で絶縁王の粛清を受けて海に落ちたのを灯悟に目撃されたが、実は生きていてどこかの島で仲良く暮らしていた事が判明する(ツギハギ博士も薄々彼らの生存を予感していた。というのも特撮において水落ちは生存フラグとして有名)。
怪人・絶縁魔で事件を起こし、人々から絆エネルギーを奪っている。現在名前が判明しているものでは、SNSを妨害する「ネット絶縁魔・ツナガLAN」と、強力なバリアを発する「キョゼツンドラ」、分身・変身能力で浮気現場の捏造を行う「NO破壊工作絶縁魔・ネットリハンゾウ」の3体。
幹部を始め、絶縁魔の名前の由来は「絶交」や「破局」、「拒絶」などといった、絆とは対極な単語が使われている。また、戦闘員も含め、絆を断ち切るハサミが仮面や体の一部に取り入れたデザインも特徴。戦闘員の掛け声は「エンガー」「ガチョーン」(「えんがちょ」が由来)。
実は絶縁王は魔王や不死王と同じラスボス族で、『他者に力を分け与える』『第二形態に変身する』そして『輪廻転生に干渉する』能力を持つことがツギハギ博士の研究によって判明する。
そして、彼の真の能力は『殺した相手を輪廻転生の輪から切り離し、魂のまま転生も消滅できなくする』というもので、彼に殺されて転生できなかったツギハギ博士や天理、灯悟が異世界に来たのも、絆ワープの原理で縁がある相手の異世界での前世に引っ張られて再生したということらしい(灯悟の場合は絶縁王と相打ちになって彼に殺された扱いになった)。
そして灯悟に倒され、輪廻転生の輪に繋ぎ直された絶縁王の転生体が上述のロゥジーである。
用語解説
魔力の種
埋め込むことで特権魔法と呼ばれる強力な魔法が使用できるようになる呪いのアイテム。魔法の才能が無い者でも簡単に力を得ることが出来る一方、使用しすぎると取り込まれ、醜悪な魔獣となってしまう。
魔獣化した人間は倒すと元通りになるが、この状態ではいずれ再び魔獣となるリスクがあるため、テルティナは「特権解放」と呼ばれる特殊な魔法で魔力の種を除去している。
ヴルトゥーム
「王家の杖」が開発した、魔力の種をエネルギー源とした新型魔道兵器。火薬兵器が存在しないこの世界における最初のビーム兵器であり、バズーカ砲のような大きさをした光線銃(『ウルトラマン』のスパイダーショットのように両手で抱えて撃つ)。その威力は巨大化した魔力の種暴走体の体を貫通するほど。しかも何発でも連射可能。
言うなれば、キズナファイブの持つビクトリーキズナバスターを1人でも撃てるように改造して、しかも必殺技どころか通常技としていくらでも撃てるような仕様にしたに等しいバランスブレイカーである。
あまりに強力かつ便利すぎるため、間違った手段で使用されれば甚大な被害を齎す事は容易に推察可能であり、イドラは「あんなものが量産されたら制御できるのか」と恐怖を抱いている。
刻印魔法
天才魔術師ワアドが生み出した、エルフ族に伝わる魔法。対象に刻印を描くことにより魔法を発動させる。
例えば、エルフ達が矢として使っている矢筒の木のトゲに「飛来」の刻印を刻むことで矢羽無しでも遠くまで飛ばすことができ、重い石や荷物に「軽量化」の刻印で楽々運ぶことができる。
エルフ達から学んだことでイドラも使用できるようになった。
亜人
エルフや獣人など、人間以外の種族の総称。魔王族とは別物であり、敵対している。
25年前に起きた惨劇により、現在は人間と亜人連合が敵対化している。
エルフのように人間と共存できる亜人もいなくはない。
現在の亜人連合はツギハギ博士によって現代の地球のような文明まで発展しており、仮に王国がヴルトゥームを量産して侵攻してきても返り討ちにできそうなくらいに圧倒的な戦力差を誇っている。
テレビアニメ
2024年8月9日に2025年1月からの放送開始が発表された。アニメ版のタイトルロゴは原作と異なり、「戦」の「戈」の斜めの線を本作の戦隊名にも使用されている絆創膏に見立てたものとなっている。
メインスタッフ陣の冨岡や亀山、怪人デザインの渋谷亮介、変身モーション監修の小川輝晃、変身モーションディレクターの鈴村展弘は本家スーパー戦隊シリーズに参加している。
特に脚本の冨岡は本作の前年から放送されている爆上戦隊ブンブンジャーのメインライターを務めている。なお執筆自体は本作の方が先で書き上げた矢先にブンブンジャーのオファーがきたという(ちなみに、本作は上記の通り2025年冬アニメとなるため、1〜2月は両作の放送期間が被ることが見込まれる)。
この為、『現実の2025年度の戦隊は本当にキズナファイブなのではないか?』という考察が出ている。
そしてネタとして言われていたレンジャーキーや各種ギアの発売も現実味を帯びて来ている。
ちなみに、アニメ公式サイトでは原作でもこれまで記載されていなかった主要キャラクターの誕生日が記載されている。
関連タグ
稲田徹:コミックスPVにボイス出演している。本家スーパー戦隊にも、声優として出演することが多い。