概要
各種雑誌、新聞、Webサイトなど各種媒体で長きにわたって連載されている漫画のことである。週刊誌掲載作品だと単行本巻数が3桁(100巻)を超えているタイトルもある。
たとえ作者が長期連載を見越した設定をしても、人気が無ければすぐに打ち切りとなるので、読者からそれなりの支持を受けている漫画でなければ達成できない偉業である。
長寿漫画にありがちなこと
連載が長期にわたるにつれ、舞台設定と時代背景がずれていく。また、作品とキャラクターのイメージは密接に関連しているため、作品内のキャラクターをリアルタイムに年をとらせることは困難である(詳しくはサザエさん時空を参照)。もっとも中には、連載当初は20代の主人公が結婚して息子が生まれて……という『あぶさん』(ビッグコミックオリジナル、1973年~2012年)のような大河作品もあるにはある。また、「野良犬」だった主人公が軍隊内で出世する展開が戦前に人気を呼んだ『のらくろ』(少年倶楽部→丸、1931年〜1981年)は、戦後連載分では主人公の再招集、休戦による除隊、戦後は放浪生活を経て喫茶店を開き、結婚して息子をもうけている。
長く連載していればマンネリに陥りやすいという問題点もある。
作者が綺麗に終わらせたがっている作品であっても、『ドラゴンボール』(週刊少年ジャンプ、1984年〜1995年)の様に作者の意思だけで連載終了させる事が出来なくなる、いわゆる「引き延ばし」も起こり得る。
長寿漫画の一覧
※ 20年以上連載している(いた)作品
(『ガラスの仮面』のような不定期連載や、『パタリロ!』『美味しんぼ』のように長期の休載期間があるものを除く)。
年代順
- ゴルゴ13(ビッグコミック、1968年11月~)
- ドラえもん(小学館の学習雑誌ほか、1969年~1997年)
- あぶさん(ビッグコミックオリジナル、1973年〜2012年)
- 赤兵衛(ビッグコミックオリジナルほか、1972年~)
- 浮浪雲(ビッグコミックオリジナル、1973年〜2017年)
- 三丁目の夕日(ビッグコミックオリジナル、1974年9月〜)
- わんころべえ(なかよし、1975年12月~)
- こちら葛飾区亀有公園前派出所(週刊少年ジャンプ、1976年6月~2016年9月)
- 王家の紋章(月刊プリンセス、1976年9月~)
- あさりちゃん(小学館の学年別学習雑誌、1978年7月~2014年2月)
- 釣りバカ日誌(ビッグコミックオリジナル、1979年〜)
- 風雲児たち(潮出版社→リイド社、1979年~2020年)
- なんと孫六(月刊少年マガジン、1981年2月~2014年5月)
- 気まぐれコンセプト(ビッグコミックスピリッツ、1981年3月~)
- 島耕作シリーズ(モーニングほか、1983年〜)
- クッキングパパ(モーニング、1985年2月~)
- ジョジョの奇妙な冒険シリーズ(週刊少年ジャンプ→ウルトラジャンプ、1986年12月〜)
- ああっ女神さまっ(月刊アフタヌーン、1988年〜2014年)
- 馬なり1ハロン劇場(ファンファーレ→漫画アクション→双葉社webマガジン→WEBコミックアクション→netkeiba.com、週刊大衆)
- 静かなるドン(漫画サンデー、1989年〜2013年)
- DEAR BOYSシリーズ(月刊少年マガジン、1989年6月〜)
- はじめの一歩(週刊少年マガジン、1989年9月~)
- 風の大地(ビッグコミックオリジナル、1990年〜2022年)
- クレヨンしんちゃん(漫画アクション→まんがタウン、1990年8月〜)
- こっちむいて!みい子(ぴょんぴょん→ちゃお、1990年9月~)
- スーパーマリオくん(月刊コロコロコミックほか、1990年10月~)
- 刃牙シリーズ(週刊少年チャンピオン、1991年9月~)
- ミナミの帝王(週刊漫画ゴラク、1992年~)
- アカギ〜闇に降り立った天才〜(近代麻雀、1992年〜2018年)
- 鬼平犯科帳(コミック乱、1993年~)
- 浦安鉄筋家族シリーズ(週刊少年チャンピオン、1993年2月~)
- 酒のほそ道(週刊漫画ゴラク、1994年~)
- 名探偵コナン(週刊少年サンデー、1994年1月~)
- 犬マユゲでいこう(Vジャンプ、1994年6月~)
- HIGHSCORE(りぼん、1995年3月~)
- 黄昏流星群(ビッグコミックオリジナル、1995年11月〜)
- Dreams(週刊ヤングマガジン→マガジンSPECIAL、1996年~2017年1月)
- カイジシリーズ(週刊ヤングマガジン、1996年2月~)
- ポケットモンスターシリーズ(月刊コロコロコミックほか→週刊コロコロコミック、1996年8月~)
- 白竜シリーズ(漫画ゴラクネクスター→週刊漫画ゴラク、1996年9月~)
- ふたりエッチ(ヤングアニマル、1997年〜)
- ONEPIECE(週刊少年ジャンプ、1997年8月~)
- 特命係長 只野仁シリーズ(週刊現代ほか、1998年3月~)
- 江戸前の旬(週刊漫画ゴラク、1999年~)
- むこうぶち(近代麻雀オリジナル→近代麻雀、1999年~)
- ケロロ軍曹(月刊少年エース、1999年2月~)
- デュエル・マスターズシリーズ(月刊コロコロコミックほか、1999年4月~)
- バカ姉弟(週刊ヤングマガジン→月刊ヤングマガジン、1999年6月~)
- ギャグマンガ日和(月刊少年ジャンプ→ジャンプSQ、1999年12月~)
- アニマル横町(りぼん、2000年1月~)
- 一騎当千(コミックガム→ヤングキングアワーズ→ヤングキングBULL、2000年4月~)
- なみだ坂診療所(週刊漫画TIMES、2000年~2021年)
- でんぢゃらすじーさんシリーズ(月刊コロコロコミックほか、2001年9月~)
- ながされて藍蘭島(月刊少年ガンガン、2001年12月~)
- 解体屋ゲン(週刊漫画TIMES、2002年4月~)
- ケシカスくん(月刊コロコロコミックほか、2004年5月~)
- みなみけ(週刊ヤングマガジン、2004年6月~)
4コマ漫画
※ 4コマは植田まさし作品を筆頭に長期連載作品が多い。特に新聞漫画は20年以上の連載が当たり前である。
- 江戸ッ子健ちゃん→フクちゃん(東京朝日新聞→毎日新聞、1936年〜1971年)
- サザエさん(夕刊フクニチ→新夕刊→朝日新聞、1946年4月〜1974年2月)
- まっぴら君(毎日新聞、1954年1月~2002年11月)
- ほのぼの君(1956〜1962、1970〜1984、1984〜2007)
- 仙人部落(アサヒ芸能、1956年10月〜2014年7月)※アニメ化作品(1963年)は日本初の深夜アニメ。
- がんばれゴンベ(毎日小学生新聞、1958年7月~1992年7月)
- フジ三太郎(朝日新聞、1965年4月〜1991年9月)
- サンワリ君(読売新聞、1966年6月~2004年7月)
- 碧南一家(広報へきなん、1967年~)
- タンマ君(週刊文春、1968年1月~)
- ジャンケンポン(朝日小学生新聞、1969年9月〜2023年3月)※ギネス世界記録。
- アサッテ君(毎日新聞、1974年6月~2014年12月)
- まんまる団地(しんぶん赤旗、1975年2月~)
- フリテンくん(近代麻雀など→まんがライフ、1979年〜)
- サラリ君(産経新聞、1980年3月~2010年3月)
- ヒラリ君(河北新報ほか→北國新聞、1981年4月〜)
- コボちゃん(読売新聞、1982年4月〜)
- ぼのぼの(まんがライフ→まんがライフオリジナル、天才くらぶほか→まんがくらぶ、1986年7月~)
- となりの山田くん→ののちゃん(朝日新聞、1991年10月〜)
- ひなちゃんの日常(産経新聞、1998年9月~)
- ラディカル・ホスピタル(まんがタイムオリジナルほか、1998年9月~)
- 地球防衛家のヒトビト(朝日新聞、2002年4月~)
- らいか・デイズ(まんがホーム、まんがタイムオリジナルほか、2003年8月~2024年8月)