※親記事の門矢士のページの仮面ライダージオウの項目の文章量が膨大な物となった為、こちらに分割しました。
演:井上正大
「俺は通りすがりの仮面ライダー…世界の破壊者だ」
変身する仮面ライダー
概要
平成ライダー20作目『仮面ライダージオウ』は、嘗ての『仮面ライダーディケイド』同様に歴代ライダーの世界と壮大なクロスオーバーをする作品である。そして、そんな『ディケイド』の主人公であった門矢士は、『ジオウ』の物語上重要な立ち位置に置かれ、第1~第3クールではそれらの区切りとなるタイミングに登場、さらに最終章となる第4クールではほぼ毎話登場するレギュラーキャラとなった。
本作では謎のアイテム・ディケイドライドウォッチや、マゼンタカラーのネオディケイドライバーなど、原典では持ち合わせていなかったいくつかの新アイテムを所持している。
更に、新たな能力としてかつて士を目の敵にしていたあの男のようにオーロラカーテンを身一つで展開し、過去の時代に飛ぶというとんでもない荒業も披露している。士の台詞から「過去の世界」であれば時間も関係ないのかもしれない(もっとも、士が何の説明もなく時間を越えている描写が過去に映画でもあったり、魔宝石の世界など本編終了後の客演ではたびたび使われたため、元から使えていた可能性もある)。
おまけに自身のライドウォッチがジオウの手に渡りジオウ・ディケイドアーマーが誕生してからも、記憶も歴史も失った様子は全くなく変身も普通にしてみせるというジオウの設定の破壊者っぷりを見せた(アナザージオウが誕生してもジオウ本人に何も影響がなかったのと同じように、「本編終了後も旅を続けている事で現在進行形で歴史を作り続けているからではないか」という考察もあった。この真相に関しては後述)。
人物
尊大な態度はそのままに、掴みどころのないどこか喰えない雰囲気の人物として描かれている。しかしディケイドアーマーの誕生を祝うウォズに呆れた表情でツッコミを入れたり、ソウゴに会いにクジゴジ堂を訪れた際にソウゴのために作られていた夕食を勝手に食べた上に美味しそうに舌鼓を打つ等、どこか茶目っ気のある面も見せている。
ただ、基本的に後述する目的の為に動いており、特に再登場以降はソウゴ達とは別の視点・立ち位置から独自に世界に関しての情報を探っているためか、後半ではウォズに変わって事象の説明役を引き受けることも多くなっている。
また、自身の得た情報や経験から、ソウゴやツクヨミに助言を送るなどこれまでの客演と比べても「ライダーの先輩」という面もいくらか見せている。
公式掲載されたEP1~EP16までの人物相関図(参照)では、ジオウの主要登場人物に並んで「門矢士」もしれっと一緒に掲載されており、ゲイツおよびタイムジャッカーの双方から「変なヤツ」と思われている。演者の井上はこの事に対し「逆に変なヤツくらいでよかったよ。」とコメントしている。
なお、原典に比べ声が低くなっているが、これは井上によると意図的なものであり、今作での士の役回りに合わせて「敵か味方かわからないようにあえて声を低く演じている」との言及がある。(地声は比較的原典時に近いが、それでも声変わりしたらしい)
服装
基本的な服装は、黒いストライプのスーツに着崩した赤いサテンシャツ、そしてお馴染みのトイカメラというものとなっている。
同じジオウの世界でも時系列によって服装が変化するものと思われる。
○○編 | 時系列 | 職業 |
---|---|---|
ゴースト編 | 2018年・2015年 | ウォズの協力者?(ジオウでの基本の服装) |
ゲイツリバイブ編 | 2009年 | バス運転手 |
カブト編 | 別の2058年 ※ | ツクヨミの家のコック |
アナザージオウⅡ編 | 改変2019年 | 戦場カメラマン |
※EP43にて、士とツクヨミが訪れた2058年は従来のジオウ世界とは「別の時間軸」であったことが明かされている。
なお原典のように一度衣装を披露したら私服に替えるということはなく、同世界での服装を通している。
活躍
- EP13 『ゴーストハンター2018』
ここから初登場。アナザー鎧武の一件を受け、本来の歴史から外れつつある常磐ソウゴの事を危惧し、タイムジャッカーへ協力する事に決めたウォズの依頼を受け(たと推測される)、ソウゴ達の前に立ちはだかる。
劇中ではディケイドアギトとディケイド響鬼に変身し、アナザーゴーストの事件を追う天空寺タケルやソウゴ、ゲイツ達を妨害するような行動を起こした。
- EP14 『Go!Go!ゴースト2015』
アナザーゴーストを倒すべく2015年に飛んだゲイツを妨害するべく、オーラに彼女のタイムマジーンに乗るよう言われたが、それを「わざわざ時間旅行をしないと過去の世界に行けないのか?」と断り、オーロラカーテンを利用し2015年に飛ぶ。
2015年に飛んだ後はアナザーゴーストと戦闘中だったゲイツの前にディケイド龍騎の姿で妨害を仕掛け、更には「粋な計らい」としてディケイドゴーストに変身。アナザーゴーストとのダブルライダーキックでゲイツを変身解除させ、彼が拾おうとしたゴーストライドウォッチを奪い取って無力化させた一方、ディケイドライドウォッチをゲイツに譲渡するなど不可解な行動を取る。(これについて、この時点では「相手が弱かったらつまらない」という趣旨のことを語っている)。
なお、ジオウ・ディケイドアーマー誕生時にウォズがそれを祝った際は「お前…誰に向かって言ってんだ?」と突っ込み、その後もジオウ・ディケイドアーマービルドフォームを見たウォズが祝おうとした際は「くどい!」の一言と共に彼の逢魔降臨暦を奪い取って強制ストップさせている。
- EP15 『バック・トゥ・2068』
オーマジオウが未来から送り込んで来たカッシーンがゲイツを襲う中、それを助けようとするジオウをディケイドに変身して妨害。自分がオーマジオウとなる未来を受け入れられないジオウに対し、「無実の罪と思いながら死んでいくのは不憫」という理由からオーロラカーテンを出現させ、それを利用してジオウとツクヨミを2068年へと飛ばしてしまう。
- EP16 『フォーエバー・キング2018』
ソウゴがジクウドライバーをゲイツに破壊させたと知って落胆した様子を見せ、「俺の計画をどうしてくれる」と意味深な台詞を発しているが、オーラにその意味を聞かれた際は何も答えなかった。
その後はゲイツとタイムジャッカーの手先になったカッシーンが戦っている場面に現れ、「こっちに付いた方が面白い」という理由からカッシーンに加勢。ディケイドウィザードになってゲイツを変身解除に追い込むが、ゲイツの説得で決意を固めたソウゴが再びジオウに変身し、更にウールから奪取した予備のベルトでゲイツも再変身した事で2vs2の対決に持ち込まれる。それでもバインドの魔法で2人を拘束するなど強敵ぶりを見せつけたが、ジオウ・ディケイドアーマーエグゼイドフォームの連携には逆に押され、「これ以上は分が悪い」と判断しその場はオーロラカーテンで撤退する事となった。
士「また会おう、元気でな」
オーラ「ほんっと気まぐれね……」
この時点で、ジオウの設定(本来はタイムマジーン等で時間を移動するが彼はオーロラカーテンを使用。ライドウォッチが継承されても記憶も変身能力も失わない)、アギトのゲイツ達からの評判、ゴーストライドウォッチ、ウォズの継承の儀、ソウゴの食事(の時間?)を破壊している。おのれディケイド!
今までのレジェンドキャストが2話ごとに入れ替わる中、連続で4話登場する快挙を果たし、さらに撤退時の言葉、白倉Pの発言などから、今後も再登場するだろうと視聴者から期待を寄せられていた。
- EP21『ミラーワールド2019』
彼自身は直接の登場はないが、ウールに「数千回に一回だけ鏡が割れる瞬間に繋がる、失われた鏡の中の世界がある」という情報を与えていたことが判明(ウールが言及するシーンにはジオウ客演時の映像が使われている。また、ウールのセリフから「鏡像の城戸真司=仮面ライダーリュウガ」の存在も教えていたことが窺える)、アナザーリュウガが生まれる遠因になった。
教えた理由・目的などは不明。しかしこれが本来のアナザーライダーならまだよかったが、アナザーリュウガは当時の戦力では倒す方法がなかったため(詳しくはアナザーリュウガの項目を参照)、実に厄介なことをしてくれたと言える。
「おのれディケイドォォォォ!」
なお、士役の井上は寝耳に水だったらしい。(こちらもアナザーリュウガの項目を参考)
- EP26『ゲイツリバイブ!2019』
今回も直接の登場はないが、ソウゴとアナザージオウの変身者である加古川飛流の接点を探していたツクヨミが、2人が2009年4月24日(本放送日ではディケイド第13話と第14話の間にあたる)に同じバスに乗って事故に遭っていることを突き止め、実際にその時代に向かう。
一方、黒ウォズもその事故について当時の乗客名簿を調べていたが、名簿の運転手の欄には何故か士の名前が記されていた。
- EP27『すべてのはじまり2009』
久々の登場。上述の事件当時、バスの運転手として搭乗していた事が明かされた。運転手になっていた理由は不明(「ジオウの世界」における役割が運転手だったのかもしれない)。なので、「番組 仮面ライダーディケイド」の最中の門矢士ではなく、ディケイド終了後、旅の途中、何らかの事情で2009年、もしくはジオウ世界に来ていたものと思われる。
「2000年生まれの王の資質を持つ子供達」に死を賭けた試練を与えようとするスウォルツによってバスが運転不能状態に陥るも、事故直前にオーロラカーテンを展開してツクヨミと共に脱出。2019年のダイマジーンが暴れている本来の「オーマの日」に飛ぶ。
- EP28 『オレたちのゴール2019』
ツクヨミに幼いソウゴに絡んだスウォルツの行動を見せた上で、それがジオウ(及びオーマジオウ)が誕生した原因だと語り、自身の行動目的が「この世界(ジオウの世界)を破壊すべきか否かを見極めにきた」という旨を告げ、「常磐ソウゴが魔王になる未来しか見えないのなら結論は既に出ている(=魔王のような力を見せたとしてもソウゴが魔王になるとは限らない)」とツクヨミを諭した後、オーロラカーテンを使って彼女を2019年へと送り返した。ちなみにここでツクヨミによって初めて本編で仮面ライダーディケイドと呼ばれた。
これらの点から、彼自身は「ジオウの世界の破壊」を望んでいるわけではなく、自身が破壊すべき「最悪の世界」に至る未来をこの世界の住人たちが覆す事を望んでいる模様。
※ちなみに運転手の姿をした士の場面スチールが公開された時は「士がわざと事故らせた」「ディケイドの挿入歌である『Ride the Wind』のワンフレーズとかけて『(運転は)とりあえず右、次左』」「バスの免許は持っているのか」などなど、前回の妨害行為や公式のおのれディケイドタグの影響もあってか、完全に犯人扱いされていた。実際は全てスウォルツの仕業であり、士にしてみればとんだ冤罪であったわけだが…(それどころか士は必死にブレーキをかけることを試みたり、ツクヨミを脱出させたりとむしろ事態の解決にあたっている)。
- EP37『2006:ネクスト・レベル・カブト』
前回の登場後から今回までにかけて、スウォルツとツクヨミに何か関係性があることまでは既に探っていたようで、自身の記憶を探りたいツクヨミに接触。オーロラカーテンで2058年に訪れ、彼女の家へと案内する。
また、この際にジオウ世界に歪みが生じていることも察知していた。
- EP38『2019:カブトにえらばれしもの』
「ツクヨミの家のコック」という役割を与えられた為か、彼女の家に入った途端コックの姿になっていた(ツクヨミからも格好に対して突っ込まれている)。
潜入した家の中で幼少期のツクヨミと出会うが、時間の介入者であることを見抜かれて時間を停止させられ、その状態でツクヨミに兄と呼ばれた人物とも遭遇する。時間停止が解除されると同時に現れたスウォルツに対し飄々と「何かまずいものでも見られたか?」と発言、それがスウォルツの癪に触ったのか家の外まで吹き飛ばされてしまう。
その後は2019年で隕石を対処するために必要なフォーゼとギンガのライドウォッチを受け取ったツクヨミを、オーロラで2019年に送り返した。
そして今回の一件で、どうやら彼らの関係性が「大体わかった」らしく…?
- EP41『2019:セカイ、リセット』
加古川飛流/アナザージオウⅡに支配された2019年の世界でも歴史改変の影響を受ける事なく、レジスタンス風の格好をした戦場カメラマンという役回りで活動を続けている(ちなみに写真はいつも首に下げているマゼンタのカメラではなく、別のインスタントカメラで撮っていた。また、この時撮った写真のソウゴは消えかけている)。
アナザージオウⅡが何度も復活させるアナザーライダー達に苦戦していたグランドジオウに助太刀。銃撃(ライドブッカーではなく普通のアサルトライフル)でアナザーライダー達を怯ませた隙に、ソウゴを連れてその場から逃走する。
その後、ゲイツやツクヨミに忘れられ、ウォズからも離反されて孤立していたソウゴに対し、「世界の崩壊を防ぐには、飛流を倒して世界を元に戻すしかない」と告げる。それでも「ゲイツ達がいないのにどうしたら…」とソウゴが迷いを見せた際は、「お前、あいつらがそばにいたから王様になりたいと思ったのか?」「順序が逆だろ!お前が王になりたいと思った。ただし魔王だけどな。そこにあいつらが現れた。違うか?それとも、魔王になるのを諦めるか?」といつもの説教パートさながらに迫り、まずは自分達の後を追いかけて来たアナザーライダー達を倒すようソウゴに言い放つ。
この時のソウゴを叱咤するその姿はかつて首領の座を奪われ、仲間や家族を失った士が死に場所を求めていた時に奮起を促した存在を彷彿させる。(その他にも、完結編で一度旅の仲間を含めた全ライダーを敵に回したこともあるので、その経験も踏まえた彼なりの激励とも取れる)
- EP42『2019:ミッシング・ワールド』
戦闘で負傷したソウゴの手当て及びツクヨミとゲイツに事情を説明するため、レジスタンスの救護所であるクジゴジ堂に同行する……のだが、彼自身の口から説明するつもりはないらしく、「いつまで見つめ合ってるつもりだ?」と話を急かしたり、ソウゴが改変前の歴史の話をし始めると「ゆくゆくはこいつ(ソウゴ)自身が魔王になるんだから」と横槍を挟んで話をややこしくする、挙げ句の果てには救護所の食糧である袋詰めのレーズンパンを漁って勝手に食べ始める(この時、レーズンが苦手なのかご丁寧にレーズンを抜いて食べていた)など、相変わらずのフリーダムっぷりを発揮。話を中断して出ていくゲイツに対しては「頑固なやつだ」と悪びれる様子もなく、ソウゴに「あんたのせいな気もするけどね!」と怒鳴られた。ごもっともな意見です。
その後しばらくして、飛流と彼が率いるアナザーライダー軍団に追われていたツクヨミを銃撃(今度はリボルバーマグナムらしき銃)と回し蹴りで救出し、「俺の推測通りならお前らに彼女を渡すわけにはいかない」と飛流の前に立ち塞がる。
飛流に「何だお前は?」と問われた際はいつも通り「通りすがりの仮面ライダーだ」と名乗り、久々にディケイドに変身。ツクヨミを逃してからアナザージオウⅡとの戦闘を開始。だが、流石にアナザージオウⅡ相手に1人では分が悪く、苦戦してしまう。そこに駆けつけたジオウⅡとゲイツリバイブが参戦。(これがジオウやゲイツとの本格的な初共闘となる)
アナザーライダー達から逃げるツクヨミをジオウに追わせるため、自ら足止めを買って出たゲイツと共にアナザージオウⅡとの戦闘を続行、ライドブッカーソードモードを駆使して互角の戦いを展開する。(今まで多数のライダーと共闘の経験があるからか、ゲイツリバイブ疾風とも連携がバッチリ取れていた)
- EP43『2019:ツクヨミ・コンフィデンシャル』
冒頭で再びジオウⅡと合流し、アナザージオウⅡと3対1の状況にもつれ込むも苦戦を強いられたため、オーロラカーテンを使用しクジゴジ堂に撤退。そこでソウゴから海東が時間を止めたことを聞き、「元からあんな力を使えたのか?」と言うゲイツに対して「いや、そんな芸当はできなかったはずだ。おかしな奴ではあるけどな…」とペットボトルの水(無論レジスタンスの物資である)を飲みながら返答。おまいう。
その後、ウォズによって救出されたツクヨミがスウォルツの妹と知ったゲイツが「ツクヨミが別の時間軸の存在ってどういうことだ…」という疑問に対して「大体わかった」といつものセリフで返し、ゲイツに「本当か!?説明しろ!」と食い気味に迫られると「大体は大体だ」と一蹴。呆れるゲイツに「とにかく黒幕はスウォルツ。あいつが全てを引き起こしていたって事だ」と述べる。
その後、未来を取り戻すべく奮起したソウゴ・ゲイツ・ウォズと共に飛流の城に乗り込み、同時変身。アナザージオウⅡ率いるアナザーライダー軍団との決戦に突入する。
(ちなみにこの時、ウォズの祝辞に対して「相変わらずあれをやるのか?」と呆れ気味にゲイツにたずね、本来の記憶を失っているゲイツに「はぁ?あんなこといつもやってんのか?」と返され「知らねえのか…」というやり取りをしていたりする。決戦前だというのにさすがの余裕である)
戦いの中で分断され、森で数体のアナザーライダー達を撃破するも、そこにディエンドから不意打ちの銃撃を喰らい、久々のタイマン勝負へと発展する。(なお、この時「会えて嬉しいよ士。君の相手はこの僕だ」という発言に対しては特に言葉を返さず無言で応戦している。士としてもいい加減海東の話相手をするのに疲れたのかもしれない…)
互角の勝負を繰り広げた末にこれを退け、「残念だったな!俺の勝ちだ」と勝利を確信した直後にディエンドが「それはどうかな?」と時間停止の力を使用。そのチャンスを待っていたスウォルツにブランクウォッチを押し付けられ「ディケイドの力」を奪われてしまう。
そしてアナザージオウⅡが倒され元の歴史に戻った後、スウォルツと海東が立ち去って行った後に残っていたのは、気絶して草むらに横たわる士の姿だった…。
そして、ここからしばらくの間はディケイドの力を持たない「1人の人間」としての士の姿が表現される事になるが…。
- EP44『2019:アクアのよびごえ』
草むらで倒れていた後、何があったのかは不明だがいつの間にか復活しており、雨が降る中で再びツクヨミと対面。
自分の正体とスウォルツが兄かつ黒幕だったことを知って戸惑うツクヨミに対し、「今も全てはジオウのせいだと踏んでいる」「ツクヨミ自身が歪みその物」そして「俺もお前も、この世界にいるべきではない」と告げる。
世界の破壊を実行するべきか否かを今も見定めており、「ディケイドの力を奪われたじゃない」とツクヨミから告げられた際は「そんなことは大した問題ではない」と言い放ったが、果たしてその真意は…?
- EP45『2019:エターナル・パーティ』
スウォルツによるエターナル召喚後に登場。
「俺の力を使うとそんな芸当もできるのか?」と皮肉たっぷりにスウォルツに問い、「お前の力は俺が奪った。手出しはできんぞ」と勝ち誇るスウォルツだったが……
「そうか? あいにく俺の力ってのは、俺の存在そのものなんだけどな」
そう返すと同時に、なんとアナザーワールドにつながるオーロラカーテンの制御を奪い、そのままジオウを巻き込んで小和田のいるアナザーワールドに突入するという凄まじい芸当をさも当然のようにやってみせた(この時、説教BGMでおなじみの「パラレルワールド」まで流れるというおまけ付き)。
元々士は「ディケイドである事」だけが存在意義のようなメタ全開のキャラクターとして描かれ続けていたが、この局面に来て彼はそれを利用し、逆手に取ったのである。
アナザーワールド内にて、小和田に説明を試みようとすると時間が巻き戻ることに疑問を浮かべるソウゴに対して「そういうことか」と一人合点。アナザーワールドに関する詳細をソウゴに語り、スウォルツが何のためにそれをしているのかというソウゴの問いかけには「ダークライダーを蘇らせるために…かもな」とエターナルについての説明を交えながらアナザーワールドについて自身の見解を述べる。
その後は小和田を助けようとするソウゴに「この世界を破壊しない限りあいつは救えない」と現実を突きつけ、彼を現実世界へと送り返した。
前話でツクヨミに言った「そんなことは大した問題ではない」の意味は不明。
だが、「スウォルツに奪われたのはあくまで“ディケイドの力”および“変身能力”のみであり、士自身の“時空を超える力”は奪われていなかったのでは?」という説が有力であった(時空移動の力は士が大ショッカーにディケイドライバーを与えられる以前に覚醒しているため)。
- EP47「2019:きえるウォッチ」
ソウゴとツクヨミにもう一度ツクヨミの時間軸の2058年に連れて行って欲しいと頼まれ、「お前たちが何かを選べるとは限らない」「バナナは遠足のおやつには入らない」という意味深なメッセージと共に彼らと2058年に移動する。
そこでスウォルツによって危機に陥ったツクヨミを「お前を失う訳にはいかない」と庇う形で、攻撃を生身で食らいまさかの死亡。かつての完結編に続いて2度目の死を迎えることとなった。
…しかし、海東が手に入れていたアナザージオウⅡのウォッチの力によって死亡前まで巻き戻され、これまた2度目の復活。
そしてウォッチを使った副作用で海東は自我を飲み込まれアナザージオウⅡに変身。アナザーライダーとしての闘争本能のままに暴れる海東を助ける為、ディケイドライドウォッチを使用し再びディケイドへの変身能力を取得(この際にまたしてもディケイドのBGMが流れている)。そしてディケイドライドウォッチには、力を奪われることを想定して、予めディケイドの力の半分だけを入れていたことを明かす(「そんなことは大した問題ではない」と発言していたのはおそらくこのため。つまり今までもジオウの劇中では半分の力だけで戦っていたことになる)。
そして「ジオウにはジオウの力だ」と何故か持っていたジオウのライダーカードでディケイドジオウに変身(この時ソウゴから「何それ…」と言われている)。
グランドジオウと共闘し海東を救うも、かつてのライダー大戦、ディケイド第1話の「夏海の世界」と同じような光景になってしまった世界を見て、士はついに決意を固め、こう言い放つ。
「この世界を…破壊する」
なおこの回、海東のお陰で復活したにもかかわらず彼に1度も礼を言わないばかりか、復活させた代償でアナザージオウⅡとなってしまった海東に対して「全く、世話を焼かせる」と発言するなど本編さながらの尊大さを見せた(これには流石の海東も「感謝の言葉は口に出したまえ」と不満を口にしていた)。
- EP48『2068:オーマ・タイム』
自らが発した言葉にソウゴ達が驚愕する中、怪人軍団を押し退け退却する(海東は別方向へ逃げた)。
後にクジゴジ堂に集ったソウゴ一行に、「本来の仮面ライダー達は別の時間軸に存在しており、それが融合していった」こと、「スウォルツが自らの時間軸の世界を救い王となる為、全ライダーの世界を一つにした」こと、そして「スウォルツが少年時代のソウゴに力を与えたことにより、ライダーの世界を引き寄せ一つにする要因とした」ことを語った。
そして士は「この世界を破壊する」ことでこの世界の人々を救うことができるプランを提示し、それを聞いたソウゴ達は士のプランに賭けることにした。ただしその具体的な内容はこの時点では視聴者には伏せられている。
そして、ソウゴを除いた他の仲間が作戦の準備のためにクジゴジ堂から出発し、ソウゴもまた動き出そうとした瞬間、士は自らの提示した作戦に「落とし穴」があることをソウゴだけに伝えようとするが…
ソウゴ「俺だけ、生き残れないって言うんだろ?
いいって。ベルトを受け取った時から、覚悟はできてる。
いや、もしかしたら、生まれた時から…」
士「…お前!」
ソウゴの覚悟を聞いた士は、それ以上何も口にすることが出来なかった。
その後、ゲイツがアナザーディケイド率いる怪人軍団に挑む中へ割り込み、「お前の芝居が下手すぎて見ちゃおれなくてな」と煽りながら加勢。一撃タイムバーストとディメンションスラッシュの同時攻撃で怪人軍団を残滅する。
その後ツクヨミこそが世界を救う鍵であるとスウォルツに告げるも激怒したスウォルツによってゲイツ諸共圧倒されてしまう。
そしてゲイツがジオウトリニティの召喚によって未来へ赴いたことにより、ディケイド同士の対決へと発展する。
アナザーディケイドの時間停止能力に苦戦する中、唐突に現れたディエンドの時間停止能力に救われ、協力してアナザーディケイドを追い詰める(皆さんご存知、ディケイドのbgm付き。もはや完全にディkw)。
しかし、二人がかりでもアナザーディケイドの圧倒的な力に上手く立ち回られてしまう。
そして一瞬の隙を突いたアナザーディケイドのオーロラカーテンの能力により逃げられてしまったのであった。
- LAST『2019:アポカリプス』
前話で士が考えていた作戦とは、「ツクヨミを仮面ライダーに変身させ、新たにツクヨミの世界を作り出しそこに人々ごと避難させる」というものであった。
その作戦通りに仮面ライダーツクヨミは誕生したものの、何故かツクヨミは裏切ってスウォルツの側に付いてしまい、作戦は失敗。世界の滅びは進行し続けていく。
一旦撤退した後、少しでも滅びを止めるために戦うと言ったソウゴ達に再び覚悟を問い、自身はウォズ、ゲイツと共に敵と戦っていくが、延々と再生していく怪人に苦戦。
そこに「世界の滅びを一緒に楽しめるなんて、最高のお宝だね」と現れた海東に対して「無駄口叩く暇があったら戦え!」と、少しだけディケイド本編のような掛け合いを見せた。
その後の戦闘経緯は不明だが(恐らくアナザーディケイド消滅まで戦い続けていたものと思われる)、オーマジオウとなったソウゴによる世界の創造を海東と共に見届け、彼は少しだけ嬉しそうな顔で、
「新しい旅が始められそうだ」
と言いながらカメラのシャッターを下ろしていく。
こうして、門矢士/仮面ライダーディケイドの『ジオウの世界』での物語は幕を閉じた……と思われた。
RIDER TIME 仮面ライダーディケイド VS ジオウ ディケイド館のデス・ゲーム
「Chapter1 THE First Stage」
物語のラストに登場。
ユウスケに対して『久しぶり』と言っている事からディケイド完結編以降、何らかの事情で別れていた事が窺える。
「Chapter2 THE NEXT Stage」
黒幕である「真実のソウゴ」を引き摺り出すために次元の狭間にある館のデスゲームに参加する。
久遠ミサが自己犠牲を選んだ際には、彼女の最後の願いによって現れたお好み焼きを彼女の代わりに食べてやるなど原典のような優しさを見せた。
「Chapter3 THE FINAL Stage」
最後のデス・ゲームの最中、謎の殺人鬼の暗躍によって参加者達が次々と殺害されていく中、士もその襲撃を受ける。
しかし参加者達は各々の方法で襲撃を切り抜けており、殺人鬼も真実のソウゴによって処刑されてしまう。
そんな中、正体を明かした仮面男の真意を聞き、真実のソウゴを倒して世界を救う為、ジオウと救援に駆けつけたディエンド、キバーラ、クウガと共に真実のソウゴが変身したオーマジオウに挑むも、その圧倒的な力の前に敗北してしまった。
RIDER TIME 仮面ライダージオウ VS ディケイド 7人のジオウ!
「Chapter1 漂流学園」
「Chapter2 戦争前夜」
白い4WDに乗って登場(メタ的にマシンディケイダーが走行不可能という事情があるため)。何らかの事情から「常磐ソウゴを倒す」事を目的に行動しており、キノコヘアーのソウゴに出会うなり彼を襲撃し、ディメンションブラストで消滅させる。
その後、学園でのソウゴAとソウゴCの戦いを見届けた後、どこか満足げな様子で去っていった。
「Final Chapter 最後のソウゴ」
前話でソウゴAとソウゴCが必殺技を打ち合っていた際に、実はソウゴCに横からライダーキックを食らわせて撃破していた事が判明。
突如としてソウゴ達の前に現れ、真実のソウゴを倒す為、と宣戦布告しソウゴDが変身したジオウを圧倒し消滅させる。
翌日、学校のバリケードを破壊し、校内に初級インベス(の姿をしたモンスター)達を送り込むという凶行に及ぶ。
ソウゴBとソウゴEの前に現れ、これも倒そうとするもソウゴAに阻まれ、Aが変身したジオウと互角の戦いを繰り広げるが、移動した先で、本性を顕にした真実のソウゴの攻撃によって変身解除させられてしまう。
その後、オーマジオウへと変身した真実のソウゴを倒す為、コンプリートフォーム21へと変身し、ジオウ、更にはアナザーディケイドとも共闘する形で、真実のソウゴが差し向けたモンスター軍団と戦う。
モンスター軍団を一掃した後、ジオウと共にオーマジオウへと挑むも力が衰えているとは言え、相手は腐っても「全ライダーを統べる、時の王者」。
2人がかりでも一方的に圧倒され、変身解除されてしまう。その後、「俺には扱えなかったウォッチ」としてセイバーウォッチを託し、ジオウがオーマジオウを撃破したのを見届けると、「終わる…ようやく…俺の旅が…」と光の粒子と化して消えてしまった。
学校のバリケードを破壊する前の段階で既に消滅の兆候は見せており、消滅した直接の原因はオーマジオウに敗北したことではない模様。
士の死が描かれるのはMOVIE大戦2010でもあったが、どちらもその時点でディケイドの役割が終わったことを示してもおり、今回の場合本編で出来なかったソウゴへの「これからの仮面ライダーを記録し、秩序と混沌を制御する役割」の継承を意味しているとも取れる。
演者の井上は、配信前に本作について、「仮面ライダーディケイド・門矢士役として今回最後だったんじゃないかなと思うような終わり方をしている」とコメントしている。
ただしウォズによれば「時空が入り乱れている、時が渦巻いている。またいつか会うだろう、我が魔王にも、門矢士にも」との事で、士がまた別の役割を持ってどこかで再登場する可能性もゼロではない。
そして、時は流れて……
余談
平成仮面ライダーシリーズで、かつての主人公が別作品で準レギュラーになり、サブライダーとして活躍するのは殆ど前例がない。
一応、立ち位置としては『ディケイド』本編におけるクウガ/小野寺ユウスケに近いと言えるかも知れないが、ユウスケは原典の五代雄介本人ではなくリマジであったため、今回の士のように当時の本人がそのまま準レギュラーになるというのはやはり異例である。
ただ、演者である井上正大によると「当初の予定では最初の4話(EP13~)だけしか出ないはずだった」そうで、恐らくここで述べられている路線変更の1つに士の準レギュラー化も含まれていたのだと思われる(実際、2019年3月に行われたS.H.Figuartsの新商品発表会に井上がゲストとして登場した際、動画コメントを寄せたプロデューサーの白倉伸一郎から「最終回付近まで出てもらう」と言われて井上は「初めて知った」と答えている)。
その後の過去作の劇場版での立ち位置やジオウ劇中での描写から、相変わらず自分の存在すべき世界を見つけられておらず、他者から自身の意思とは異なる役割を与えられ求められ続けているようであり、そういう面から見れば不遇な扱いを受け続けている悲しい存在とも言える。
メタ的な言い方をすると、仮面ライダーディケイドという番組自体が「商業的に戦隊とピークタイミングをずらしたい」というスポンサーの要望で、特別企画扱いとして半年で終わった作品であるため、ジオウ等の客演で「他作品と比較して少ない出演数を補っているのでは?」という見方もある。ちなみに劇場版での客演を除けば本編全31話+ジオウ18ep出演=49回分。さらにウィザードでの客演を含めれば50回分に登るため、ほぼ帳尻が合う。
なお、海東には今も追われ続けているようだが、彼はEP28で2019年のジオウの世界にやって来たのでジオウ劇中では直接邂逅してはいなかった。
しかし、EP43にてようやく2人が直接出会い、ジオウ世界で久々に対決することになった。(もっとも、演者本人的には会いたくないようだが。曰くただの泥棒、ストーカー)
相変わらずジオウでも対決・妨害を繰り返しており、手助けこそすれど、安易に協力や共闘に至らないのは相変わらず。
かつての仲間と別れたのかは不明。井上は別れた体で演じているようで、その理由として冗談混じりに「愛想つかされたんじゃないか」とこぼしている。
平成ライダー最終作である今作でも尚、旅の途中であるのはディケイドがライダー達を人々の記憶に留めるという目的が今も続いてるからだと思われ、結果今作最後の出演シーンでも旅が続くことを示唆していた(つまりディケイドが旅を終える時はライダーの歴史が終わる時なのだろう)。
周年ライダーの先輩として共演したが、彼のOPには「自分が 瞬間ごとに 決断する その全てで 未来は 理想にも 絶望にも変わってゆく」という歌詞があり、奇しくもソウゴが選ぶ未来次第で最高最善の魔王か、最低最悪の魔王になることを示唆しているかのように聞こえる。
なお、最終回で仮面ライダーオーマジオウによって分離・創造された世界は合計21個であり、1つ増えた分は令和ライダー1号の世界だと思われるが、その場合(ジオウの世界に統合されたままと思われるツクヨミの時間軸や昭和ライダーの世界などのほかの可能性を除けば)残りの20の世界の中に「ディケイドの世界」が創造されている可能性が高いと思われる。他にも井上は「恐らくこれで出番は終わり」という趣旨の発言をしている事から、ディケイドの物語は本当に終焉を迎えた可能性を考察している人もいる。
上記にもあるEP47の「バナナは遠足のおやつには入らない」という理解困難なセリフには、「士にとって時空移動は遠足に行くのと同じ感覚で行えるからでは?」という考察があるが、真偽は不明。
ちなみにソウゴ、ゲイツ、ツクヨミからは、名字や下の名前または仮面ライダーディケイドと呼ばれたことはなく、一貫して「門矢士」とフルネームで呼ばれている(名前が不明だった頃は、ゲイツからディケイドアギトの姿を勘違いされて「仮面ライダーアギト…!」と呼ばれたり、ソウゴから「俺の飯を食った人」と呼ばれていたこともある)。
更に、放送終了後雑誌掲載のインタビューで、何とジオウの初期プロットではラスボス候補の一人であったことが明かされた。
アナザーディケイドがラスボスになったのはその名残とされる。おのれディケイド!
また、銀岩塩チャンネル(現・GGE CHANNEL)によると、ジオウ本編ではカツラを着用していたらしく、RIDER TIMEでは収録のために茶髪に戻した事が井上本人の口から明かされている。
関連タグ
ネオディケイド ネオディケイドライバー 門矢士 世界の破壊者
ウルトラマンゼロ:ウルトラシリーズにおける似たような立ち位置のキャラクター。こちらも主人公として初登場した後後年の作品で準レギュラーとして再登場、さらにその作品でこちらも変身アイテムが「ネオ」に変化するなどとにかく共通点が多い(ただしこちらの初登場は劇場作品である)。