概要
『仮面ライダーリバイス』に登場する政府特務機関。
危険な悪魔崇拝組織デッドマンズを目下最大の脅威と見做し、対策を講じている。
規模はそれなりに大きく、バイスタンプや悪魔の研究施設や空中基地、デッドマンを生んだ人間の為の更生施設を持つ。
また、第3話で誘拐犯から悪魔についての取り調べを行っている為、少なくとも悪魔絡みの事件においては、警察的な権限を行使できる模様。続く第4話でギフテクスとなった桶谷彩夏が悪魔から解放された後に、施設で治療を受けていたり、更生プログラムまで存在する点から「悪魔と戦う」だけでなく、「道を踏み外した人間が社会復帰する為のケア」も担っている点も見逃せない。
……但し、第13話で放送されたニュースキャスター曰く「加害者の拘束を含めた『更正プログラム』に科学的根拠が乏しい(要約)」として、やはり少数の民意からは不信感を抱かれている描写もある。
悪魔と戦う組織だけあり、それに見合う多くの隊員(第1話の任命式でも多くの隊員が確認できる)や兵器を保有しており、今作におけるライダーシステムである最高戦力・リバイスシステムの開発にも成功している。
他にも、仮面ライダーシリーズの特務組織としては珍しく、世間一般にも広く認知され、メディア活動も積極的に行っており、第1話の任命式の様子もテレビで放送されていた。
ちなみに『仮面ライダービヨンド・ジェネレーションズ』によるとあの悪名高いショッカーと因縁があったらしい。
隊員の装備はフェニックスリボルバー(プロップを制作した会社による仮称)とガンデフォン50とAKホワイトストームの3つ。後者は主にデッドマンズとの戦闘で使われる。
問題点と闇
政府機関らしく潤沢な施設・権利・人員等を保有しているが……肝心の戦力はお世辞にも有用とは言い難い。
事実、第1話においては
- 開始前から本拠地を襲撃され、複数のバイスタンプを強奪されている状態で本編がスタート
- デッドマンズの接近に気付かず奇襲を許し、指揮系統が混乱してロクに対抗できず防戦一方
- デッドマンならまだしも量産ザコのギフジュニアにすら苦戦する(むしろ特殊な訓練をしていないさくらの方が戦えている)
- 状況を打開するべく開発した新兵器を使用するも、「特定の人間でなければ使えない」仕様故に作動に失敗し、逆にデッドマンを増やして状況を悪化させる
- 敵の対処に手一杯で、本来最優先でやるべき民間人の避難に気を回しておらず、結果的に居合わせた多くの人々を危険に晒す
- テレビ中継でここまでの醜態を民衆に暴露されてしまう
等の具合で、正直悪魔狩りのプロとしては力不足感が否めない(後にこの件については「指揮官の門田ヒロミが無能だった為」と判断され更迭された)。
加えて、第11話でようやくアサルトライフルが登場しているが、これもデッドマンズに対して有効打にはなっていない。
しかもそれまではピストルとガンデフォンのみという貧弱な装備だった。(最初からアサルトライフルを使用していたゼロワンのA.I.M.S.とは対照的である。)
しかし、第2話にて大二が前線で指揮を執った際は、一般隊員も光線銃等でギフジュニアを退けつつ一般人の避難誘導を行ったり、デッドマンを生んだ人間からスタンプを回収する等、相応に活躍できた所を見ると、少なくとも指揮系統が万全ならば、ギフジュニア程度ならどうにか戦える模様。
しかし、やはり現行の装備ではデッドマンを討伐するのは難しく、肝心のリバイスシステムも上記の欠点もあり万能ではない(そもそもシステムが完成したのが極最近らしく、運用試験どころか肝心の使用者すら決めかねていた)。
更に、リバイスシステムに代表されるライダーシステムの関連技術は、実質的にジョージ・狩崎1人の手で委ねられている=ライダー候補の人選もジョージ1人に委ねられている状態の為、指揮系統の煩雑化及び、戦力増強の難度の上昇化も招いている節もある。
総じて「まだまだ課題が残る組織」「戦力不足も問題だが、組織員同士の信頼関係がそれ以上に問題」と評せる。
また、この手の組織の例に漏れず、フェニックスにも色々とキナ臭い部分がある。
詳細は下記の余談に譲るが、とある人物の両親を人体実験により、廃人にしてしまった事実があるらしい。
詳しい事はまだ判明していないが……もしそれが本当ならば、果たしてフェニックスは本当にデッドマンズに対抗する為の組織なのだろうか?
所属者
フェニックスの長官。
フェニックスの司令官。
フェニックス遺伝子工学研究所に所属するリバイスシステムの開発者。
フェニックスに所属する青年。階級は物語中で度々変動する。
フェニックス中央方面隊分隊長。五十嵐一輝/仮面ライダーリバイの弟。
フェニックス分隊長。ヒロミ、千草とは同期にあたる。
フェニックス・スカイベース勤務の女医。
元所属者
フェニックスの元隊員。ヒロミ、竜彦とは同期にあたる。
協力者
分隊長・大二の兄と妹。フェニックス開発のライダーシステムで戦う。
余談
- 綴りは「PHOENIX」ではなく「FENIX」。英語ではなくスペイン語(fénix)で、「フェニックス」の名称は不死鳥の他にソロモン72柱の37番目の悪魔(※)を指しているのでも知られている。その場合、正義の組織の名に悪魔の名が付けられている状態であり、本作の敵が悪魔であるのを合わせると、何やら不穏な空気が漂うが……?。
- 上記の通り不穏な要素が目立つが、そもそも何の為に人体実験を行ったのか現時点では不明。ライダーシステムはデッドマンズの活動が、バイスタンプ強奪後に活性化するのを見越して開発されているので、システムの実験台ではないと思われる。
- ただし、バイスタンプ自体は30年前に開発されているので、その運用実験の可能性はありえる。
- 古代遺跡から発見されたギフスタンプを保管している事実が判明し、バイスタンプ自体何の目的で開発されたのかも不明であり、ギフスタンプと共に発見された始まりの悪魔のミイラを研究していた物語の元凶、或いはその関連組織の可能性もあり得る……とするよりかは、上記にもある通りアギレラの両親を廃人にした結果、デッドマンズの首領が誕生したようなもので因果応報である。
- 後に始まりの組織の存在が明らかになったが、これを鑑みると組織の腐敗・分裂に伴ってフェニックスにギフスタンプが移動したものと推測される(同時にバイスタンプの由来も軍用目的であると明らかにされた)。ただしノアとフェニックスは高確率で併存していたが(ビヨンド・ジェネレーションズの設定より)、関連組織かどうかまではまだ不明。
- そもそもノアが存在した時点だとまだバイスタンプすら実験段階で出回っていないはずのため、この時代のフェニックスがどういう目的で設立されたのかすら謎である。また、アギレラの両親に関しても人体実験関連の話がこちらに移ったためか、現在はまるごと無かったことにされている。
- 「人命を守る軍事組織」の面目上仕方ないが、現状では司令官や研究所トップの口から発せられるのはキツい正論ばかりで、フォローらしき発言がほぼ見られていないのもあって、一部の視聴者から若干黒っぽさを見出されており、組織の構成員間の信頼関係の破綻が恐れられている。実際、これによって第5話の流れが生まれているにも等しく、一部の視聴者から「最終回まで組織が存続出来るのか?」「ユグドラシルみたいに組織自体が物語の途中で退場するのではないか?」と心配されているとか。
- 所属している2ライダーの決め台詞を合わせると「いのちだいじに」となる。
関連タグ
エターナルフェニックス:前作における「フェニックス」。無論綴りは違う。
BOARD(仮面ライダー剣):同じくライダーシステムの開発元。太古の怪生物をシステムに利用しているが、こちらは創設者が黒幕で全ての元凶だった。
ブルースワット:上記のBOARDとフェニックス同様、第1話から本拠地が襲撃された。
財団X:構成員が白い服装を身に着け、様々なオーバーテクノロジーを研究する組織。こちらはガチの悪の組織。
ZECT:フェニックス同様、人類を怪人から守っている組織だが、フェニックス同様少なからず闇がある組織。
鴻上ファウンデーション:バイク等の汎用装備や新たなライダーシステムを開発した支援者であると同時に、元凶とも言える組織。こちらの戦闘部隊も第1話で怪物の親玉を相手に大敗を喫している。最終的にはラスボスまでも生み出しており、黒幕ではないもののトラブルメーカーには違いない。
ユグドラシル・コーポレーション:ライダーシステムを開発したり、時空を超えた未曾有の災厄への対策を講じていたりと、一見正義の組織に見えるが、秘密裏に非人道的な人体実験を行っていたり、民間人の犠牲を前提とした非人道的な計画も立てている等、ロクでもない部分ばかりが目立つ。その末に組織自体が物語の途中で退場となった。フェニックスは果たして……?
国際秘密防衛機構イーグル:変身ヒーロー以外の構成員が怪人どころか、戦闘員にすら後れを取る程に頼りないヒーローサイドの組織繋がり。ライダーを除くフェニックスの隊員達の今後の活躍は……?
フェニックスワンダーランド:昨年にリリースされた音ゲーに登場する、名前が「フェニックス」繋がりの施設。こちらも一家の作戦で壊される予定だったが、妹が兄達を説得した事で無くならずに済んでいる。
この先ネタバレ、閲覧に注意されたし
第14話にて、既に優次郎本人は第1話の時点でカメレオン・デッドマンに殺害されていた事実が発覚。
つまり第1話の時点で「組織としてのフェニックス」はほぼ壊滅していたも同然の状態であった。
ジョージこそまだ健在であった為、暫くの間はジョージが指揮系統を兼任していたが第16話にてヒロミが優次郎に代わって総司令に就任した為、フェニックス壊滅は取り敢えずは避けられた様子である。
だが、そのヒロミもデモンズドライバーの真相を知って辞職・消息不明になってしまう。
その後、第21話にて、長官の赤石がデッドマンズのオルテカと通じていることが発覚。
更に『ジョージ・狩崎の父』を自称する人物が率いる第三勢力も登場、フェニックスのみならず五十嵐家までかき乱していくと、事態の混迷度合いが深まっていくばかりである。
そんな最中、第26話にてフェニックスとデッドマンズ、ウィークエンドの3勢力のいずれも「元々は『ノア』と呼ばれる科学研究組織が分裂した組織」だと判明した……。
そして第35話にて、赤石の演説にて、ギフが多くの隊員を一瞬にして消滅させ、さらに隊員が乗っているであろうフェニックス・スカイベースを破壊、さらに36話では自らの戦力であるホーリーライブをヘルギフテリアンに敗北させることで、フェニックスの悪魔への敗北が全国にデモンストレーションされてしまった。
その役割
長官である赤石がギフ側の存在であった為、フェニックス自体赤石の計画の為の駒でしかなかったと言える。
デッドマンズ側がギフ復活に動き、フェニックス側が政府特務機関として活動する序盤の展開も、デッドマンズと内通する赤石が悪魔への対抗組織を運営する事で、ギフを巡る争いを有力な二組織間のものに集約してコントロールしやすくし、たとえどちらが壊滅しても赤石が残った一方を用いてギフを手元に置けるようにする、という狙いがあったものと思われる。
やがてデッドマンズが組織として壊滅し、残ったフェニックスにおいて保管されていたギフが復活したことで、もはやフェニックスさえも赤石にとって用済みとなった。
そして最終的に、「これまで悪魔と戦ってきた組織が一瞬の内に壊滅する様を世界に公開する事で、世界中に絶望を振り撒く」という演出のため赤石に利用される形で切り捨てられてしまった事になる。
スカイベース破壊後は国家戦略特区アララトを拠点とし、恭順する民衆にバイスタンプ押印を義務化しアララトに迎え入れると共に、39話以降は抵抗戦力として名乗りを挙げたウィークエンドを、ギフジュニアやヘルギフテリアンを堂々と戦力化して制圧行動に出るなど、完全なるギフの尖兵組織へと成り下がってしまった。
- この頃になると人間の戦力が大二以外ほぼ登場しておらず、39話にて大二がギフジュニアを引き連れて現れたのも「ヒロミや竜彦の働きかけでほとんどの隊員が離職したからでは?」という邪推も。事実当該話にてヒロミより、フェニックスを離れた仲間らと共にウィークエンドに加勢している旨が語られている。
43話にて赤石が消滅、44話では大二が完全に五十嵐家側に戻ってきたものの一応組織自体は残っていたようで、ギフ討伐及びエリア666の一件を経た後、改めてフェニックスを「正しい在り方に戻す」べく再編に勤しんでいる模様。
ギフは消滅したがバイスタンプはまだまだ市中に残っている可能性がある上(既にデッドマンズ瓦解後でもデッドマンの出現事例が二例もある)、フェーズ2まではギフが関与しなくても誕生するため、今後もフェニックスの役割は残るものと思われる。また、デモンズトルーパーの一団はウィークエンドの解散に伴いフェニックス所属となったようだ。
もっとも、それ以上に重大な問題が巻き起こってしまったのだが…
その後
フェニックスの再編を進めていく中で、最終話で組織を『ブルーバード』に改称することが明らかとなり、大二とヒロミが主導となって設立に向けた準備を進めている。