バカヤロー!!
なんてへたくそなたたかいかただ
なんてヘタクソな概要だ!!
この台詞が飛び出したのは『ウルトラマンメビウス』第1話『運命の出逢い』。
少し前に地球に来訪していたメビウスは、ムチのように振るうことで強力な刃となる舌『断層スクープテイザー』を武器とし、防衛チーム「GUYS」を容易く壊滅させた宇宙怪獣ディノゾールに対して地球での初陣に挑む。
この時点でメビウスはウルトラ戦士としてはまだ未熟で、戦闘開始早々『断層スクープテイザー』をビルを盾にして防ぐ等、周囲への被害を拡大させる戦い方をしたため、勝利したものの市街地に甚大な被害が出てしまった。
市民はメビウスの勝利に喚起し、メビウスもそれに満足したかのような振る舞いであったが、別方向からそれに対して怒鳴る人間が1人。生き残ったGUYSの隊員、リュウさんことアイハラ・リュウは「ビルを盾にしやがった!」などとこれに憤慨。特撮史に残る伝説のお説教を吐き出し、泣き崩れる。
「バカヤロー!!なんてヘタクソな戦い方だ!!
周りを見てみやがれ!!それでもウルトラマンかよ!!何も守れてねえじゃねえか!!
俺だってそうだ・・・・・・何も守れなかった・・・・・・」
補足を見てみやがれ!!
これまでウルトラシリーズに触れてこなかった方や、本編を視聴するより先にこの記事を読んだ方なら分かると思うが、このシーンは新米ヒーロー・メビウスの落ち度を示すと共に、リュウのやるせない心情を演出したものである。
後の『新ウルトラマン列伝』でもゾフィーがこの点について指摘しており、本作の劇場版『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』においてもウルトラ兄弟が地球への二次被害を懸念して敵への追撃を断念しピンチになる展開が存在する。
しかし放映当時はこの台詞を放ったリュウに対して「何様だ」「メビウスが可哀想」という趣旨の否定的な意見が少なくなかった。以下にその理由とリュウへの弁護を記す。
①「あの巨体で戦ってる以上街に被害が出るのは仕方ない」
これはメビウスに限らず、他のウルトラマンや戦闘機、というか巨大特撮全般にも言える事である。ネクサスの様に誰もがメタフィールドを張れるわけでもないし、街への被害を気にしていられないほど強大な怪獣だって多い。
しかし、歴代のウルトラマンがビル等を壊してしまう時は怪獣の攻撃で吹き飛ばされる等の不測の事態が多いのに対し、この時のメビウスは意図的にビルを盾にしていた上に、その後も次々と飛び道具を撃たれてまともな反撃どころか間合いを詰めることすらできずひたすら回避に専念、隙を見つけてメビュームシュートを撃てたから何とか勝てたという有様で、明らかに街の被害状況へ意識を向ける余裕がなかったことが窺える。
ネオスのように最終的には無理でも壊した直後に倒れた建物を直そうとしたウルトラマンや、コスモスのように初陣では盛大に被害を巻き散らしてしまったが後には破壊された街の修復に訪れるようになったウルトラマンもいるのだ。もっともネオスはともかく、コスモスは別次元の戦士ではある。
②「怪獣を倒してくれたヒーローに向かってその言い方はどうなのか」
実際にこの戦いを見ていたリュウ以外の人々は、久方ぶりに来訪したウルトラマンという点もあって彼の様に非難するどころかむしろ歓喜しており、被害を気にするそぶりも全くなかった。
ただ、市民を守る立場であるリュウからすれば怪獣を倒すために街を滅茶苦茶にした(建物を盾にしたせいで人が死んだ可能性だってある)というのは本末転倒であり、そんな人物に対しただ感謝することは出来ないというのも全くおかしくないだろう。
③「あっさり全滅したGUYSが非難出来るのか」
最大の理由がこれである。『甦れ!ウルトラマン』のように「自分達だけで倒してから言え」とも言いたくはなるだろう。言い方は悪いがあの世界の一般市民からしても、「避難誘導ぐらいしか出来ていない国家公務員達」と「犠牲は出したが目的を果たした1人のボランティア」だったら、後者の方が印象は良いと思われる。
しかし、惨敗したとは言ってもリュウ達もメビウスと同じように確かな信念を持って必死に地球を守ろうとしたのは事実である。後半を見るとわかるように、このセリフは単なるウルトラマンへの怒りではなく、リュウ自身の、ディノゾールの地球侵入を許してしまったことへの罪悪感、何もできないまま独り生き残ってしまったことへの後悔、そして『地球を人類の手だけで守ってみせる』という自分の信念を実現する事ができなかった悔しさ等、数々の熱い思いが込められている。自分を残して全滅してしまった仲間達と、被害を及ぼしながらも怪獣を撃破し歓声を浴びるメビウス。彼の口からこの言葉が放たれたのはそんな状況だった。
その後「(ウルトラマンが来たんだから)もうGUYSなんてな、必要ないんだよ!」と投げ遣りになっていたことからもリュウの複雑な心情が窺える。
また、独立宣言をしたUGMを怪獣が出なかったという理由で解体したという設定や「仮にも防衛チームを単騎で滅ぼすほど強いはずのディノゾールの襲撃が作中でそこまで大規模な事件として扱われていないのもマズいんじゃないか(旧GUYSが惨めに見える)」という設定的な観点から批判する視聴者も存在した。
④「リュウに人の事が言えるのか」
あまり指摘されることはないが、後に第11話でディノゾールが再登場した際、リュウはそれまでの出来事もあって憎しみに囚われるあまり、かつてのメビウスと同様に討伐のためにダムの被害を厭わない趣旨の発言をしている。当然ながらミライは激怒、今度は逆にメビウスから非難されることに。
ミライ「ディノゾールが憎いというリュウさんの気持ちはわかります! でも…リュウさんは間違っています!」
リュウ「何だと!?」
ミライ「今のリュウさんは、ボガールへの憎しみに囚われたツルギと同じです!!」
初期のディノゾール戦で暴言を吐いた相手から今度は逆に自分がお説教を喰らわされるとは何とも皮肉な話である(「お前が言うな」などと言ってはいけない。あちらの失態は「メビウス=ミライ一人の失態」ではあるが、リュウの場合は「GUYS全体の失態」となってしまうからである。そして何より仮にリュウが失態を犯してそれが万が一世間に知れ渡ってしまったら、それこそこいつの思うツボである)。
仮にそうしていればそれこそメビウスとは逆に、人々から感謝ではなく罵声を受けていただろう。リュウはそれ以前にもボガールへの復讐を果たすためなら手段を選ばないハンターナイトツルギや、誤って地球に飛来してしまったディノゾールの群れがGUYSスペーシーが配備した宇宙機雷「ライトンR30マイン」によって次々と殺されていくのを哀れんだアマガイ・コノミを非難しており、尚更である。
とはいえ、あくまで感情が高まった上での失言であり、実際に行動に移していたかは分からない点は考慮すべきだろう。彼もこの件を自覚したのか、後にミライに感謝の意を述べている。
またミライに対して「初戦で被害を出しておいて人の事が言えるのか」と思う方もいるかもしれないが、これは寧ろ『リュウに自分と同じような失敗を犯してほしくない』からこそ言えたセリフと取れる。
リュウ自身がトゲのある発言や熱さゆえの問題行動がみられることからただでさえ賛否の分かれるキャラクターであり、かつてはこのセリフが槍玉に挙げられることもあったが、発言そのものが間違っているとは言い難い。
第2話では、二次被害を抑えようとメビウスはグドンを空き地に投げ飛ばしており、この出来事を反省していることが分かる。
このような点から、放送開始前から「ルーキー」である事が強調されていた『メビウス』ならではの展開であったと言える。
……ただそれらを踏まえても、第1話からウルトラマンという善意で人間を守るヒーローに(若干不良っぽい)お説教をかますと言うのは中々のインパクトとシュールさがあり、こうして項目になるような、今に語り継がれるに至った。
それでもネタかよ!
ニコニコ動画等を中心にウルトラシリーズにおける戦闘によって町に被害が出るたびにこのセリフを言う人も少なくない。
ただこのセリフが放たれた経緯は上記の通りであり、明らかにウルトラマン側が故意に行った行動による被害(俗に言うウルトラ広場があるのにわざわざビル群の方に怪獣を蹴り飛ばす行為等)や過失だとしても恐らく避けられたであろう被害ならともかく、単にウルトラマンが攻撃を避けたり、怪獣等に吹き飛ばされてビル群にぶつかった為に町に被害が出たのであれば「あの巨体で戦ってる以上街に被害が出るのは仕方ない」為、このセリフを使うのは正しくないといえる。
実際に『ウルトラマンタイガ』では、ペロリンガ星人が戦闘の余波による街への被害を気にするシーンが描かれたことがあるが、これは正に公式が意図的に用意した不当な例と言える。
逆に大した被害が出てなくても光線の撃ち方忘れて「命!」ポーズを決めたり最速アクションし過ぎて体力を使い果たしナレーションにも「気が早い」と突っ込まれた人の場合は使っていいかも知れない。え、防衛チームもおバカ化してたって?知らんな。
一方でこれの弊害として、大抵は「バカヤロー!!」だけ、精々「なんてヘタクソな戦い方だ!!」とまでしか使用しないために、メビウスを未見の人からはリュウがただの嫌な人扱いされたりもするという問題がある。
一応、真面目なセリフとしては「俺だってそうだ」辺りまでがセットである。
先輩も守れてねえじゃねえか!
さて、この指摘に関してだが、意図があるかないかは別として、当然と思われるがメビウス以前のウルトラマンほぼ全員に該当する。
上述のように歴代のウルトラマンの戦闘においても、相手を挑発してから体当たりをかわして発電所に突っ込ませたり、石油タンクを被せたり、小枝一本折らないと誓ったのに木を引っこ抜く、煙突を引っこ抜いてヌンチャクにする(ただ相手が強くていまいち役に立たなかった)等、割と自分から被害を作ってるような行動が散見される。
中でもウルトラマンスコットは、周囲への被害や戦いの余波をあまり気にしない豪快な戦い方が特徴の戦士であり、戦闘時には怪獣を吹き飛ばし続け大量のビルを倒してしまっている。
「バカヤロー!!」はGUYS敗北が重なった上での発言だったとはいえ、リュウが彼らと共に戦っていたらどうしていただろうか……。
また、本編時空においてはそれぞれメビウスの上司と教官を勤めているゾフィー及びタロウは、マンガ作品『ウルトラマンSTORY0』の世界において怪獣を倒すことを優先して光線を全力で放った結果、周囲の自然環境や住んでいた生命体を巻き添えに爆殺してしまうという正しく「バカヤロー!!」案件を引き起こしている。両者共に経験の足りないルーキー時代の出来事であるという点もメビウスと共通している。
後輩も守れてねえじゃねえか!
メビウスが初めて地球に降り立って10年と少し、そのウルトラマンは我々の前に現れた。
ビルを盾にするどころかビルに怪獣を態々叩きつける、引っこ抜いて投擲武器として使用する、目の前を横切った戦闘機を撃墜する、挙句中に人が捕まっている敵ロボットに執拗なまでに攻撃を加え、取り込まれた人間の無事を厭わずに光線を放ち爆破する(捕まっていた人物は奇跡的に死にこそしなかったが大怪我を負った)ウルトラマンがよもや記念すべきメビウス10周年の年に現れるとは、リュウさんはもちろんのこと当時は誰も思いはしなかっただろう。
そう、ウルトラマンオーブ・サンダーブレスターだ。
詳しい説明は項目を見ていただくとして、サンダーブレスターの登場によりこのセリフが再び脚光を浴びたのは特筆すべきであろう。
ちなみに『ウルトラマンオーブ』では上記の件以前にも、ウルトラマンが怪獣との戦いの中で周りに甚大な被害を及ぼしてしまった過去を引きずっていた他、周囲にもたらした被害が意味深に映し出されるシーンがあるなど、「ウルトラマンの齎す被害」について触れることが少なくない作品となった。
次々作『ウルトラマンR/B』においては頻出(?)する事態に。
ウルトラマンロッソとウルトラマンブルは、初陣において跳び蹴りを空振りしたり、(威力弱めだが)放った水流で公園の木々を破壊する被害を出したり、公園の木を引っこ抜いて敵の怪獣を殴りつけるが無駄に終わるなど、同じ意味でも違う意味でも「バカヤロー!!」と叫びたくなる様なグダグダな戦いに終始した。
メビウスと違い戦闘訓練を積んだわけでもない普通の市民かつ初戦闘という点は考慮するべきではあるが、自主的に公共施設に被害を齎したという点は何とも言えないものがある。一応自分の住んでいる町を守る為に戦っているので人のいる建造物を盾にする様な真似は流石にしなかったが。
ところが次の回では怪獣も宇宙人も出現していないにもかかわらずウルトラマンに変身して、ウルトラマンの力を試す為に山を光線で吹っ飛ばし、挙げ句の果てに空を飛び回っているうちに時間切れになって変身が解けると言う中々のやらかしを披露した。ヒーロー以前に現代人として故意の自然破壊はどうなのか。
そしてその回での怪獣との戦闘では敵と自分の炎技をぶつけ合った結果余波で街に被害を巻き散らしてしまった上、凝りもせず同じことを繰り返そうとして相方が止めに入るという一幕もあるなど、メビウス同様ヒーローとして未熟という描写が目立った。
繰り返すようだがメビウスと異なり新人宇宙警備隊員どころか元一般人で戦闘訓練すら受けたことがなので仕方ない面はある。ただ、本作はヒーローになりたいという理由でウルトラマンと怪獣の力を悪用する宇宙人の存在も合間って、防衛チームもいないのにウルトラマンが地球人からあんまりありがたがられていない珍しい世界観が描かれており、その一因にはなっているかもしれない。
ちなみに、彼らの妹が変身するウルトラウーマンも、怪獣も宇宙人も出現していない中、闘いの訓練で山を吹っ飛ばしている。共にさほど問題にはなっていないようだが……。
そして『ウルトラマントリガー』第17話『怒る饗宴』では「バカヤロー!!」発言がまさかの再来。
発言者はGUTS-SELECTのサクマ・テッシン隊員。この時GUTS-SELECTは、あらゆるエネルギーを吸収して撃ち返すメツオロチに対抗するため、弱点を分析した上で旧式兵器を導入した総力戦に当たったのだが、その作戦中に突如トリガーダークが乱入。弱点も把握せずに闇雲に怪獣を攻撃し続けた結果、カウンターによる範囲攻撃で周囲が大爆発する惨事に。作戦の要であったガッツファルコンも巻き添えで墜落してしまい、もはや絶望的という状況下で放たれたのが、「トリガーダークのバカヤロー!!」という叫びであった。
もっともあくまで影のトリガーの失態であり、本命のトリガーには何の罪もないので勘違いしないように(寧ろこの場合本命の方が被害者である)。
ちなみにこの時のセリフは字幕では「バカ野郎」と表記されていた。
また前作『ウルトラマンZ』においては、「主人公がウルトラマンに変身する前に防衛チームの隊員としてやらかす」珍事が起きている。
第3話『生中継!怪獣輸送大作戦』にて、ウルトラマンの変身者が乗った特空機1号セブンガーが、新兵器である硬芯鉄拳弾を怪獣に対して使用して倒す……までは良かったが、放たれた鉄拳弾は怪獣のみならず、事前に「絶対壊すな」と厳命されていた防衛対象である観測所も一緒に粉砕。
これに対して隊長は呆れ、長官もカンカンに怒り、正にこのバカヤロー案件でニコニコ動画の該当話でも、バカヤロー弾幕が吹き荒れることとなった。
ウルトラマンブレーザー11話では、強豪怪獣ゲバルガとの戦いにおいて、変身者ヒルマ・ゲントの意に反して怪獣に対する攻撃を妨害するかのような行動をとった(一応補足するがゲバルガは決して「悪意のない怪獣」というワケでも、「誰かに操られて暴れている被害者」というわけでもない)ばかりか、何と戦闘中に逃走するという想いも寄らない事態が発生。ある意味バカヤロー案件ともいえる(ただし、これはブレーザー自身が「ゲントや部下を始め、どんな命でも守ろうとする意志」を尊重した故の行為であり、後にそれに気付いたゲントはブレーザーと和解。次の回では無事に怪獣を倒す事に成功している)。
余談だってそうだ…
他番組にて
2018年5月20日放送の『日曜もアメトーーク! ウルトラマン芸人』では田村亮がこの回を取り上げ、ウルトラマンへのタブーとも言える(下手くそな戦いによる)町の被害へのリュウのツッコミと、それを受けたメビウスの何とも言えない表情(この能面演技は出演者からも「表情が変わってないのに悲しんでいるのがわかる」と高評価だった)が『ウルトラマンメビウス』にのめり込んだキッカケと語っていた。
ちなみにこの時、メビウスの表情の方を優先して取り上げられていたため、「なんも守れてねえじゃねえか!!」はかろうじて聞こえるが、その後の「俺だってそうだ……なんも守れなかった」は取り上げられていない。一応、「メビウスは頑張って戦ってはいたが戦い方がヘタクソだった」との説明はあるので、少なくとも上記のようにリュウの発言の意図を勘違いされることはないとは思われるが、逆にメビウスがやたら弱かったかのような印象を受け、別の意味で可哀想だったという見方も……。
役者たちの意見
リュウ役の仁科克基氏は、2021年に監督との対談時に、「それ言ったら歴代の戦士も街壊してませんか?」と「事実かもだけど今更それ言いますか?」と思っていたらしい。
一方、メビウス役の五十嵐隼士氏は未だにこの件を根に持っており、「タロウが教えてくれなかったからああなった、メビウスは悪くないよね」と語っており、後輩ウルトラマンが戦いの余波で町が破壊されるシーンを見ては喜んだりしている。確かにタロウも指導者としては2024年現在も未熟な面が多いのも事実ではあるのだが……。
参照動画
敵の戦力込みでの考察
後のギャラクシーレスキューフォースボイスドラマ』にて、ディノゾールの持つ『断層スクープテイザー』はエタルガーやウルトラマントレギアといった強豪とも互角に渡り合えるウルトラマンリブットが(背後にポッコラがいた事もあって)防戦一方になるほどの代物だった事が判明する。
つまり、当時ルーキーだったメビウスが街の被害状況へ意識を向けながら戦えるようなレベルではない能力であり、これを動作だけ見て気付いて回避し、隙を見つけて勝利を掴んだだけでも十分という解釈も出来る。
これだけの被害で済んだだけマシ、寧ろ初戦でこんな強豪と当たってしまったメビウスとリュウ達先代GUYSメンバーは本当に運が悪かったと、当時のメビウスの実力を再評価する声も上がっている。
ただし、リブットはあくまでもギャラクシーレスキューフォースとして最初から被害が出ないように戦っており、しかもメビウスよりも若いため、対等な比較ではないことは忘れてはならない。
総括すると、第1話のメビウスの戦いは「自分のできる範囲の行動で勝利を掴んだ戦い方」としては評価できるが、「周囲の被害を考えつつ戦うウルトラ戦士のお手本」とはいえない、といった所であろうか(上記のように歴代ウルトラマンにも少なからず当てはまるが)。
関連タグも守れなかった…
ニセウルトラマンベリアル:メビウスの弟弟子と戦った怪獣。こちらはビルを引き抜き盾としながら接近するというメビウスの戦法の高等版を行った。なお、見た目が悪のウルトラマンなだけの人造生命体なので「バカヤロー!!」案件ではない。
ザ・ボーイズ:これをいわれても反省しない連中に対抗する民間人のお話。
パルキア:ウルトラシリーズを元ネタとするシリーズに登場する。本作の一年後に公開された映画で、縄張り争いに端を発する戦いに人間の住む町やポケモンを巻き込んで消滅させたため、主人公から同じく「バカヤロー!」と罵倒されたポケモン。台詞単体のインパクトのせいで罵倒部分の知名度のみが高くなり、前後の台詞や放たれた状況への理解が乏しい者がネタとして誤用する場合がままあるというあまり宜しくない点が共通している。なお、経緯やポジションを鑑みるに出した被害は怪獣の所業によるそれに近しいが、怒られて反省したのか出した被害をきちんと元通りに修繕してから帰っていった。メビウスにも某先輩のような力があればまだマシだったのかもしれない。ちなみに一緒になって暴れた相方はお叱りが飛ぶ前にさっさと帰ってしまっていたためか、次回作及び次々回作でこの件の二次被害を受けたポケモンに付け狙われる役回りが与えられた。
GODZILLA1998:20世紀末のニューヨークに現れた怪獣と人類の戦いを描いた怪獣映画。こちらの作品に登場する米軍は敵怪獣の移動速度や知能の高さ故に攻撃が中々命中せず、結果として怪獣がただ暴れる以上の被害を出してしまった。更にこれに怒ったNY市長から「町を壊しているのは怪獣ではなく君たちだ。軍人として恥を知れ!」と大目玉を喰らっている。「結果的に防衛戦力が周囲への被害を広げる」「怪獣側の能力が想定よりも高かった」「被害を広げたことを叱責される」など共通項もあるが、「故意に被害を広げる戦法を採った」訳ではないのでどちらかというと誤用の方の「バカヤロー!」に該当すると思われる。
タローマン:一応ヒーローのはずなのだが「岡本太郎の理念、思想に沿ってでたらめに生きる事」が最優先の為、その過程で街を破壊する事は勿論、邪魔になる一般人を粛清したり、マンネリから抜け出す為にわざと敵に負けようとしたり、挙げ句の果てにとんでもない暴挙を仕出かしている等、「バカヤロー!!」では済まされない振る舞いをしている。
シン・ジバニャン、シン・コマさん:どちらもとある映画において、メビウス以上に無茶苦茶な戦い方(ビルを引っこ抜いて投げつけるなど)をした巨大妖怪。こちらは黒幕によって操られたとはいえ、それぞれの好物が食べられなくなったという何ともしょうもない理由で暴れまわっており、リュウでなくとも「バカヤロー!」と言いたくなるだろう。何故か主人公からは突っ込みが入らなかったが。形態名も「シン」を冠詞にしているが、これもシン・ゴジラやシン・ウルトラマンからの影響とみられる。