概要
スフィア襲来の際に地球を救うために現れた光の巨人。スーパーGUTS隊員アスカ・シンと一体化し、リーフラッシャーで変身する。本来は「ダイナ!」と叫んで変身するものだが、本編では無言で変身することのほうが多かった。変身にかかる時間は0.1秒である。なお、初期の変身シーンは上記のイラストのようにCGが大々的に使用されたものだったのだが、中盤からはベーシックなぐんぐんカットへと変わっており、以降の客演時にも大体こちらの変身バンクが意識されたものが登場している。ティガや後輩のガイアも何度か変身バンクが変更されているが、ここまで明確に変身シーンが変えられた例はシリーズでも珍しい例と言える。
ティガと似た容姿をしており、ティガ同様基本形態のフラッシュタイプ(画像中央)からスピードとサイキック能力に優れた青のミラクルタイプ(画像右)、パワーと格闘能力に優れた赤のストロングタイプ(画像左)へのタイプチェンジ能力を持つが、ティガら3千万年前の巨人たちとの関係は不明である。タイプチェンジはティガと違い、一度の戦闘で一回しか出来ない(これは前作でシリーズ初のタイプチェンジを設定したものの、片方の出番が極端に少なく、片方に偏りすぎたことの反省であるという説がある。なお、一度タイプチェンジしてもフラッシュタイプに戻る事はできる)が、その分タイプチェンジ後の能力が両方とも非常に高いことも特徴である。
何気にダイナ本編後に映画やスピンオフ作品への出演だったりと、平成ウルトラマンの中でも特に出番が多いにも関わらず、出自が全くと言っていいほど解っていないウルトラマンの一人。
色々と有力な説自体はあるものの確証に至る説は出ていない(ただし、小説『ウルトラマンダイナ 未来へのゼロドライブ』では出自が明言されている。詳細は後述)。
ティガは変身者であるダイゴ以外も憑依合体・変身できたものの、ダイナは正真正銘全マルチバースでアスカただ一人(勿論「ダイナと出会わなかったパラレル世界のアスカ」も無限に存在するが)しか変身できていない。
劇場版『ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』でのティガとの共同戦線の後でティガから光を受け継がれた。
なぜかあまり触れられないが、アスカがダイナの光と遭遇する場面は、ウルトラマンティガに登場したリガトロンの誕生場面と酷似している。
データ
- 出身地:火星付近の宇宙空間にて遭遇
- 身長:55メートル(ミクロ化も可能)※
- 体重:4万5千トン
- 活動時間:3分間
- 変身者:アスカ・シン(第39話ではフドウ・ケンジも一時的に融合)
- 変身道具:リーフラッシャー
- CV:つるの剛士(TV版、劇場版ダイナ、劇場版ガイア、ウルトラマンサーガ、決戦!ウルトラ10勇士!!、ORIGINSAGA)、三木眞一郎(ウルトラマンTV)
- スーツアクター:権藤俊輔、中村浩二、清水一彦(TV版)、長谷川恵司(光の星の戦士たち)、伊藤慎(超時空の大決戦)、岡部暁(THE_ORIGIN_SAGA)
※TVシリーズでの平成ウルトラマンの中では、主役ウルトラマンで最大を誇る。
※掛け声はTV、劇場版いずれもつるの氏が担当しているが、掛け声は全く異なる。
必殺技
詳細は各タイプの記事を参照。
ソルジェント光線
フラッシュタイプの必殺技で、スペシウム光線と同じ構えで放つ。
レボリウムウェーブ アタックバージョン
ミラクルタイプの必殺技。空間を右手の中に圧縮して超衝撃波を作り出して放ち、敵の背後にブラックホールを発生させて吸い込み圧殺・破裂させる。
ガルネイトボンバー シューティングバージョン
ストロングタイプの必殺技。胸の前で両拳を合わせて前方にエネルギーを発生させ、それを凝縮して超高熱の赤色光弾に変え、右パンチのアクションで放つ。
後のシリーズでの客演・活躍
本編終了後も、下記の銀河伝説では宇宙を旅しているという設定から客演が増えており、平成ウルトラマンの中では最も客演が多い。そのため、今やウルトラマンコスモスとともに客演の顔となっている。ちなみに、『サーガ』以降の作品では全てコスモスと共演している。
厳密にいうと、他の平成ウルトラマン達も客演機会は意外とあるが、ウルトラマンとしての姿の身にとどまることも多く、またキャストが変わっている場合もあったり、オリジナルキャストが出ても当時とは別の役で出ることもある。それに対してダイナとコスモスは人間態でも登場することが多いことから、ファンからは「特に客演が多い」と印象を与えているのである。
なお、映画出演時・客演時はテレビ版と同じ掛け声を使用している作品もあるが(『10勇士』など)、『光の星の戦士たち』、『超時空の大決戦』、『超8』、『ウルトラ銀河伝説』、『サーガ』などの作品では掛け声が全く違う。
なお、ここではアスカの姿で登場した作品には◎、アスカの姿で登場していないがアスカ役のつるの氏がダイナの声を担当した作品は●、登場自体はしていないもののダイナが何かしらの影響を及ぼした作品は△で記載する。
『超時空の大決戦』●
キングオブモンスたちによる世界の破滅が進行するなか、最後まであきらめないという勉少年の願いを赤い球か聞き入れる形でティガと共に召喚、ここに映像作品としては初のTDG作品出身のウルトラマンが集結することとなった。
本編では宇宙空間でバジリスと対決、その大鎌には苦戦を強いられるも火球を腕で防御しながら粘り強く勝機を窺い、最終的にはCソルジェント光線による逆転勝ちを拾った。
『超時空のアドベンチャー』◎
「思い出したぜ。なぜ今まで忘れていたんだ」
今作ではレイキュバスとの戦いから続く形(つまり本編の26話辺り)でスヒュームと対決しており、別世界の介入とクラーコフの助けも借りて勝利していた。 そして、赤い球の力で『アドベンチャー』の世界に呼び出されたスーパーGUTS隊と共にアスカが変身、同時にかつて『超時空の大決戦』でガイアやティガと共にこの世界を守っていたことを思い出す。
瞬時にストロングタイプにチェンジしてカオスジラークを投げ飛ばし、サイコメザードごとガルネイトボンバーとティガのランバルト光弾で撃破してからはミラクルタイプにチェンジしてデーモンギラレス14世と激突する。
デラシウム光流やレボリウムウェーブすら防いでしまう圧倒的な力を持つギラレス14世には苦戦を強いられるも、アートデッセイ号やクラーコフと共にゼペリオン光線、ソルジェント光線、フォトンストリームの同時攻撃で打倒。ダイゴとしばし同じ光の戦士として会話した後は、ワームホールを通じて元の時代のネオフロンティアスペースへと帰還していった。
なお、本作は小説であるため、当然ながらつるの氏の出演はない。
今作では何気に一度の戦闘でストロング・ミラクルの両方にタイプチェンジを果たすという本編の設定との齟齬が見られるが、これに関しては赤い球の力でタイプチェンジ能力が拡張されたという説もあるが、具体的な理由は明かされていない。
『大決戦!超ウルトラ8兄弟』◎
我夢「待ってろダイゴ…」
アスカ「今行くぜ…!」
「ダイナアァァァァァァッ!!!」
「ガイアアァァァァァァッ!!!」
我夢と共にダイゴの戦いを見て、ダイナとして戦う別世界の自分の記憶が宿り、リーフラッシャーで変身。ガイアと共にティガの救援に駆けつけ戦う。別世界との同期があったとはいえ、こちらのダイナは純地球産である。
『ウルトラ銀河伝説』◎
アスカ「俺の名は、"アスカ・シン"」
オキ「アスカ…?」
アスカ「あー…尤も地球人なら、"ウルトラマンダイナ"って言った方が分かりやすいかもな」
光の中に消えた後は時空を超えて遙か未来の別次元へ飛ばされ、ずっと旅を続けていた模様(どうやら異世界に行く能力を身につけたらしい)。
苦手分野だった格闘技の能力は向上しており、ZAPのスペースペンドラゴンの機内にてゼットン星人を生身のまま倒している。
スペースペンドラゴンをレイがいる怪獣墓場にまで案内し、最終決戦では光の国のウルトラマン達と共に、ウルトラマンベリアル率いる怪獣軍団相手に果敢に立ち向かった。
『ウルトラマンサーガ』◎
「まだ終わりじゃない。限界を超えた時、初めて見えるものがある…掴み取れる、力が」
『ダイナ』本編と同一人物で最重要キャラ。時系列的には『ウルトラ銀河伝説』の後。
本編とは異なり、熱い部分はそのままに落ち着いて大人びた雰囲気になっている。
チームUの通信を感知し、フューチャーアース(別次元の地球)に飛来。チームUと協力してバット星人が送り込む怪獣と戦っていた。ハイパーゼットンの存在を察知したダイナは自ら繭の中へと飛び込み、その誕生を阻止するが、引き換えにダイナは石化してしまう(しかしそのおかげでハイパーゼットンの誕生の時間稼ぎには成功している)。
その間フューチャーアースを守るために、アナザースペース(前作の舞台)にいるウルトラマンゼロ(=タイガ・ノゾム)とコスモスペース(コスモスの世界)にいるウルトラマンコスモス(=春野ムサシ)をテレパシーで呼び寄せた。
誕生したハイパーゼットン(ギガント)とゼロ、コスモスが戦っている最中にタケル少年とアンナの協力で復活し、3人のウルトラマンの力でハイパーゼットン(ギガント)を倒す。その後完全体となり復活したハイパーゼットン(イマーゴ)に圧倒され敗北してしまうが、最後はタイガ、ムサシ、アスカの諦めない心が一つとなってウルトラマンサーガに変身し、勝利を掴んだ。
『ウルトラゼロファイト』△
ゼロ「何故だ…何故俺にこんな力を与えたんだ…?答えてくれ、ダイナ、コスモス!」
一度サーガに一体化した影響で、ゼロが新たにミラクルタイプの力が受け継がれたルナミラクルゼロ、ストロングタイプの力を受け継いだストロングコロナゼロと2つの新形態を獲得。バット星人グラシエとの戦いを通して、新たな力への葛藤が描かれていく。
『決戦!ウルトラ10勇士!!』●
「俺達の戦った怪獣が合体してんのか…本当の戦いは、ここからだぜ!!」
本編開始時には既にエタルガーに敗れ去っており、時空城に他の平成ウルトラマン共々幽閉されていたが、UPGの活躍によって救出される。
最終決戦の際には、ティガ、ガイアと共にファイブキングのエタルダミーと戦う。一進一退の攻防を繰り広げるが、最後はミラクルタイプへとチェンジし、ティガのデラシウム光流とレボリウムウェーブ、ガイア・スプリーム・ヴァージョンのフォトンストリームの合体技でファイブキングを撃破。最後は他の戦士と共にクロスオーバーフォーメーションを発動、必殺光線の発動により時空城を破壊した。
『THE_ORIGIN_SAGA』◎
「行こう、それぞれの明日へ…」
ベゼルブ事件の行方を追っている道中でウルトラマンオーブ:ガイと対面、惑星カノンへ向かう傍ら、テレパシーでムサシにも救援を要請している。今作では久しぶりにストロングタイプにチェンジしてベゼルブやバードンらを撃退したりガイへ先輩としてアドバイスを送ったりとベテランとしての振る舞いが多い。
一方でミコットを殺された反動で半ば逆上気味に命の樹を切ってしまったジャグラーに対しては「光の戦士の戦い方ではない」と言及している。一部のファンには「曲がりなりにも戦争を止めたジャグラーに対して厳しすぎる」とも指摘されているが、厳密に書くとこの時点では
- 命の樹はその存在自体が惑星カノンにとって先祖代々から奉ってきた神聖な存在である
- 命の樹を切断する際にアマテ女王をも同時に攻撃する
という背景があり、カノンの衛兵たちがジャグラーを罰しようとしたのも女王を手に掛けた輩をみすみす見逃すことはできない事情があったためであり、その場の戦争を止めたと言ってもアマテに万が一のことが起これば更に惑星の統治に問題が発生する恐れがあったことも留意すべきである。ただ、上述の通りジャグラー側に同情の余地があるのも否定出来ないうえ、そもそもの問題として、仮にも味方の失敗に対し正論の否定をぶつけるだけぶつけて、フォローは一切無しという時点で大いに問題がある(一応、意図は理解していたようだが)。ジャグラーの失敗を否定した事自体は正しくとも、否定の言い方・やり方にはもう少しやりようが有ったと言われても仕方ないだろう。勿論、それが禁忌と言える過ちだったにせよ、ウルトラマンであっても失敗はある以上、過ちを単に責めるだけではなく、それをどう諌め、どう正し導いていくかが重要であり、その意味ではこのときのアスカもまた「過ち」を犯した一人だったとも言える。
終盤ではムサシと共に惑星カノンに飛来、我夢や藤宮、ガイと共にサイクイーンの野望を阻止した後はガイに激励の言葉を残し、他の三人と同様それぞれの旅に戻っていった。
『ウルトラマンオーブ』△
ガイ「もっと高く!光の輝きと共に!」「光の剛力、敵はない!!」
本編では登場しないものの、ゲームの『フュージョンファイト』においてはティガ・マルチタイプとフュージョンアップしたゼペリオンソルジェント、パワータイプとフュージョンしたパワーストロングが登場した。
さらに、ミラクルタイプとベリアルのカードを組み合わせたサンダーミラクルも参戦。何気に基本3形態のがフュージョン元となっているのでティガと並んで中々優遇されている。
『ウルトラマンジード』 △
「進むぜ、彼方!!」
本編には登場していないが、『フュージョンファイト』ではかつて『サーガ』で共闘したという繋がりからか、コスモスとフュージョンライズしたマイティトレッカーが登場。
『ウルトラマンZ』△
ハルキ「変幻自在、神秘の光…!」
今作では光の国から強奪されたゲネガーグから飛散したウルトラメダルの一枚として登場。第8話にてファイブキングに苦戦するゼットたちにヘビクラが明け渡す形で入手し、ティガ、ガイアのメダルとウルトラフュージョンしたガンマフューチャーへ変身可能となった。
ガンマイリュージョンによる幻影としても何度か登場しており、第22話ではストロングタイプへのチェンジも見せている。
『ウルトラギャラクシーファイト運命の衝突』
ネタ
ダイナは本当におバカだな…
エイプリルフールでのダイナは、変身者を演じるつるののイメージ(ヘキサゴン以降のおバカキャラ)も相まって、かなりのアホの子と化している。
本編の熱血かつ純粋で野球大好きなところは変わらないが、その残念な頭の出来からガッツ星人始め、多くの宇宙人・怪獣達から総じて呆れられる始末である。
その際の台詞が上記である。
しかしながら天然なところが受けるのか、光の国では大いに受け入れられ、タロウ家では新しい弟のようなポジションを得るほど馴染んでいる。ウルダイ日記というブログをしている。
現在のアスカの性格も非常に落ち着いたものとなっているが、ヒーローショーでも本編のその後のダイナが登場しながらも、やはりおバカキャラという設定で活躍する事もある(いわゆる平成ライダーに客演しているカタコトアマゾンライダーのような状態)。ニュートリノ通信を「ニュートロトロ」、惑星破壊貫通弾を「わくわく破壊カンチョー爆弾」と言い間違えて周囲をなんとも言えない雰囲気にしていた。
また、ウルトラマンFERでは平成作品で唯一リストラされるという扱いを受ける。理由に関してはダイナが最終回で行方不明になったからという説がある(FERの世界観ではマンからコスモスが同一世界であるかのように描かれている)。
またこの世界での時系列が作中の年代設定通りに進んだとするならば、ガイア(90年代末)⇨ティガ(2007年)⇨コスモス(2009年)⇨ダイナ(2017年)となるので、ダイナがまだ現れていない頃の話ではないか?という見方もできる。
フュージョンアップにて
ウルトラマンオーブにてダイナを用いたフュージョンアップは3つあるがその内2つがハルクのような体型である。
おまけにウルトラマンベリアルを用いたフュージョンアップの内サンダーブレスターはやや筋肉質な物のサンダーストリームは普通の体型なのでハルク体型はダイナの要素という可能性が出てきている。
もしかしたら脳筋なのかもしれない(原作でもストロングタイプの方が強かったし…)。
命名
ウルトラマンダイナの由来は、マイによって「ダイナミック」と「ダイナマイト」という意味から付けられている:後に「大好きな」も追加される)。
名前の候補の中にはナカジマは「ウルトラマンジャイアン」、カリヤは「ウルトラマンスーパーデラックス」という案があったが、マイが名称が「ダサい」という事で却下になった。
ちなみに却下された名前は両方とも藤子・F・不二雄の漫画のキャラクターの名前と偶然だか不明だが被っている。
余談
『ウルトラマンサーガ』番宣のために『謎解きバトルTORE!』へ、出演俳優やコスモスとともに出演した際、ダイナは鉄球の試練に挑戦。
序盤こそ苦戦はしたものの、なんと0秒ちょうどで壁が迫る中、脱出に成功してクリアした。
ウルトラマン、そしてダイナミックヒーローの名に恥じない姿を共演者やお茶の間の視聴者に見せつけた。
見たか、俺の超ファインプレー!
カラータイマーのデザインイメージは、「ペンタゴン」。ちなみにウルトラマンゼノンのカラータイマーはダイナと同じように見えるが、実際はダイナのカラータイマーを改造して取り付けている。
タイマー音自体も独自のものであるが、『コスモス2』のコスモス・エクリプスモードになぜか流用された。逆に『サーガ』で石化する際の音がティガやコスモスと同じものというあべこべが発生している。これはハイパーゼットン・コクーンの膜の中にいるためその分音が変わるだろうという考えから音に編集を加えたため(ティガやコスモスの音に近くなったのは偶然とのこと)。
余談だが、ダイナのフラッシュタイプとコスモスのエクリプスモードはカラーリングが同じであり、似た容姿をしている。
ダイナのデザインは前作の『ティガ』に引き続き削減の発想となり、頭部に切れ込みを入れたものとなった。体色は赤・青・銀となり、ティガより一層派手さがアピールされたものになっている。また、頭部はティガの頭部上半身をひっくり返したものとなり、マスクは正面のシルエットはウルトラマン、側面のシルエットはウルトラセブンを意識している。そのため、かなり独特なデザインとなっており、平成作品では初めて頭部が前のめりでデザインされている。
スーツアクターのopクレジットはティガの後半と同様に一貫して「特技アクション」であった。
平成ウルトラシリーズには「○○周年記念作」記念作品がいくつか存在するが、これらはいずれもダイナと何かしらの接点、共通点が存在する。
下記は、その一覧である。
『ティガ』:30周年記念作品。前日談にあたり、作品としても「ティガ」の要素を色濃く引き継いでいる。
『コスモス』:35周年記念作品。『ウルトラマンサーガ』以降の客演全てで共演しており、人間態の出番も多い。また、それぞれの中の人も仲良し。
『メビウス』:40周年記念作品。共演は多いもののキャラクターの絡みは少ないが、作品としてみれば、再登場する怪獣、防衛隊関連の人物、用語、過去作の世界観の踏襲など、過去作要素を色濃く踏襲した作品同士。
『オーブ』:50周年記念作品。THE_ORIGIN_SAGAにて共演。本作に登場した4人の歴代戦士の中で最も深く絡み、また、宇宙を流離っているという共通点も存在する。
最強タイプはあるの?
TDGウルトラマンを振り返ってみるとティガにはグリッターティガ、ガイアとアグルにはスプリーム・ヴァージョンと最強形態が存在するが、ダイナには最強形態というものが事実上、存在しないのである(タイプチェンジをしない、という面では同じく最強タイプがないウルトラマンマックスにも当てはまるが、あちらは途中から強化武器であるマックスギャラクシーを装着している)。
ただ厳密にいうと「ダイナには最強形態がない」というわけではなく、『大決戦!超ウルトラ8兄弟』でグリッターバージョンが与えられている。と言っても、このダイナはいわゆる並行同位体のようなものであり、本編のダイナが最強形態を持っていない事に変わりはない(ただし『サーガ』や『決戦!ウルトラ10勇士』で本編世界のダイナが黄金の姿(しかも後者に至っては『クロスオーバーフォーメーション』という名前すらある)になった事はある。もっとも、これを最強形態と呼んでいいかというと…)。
…まあ、結論を言うなら「グリッターティガが人々や巨人達の光で誕生したように、フドウ・ケンジや光と化したゴンドウ参謀と融合したケースがダイナにはある為、最強タイプになれるかなれないかは別として、『光』による強化が『できないわけではない』」と思われる。
デザインを担当した丸山浩氏はフラッシュタイプをベースにしたトリニティフォームのような最強形態を構想していたが、劇中には登場しなかった。
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ウルトラマンダイナ アスカ・シン ウルトラ戦士 巨大ヒーロー
ダイナの正体(ネタバレ注意)
『ウルトラマンダイナ』のメインライター・長谷川氏による小説『ウルトラマンダイナ 未来へのゼロドライブ』にて遂にその正体が明かされた。
ウルトラマンダイナの正体はアスカの父・カズマが光になった存在である。
プラズマ百式のテスト飛行の最中、消息不明となった彼は宇宙で光となり人知れずウルトラマンとして怪獣と戦っていた。『ティガ』と『ダイナ』の空白の7年間の間地球に甚大な被害が起こらなかったのは彼のお陰である。そして来たるべくして来たあの日火星でピンチに陥ったアスカを救うべく、彼は駆けつけたのだ。
この設定は実はウルトラマンダイナ第1話の時点で存在していたとのこと。
実際、第26話での言及や、最終回でワームホールに飲み込まれた後のアスカがカズマと共に光の中に消えていくシーン、その他各種描写から「光になったカズマ」説は視聴者の間でも有力な説であり、長谷川氏も以前からカズマがウルトラマンになって戦っていたことを裏設定的に語っていた。
そのため、衝撃の新事実というよりも、設定が明言されたととるファンも少なくなかった。
ダイナの変身パターンは、平成ウルトラマンでは多い「ウルトラマンはあくまで力の概念であり、人間はそれを託される」、いわゆる「授与型」と思われていたが、上記の通りその正体はもともとはアスカとは別の存在であり、むしろ昭和作品に多い「ウルトラマンと一体化」したパターンであることが判明した。
長いこと授与型と考えられていた理由として、ダイナはカズマの意思ではなく全てアスカの意思で行動しており、カズマの意思がほとんど出てこなかったこともあるだろう(ただし、3話では変身拒否をしており、珍しくダイナ自身の意志が出たと言える)。
昭和ウルトラマンでは、郷秀樹や北斗星司は一体化後にしばらくして意識が統一されていたが、ダイナの場合は、客演時のコスモスのようにダイナ自身の人格を出さずに変身後の行動も全てアスカに委ね、最終的に完全に同一の存在となったのではないかと解釈する人もいる。
一方で、正体が判明した後も、どういった経緯でウルトラマンになったのか、なぜ超古代の戦士とよく似た姿とタイプチェンジ能力を保持しているのかについては明言がない。後者に関しては単なる偶然の一致とは考えにくいが…?