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ゴジラ(アニメ映画)の編集履歴

2021-10-10 05:36:26 バージョン

ゴジラ(アニメ映画)

ごじら

本稿では2017年公開のアニメ映画三部作『GODZILLA』に登場するゴジラについて解説する。

絶望は進化する


作品については『GODZILLA(アニメ映画)』を参照。


概要

  • 身長:50m
  • 体重:1万トン

西暦1999年以降、地球中に出現するようになった特殊生物怪獣その頂点に君臨する超進化生命体

その名前は戦略生物学教授のキョウヘイ・ヤマネ教授によって大戸島に伝わる龍神呉爾羅」から名付けられた。


過去作のゴジラ同様、一昔前に想像されていた直立体勢の恐竜のようなシルエットだがその起源は「動物」ではなく植物にあるとされ、植物が成長過程で多量の金属元素を取り込み、突然変異したことで生まれた存在だと考えられている。

怪獣黙示録』に登場した植物怪獣ビオランテなどの一部の怪獣はこのゴジラの近似種、またはそれから直接派生したものではないかという説もある。


黒みがかった青緑色の体色をした非常にマッシブな胴体を持っているが、その体内に骨格と呼べる部分は存在せず、金属に極めて酷似した超進化植物繊維の集合体のみで膨大な質量を支え、動物のような筋肉運動を行うことができる。そのうえ遺伝子の水平伝播によってさまざまな生物の特性遺伝子を取り込んでいるとされ、クマムシのようにあらゆる悪条件に耐えられるほか、わずかな細胞だけでも全くエネルギー利得のない場所でも増殖が可能。


全身の体細胞電磁石コイルとしての機能を持つ。これにより強い電磁気を発生させる特性、逆に電波を吸収する性質に加え、それを応用して攻撃や防御を行う。特に電磁パルスを利用して発生させた電磁メタマテリアルによる非対称性透過シールドを表皮直下に展開する能力を有し、これによりあらゆる物理干渉を遮断することができる。

このシールドの存在に加えてその多層泡状表皮は非常に頑強な上に優れた再生能力を有しており、特に再生速度は数百発以上の核爆弾のエネルギーを浴びて表層がプラズマ化しても瞬時に下層が再生するほど。そのため通常兵器による攻撃はほとんどダメージにならない。

一方で細胞の猛烈な再生能力はシールドの弱点(狭い範囲に高火力の攻撃を集中されると1/10000~1/35000分秒間という超短時間ながらもシールドに「ノイズ(隙間)」が発生する)を補助するものであり、その瞬間にシールドを生み出す増幅器官を破壊されると器官再生までの間シールドが展開できなくなる(ただし熱線は発射できる)。


元が植物であるためか体温は無いも同然であり、赤外線で探知することができない。その上外皮はレーダーの電波を完全に吸収し、水中ではソナーでも探知できないという驚異的な隠密性を備えている(一般的な怪獣は揃いも揃って隠密性に長けていた為に甚大な被害をもたらしているが、それでも遠方からでもレーダーで探知が可能だった)。


水中での機動性にも優れ、電磁推進機関を備えているとまで言われるほど当時の潜水艦より速く、かつ静かに水中を移動できる。

アニゴジの熱せんイメージ

全身を青白い電光で包んだ後に口先から放つ高加速荷電粒子ビーム、通称「熱線」は一撃でヒマラヤ山脈を穿ち大陸プレートすら溶かしてしまうほどの威力を誇り、推定射程は30kmにも及ぶ。また荷電粒子ビームは発射の際に強力な放射線と電磁パルスを発生させるため、民生の電子機器は即座に故障してしまい、軍用のEMP防御が施されたものでも近距離では防ぎきれずに機能停止に陥る。さらに発射時に至近距離にいた場合には、放射能被曝にも見舞われる。

一方で熱線発射時には電磁波をチャージするため空間電位が上昇し、熱線発射の予告などある程度の観測が可能となる。


あげく普段は全く放射線が感知されないが、移動経路に深刻な放射能汚染を残す性質があり、ゴジラが出現した場所は丸ごと居住不可能になってしまううえ、その放射能に引き付けられて多くの怪獣が出現するようになる(これは後にビルサルドのANB散布によって除染ができるようになった)。


人間の考えの裏を掻き、かつ自身にとって脅威となるものを事前に察知できる高い知能を持っていると推測され、一説には独自の哲学すら有しているとも言われるが、同時に他の怪獣と同等かそれ以上に凶暴かつ獰猛であり、メトフィエス曰く「ゴジラは絶対に人類を見逃さない」と評するほど人間に対して強い敵意を抱いている。しかもその攻撃性は人類のみならず他の怪獣にも向けられており、例え戦意を失って逃亡している相手であっても確実に息の根を止めるため執拗に追撃するなど、その存在は他の怪獣にとっても恐怖の対象であるらしく、ゴジラに襲われた怪獣達は人類が見ても必死さが伝わるほど鬼気迫る様子で走り回り、あろうことか完全武装した軍隊の前に突撃してまで逃げようとしていた。


その圧倒的な戦闘能力と生命力で人類の文明に壊滅的な打撃を与え、人類そのものを地球上から完全に駆逐、さらに人類がほとんど居なくなって2万年近い年月を経た地球においても生態系の頂点に君臨する存在として生き続け、地球への帰還を図る人類の前に最大の壁となって立ちはだかる。


地球脱出組の一人で本作の主人公であるハルオ・サカキからは自身の両親の命を奪った仇として憎悪されている。


活動来歴

本作のゴジラにおいて特筆すべきはその被害規模で、最初に出現してからほんの十数年の内に世界全体で数億人以上の人間の命を奪い、最終的には人類の文明そのものを完全に崩壊させるというシリーズの中でもとりわけ過激な設定が付けられている(言うなればコイツら「種族」全員分を超えることを単体でやってのけているといっても過言ではない)。


この世界の怪獣は基本的にジラカマキラスのように生物の延長線上であり、光線も吐かなければまだ通常兵器で撃破可能と、人口密集地帯に現れなければ先進国の軍隊なら十分に撃破可能なものであった。

そんな中でゴジラは高い隠密性を有し、口から荷電粒子ビームを放ち、核攻撃でも撃破できないというSFじみた能力を有した従来の怪獣の概念を覆した存在であり、小説では「ゴジラを知らない時代は(怪獣と戦っていたとしても)まだ幸せだった」「ビルサルドやエクシフがいた所で、神様にいじめられる虫けらにカブトムシクワガタムシが助力するようなもの」とまで言われた。


  • 2030年以前

まだ人類の前には現れてはいないものの太平洋を縄張りとしていたと言われ、そのため太平洋は他の怪獣がほとんど出現せず、人類にとっては比較的安全な領域だった。

5月29日に日本近海の大戸島で不審なカメーバの死骸が発見される。

大型怪獣をも仕留める地中貫通爆弾「バンカーバスター」に無傷で耐えるカメーバを一撃で死に至らしめたことでその存在が予測され、大戸島の伝承に倣って「ゴジラ」と命名される。それ以降、太平洋上で行方不明になる船舶の増加、海底火山の噴火のような現象の頻発、さらにゴジラに殺害されたと思しき怪獣の死骸らしきものの目撃例も出始めるなど、この頃より活動が本格的に活発になる。

同年アメリカ西海岸線より初めて人類の前にその姿を現す。

ゴジラに襲われて逃走していたアンギラスバランバラゴンの3体を追いかける形でロサンゼルスに上陸し、3匹の怪獣に止めを刺すと返す刀で一瞬にしてロサンゼルスを壊滅させ、その後はアメリカ軍のバンカーバスターによる反撃をものともせずにサンフランシスコまで移動。同市をも壊滅に追いやって海へと帰っていった。

この襲撃で推定約870万人もの犠牲者を出し、アメリカ軍は全力をもってゴジラの捜索を行ったが、ゴジラの高い隠密性の前に全く成果を上げられなかった。

  • 2031年

それからわずか1年後、ワシントン州沖で米海軍の空母打撃群を奇襲して壊滅させ、北アメリカ大陸に再上陸、対ゴジラ用に徹底的に要塞化されたシアトルすらも壊滅させた。

さらにその年のクリスマスイブ米軍がコロラドスプリングスに総力を挙げて敷いた防衛線を容易く破り、インディアナポリスにて同軍の最終作戦である約150発もの250kt級熱核兵器をTNT火薬換算で40Mt(ビキニ水爆実験2.67回分)使った攻撃を受けるがそれにも耐えきり、大陸をメキシコ湾まで横断、その後大西洋へと姿を消した。

この結果アメリカ西海岸は壊滅、アメリカの東方面は無事なものの分裂状態に陥ってしまい、一部ではゴジラを聖書の黙示録の獣と同一視し、核による浄化を求める「ゴジラ教」なるカルト宗教や、自国の核兵器や「ゴジラに40分以上連続して核攻撃を行えば焼却できる」という根拠のない説を信じ、地球環境や人命を度外視して核攻撃を主張する「総攻撃派」まで出現した。

  • 2034年~37年

西ヨーロッパに出現。パリ防衛線と称されたEUの総攻撃を受けるがそれも時間稼ぎにしかならず、そのままドイツに襲来した。

ヨーロッパを壊滅させた後、ザルツブルグを進行中だったゴジラはアルプスを越えてイタリアに向かうと思われていたが、突如進路を変えてパリから大西洋に姿を消す。

同年9月、リオデジャネイロ近郊にゴジラの千切れた背ビレ部分が漂着し、それに残された痕跡からMと呼ばれる他の怪獣と争い、捕食した可能性が浮上するも、それから数年ほどの間目立った動きを見せることはなかった。

今回の約3年間の襲撃では最大で推定約600万人もの人間の命を奪ったとされ、それにより人類は欧州からの完全撤退を余儀なくされた。

しかもそれに伴いヨーロッパ付近に生息していた他の怪獣(ラドンなど)もゴジラを恐れて東へ移動。同じく東へ向かう難民に多くの被害が出た。

  • 2042~2044年

それから約4年間は地球への衝突コースを辿っていた妖星ゴラスの接近を察知し、それに備え北極圏付近に潜伏してエネルギーを溜めていたと推測され、史上最大規模の赤い熱線で、に匹敵する質量を有するゴラスを破壊した。

これにより地球の危機は救われたが、北極海は窯のように茹り、発射の影響で北半球すべての軍事衛星が異常をきたした。

その後は海を南下し、太平洋で「オペレーション・ルネッサンス」を遂行中の輸送船団もろとも連合艦隊主力部隊を壊滅させ、北米に上陸。

この時の人類は2035~36年に地球に来訪していた異星文明「エクシフ」および「ビルサルド」との同盟により対怪獣技術を大幅に進歩させ、「山くらい軽く吹っ飛ばせる」武装まで装備していたがゴジラの圧倒的な力の前には全く意味を成さず、地球連合の首都兼武装都市であるニューヨークを僅か一晩で破壊しつくし、ビルサルドとエクシフが母船の核融合炉を暴走させ、クリーブランドもろともゴジラを消滅させるという「オペレーション・プロメテウス」に巻き込まれるが、これにも耐えきる。

その後、地球連合が推し進めた「プロジェクト・メカゴジラ」の時間稼ぎとして行われた「オペレーション・ロングマーチ」にてユーラシア大陸奥地に誘導され、北アフリカ中央アジアで甚大な被害を巻き起こした(この時、ある怪獣兵器と何度も交戦したが、悉く返り討ちにしている)。

これらの作戦が行われた2年間においてはゴジラの世界規模の破壊活動により推定総数約3億人以上もの死者が出ただけでなく、人類はその生存圏の内アメリカ大陸東海岸全域、アフリカ大陸北部、ユーラシア大陸の半分を喪失してしまった。

  • 2045年

「地球連合軍」が2000発近い大量の核兵器を(悪用を阻止するための放棄も兼ねて)用いてゴジラを地底に生き埋めにして侵行を阻止、そのままゴジラ自身の熱量で自滅させる「オペレーション・グレートウォール(GW作戦)」を実行。この作戦によってゴジラは崩壊したヒマラヤ山脈に生じた巨大な大断層により地下に封じ込められ、差し渡し1万㎞に及ぶ瓦礫によって、ここで一時的に進行を停止させられる。

  • 2046年

熱エネルギーを溜め込むことで山脈内に膨大なマグマ溜まりを形成し、その中を泳いで移動を開始。GW作戦からわずか1年後には熱線で岩盤を破壊して活動を再開。復活と同時に史上初の「怪獣由来の火山噴火」となる大噴火を発生させた(この地点は後に「G火口」と呼ばれるようになる)。

復活後はインド防衛線を突破してベンガル湾に消え、同年の3月の遠州灘での地球連合海軍総力戦による富士山麓防衛戦では、艦隊や航空隊を無視していきなりメカゴジラの開発プラントを熱線で狙撃し、地球連合が人類の存亡をかけて作り上げたメカゴジラを微動だにさせずに破壊する。

妨害する艦隊の大半をたちまち壊滅させ浜松に上陸して富士へと向かい、対G最終決戦となった「富士裾野決戦」が勃発。地上部隊を殲滅して翌日に東京湾を北上し、芝浦埠頭から東京に上陸。わずか3時間で(まるで101年前の悲劇を踏襲するかのようなルートで)首都圏を蹂躙し、そのまま悠然と日本列島を壊滅させ姿を消した。

この時点でユーラシア大陸で2億人、そして日本では1億人近い人的被害を出すほどの大虐殺を行い、最終的には最初の出現から僅か16年で地球の総人口を推定7億人にまで減少させた。

ここまでのゴジラ進撃の結果、人類は生存領域的にも人口的にも完全に追い詰められ、種の存続のために地球を放棄して他星に移住し、そこでの再起を図るという地球脱出計画を実行に移さざるを得なくなったという。

  • 2048年

3月、遂に人類最後の生存領域となっていた南米大陸にまで進撃。

恒星間移動艦アラトラム号への乗船作業が行われていた宇宙港施設に襲いかかり、そこから飛び立とうとしていたトランスポーターを何機か破壊した。

それから間もなく地球連合軍の最終防衛ラインを突破して同大陸のリオデジャネイロにあった連合本部も陥落させた。その後の3ヵ月間、未だ多数の市民が残っているサンパウロサルヴァドールといった南米の都市を襲撃して2億人以上の人間の命を奪った(ただし、これは政府の実権を握った「総攻撃派」が行った無差別核攻撃によるものが大きい。その後総攻撃派は轟天型潜水艦の部隊により陥落)。

さらに南米大陸を横断してエクアドルペルーも破壊しつくし、7月31日に地球連合の残存戦力が集まっていたブエナベントゥラに迫るが、そこに現れたモスラにより痛み分けであったものの体内電磁波を暴走されて初めて撃退される。その後生き残った子どもたちと怪獣共生派、そしてモスラの卵を日本に輸送するための地球連合軍最後の作戦「オペレーション・クレードル」にて彼女(?)と共闘を決めた連合軍部隊と交戦したと語られている。

現時点ではこれが西暦2000年代における最後のゴジラの活動記録となっている。

  • 2万年後

地球上から人類が姿を消してから約2万年もの長き年月を生き続け、やがて地上の動植物達は生き残るために(G細胞による侵食も考えられるが)擬態を通り越した同質化を起こしてゴジラに類似した形質のものへと変化、セルヴァムなどゴジラの"亜種"とも言うべき存在となって隷属化し「G細胞の森」として地表全体を覆い尽くし、さらには自らやその亜種の放出した胞子花粉により地球環境を大気組成も含めて自身に奉仕するエコシステムに変貌させ、その果てにゴジラが地球の生態系の頂点に立つ新たな霊長的存在として君臨することとなった。


本編での活躍

地球降下部隊の面々を襲撃、リーランド大佐を始め多くの犠牲を出し彼らを苦しめたが、ハルオ・サカキが立案した作戦により、連続被弾時に僅かに発生する電磁シールドの消失タイミング(ノイズ)を突かれてシールドを制御する生体内増幅器官である背ビレを破壊され、その間に背中から多数のEMPプローブを体内に打ち込まれたことで体内電磁波が暴走を起こし、熱線発射の電磁エネルギーにより内側から爆発して殲滅された。


これまでのシリーズ中でも人類側の力でゴジラを事実上の敗北まで追い詰めた描写は幾度かあったが、人類の攻撃で明確に「生物としての死」にまで至ったのは54年版ゴジラ以来である。

ちなみに人間の攻撃を原因とする自身の能力の暴発によって倒されるという点はGMKゴジラと同じだったりする。













死せる定めの儚きものが、身の程を忘れ、栄華を謳う時、

其は天を揺るがし、地を砕き、摂理の怒りを知らしむる。

必定たる、滅びの具現…。

ようやくのお出ましか。こちらでは20年、そちらでは2万年ぶりの再会だ。

久しいな、『破壊の王』よ…。












人類の長い午後

しかし、ハルオ達が撃破したゴジラはオリジナルのゴジラから細胞分裂する形で増殖したゴジラ・フィリウスと呼ばれる別個体(言い換えればゴジラの子供のようなもの)であり、かつて地球の文明を壊滅させたオリジナルのゴジラは2万年もの時を経て“身長300m・体重10万t”を上回る超巨大な生命体ゴジラ・アースへと進化を遂げていた。


現在の地球におけるゴジラを基準にした環境および生態系の変化に関しても生物学者のマーティン博士「他の生物達は悉くゴジラの軍門に下り隷属した」「地球は万物の霊長にゴジラを選んだ」と解釈している。


戦闘能力はさらに向上しており、超大音量の咆哮は指向性の超振動波攻撃となって対象を共振現象で粉砕する他、尻尾の先端を帯電させ、それによりプラズマ化した尻尾を高速で振り抜き、強力な衝撃波と長さ600mのプラズマの刃「プラズマカッター」を発生させることで広範囲を攻撃することが可能となった。加えて発生させる電磁波の規模も桁外れとなり、地球全体の気候にも多大な影響を与えるという。


人類側がフィリウスとの戦闘後で消耗した状態だったため退避するのが精一杯とは言え、これらの能力を駆使して対ゴジラ作戦の部隊を一瞬で壊滅させた。


第二章ではかつて破壊したはずのメカゴジラの存在を感じてメカゴジラ建造施設のあった旧富士山近辺を休眠を挟みながら徘徊し続け、遂にそのメカゴジラの残骸が築き上げていたメカゴジラシティを発見して強襲。この時もフィリウスと同じく一時的にシールドを無効化させられて体内にEMPハープーンを打ち込まれ体内電磁波を暴走されるも、小説で示唆されていた体の分子を振動させる重力子操作で熱エネルギーに変換し赤熱した全身から超高熱波を放出する能力でハープーンはおろかシティを融解して抵抗、さらに背びれの再生に伴って放った渾身の熱線でシティを完全に破壊し尽くし、二万年前と同様に、再び人類の希望を打ち砕いた。


GODZILLA EARTH

焦土と化したシティに立ち、咆哮する姿はまさに破壊の王であり、二万年進化し続けた絶望の形と呼ぶに相応しいものだった・・・。


そして第三章。メカゴジラシティとの激闘で流石のゴジラ・アースも力を消耗したのか、メカゴジラシティが焼き尽くされた旧富士山麓の内側で眠りにつき、力を蓄えていた。

ここでマーティンから20世紀の原水爆実験が怪獣、ひいてはゴジラの誕生に繋がったということが改めて語られたが、マーティンは同時に「人類が発明してきたテクノロジーは、この世に怪獣という生命体を産み落とすためのものだった(つまり人類が科学を発達させたことでゴジラが生まれたのではなく、ゴジラを生み出すために人類の科学が発達したのではないか)」と逆説的な見解を示し、人類はゴジラという究極の生命を産むための前座に過ぎなかったのではという結論を唱える。


やがてメトフィエスによって高次元怪獣ギドラが降臨し、地上に凄まじい異常現象が発生すると、地球そのものを滅ぼす脅威を感じ取ったゴジラ・アースはかつてないほど戦意を剥き出しにしてギドラを迎撃する。だが、この宇宙の法則を受け付けないギドラにはゴジラ・アースすらあらゆる能力が通用せず、ゴジラ・アースはまったく手も足も出ないまま別次元の法則に引き込まれ喰らい尽くされそうになるが、ハルオによってギドラの「眼」が破壊され、ギドラが実体化すると一転して反撃を開始。圧倒的なパワーでギドラを薙ぎ倒した上で、熱線攻撃によってギドラの現出元であったブラックホールを吹き飛ばし、地球滅亡の危機を退けてみせた。


しかし、ゴジラ・アースにはまだ自身を憎んで戦いを挑む最後の敵が残っていた。ゴジラという怪獣が奪った全ての命、壊した全ての夢、そして過去の全ての呪いを背負って挑みかかる「敵」を、ゴジラ・アースは「破壊の化身」として正面から見据え、手加減のない熱線の一撃によって葬り去った。


最後の 対決

人類と怪獣ゴジラの「憎しみ」を糧にした長きに渡る戦いは、ここに終わりを告げた。


デザイン

本作のゴジラは「生命進化の頂点」というキーワードから「樹木」をモチーフに選び、その基本コンセプトは御神木などの巨木世界樹を意識しているとされている。

植物由来ということで、ゴジラの性質や形質もまた植物から発想を広げたものとなっている(例として巨大に成長し硬質な体組織でその巨体と体積を支えられる、何千年も生きられる長寿、金属元素の摂取および光合成による電子の発生など)。


アニゴジ(公開1ヶ月前時点)REAL GODZILLA 怪獣惑星

監督の瀬下寛之によるとモチーフは相撲力士であり、そこから“美しい横綱の型”をイメージしているといい、ゴジラとしてはむしろ異色なデザインだった『シン・ゴジラ』の2016年版ゴジラと違って全体的な体付き自体は過去作のものに近い。


胴体の方は上半身から下半身にかけて背中が大きく隆起しているかの如く非常に重厚な体格になっており、それに加えて体全体が筋肉の塊といった感じで、vsシリーズ版ゴジラ”と“ハリウッド版ゴジラ(2014年)を足して割りつつさらに大量の筋肉を盛ってボリュームアップさせたようなボディが特徴。

それに比べて四肢は二の腕や太腿こそ太めだが手足の先は至って細めであり(これは人のような器用な動作やダッシュができる可能性を感じられるようにするためらしい)、正面から見るとかなり独特なプロポーションをしていることがわかる。


ゴジラゴジラ・アース

一方の頭部はティラノサウルスなどの肉食獣という知能の低いイメージから脱却するためとして身体とは対照的に敢えて小顔にしてあり、頭頂から鼻先にかけてなだらかになっている細めの上顎が特徴で、牙も顎と一体化しているのか生えていない。横顔のシルエットはゴジラらしさを残しつつ、神格化された存在をイメージし、神獣としての「獅子」のほか猿、犬、竜などもモチーフに模索された。

両眼は顔に埋もれていて分かり辛いが瞳の色は黒がかったブルーあるいはグリーンであり、その顔付きも見る角度にもよるがあまり迫力は感じられず、小説では「森の老哲人」にも例えられるようなむしろ“大人しくて穏やかそうな表情”という印象を与えている。


ちなみにフィリウスとアースの違いは下顎と頭頂部にあるとされ、アースの方は頭頂部に細かい突起があり、さらに下顎の先がヒゲのように微妙に垂れているのが特徴になっている。


体表には苔類が群生しているというイメージを踏まえて全体的に濃いグリーンの色合いの体色をしており、そして背中の背鰭のデザイン上のモデルになったのはの葉とされ、よく見ると葉脈のような筋が走っている。また、手の爪も植物の棘からの進化をイメージしている。


音声


余談

  • “植物ベースのゴジラ”という設定は『ゴジラvsビオランテ』に登場したゴジラの細胞にバラの遺伝子を組み合わせて誕生したビオランテがそうだったが、ビオランテはあくまで“動物と植物のハイブリッド”なのに対し、本作のゴジラは根本からして純粋に植物を起源にしているという、ある意味で前作のそれを超える斬新なコンセプトで作られている。
  • 過去作のゴジラは基本的に“火力”を武器にしていたものが多かったが、本作のゴジラは電力を主な攻撃エネルギーとしているのが特徴である。それまでに電力を武器とした例はせいぜい『対メカゴジラ』における雷を吸収して得た体内磁力発生、『vsメカゴジラ』のショックアンカー電撃逆流、そして『GMK』でのキングギドラの引力光線吸収からの増幅放射といった受動的なものしか描かれておらず、自ら電気エネルギーを生成して行使するゴジラはこの個体が初と言えるかも知れない。
    • ちなみに劇中では熱線の出力は空間電位からの推測エネルギー量で表されており、フィリウス(当時のゴジラと同等)の熱線のエネルギー量は180GW(ギガワット)(これは日本の全ての発電所の年間発電量と同等)だが、アースは超振動波だけでその5倍の900GW(落雷と同等の出力)、そして熱線はそれすら上回る3TW(テラワット)(地球全ての発電所の年間発電量以上)という桁違いの数値を叩き出している。これほどの電力量をいとも容易く生み出せるだけでも恐ろしいが、小説版で語られた赤い熱線はそれすら上回る可能性がある。ましてや、2万年ひたすら成長を続けたゴジラ・アースに至っては…… もはや恐ろしいを通り越した途方もない話になりそうだ…。

アニゴジ妄想まとめ

  • ちなみにゴジラのデザインが公開されるまではこちらのイラストがネット上に拡散し、国内外で公式のものであるというデマが出回っていた。
  • 新世代の方に付けられている「フィリウス」とはラテン語で「神の子」や「継承者」などを意味する言葉である(参照)。
  • フィリウスの企画段階での呼称は「ゴジラ・エンシェント」であった(参照)。
  • ゴジラ・フィリウスおよびゴジラ・アースという名称は劇中では使われず、前者は映画のパンフレットに記載され、後者は後の公式のツイッターにて公表された。
  • 頭部のデザインには上記の理由から悪魔のような角があるタイプも企画されていた(参照)。

みんな大きいな〜!

  • この身長約300m超というのは本作公開までの映像作品に登場したゴジラの中ではシリーズ最大級と謳われていた2014年の108mおよび2016年の118mの倍以上のスケールであり、映画公開前の宣伝通り本作のゴジラ・アースは歴代最大のサイズを誇ることになる。しかしその体重の方は約10万tと、体躯こそ初代ゴジラの6倍とは言えその比重はこれまでのゴジラに対して遥かに軽い
    • 映像以外の媒体も含めるのならマーベル・コミックスに登場した個体は身長/全高184mであったが、やはり今作のゴジラはそれをも遥かに上回っている。
    • 体重に関して、このシリーズでのゴジラは植物を起源とする生命体という設定からゴジラの筋繊維は炭素繊維(カーボンファイバー)を参考にしていると推測され、実際、鉄と比べると比重で1/4、比強度で10倍、比弾性率が7倍あり、耐摩耗性や耐熱性に電気伝導性などに優れている炭素繊維の特徴はこのシリーズのゴジラの特徴に合っていると思われる。
    • 実際には作中で300mを上回る大きさだと示唆されており、その数値は318.8m以上なのではないかという指摘もある(画像)。
    • 『決戦機動増殖都市』においてメトフィエスがアースの体重について、フィリウスとの体高差を鑑みて「(6の)3乗になるのではないか」と概算する場面がある。フィリウスとアースの体組織の密度が等しく、この計算が正しかった場合、アースの体重は10万tどころか200万tを超えることとなる。

関連タグ

GODZILLA(アニメ映画) ゴジラ セルヴァム ゴジラ・フィリウス


デスザウラー / キングゴジュラス(発売当初よりゴジュラスともどもティラノサウルスモチーフのデザインおよび能力面において共通点が指摘されていたが、本作のゴジラの来歴設定や能力、そして破壊規模は“アニメ版デスザウラー”にも近い。下手すればそれ以上かもしれないが。

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