本項では作品全般について記述する。同名の主人公についてはドラえもん(キャラクター)を、同名のアクションゲームに関してはドラえもん(FC)を、同名の楽曲についてはドラえもん(星野源)を参照。
概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ・ゲーム作品。
国民的な漫画作品で、テレビ朝日で現在も放送されているアニメは2019年に放送40周年を迎えるほどの長寿番組となっており、日本で『ドラえもん』を知らない人はまずいないだろう。
世界的にも人気が高く、pixivにも多くのイラストが投稿されている。
pixiv内外を問わずネット上ではネタ絵も多いが、それだけ身近な存在だからだろう。
そして当然のことではあるが、『ドラえもん』という漫画の作品の神髄をついた名作も数多く存在する。
なお、手塚治虫は新人の作品・表現・絵に関して「これなら僕にも描ける!」とライバル心を燃やしていたが、『ドラえもん』に関しては「これは描けない」と言っていたという。
『ドラえもん』の作品数は、大長編を含めると1345話あるとされる。藤子・F・不二雄は毎月10年以上にわたり『小学一年生』から『小学六年生』まで、学年ごとに作風や趣向を変えた作品を6作執筆し続けており、その他にも一時は『てれびくん』向けの作品や大長編ドラえもんも執筆していた。
海外展開では、翻訳された原作漫画と吹き替えアニメ版がこれまでアジア圏、中南米、アラビア語圏、ロシアやイスラエルなどで出版・放送されていた。
アメリカやカナダでは、翻訳された原作漫画が電子書籍として流通していたが、アニメはディズニーがテレビ朝日から放送権を取得し、2014年夏に全米デビューが決まった。
ディズニーチャンネルでは、北米版のドラえもんを『DORAEMON』として二ヶ国語版を放送している。
アニメ版は2019年10月に長年親しまれた金曜7時枠から名古屋テレビが放映されていた土曜午後5時枠に移動する。その際『クレヨンしんちゃん』と共に「ローカル枠格下げで地方によっては早朝深夜の放送か、打ち切りの地域が出るのでは?」という意見もあったが、最終的には全国ネットが維持された。
これはテレビ東京で放映されている作品と同様の理由によるものであるが、あちらの番組は時間帯移動してから歴代最低視聴率を数回更新しているという前例も有り、それを抜きにしても「土曜日は出掛けている人間も多いから逆効果では?」という声も挙がっている。
それだけでなく「関西地方では全国高等学校野球選手権大会の影響で『ドラえもん』の放送が休止されることも増えるのでは?」という声も挙がっている(ゴールデン時代はテレビ朝日の編成の都合で放送休止が続くこともあった)。
2020年4月3日からBS朝日で毎週金曜日19時に放送することになり、地上波ではないが同時間帯に帰ってきたと言える(放送内容は地上波放送の6日遅れ)。
あらすじ
ある日、勉強も運動も苦手でドジな小学生・野比のび太の元に、机の引き出しから、未来から来たのび太の孫の孫(玄孫)だと名乗る少年セワシと、青いネコ型ロボット・ドラえもんが現れる。
セワシは「このままじゃお祖父ちゃんは悲惨な人生を送ることになる」という忠告と共に、ドラえもんをのび太の教育係として置いて行く。
初めは混乱するのび太だったが、ドラえもんが持つひみつ道具の力を知り、セワシから伝えられた未来を変えるべくドラえもんを迎え入れ、一緒に暮らすことにする。
無事に野比家の居候となったドラえもんは、のび太の悲惨な運命を変えるべくひみつ道具で様々なピンチを救い、彼が幸せな未来を歩めるよう奮闘する。
かくして、ネコ型ロボットと少年の2人の友情物語は幕を開けるのだった。
歴史
『ドラえもん』は小学館の学年誌『小学四年生』、『小学三年生』、『小学二年生』、『小学一年生』、『よいこ』、『幼稚園』の6誌で1970年1月号から連載を開始したのがはじまりである。作者によると、前号に新連載の予告を出したものの、締め切りの直前までアイデアがまとまらなかったという。
1973年になると、『よいこ』、『幼稚園』に代わり、高学年向けの『小学五年生』、『小学六年生』で連載を開始した。なお1973年4月には、日本テレビ系列でアニメの放映が開始されたが、半年間で放映を終了している(詳細は日テレ版ドラえもんを参照)。
『小学四年生』1971年3月号と1972年3月号には、ドラえもんがのび太と別れて未来に帰る内容の最終回が掲載されているが、これは当時『小学五年生』にはドラえもんが連載されていなかった為である(詳細は「ドラえもん未来へ帰る」及び「ドラえもんがいなくなっちゃう!?」を参照)。
読者が進級・卒業していく学年誌である都合上、最終回のような区切りのエピソードは何度か描かれた。最終回の一つは、後の「帰ってきたドラえもん」へと繋がっている。
なお、この頃は読者の学年に合わせてそれぞれ内容を変えたものを同時並行して連載しており、のび太達の年齢も一定していなかったり、そもそも「第1話」さえも複数バージョン存在していた。
単行本化にあたってエピソードが統合されており、現在ではそれが「正史」となっている(名残で単行本の中でものび太が幼く描かれているエピソードもある。
収録されなかったエピソードは『藤子・F・不二雄大全集』等で読むことが出来る)。単行本は「てんとう虫コミックス」のレーベルで1974年から刊行を開始し、現在も版を重ねるロングセラーになっている。
後には『てれびくん』でも連載を行い、『少年サンデー』の増刊号にも読切が掲載されたことがある。
1979年にはテレビ朝日系列でアニメが放映を開始し、昭和と平成のテレ朝ネットワーク拡大の主力として活躍し、開始時マストバイ局が9局でスタートだったのが15局も増え、最終的にはマストバイ局は24局となった。
更に同年からは映画の原作となる大長編も『コロコロコミック』で掲載され、1980年から映画も毎年春に公開されるようになったが、1986年から作者の健康が悪化し一時休載(雑誌には過去の作品を再掲)を余儀なくされる。この時期に公開された映画『パラレル西遊記』は、原作漫画の存在しない作品になっている。さらにこの時期に藤子不二雄は解散し、藤子不二雄F(後に藤子・F・不二雄に改名)の単独名義となる。
1988年から学年誌での連載を再開したものの再び作者の健康が悪化し、1991年4月に発表された「こわ~い!『百鬼線香』と『説明絵巻』」が事実上の短編最終作となった。
以後長編に絞って創作が続けられ、1994年には中編「ガラパ星から来た男」が学年誌に掲載されたが、1996年9月に作者が長編『ねじ巻き都市冒険記』連載中に永眠した(「ガラパ星からきた男」は単行本最終巻の最後のエピソードとなった)。
しかし1996年1月に作者は「ぼくは『ドラえもん』をまだ描き尽くしたとは思っていない。徹底的に、あと一滴も絞れないというところまで絞って描いてみたいんです」とインタビューで語っており、まさにドラえもんは藤子・F・不二雄のライフワークであったと言える。
作者の没後もテレビアニメは放映を続けており、2005年には声優陣を一新してリニューアルが行われた。映画も前述のリニューアルが行われた2005年と、COVID-19の影響で公開が延期された2020年・2021年を除き、毎年春に公開されている。
ちなみに、一時「ドラえもんがバッテリー切れになって動かなくなってしまい、そこからのび太が一念発起してロボット学者になりドラえもんを治す」というストーリーが「ドラえもんの最終回」として広まったことがあるが、これはあるファンの作成した二次創作であり、原作者及び公式が発表した正規のストーリーではない。
人気
大筋としては、のび太が引き起こした事件やのび太達の周りで起こった事件を、ドラえもんがひみつ道具を取り出して解決する話が大半を占める。
恐らくそれが人気の一番の理由である。しかしそれだけではなく、環境問題や種族を超えた愛と友情、社会に対する痛烈な皮肉など、大人が読んでも考えさせられる内容であることも理由としてあげられる。
ドラえもんと教育
F先生が環境問題に興味があったこともあり、連載後期になると啓蒙色が強い内容が多くなる。その為、それらの要素が注目されたり、トヨタCMシリーズや『STAND BY ME ドラえもん』公開以降は感動要素やのび太達の成長がテーマにされることもあるが、雑誌掲載時のキャッチコピーや下記の原作者の発言を見れば分かる通り、本作はギャグ漫画であり、教育漫画ではない。
のび太にひみつ道具を与えて甘やかしてしまうドラえもんや、すぐにドラえもんやひみつ道具に頼るのび太に対する「子供の教育に悪影響だ」という批判の声は原作漫画の連載当時から上がっており、映像化されてからもより一層根強い声として残っているが、これは本作を教育漫画と捉えた為に起こった問題である。
原作者もこれらの批判について「『ドラえもん』は主人公が取り出すひみつ道具が日常生活に及ぼす影響を描く生活ギャグ漫画であり、のび太は読者が目指すべき理想像として描いていない。四次元ポケットから道具を取り出すのは効率的手段であり、効率的であることが悪いことだとは思わない」「のび太がマイナス要素を多く持っているお陰で、それを救うドラえもんをヒーローのようにカッコ良く描くことが出来る」と反論している。同時に「のび太は僕自身なのです」とも述べている。
のび太が精神的に成長する様子が描かれているエピソードも一定数存在するが、実際にはひみつ道具の楽しさを描いたエピソードや、のび太(及び他の人物)がひみつ道具を使用して調子に乗り痛い目を見るエピソードが大半を占めており、のび太の成長が描かれたエピソードはむしろ少ないと言える。
そもそも『ドラえもん』はのび太の成長を描く話ではなく(作品の一要素ではあるが決してそれがメインテーマでは無い。実際に原作者が1981年のインタビューで「のび太は連載11年にも及ぶのにいささかの進歩も無い」と述べている)、上記の通りドラえもんがひみつ道具を取り出してのび太(=読者である子供)達の願いを叶える物語であり、「のび太がドラえもんを頼るのは作品テーマから考えて当然」という意見も存在する。
サザエさん時空問題
アニメ放送はテレビ朝日版から数えても2019年を持って既に四十年を超える程の長寿シリーズであり、原作連載時の価値観と現視聴者の価値観との乖離が問題視されている。
例えば、原作版ではのび太の一ヶ月分の小遣いは500円なのだが、それを貰う際は既に発行されていない五百円紙幣だったり、のび太のパパが戦時中に生まれ育ったことを前提としたエピソードが描かれているが、後の時代においてその設定を引き継げばパパは既に80歳を超えてしまうことになる。
これは戦後間もない日本を舞台にした『サザエさん』にも言えることで、現代よりも数十年以上も昔に作られた古い作品である以上、サザエさん時空と化してしまうのも仕方ないことではある。
現在放送されているアニメシリーズでは、初期こそのび太のパパが戦争を経験している設定で描かれたエピソードが放送されていたものの(2005年版「白ゆりのような女の子」)、2007年5月11日の放送からはのび太達の服装や電気製品等を現代(放送時期)のものに合わせる措置が取られるようになった(参考)。
他にも2011年版「ウルトラリング」以降のエピソードでは、これまで野比家の居間に置かれていたブラウン管テレビが薄型液晶テレビに変更されている。
アニメ版の作風の差異
2005年のリニューアルにあたりアニメ内での表現の方向性が大きく変わり(声優の総入れ替え、原作版寄りの描写、お色気描写の大幅な減少など)、アニメ版の印象がかなり変わった影響で、初期には大山のぶ代版アニメ派と水田わさび版アニメ派によるファン同士の対立が激化、その後も少なからず発生している。
また、人気キャラクターであるドラえもんズが事実上リストラされた部分も大きく、復活を求めるファンも多い。
主人公について
主人公に関してはタイトル通りドラえもんなのだが作品内の立場である「のび太の補助」である事、その性質上のび太を中心に描かれたりのび太は出てきてもドラえもんが登場しない回があるなど一部の読者からはのび太が主人公だと思われていたようだ。
これに関しては原作者自身が「のび太は副主人公」と発言している。
(作者が死去してだいぶ経つのでその発言自体ネットで調べないと分からないという事情ものび太が主人公だと思っいる人が多い要因か)
登場人物
詳細はドラえもんの登場人物一覧を参照。
劇中劇
雑学
- グリーンドラえもん
名古屋テレビとタイアップしたグリーンキャンペーンのマスコット版ドラえもん。青の部分が緑に変更されており、『魔界大冒険』公開時に缶バッジが配られた。
- トラえもん(大山のぶ代版アニメオリジナルキャラクター)
原作版では確認されていない。シンエイ動画、大山のぶ代版アニメでも初期に放送されたエピソード。ドラえもんと同じ形だが黄色地にトラ縞が入っていて性格が悪い。
虎ノ門ヒルズのマスコットキャラクター。同じ会社(森ビル)の運営による六本木ヒルズにテレ朝本社が入っていた事から、藤子プロ協力の下でデザインされた。ドラえもんよりも100歳年上とされる。設定上はネコ型ビジネスロボット。
1970年代前半にピープロ社長だった鷺巣富雄氏が直々に企画書を書くもお蔵入りとなる(詳細はリンク先を参照)。
関連タグ
藤子・F・不二雄 藤子不二雄 コロコロコミック SF(すこし・ふしぎ) ギャグ漫画
ドラえもんのエピソード一覧 ドラえもんのカップリング一覧 ドラえもんのコラボタグ一覧 ドラえもんパロ
表記揺れ
評価タグ
ドラえもん100users入り ドラえもん500users入り ドラえもん1000users入り ドラえもん5000users入り ドラえもん10000users入り
代表的なひみつ道具
タイムマシン タケコプター どこでもドア もしもボックス スモールライト/ビッグライト 四次元ポケット タイムふろしき
派生作品
日テレ版ドラえもん ザ・ドラえもんズ ドラベース ドラれおん
ゲーム版ドラえもんシリーズ
詳細は「ドラえもんのゲーム一覧」の記事を参照。
映画作品
一覧は「映画ドラえもん」記事を参照。
ドラえもん誕生日スペシャル
- 2007『ドラえもんが生まれ変わる日』
- 2008『ドラえもんの青い涙』
- 2009『ドラえもんの長い一日』
- 2010『決戦!ネコ型ロボットVSイヌ型ロボット』
- 2011『走れドラえもん!銀河グランプリ』
- 2012『アリガトデスからの大脱走』
- 2013『真夜中の巨大ドラたぬき』
- 2014『地底100マイルちょっとの大作戦』
- 2015『のび太特急と謎のトレインハンター』
- 2016『天才のび太の飛行船ゆうえんち』
- 2017『謎のピラミッド!?エジプト大冒険』
- 2018『クジラとまぼろしのパイプ島』
- 2019『未来の迷宮おかし城』
- 2020『ウルトラミキサー』、『ムードもりあげ楽団』、『のび太の恐竜』
- 2021『どら焼きが消えた日』
「春一番!日本一のアニメ祭り」で共演したキャラクター
坂本あっこ:ハーイあっこです
アニメで登場した他番組(アニメ以外)
ゲーム作品とのコラボ
太鼓の達人、モンスターストライク、牧場物語、グランブルーファンタジー
テレビシリーズ主題歌
日本テレビ版
(記事が作成され次第、追記をお願いします)