概要
デジタルワールドに浮かぶ孤島。名前の由来ももちろんコンピューター用語の「ファイル」から。
『デジタルモンスターVer.1〜Ver.5』の舞台になった世界であり、そのほかのメディアミックスでも度々言及されるが詳細な設定は異なる。
北部の海域にはシェンウーモンの住まう神の森、東部の海域にはチンロンモン、スーツェーモンが住まうWWW大陸、北西部の海域にはバイフーモンの住まうフォルダ大陸(『デジモンペンデュラム』、『デジモンペンデュラムZ』の舞台)がある。
通貨は他のゲーム作品同様にbit。
登場・言及作品
- デジタルモンスターVer.1〜Ver.5
- デジモンワールド(令和版カードゲームでもイラストの題材になっている)
- デジモンワールド2
- デジモンアドベンチャー
- デジモンアドベンチャーVテイマー01
- デジモンワールド_デジタルカードバトル
- デジモンワールド_デジタルカードアリーナ
- デジモンバトルターミナル02
- デジモンワールドリ:デジタイズ
- デジモンストーリー(「ファイルじま」となっており、現在の「ふるぼけキャニオン」に位置する)
- TCGバトルスピリッツ
なお、デジモンサヴァイブに登場する「異世界」はおそらく、ファイル島のオマージュだと思われる。
特徴
共通して島のあちこちに自動販売機や冷蔵庫、公衆電話といったどう見ても人工物としか思えないものが確認できる(『デジモンアドベンチャー』では冷蔵庫の中に人間が食べても大丈夫な生卵が入っていた)。
デジモン以外にも魚が生息しているようであるが、植生は現実世界とは全く異なる。
『デジモンワールド』の描写によると時間帯は現実世界と同様に1日24時間制だが、1年はたったの30日。
朝は4時から7時59分、昼は8時から15時59分、夕方は16時から19時59分、夜は20時から3時59分と配分されている。また、島中にはトイレがある模様。
『デジモンアドベンチャー』ではデビモンがデジモン達を操る黒い歯車を使って支配しており、この歯車を島の内部に埋め込む事により、島を分裂させる事も可能である。
パートナーデジモンがこの島で選ばれし子供たちの到着を待っており、各地で黒い歯車に操られたデジモンや野生の凶暴なデジモンを相手に戦っていく事になる。
また、星の位置が現実世界とは違っており、星を目印に行動するのは現実的ではない。
なお、フォルダ大陸(『デジモンアドベンチャー』ではサーバ大陸)のデジモンはファイル島のデジモンよりも遥かに強いという設定が存在する(一部の初期勢の公式設定(※)、デジモンアドベンチャー、デジモンアドベンチャーVテイマー01で言及。)。
メディア作品でこのような扱いをされるのは、フォルダ大陸を舞台にした『デジモンペンデュラム』で究極体の概念が登場したからであろうか?
といっても、黎明期以降のファイル島が登場する作品は究極体が普通に跋扈しているのだが…。
『デジモンストーリー』の世界ではふるぼけキャニオンが昔、ファイルじまの一部であり、キメラモンがアンティラモンとパートナーであるテイマーと戦った後にキメラモンごとふるぼけキャニオンが消去されたのだが、とある時期を境にデジタルワールドに再浮上し、アンティラモンはパグモンに転生した事がジジモンとババモンの口から語られている(ちなみにこの2体はデジワーシリーズの案内人ポジションであったデジモンである)。
地名
『デジモンワールド』によれば、寒冷地のフリーズランド、熱帯地帯のトロピカジャングル、サバンナ地帯のギアサバンナ、渓谷地帯のグレートキャニオンなど様々な地球環境が一つの島に凝縮・再現されている。
『デジモンアドベンチャー』では細かく地名に言及されないが、小説版でお菓子でできたエリアがあると言及されている(アニメでは未登場。今だったらショートモンがいたのだろうか?)。
中心部
ムゲンマウンテンの麓に位置する街で、ジジモンが長老格。
モノクロモンが経営する「モノクロ店」、バードラモンが行った事のある場所へ転送してくれる「バードラ運送」、ドリモゲモンが報酬に応じたアイテムを掘り出してくれる「宝探し屋」、アグモンがアイテムを預かってくれる「預かり屋」、植物系デジモンが管理する「肉畑」、セーブ機能を持つ「メモリーカード対戦データ保存マシン」、ホエーモンがファクトリアルタウンとひみつの海岸洞に移送する「ホエーモン船」、シーラモンやベタモンの経営する露店、ケンタルモンの経営する「ケンタル医院」、「レストラン」(ガルルモン・ティラノモン・メラモン・ユキダルモンが経営)、グレイモンが経営する闘技場(内部にエアドラモンが経営する占い屋、ペンモンが経営する「カーリング」が追加される)、シェルモンが発行する新聞「シェル新聞」など繁栄度に応じて施設やギミックが増えて行く。
『アドベンチャー』シリーズでの詳細は該当項目を見て欲しい。
ちなみに『デジモンリアライズ』では『デジワー』のオマージュとしてパルモンが肉畑の管理をしているという設定になっている。
- グリーンジム
『デジワー』に登場するコロモンが管理しているトレーニング施設。
- デジブリッジ
『デジモンワールド』に登場するはじまりの街とトロピカジャングルを結ぶ橋。
街の繁栄度次第で修復される。イガモンとはここで戦う事になる。
- 迷わずの森
はじまりの街南部に広がる森林地帯。『デジワー』ではファーストダンジョンという扱い。
プラグが蔓のように伸び、コンセントプラグがあちこちに点在している。
- 竜の目の湖
『デジワー』では迷わずの森近辺に存在するシードラモンのテリトリーとして登場し、作中唯一の釣りスポットでもある。
『アドベンチャー』でも第3話でシードラモンのテリトリーとしての設定はそのままに登場。無人の路面電車が停泊しており、子供達が一時的に寝泊まりしただけでなく、最終回で現実世界に帰還する手段として使われた。
- ビートランド
『デジワー』に登場するシードラモンの案内で行く事が出来る昆虫系デジモンの生息地で、闘技場がある。
名前の由来もそのまんまbeetle(甲虫)から。
- ムゲンマウンテン
島の中央部に聳える山。『デジワー』でのラストダンジョンで謎のハッカー「アナログマン」がアジトにしていた。
『アドベンチャー』第7話では黒い歯車で暴走したユニモンが丈らを襲った他、デビモンの本拠地として登場し、ここから島の各地に黒い歯車を飛ばしていた。
西部
- ギアサバンナ
ミハラシ山とミスティツリーズの中継地点にあるシマユニモンなど動物型デジモンのテリトリー。
トレーニング施設や毎月1日~15日に開かれるカード市、リサイクルショップがある。
- ミハラシ山
ギアサバンナと迷わずの森付近にある山岳地帯。
『デジワー』ではベーダモンのUFO騒ぎが起こるが、主人公の決死(?)の説得にあっさりと応じた為、事態は収束する。
『アドベンチャー』では近くにピョコモンの村があり、メラモンはこの山の守護者となっていたが、第4話にて黒い歯車の影響で暴走してしまい、バードラモンによって正気に戻された。
- ドリルトンネル
ドリモゲモン居住区、地底湖、溶岩洞、レオモン先祖の洞くつの4区画で構成される洞窟地帯。
迷わずの森とギアサバンナを結ぶべく、ドリモゲモンが掘削に勤しんでいる。
- ダストキングダム
ギアサバンナ北部にある島のゴミ捨て場。
スカモンのテリトリーであり、ここにいるスカモン大王の力でスカモンになってしまったデジモンを元に戻して貰える。
- ファクトリアルタウン
ダストキングダム付近にある工業地帯で機械系デジモンのテリトリー。
地下下水道にもデジモンが生息する。
『アドベンチャー』では部品をひたすら製造しては分解のサイクルを繰り返す「無限分解工場」があり、第5話にて黒い歯車の影響で暴走したアンドロモンがカブテリモンと対決した。
ここで光子郎は工場を動かす巨大単三電池から進化に関するプログラムを手に入れ、カブテリモンの進化に使用している。
北西部
- ミスティツリーズ
その名の通り、霧に包まれた森林地帯でジュレイモンが長を務める。
- ゲッコー湿地
ギアサバンナとミスティツリーズを結ぶ湿地帯。
ヤンマモンやゲコモンなど湿地に住む生物がモチーフのデジモンが生息。
- ダイオン郷
ゲッコー湿地近くにある里。
デジモンカードをこよなく愛するトノサマゲコモンらゲコモン族が住んでいる。
そのまんま「大音響」に由来。
- おもちゃのまち
その名の通り、おもちゃをモチーフにした街。ボスはワルもんざえモン。
タンクモンやトイアグモンといったメタルエンパイアにカテゴライズされるデジモンのテリトリーであり、クイズ形式で進んで行くおもちゃ館や、ヌメモン用の着ぐるみが置かれたぬいぐるみハウス(もんざえモンの進化に必須)がある。
『アドベンチャー』もんざえモンが町長を務めるが、第6話にて黒い歯車の影響で暴走し、子供たちを腑抜けにしてしまったが、トゲモンの活躍で元に戻る。
北部
- フリーズランド
ファイル島北部の殆どを占めている豪雪地帯で、ユキダルモンのかまくらが出現する。
生息しているデジモンの殆どが既存種の氷系亜種(ユキアグモンやアイスデビモンなど)。
『アドベンチャー』第9話ではこの場所と思しき雪原地帯に太一達が迷い込み、ユキダルモンやモジャモンと交戦したが、黒い歯車を取り除いて和解した。
- 流氷岬
モジャモンのテリトリーである流氷地帯。
- アイスサンクチュアリ
エンジェモンが守護するワクチン種のデジモンしか入れない場所で、トレーニング施設も存在する。
携帯機『デジモンクロスローダー』では凍った湖に拠点を置く氷雪系デジモンの属する勢力として登場した。そちらではダイペンモンがエリアのボスとなっている。
東部
- グレートキャニオン
高低差の激しい渓谷地帯なのだが、エレベーターが建造されており、オーガトリデと上層部を結ぶ。
乾燥地帯で、ゴツモンやサンドヤンマモンといった過酷な環境に住む種が生息。
モノクロモンが経営する「モノクロ店」もこの場所にあり、勧誘するにはアルバイトイベントをこなす必要がある。
- グレ大橋
フリーズランド方面とグレートキャニオンを結ぶ橋。
ここでシェルモンを助けると街に参加してくれる。
- オーガトリデ
グレートキャニオンの底にあるオーガモン盗賊団の本拠地。
壁にはスカルグレイモンの頭骨(オーガモンの公式設定に準ずる)やエアコンが設置されている。
畳にこたつ、黒電話、将棋の駒、ブラウン管テレビなど家具のチョイスは妙に日本くさい。オーガモンが鬼をモチーフにしているからであろうか?
南東部
- トロピカジャングル
グレートキャニオン、オーバーデル墓地、ダイノ古代境を結ぶ熱帯林のエリア。
熱帯の環境に適応したデジモンが生息する。
内部にはマングローブ地帯の「マングローブ域」があり、北部にいるベタモンが街に参加する。
アイテムボックスはパソコン型。
- あみだ森
あみだ形式(正解はランダム)で進んで行く森林地帯で、ミスをするとHPが削られてしまい、HP1では進めなくなってしまう。
ケンタルモンがこのエリアを防衛しており、主人公を侵入者だと思い込んで砲撃してきたが、あみだ森を突破すると和解して街に参加している。
『デジモンフロンティア』第12話ではこのエリアを彷彿とさせる仕掛けが登場したが、グロットモンの罠であった。
- ダイノ古代境
トロピカジャングルの奥地にある恐竜系・ドラゴン系デジモンの天国。
ティラノモン(後任はティラノ師匠)がこの区画の守護者であり、時間の流れが遅い恐竜型のテリトリーである時静域、化石が其処彼処に確認でき、ゴツモンやドラモン系譜の黒い亜種が生息する時急域に分かれている。なお、ブラキモンも住んでいるが、そちらとは戦えない。
奥地には天空で生まれて落下してきたインセキモンがおり、目覚めたばかりの彼と戦う事に。
『アドベンチャー』第10話では遺跡地帯をケンタルモンが守護しており、黒い歯車に操られて光子郎たちと交戦するが、正気に戻された。なお、この遺跡の碑文にはアポカリモン出現の予言が記録されている。
- オーバーデル墓地
トロピカジャングルにある1日を通して闇夜に支配された地域。
西洋風の墓地があり、暗黒系デジモン達が生息する。
『アドベンチャー』第11話ではこの場所と思しき場所に丈と空が迷い込み、バケモン達の生贄に捧げられそうになったが、二人のお経とバードラモン、イッカクモンの活躍で切り抜ける事に成功する。
- 闇貴族の館
オーバーデル墓地の奥地にある洋館で、ウィルス種のデジモンしか入ることを許されない。
内部にはトラップなどの仕掛けが満載であり、地下にはスカルグレイモンやテッカモンがいる実験場がある。
主人はヴァンデモンであり、館の内装に反して友好的である。
なお、『アドベンチャー』ではヴァンデモンの館はファイル島には存在せず、サーバ大陸に存在する。
これとは別に第8話でデビモンが洋館に選ばれし子供達を誘い込んでおり、用意された風呂や食事、バスローブも幻覚であり(なので女の子を含めた子供達は下着姿になってしまう)、空を舞うベッドに乗せて島の各地に分散させた。
- シーラ岬
15時00分〜19時59分の間にシーラモンが出現する白い砂浜。
迷わずの森の東側に位置する。
ここと同じ場所かは定かではないが、『アドベンチャー』第2話において、電話ボックスが立ち並ぶ海岸でシェルモンがグレイモンと対決している。
リ:デジタイズにおける地名
- 鉄路の平原
鉄塔が湖から伸び、廃棄された鉄道があちらこちらに散らばっている平原と海岸のエリア。
この風景から懐かしさを感じたというテイマー諸氏もいたのではないのだろうか?
- 道標の森
道路標識やバルブ、メーターがそこかしこに見受けられる森のフィールド。
海岸や沼地にも近く、暗黒系デジモンや既存デジモンの黒い亜種などが生息している。
- 古代骨の沼
巨大な骨がそこかしこに見受けられる沼地のフィールド。
森や水路の他、竜の体の部位に対応した区画で構成されており、カブテリモン系譜やデビモン系譜、サンフラウモン系譜などのデジモンが生息している。
- 水没の古都
岩礁と廃墟が一体になったかのようなエリア。
シードラモンやゴマモン、マリンエンジェモンといった水棲系が生息する一方、サンフラウモンやエアドラモンなど水棲系に全く関係ないデジモンも生息している
- 地下水路迷宮
道標の森とナイトキャニオンを結ぶ広大な地下水道。
- ケイコウ洞窟
ヒカリタケがそこかしこに生えている苔むした洞窟。
- 砂礫の荒野
荒涼とした砂地の広がる大地。
ガルダモンやワーガルルモンといった完全体のデジモンが多く生息している。
- ナイトキャニオン
壁面にネオン看板が多数確認できる渓谷地帯。
レディーデビモンなど完全体のデジモンが多数生息。
- ボンケーノ火山
バイナリキャッスルと砂礫の荒野を結ぶ火山。
メラモン系など熱に強いデジモンの宝庫である。
- パウダリークリフ
しんしんと雪が降り積もる峡谷とクレバスのエリア。
寒冷地を好むデジモンが多く生息する傾向にある。
- バイナリキャッスル
ファイル島全てのデータが演算されているという伝説の残る宮殿で柱には大量のモニターが備え付けられている。
主にウィルスバスターズに所属するデジモンが出現。
備考
『デジモンアドベンチャー』では以下のデジモンが生息が確認されている。
- コロモン/ツノモン/ピョコモン/モチモン/タネモン/プカモン/トコモン
- クワガーモン
- シェルモン
- シードラモン
- メラモン
- モノクロモン
- アンドロモン
- ヌメモン
- もんざえモン
- エレキモン
- ボタモン/プニモン/ユラモン/ポヨモン
- レオモン
- オーガモン
- デビモン
- ユキダルモン
- モジャモン
- スカモン&チューモン
- ケンタルモン
- バケモン
脚注
(※)クワガーモンはデジモンアドベンチャーや公式設定でもファイル島産以外の個体が強いと明言されている他、アンドロモンやメタルグレイモンはファイル島産を元にバージョンアップしたという設定だったり、完全体のホエーモンもフォルダ大陸沿岸に生息しているという設定である。ちなみに究極体の概念が登場してからの登場となるボルトモンも設定ではアンドロモンと同時期の生まれであるが、やはり不完全さゆえに闇に葬られてしまったという経緯がある。