「街の害虫は、私が駆除する!」
データ
身長 | 220.0cm |
---|---|
体重 | 138.0kg |
生体コネクタ | 伊刈は左足の裏、EXEメンバーは左掌 |
頭文字デザイン | 丸まったゴキブリ(C) |
特色/力 | 生命力、トリッキーかつ超越したスピード、掌から発する粘液 |
登場話 | 第7話「Cを探せ/フィリップはそれを我慢できない」 |
概要
ゴキブリをモチーフとした怪人で何者及びEXEメンバーや小説のキャラなどがコックローチメモリを身体に挿して変身したドーパント。
見た目はまんま人型のゴキブリであり造形が物凄くリアル。頭部も前から見たゴキブリ1匹の形状。
並外れた生命力(ゴキブリが古生代石炭紀から絶滅せずに生き残ってきた所に由来する)を有し、相手を窒息させる効果を持つ青い粘液を飛ばして攻撃する。ゴキブリ故の超高速移動(サイクロントリガーの早撃ちを躱すレベル)が可能だが、一方でルナトリガーのような変則的な動きをする技は苦手な模様。
そのスピードを活かしてダンス技の『ヘブンズトルネード』に拘る余りに上手く戦えないダブルのベルトからサイクロンとジョーカーを除いた計4本のガイアメモリを奪い取り、ダブルを苦戦させた(もし、サイクロンとジョーカーが奪われていたらとんでもない事になっていた。詳しくはハーフチェンジの項目にて)。
正体
以下ネタバレ注意
同人漫画家の伊刈(演:片桐仁)。仕事をする裏で裏サイト『闇の害虫駆除』を運営しており、「闇の仕置人ゴキスター」を名乗って始末を依頼された人物を片端から殺害する暗殺業をしていた。
なお、その存在は噂になっており、市民の一部からヒーロー視されていた。
「マンガ倶楽部ふうと」で売られていたと思しき著作「風都 仕置人疾(はし)る』は彼の害虫駆除の様子を基に描いたものである(実際に風都でも本人が描いているのでは?と噂された程)。
今回の害虫駆除の依頼は星野千鶴(演::藤井玲奈)と仲違いした少年ダンサー稲本弾吾(演:森崎ウィン)によるものだが、人違いで他者(風花高校の校長である"星野")が犠牲になったり、依頼人が依頼を取り下げようとしても依頼を完遂しようとする辺り、仕事は徹底する傾向にある様子(最も暗殺する伊刈側からすれば仕事を達成する事で警察への通報や正体バレを封じる等の合理的な理由もあるが)。
それにしても、依頼人の名前がゴキブリを殺すダンゴとはこれいかに。
その徹底振りは漫画制作にも現れている様子で、緻密な漫画の描写から左翔太郎に住所を特定されてしまった(尚、住んでいるマンションの名前は五木荘(ごきそう)。何とも縁起の悪そうな名前である)。
また、メモリの売人である霧彦ともコネがあり、生体コネクタで試すもダブルのメモリと自分の持つメモリの性質が違うため使えない旨を連絡し、ダブルドライバーも奪うようにと依頼を受けた(が、あくまで優先するのは先に受けていた依頼である)。
この事から『ミュージアム側も伊刈に邪魔者の暗殺を依頼していた可能性が高い』。
自分を尾行していたスタッグフォンを粘液で撃ち落とし、そこへかかってきた着信から千鶴がウェザーサイドスクウェアにいるという情報を掴んで襲撃に向かった。
フィリップと亜樹子の取りなしでシンクロの動きを取り入れてダンスの精度を上げる事を目的に水泳部に入った旨を弾吾に黙ったまま練習に顔を出さなかった事が仲違いの発端だと判明。千鶴を殺す理由が無くなるものの、依頼の撤回を拒否。マンホールの蓋で千鶴を負傷させるが、彼女がふと口にした「波」という言葉がキーワードとなり、地球の本棚の検索のロックが解放。
一度は風花高校から撤退するが、ターゲットを駆除すべく再び出現。別行動していたフィリップがスミロドン・ドーパントに襲われた為に変身できない翔太郎を襲ったが、フィリップが廃品回収車に逃げ込んだ事で漸く変身できたWと対決。
フィリップを通じて『ヘブンズトルネード』を習得したWのダンス戦法や弾吾とのコンビネーションの前に圧倒されると、体勢を立て直す前にトドメのトリガーフルバーストによりメモリブレイクされた。
メモリも無事に奪い返され、弾吾と千鶴は和解。伊刈も警察に逮捕された。
再登場
スイーツ、アノマロカリス共々ガイアメモリの中では比較的量産性が高いらしく(翔太郎は「本物と変わらない。一匹見たら三十匹いる」と冗談めかしつつも記憶の性質から推測した発言を行っている)以下のエピソードでもそれぞれ別個体が登場する。しかし伊刈ほど能力を使いこなせてはいなかった。
その強さと量産性の高いメモリという設定から、視聴者からはマスカレイドメモリを使うくらいならもう少しお金出してこっちを使うという意見もある。
(ただし上述した通り現在確認された変身者の中で充分に能力を使いこなしたと言える者は伊刈のみであるため、変身するまでは容易でも使いこなすには相当の適合率や身体能力及び戦闘技術を求められる可能性もある)
最終回
EXEの構成員が変身したが、仮面ライダージョーカーのライダーキックで駆除された。
余談
「朝からこんな怪人出して良いのか」と思った視聴者も多数いただろう。
その予感の通り、最初にデザイン画を見た監督の田崎竜太氏は「これ日曜の朝に見たらチャンネル変えられちゃうんじゃないの?」と発言したらしい。
また、デザイン画からスーツを起こした際、配慮なのかデザイン画よりも羽の枚数が減らしてあったそうだが、プロデューサーの塚田英明氏が「(画の通りに羽を)増やすように」と指示。
そのこだわりっぷりに田﨑氏は放送的に大丈夫かどうか不安視したらしいが、人間を襲う際に羽がカサカサ鳴る演出を指示したのは、どうやら田﨑監督自身のようである。彼も何か覚悟を決めたのであろう。
動植物をモチーフとしたドーパントは基本的にモチーフに沿ったリアルな造形をしているが、リアルにすればするほど怪人とは違った意味で恐ろしくなるドーパントである。
ちなみに、作中では特に容姿に対する酷評はない。
「MOVIE大戦アルティメイタム」
アンダーワールドでピクシス・ゾディアーツと共に暴れ回っていたが、やがて現実世界に具現化し、一足先に具現化していたライオンクラゲヤミーと合流してコヨミを襲撃する。しかし駆けつけた仮面ライダーメテオにボコボコに殴られまくった挙句マーズブレイカーで焼き尽くされて爆死した。
小説「Zを継ぐ者」
ホテルの従業員が自分の勤めるホテルで変身しているのだが、 本当にそのモチーフでいいのだろうか 。
漫画「風都探偵」
第8話にて宝石強盗が変身。飛行能力も披露しますますゴキブリらしさが増したが、ハードタービュラーに搭乗したヒートメタルとの空中戦に敗れ、ルナメタルによって素体の泥棒は救出された。フィリップによると、「高性能のわりには量産できるメモリ」のようで、以前にもこのメモリを使った犯罪が多発していたらしい(翔太郎にも相変わらず「本物と変わんねぇな」と言われている)。再登場組の中では能力を使いこなしていた方である(そもそも伊刈は暗殺を生業とする為「飛行能力をあえて使っていなかった」という方が正しいだろう)
なおアニメ版では尺の都合かドーパント態が映されず(空中での発光のみ)、ヒートメタルのメタルブランディングであっさり倒され犯人がモブ同然に木の下でのびているというあんまりな扱いを受けてしまった。
『fに感謝を』では、蒼炎群のメンバーである双見光が変身した個体が登場したが、マグマ・ドーパントにあっさり捕まり、叱責されていた。
クラブとWとの最終決戦中では、蒼炎群のアジトでアクセルと対峙している個体もいた。
『yの魔窟』では五条一葉の情報を聞き出そうとするデス・ドーパントにボコられてる個体がいたり、『AtoZ』の回想である『xの残影』では仮面ライダーエターナル(もといエターナルメモリ)の力により、変身解除できずドーパント態のまま肉体が爆惨した個体がいたことが示唆されている。
余談
初登場したTV本編の第7、8話では鳴海探偵事務所の依頼人・稲本弾吾役で森崎ウィンがゲスト出演している。のちに『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』ではOP&EDを担当している。
この弾吾というキャラクターはライダーと共にダンスで戦っただけでなくライダーの必殺技に貢献したという、ライダーの歴史の中でも稀有な立ち位置にあるゲストキャラである。
他にも、星野千鶴を演じた藤井玲奈は後に『獣電戦隊キョウリュウジャー』で勝山りんを演じており、教師役で出演した渡洋史は『宇宙刑事シャリバン』や『時空戦士スピルバン』で有名。
人間態を演じた片桐仁氏は当時ラーメンズの一員としてネットユーザーやお笑い好きなどに広く知られていた人物であり、ラーメンズの「テレビにほとんど出演しない」というスタンスもあって出演情報が発表された際には一部で大きな話題となった(現在の片桐氏はドラマやCMなどで頻繁に目にするが、当時は単体の露出もそれほど多くはなかった)。
片桐氏はEテレにて2022年3月31日に終了した朝の看板子供番組『シャキーン!』で自身の顔をモチーフとしたジュモクさんの声を演じていることもあって、他局とはいえ同じ朝の番組で非常に残忍な暗殺者を演じるというギャップに驚いた人もいたかもしれない。
ちなみに、人間態からドーパントへ変身する際の奇妙なポーズは片桐氏のアドリブである。
片桐氏は多摩美卒のアーティストとしての顔を持っており、劇中の同人漫画家設定にもマッチしているが、あくまでも片桐氏は粘土細工などの造形の方がメインである。
後に片桐氏は『仮面ライダーガヴ』でグラニュート・ハウンドのCVと人間態を演じることとなった。こちらも人間時は眼鏡を掛けており、小道具の眼鏡は伊刈と同じものを使用している。
ちなみに、もう一人候補として鈴木拓氏(ドランクドラゴン)にもオファーしていた(本人が後に「ゴキブリ怪人の変身者役のオファーが来た」と語っていたが、ゴキブリ怪人はそうそういないので十中八九コイツだろう)ようだが、スケジュールの都合で断られた結果、片桐氏に決まったとのこと(氏も後に同じ脚本家のライダーの劇場版でライダー怪人を演じている)。
なお、現在の鈴木氏のイメージは逃走中での行動から積み上げられた『合理的な賞金稼ぎ』という物が強く皮肉にもこの怪人の様なアウトロー系となっている。
今までの東映特撮にも暗殺を生業とする怪人達はいたがそれらの大半は能力が暗殺向きなだけで精神性は向いていないという物が多かった。
しかし、コックローチ・ドーパントに変身する伊刈は契約の遂行や対象の排除を必ず行う等『暗殺者としての精神を持っている』稀有な例である。
関連タグ
関連・類似項目
- アノマロカリス・ドーパント、スイーツ・ドーパント:同じく複数体登場したドーパント。
- ゴキブリ男、ゴキブリスパイク、ゴキブリジン、ダークローチ、アルビローチ:ゴキブリをモチーフにしたライダー怪人。