概要
東京メトロの地下鉄路線。東京都練馬区の小竹向原駅と渋谷区の渋谷駅を結ぶ路線。運行系統としては有楽町線経由で埼玉県和光市の和光市駅〜渋谷駅間を結ぶ。路線の記号はF、ラインカラーはブラウン。
1994年に小竹向原〜新線池袋(当時)間が有楽町新線(13号線)として開業し、2008年6月14日の池袋〜渋谷間開業と共に有楽町新線区間も含めて「副都心線」の名称の使用を開始した。
小竹向原〜池袋間は地下鉄では珍しい複々線区間【上下二段式】。共用区間の和光市〜小竹向原間は両線のナンバリングが施されている。和光市以外の全駅が東京都に位置する。
自動列車運転装置(ATO)によりワンマン運転を行っている。開業時は副都心線単独区間である小竹向原〜渋谷間のみで行なっていたが、2015年3月28日に和光市〜小竹向原間も有楽町線と共にワンマン化し、全線でのワンマン運転を開始した。
現時点では東京メトロ最後の新規開業路線。東京メトロは当初副都心線の開通をもって新線建設を終了するとしていたが、今後有楽町線豊洲駅と半蔵門線住吉駅を結ぶ「地下鉄8号線(通称「豊住線」)」及び、南北線白金高輪駅とJR品川駅を結ぶ「南北線分岐線」の建設が決定し、どちらも東京メトロが整備する事になっている為副都心線は同社最後の新線では無くなる予定。
直通区間
有楽町新線時代から引き続き東武鉄道及び西武鉄道と、2013年3月16日からは東京急行電鉄(現・東急電鉄)及び横浜高速鉄道と、2023年3月18日からは相模鉄道とも相互直通運転を行っている。
直通区間は東武側が和光市から東上線小川町駅まで、西武側は小竹向原から西武有楽町線経由池袋線飯能駅・西武ドーム(ネーミングライツにより2022年からベルーナドーム)で試合やコンサート等イベントがある際の臨時列車は狭山線西武球場前駅まで、S-TRAINに限り西武秩父線西武秩父駅まで、東急側は渋谷から東横線横浜駅を経由しみなとみらい線元町・中華街駅まで。相鉄側は東横線日吉駅から分岐し、東急新横浜線と相鉄新横浜線を経由して本線の海老名駅まで・いずみ野線の湘南台駅まで直通する。
「西武〜東京メトロ〜東急〜横浜高速」「東武〜東京メトロ〜東急〜横浜高速」「(東武〜)東京メトロ〜東急〜相鉄」という直通運転形態。
特徴
駅ナンバリング
駅ナンバリングについては、副都心線には開業時点で導入済み、2012年3月17日には東武東上線にも導入され、東横線・みなとみらい線、西武線でも導入。そのため、ホームにある路線図は駅番号だらけになってスペース不足気味。東京スカイツリー開業に合わせて案内類が更新された半蔵門線よりも多い。相鉄直通に伴いそちらも表記したため、更にスペース不足に拍車がかかった(相鉄も駅ナンバリング導入済)。
地理
開業時期が比較的最近という事もあり、副都心を通ってはいるにはいるのだが他の路線よりもやや外れの位置にホームと改札が位置している場合が多い。新宿副都心に関しては新宿駅はなく新宿三丁目駅だが、それ以上に池袋駅が池袋副都心中心部の外れに位置している(立教大学生にはありがたい配置ではあるが…)。渋谷は離れすぎている訳ではないがB5Fとかなり深い階層にあるので地上に出るまでが遠い(京王井の頭線と銀座線は地上からさらに上がった高架上に駅がある。(前者は地上2F、後者は地上3F)これは渋谷の地形に起因している)。一応池袋・新宿・渋谷いずれも中心部に地上に出ず行ける地下ルートは確保されている。
将来的には池袋~雑司が谷間に東池袋駅の新設も予定されており、すでに用地は確保されている。
実現すれば東横線方面や小田急線方面の客は池袋駅に向かうことすらなくサンシャインシティに大幅に時間を短縮して行くことが出来るようになる。
走行ルートがJR山手線とほぼ並行している事もあり他の鉄道路線との乗り換え駅が非常に多く、副都心線としての単独駅はわずか2駅(西早稲田駅・北参道駅)だけである。なお西早稲田駅は近隣に高田馬場駅があり、振替輸送時の代替ルートとしても利用される。
ちなみに池袋 - 渋谷間の所要時間は普通列車の場合、山手線とほぼ変わらない(16分)。
なお、かつて東京メトロがラブライブ!のミニユニットとコラボレーションした際は、各々のパーソナルカラーやそれに近い色がμ'sメンバーに割り振られたが、ピンク系統は都営地下鉄(東京都交通局)が独占しているため、矢澤にこだけはμ'sにも唯一該当メンバーが存在しないブラウンのこの路線を割り当てられることになった。
運行形態
副都心線内
線内の行き先は主に和光市行きを主として他に池袋行き、ラッシュ時に新宿三丁目行きがある。また渋谷行きが終電に設定されている。
一部時間帯を除き急行運転をしている。通勤急行は平日の朝と夕方以降のみの運行で、和光市~小竹向原間は各駅に停車する。2016年3月26日ダイヤ改正以降、日中の副都心線急行には「Fライナー」の列車愛称が与えられ、該当列車は『F急行』と種別表示されている(一部、副都心線内急行でありながらもFライナーでない運用もある)。
Fライナーは直通先の種別も固定となり、東急・みなとみらい線内は特急、西武線内と東武線内は快速急行となる。
急行及び通勤急行は10両編成、各停は8両編成又は10両編成で運行される。なお10両編成は東急線・みなとみらい線内では必ず急行以上の種別で運行される。これは東横線・みなとみらい線の急行通過駅が10両編成に対応していない為。
一方で緩急接続のできる駅は渋谷、小竹向原の二駅、待避駅は東新宿と限られており、このため急行の二本前の各停に乗れば副都心線内に限ってはそちらの方が早い場合もある。小竹向原での緩急接続は有楽町線からの列車も含まれる。
また土休日限定で座席指定列車のS-TRAINが運行されている。
種別
- 急行/Fライナー急行
停車駅:和光市・小竹向原・池袋・新宿三丁目・明治神宮前・渋谷
平日、及び土休日日中の最速達種別。毎時4本運行されている。ほとんどが10両編成。
東新宿で先行する各駅停車を追い越す他、小竹向原で有楽町線からの列車と接続する列車が多い。
開業当初は明治神宮前を通過していたが、2010年に土休日のみ停車となった。その後2016年より平日も全列車が停車している。
平日朝夕は大半が通勤急行に置き換わるが、西武線からの列車のみ朝夕時間帯も急行が運行される(後述)。
- 通勤急行
停車駅:和光市~小竹向原間の各駅・池袋・新宿三丁目・明治神宮前・渋谷
平日朝夕時間帯に急行に代わって運行される。運行時間帯、1~4本運行される。
2023年に停車駅に明治神宮前が追加され、池袋~渋谷間の停車駅が急行と統一された。
下り列車については、小竹向原以降は各駅に止まるために各駅停車として案内される。
- 各駅停車
各駅に停車する。大部分が8両編成だが、相鉄直通は原則10両編成で運行される。
一部列車は東新宿で優等列車の通過待ちを行う。
- S-TRAIN
停車駅:(←西武線方面)池袋・新宿三丁目・渋谷(東急線方面→)
西武線~副都心線~東急線~みなとみらい線で運行される座席指定有料列車。
副都心線系統では土休日に運転される。詳しくは個別記事参照。
東武線との直通形態
有楽町線と異なり、副都心線は小川町までの直通。
Fライナーの運行開始前は東武線内の種別は普通列車に限られていたが、現在は東武線内急行・快速急行の列車も副都心線へ乗り入れている(ただし、副都心線→東武線の東武線内急行はない)。
Fライナーは運行開始後は東武線内急行だったが、2023年3月18日ダイヤ改正で快速急行に変更された。
行先は志木行き、川越市行き、森林公園行き、そして小川町行きが設定されている。このうち8両編成は志木までの直通で、Fライナーはほとんどが森林公園発着となる。
西武線との直通形態
こちらは有楽町線と似通っている。
西武線内の種別は各停の他準急と快速、そして快速急行とS-TRAINが設定されている。
行先は石神井公園行き、保谷行き、清瀬行き、所沢行き、小手指行き、飯能行き、西武ドーム(ベルーナドーム)でのイベント開催時に限り小手指行きを変更して西武球場前行き、そしてS-TRAIN限定の西武秩父行きが設定されている。
有楽町線との大きな違いとしては快速急行がFライナーとして日中でも多く運行されること、そしてS-TRAINが西武秩父駅まで乗り入れる点。
先述した通り、西武線からの列車が副都心線内でも速達列車として運行される場合、通勤急行が運行される平日朝夕の時間帯であっても急行として運行する。これは小竹向原以南において急行と通勤急行の停車駅に差異がなく、区別の必要がないためである。
東横線・みなとみらい線との直通形態
東横線とはほぼ一体化しており、副都心線の渋谷止まりはほぼなく東横線へと直通する。
種別は各停、急行、通勤特急、特急とS-TRAINが存在。日中の特急はFライナー。
行先は元町・中華街行きがほとんどであり、ラッシュ時に武蔵小杉行きと菊名行きが存在。また早朝や深夜のみ、元住吉行きや横浜行きも存在する。
前述の通り東横線の駅ホーム有効長から、各停は全車8両編成で運転される。
相鉄直通開始後、かつて存在した菊名行きのスジが相鉄直通に置き換えられている。
東急新横浜線・相鉄線との直通形態
全列車が10両編成・東急線内急行で運行され、新横浜で相鉄の種別に変更する。いずみ野線系統との直通がメインで、相鉄直通はほとんどが湘南台行きであり、毎時2本程度運行される。一部西谷行きが存在する他、平日・土休日共に夜間のみ本線系統の海老名行きも設定されている。相鉄線内は大部分は各駅停車だが、一部列車は特急として運行する。
現在副都心線からの新横浜行きが設定されておらず、この系統は全て相鉄へ直通している。このため保安装置の関係上相鉄線に入れる東急車か相鉄車の10両編成という限られた条件で運行されている。
直通開始後も東横線系統は元町・中華街行きがメインであり直通列車が少ないため、武蔵小杉か日吉で目黒線からの新横浜線直通列車に乗り換える方が早い場合が多い。
ここまで挙げてきた直通のうち。西武線発着の列車は新横浜線方面には直通しない。
駅一覧
和光市~小竹向原間は有楽町線とホーム・線路を共有し、その先要町までは二層構造となっている。
和光市駅は東武の、渋谷駅は東急の管轄。
※座席指定列車「S-TRAIN」は土・休日ダイヤに限り副都心線へ乗り入れ。小竹向原駅にて乗務員交代のため、運転停車を行う。
停車駅=● 通過駅=レ 各駅停車は全ての駅に停まるため割愛。
駅番号 | 駅名 | 通勤急行 | 急行&Fライナー急行 | S-TRAIN | 乗り換え路線 |
---|---|---|---|---|---|
⇑東武東上線小川町駅まで直通運転 | |||||
F01 | 和光市 | ● | ● | 東武東上線成増・池袋方面 | |
F02 | 地下鉄成増 | ● | レ | ||
F03 | 地下鉄赤塚 | ● | レ | ||
F04 | 平和台 | ● | レ | ||
F05 | 氷川台 | ● | レ | ||
西武有楽町線経由西武池袋線飯能駅・西武狭山線西武球場前駅(西武秩父線西武秩父駅)まで直通運転⇨ | |||||
F06 | 小竹向原 | ● | ● | ※ | 有楽町線新木場方面・西武有楽町線練馬方面 |
F07 | 千川 | レ | レ | レ | 有楽町線 |
F08 | 要町 | レ | レ | レ | 有楽町線 |
F09 | 池袋 | ● | ● | ●(注) | |
F10 | 雑司が谷 | レ | レ | レ | 都電荒川線(鬼子母神前停留場) |
F11 | 西早稲田 | レ | レ | レ | |
F12 | 東新宿 | レ | レ | レ | 都営大江戸線 |
F13 | 新宿三丁目 | ● | ● | ● |
|
F14 | 北参道 | レ | レ | レ | |
F15 | 明治神宮前〈原宿〉 | ● | ● | レ | |
F16 | 渋谷 | ● | ● | ● | |
⇓東急東横線経由みなとみらい線元町・中華街駅まで、東急新横浜線・相鉄新横浜線経由相鉄本線海老名駅まで、いずみ野線湘南台駅まで直通運転 |
(注)S-TRAINは池袋駅では上下列車とも降車専用で乗車はできない
使用車両
ここでは副都心線開業後の車両を記載。
有楽町新線時代の車両は当該項目を参照。
現在の使用車両
自社車両
和光検車区所属。相鉄直通非対応。
西武鉄道所属
6000系及び40000系0番台は小手指車両基地、40000系50番台は武蔵丘車両基地所属。
全車両10両編成。東武・相鉄直通非対応。
40000系0番台は「S-TRAIN」用だが、稀に通常運用でも使用される。
東武鉄道所属
森林公園検修区所属。
全車両10両編成。西武・相鉄直通非対応。
東急電鉄・横浜高速鉄道所属
元住吉検車区所属。
8両編成は共通運用。相鉄直通非対応。5050系のみ東急新横浜線へ試運転で入線したが、定期運用では使用しない。
10両編成の5050系4000番台は副都心線の使用車両で唯一直通区間全線に乗り入れ可能。
相模鉄道所属
- 20000系:10両編成。
かしわ台車両センター所属。
東武・西武直通非対応。2023年3月18日から使用開始。
東横線日吉以南及びみなとみらい線には試運転で入線したが、通常時は運用には就かない。
過去の使用車両
- 東京メトロ7000系:10両・8両編成。
東横線・みなとみらい線内に8両編成しか停車できない駅があるため、副都心線対応改造に際し一部編成で10→8両化が行われていた。
備考
有楽町線・有楽町新線で使用していた07系は、小竹向原駅に設置するホームドアと客扉幅が合わない為2006年から順次東西線に転属。一部は東西線転属前に暫定的に千代田線に転属した。
関連タグ
有楽町新線:前身。
JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン…池袋~渋谷間で並走。競合関係にもあたる他、埼京線とは間接的ではあるが相鉄を通して線路が繋がった。