こうして「ジョルノ・ジョバァーナ」は、『ギャング・スター』に、あこがれるようになったのだ!
概要
1995~1999年 バトル・アドベンチャーとして集英社の漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』に連載された。単行本では47-63巻にあたる。副題の外国語訳はイタリア語で「LE BIZZARRE AVVENTURE DI GIOGIO Parte5 VENTO AUREO」、英題だと「Golden Wind」となる。連載当時の副題は「第5部 ジョルノ・ジョバァーナ【黄金なる遺産】」。
あらすじ
DIOの息子、ジョルノ・ジョバァーナはふとしたイザコザからギャング組織パッショーネのブローノ・ブチャラティに狙われるが、スタンド「ゴールド・エクスペリエンス」で窮地を脱する。
ジョルノはパッショーネのボスを倒し組織を乗っ取る計画を告白、組織に疑問を抱いていたブチャラティはジョルノを仲間に引き入れる。
そしてボスから下る指令。「ボスの娘『トリッシュ』を護衛し、ボスの下へと連れてくる事」
しかしその命令に隠されていたのは「吐き気を催す邪悪」だった。
物語の特徴
ジョジョの中で、最も独立した部と言える。主人公はジョースター家の怨敵DIOの息子であり、他の部と関係のある人物は物語の序盤と終盤にのみ登場し、それ以外は完全にこの部のみの登場人物で構成される。一方でこの部で初めて登場した人物や作中で起きた事態が後続の部に影響を及ぼしている描写も殆んど無い(せいぜい「DIOに子供がいる」という設定ぐらいである)。
物語の主体は巨大ギャング組織「パッショーネ」の内部抗争で、敵味方だけでなく一般市民も含めて歴代でもトップクラスの死者を出している。
また正義と悪の戦いであるのはシリーズの恒例であるものの、先の通り本部はギャングの抗争が軸となっており、歴代で(外伝等の派生を除いた)ほぼ唯一の悪党同士による戦いでもある。
そのためか、それまでの部と比べて強烈な殺傷能力を持つスタンド使いが多く登場する。また主人公側の人物もジョルノとトリッシュ以外は民間人ではなく、マフィアの構成員という謂わば裏世界のプロフェッショナルであり、殺人をも厭わない姿勢で行動しているのも特徴である。
3部や4部で見られたコメディタッチのバトルはほぼ皆無と言ってよく、毎回生死ギリギリのハードなバトルが繰り広げられ、敗北した者の多くは挽き肉同然の無残な最期を遂げている。
斬新なスタンド能力により、「どんな条件で相手の能力が発動し、攻撃してくるのか」「それを打開するにはどうすればいいか」といった推理や駆け引きといった心理戦は多くのフォロワーを生み、いわゆる「能力バトル漫画」の金字塔として挙げられることも少なくない。
ちなみに初めてスタンドにパラメータが付けられたのはこの5部からである。
また、群像劇を意識して作られているため、主人公・ジョルノは勿論、彼の仲間たちやその過去の話も深く掘り下げられており、中にはジョルノが完全に蚊帳の外という立ち位置のエピソードもある。敵のスタンド使いもただ倒される存在としてではなく、デザイン、台詞回し、言動も丁寧でいてなおかつ濃密に強烈に描かれており、ジョジョの悪役としては珍しく、仲間同士での絆や信頼感が強い者たちが多く、コンビで戦いを挑んでくる者たちもいる。暗殺チームを始めとして人気を博すヴィランも多い。
クセの強いキャラクターが残す印象深い台詞や独特の緊張感は多くのファンを生み出し、ジョジョシリーズの中でも極めて高い知名度と人気を誇る。
その他、主人公ジョルノの年齢15歳は現在主人公としては最も若い。また広瀬康一がイタリアに降り立ってからジョルノがボスを撃破するまで10日程度と、作中での経過時間についても最も短く、一日の中で複数回追手と戦っているなど連戦に次ぐ連戦で話が進んでいるのも特徴。
登場人物
護衛チーム
主人公。ジョナサン・ジョースターの体を奪ったDIOの息子。
DIOやジョースター家が持っているカリスマとジョースター家の『黄金の精神』を併せ持つ。
ギャングによって腐りきった街を救うため、自らギャングとなり、ボスを倒し組織を乗っ取ることを決意。
なお、名前の綴りはイタリア語表記で『Giorno Giovanna』であり、そのため5部関連のグッズやイラストなどでアルファベットのロゴが書かれる場合、『JOJO』ではなく『GIOGIO』となる。
護衛チームのリーダー。もう一人の主人公。
組織が「麻薬の密売」に手を染めていたことを知り、組織のボスに疑念を抱くようになる。
ジョルノの夢に賛同し、彼をチームに引き入れた。
護衛チームーの一人。高い知能を持つ。
表面上は冷静だがキレると凶暴という一面も持つ。
護衛チームの一人。元警官。
指定したスタンドや人間の行動をビデオ映像のように再生できるスタンド能力を持っている。
無愛想で攻撃的だが、忠義心は強い。
護衛チームの一人。人懐っこく実年齢より子どもっぽい性格。
バカにされたりするとキレる。
護衛チームの一人。「単純に生きる」を信条にしており、楽観的で明るいムードメーカー。
自身の経験から4という数字を忌み嫌う。
本作のキーパーソン。
チームが護衛することになったボスの娘。
後にスタンドが覚醒し、ドス黒い悪と戦うことになる。
暗殺チーム
暗殺チームのリーダー。
ボスの娘の存在が明らかになった事を切っ掛けに組織に反旗を翻し、チームを率いてボスを暗殺しようとした。
暗殺チームの一人。刃で傷つけた相手を縮小するスタンド使い。
暗殺チームの一人。スタンド能力で「鏡の中の世界」を作り出し、一方的な戦いを得意とする。
暗殺チームの一人。ジョジョ三大兄貴に数えられる兄貴。
ペッシと常に行動し、様々な暗殺の心得を教えている。目的に向けて進み、一切迷わない。
暗殺チームの一人だが、まだ人を殺していないマンモーニ。
プロシュートと一緒に行動し、常に叱咤されている。
暗殺チームの一人。ド変態。
人間に産ませ、育成するという風変わりなスタンドを使う。
暗殺チームの一人。超低温を操るスタンド使い。
状況とまったく関係ないことで勝手にキレるドタバタな性格。
本編時では既に故人。ボスの正体を探ったため凄惨極まりない方法で粛清された。
本編時では既に故人。ソルベとは出来ているとまで言われるほど仲が良かった。
親衛隊
スクアーロと常に行動を共にしている。コンビの攪乱・支援担当。
ティッツァーノと常に行動を共にしている。コンビの攻撃担当。
飛行場で登場して一瞬で殺されたやつ。しかし、これはスタンドの能力を発現させるためであった。
ボスの切り札の一人。ボスですら手を借りたくなかったと語るゲス中のゲス。
元医師であり、良心を一切持たない残虐非道の殺人鬼。
ボスの切り札の一人。チョコラータと共に行動している。天性の野性的センスを持っている。
ボス
パッショーネのボスで本作のラスボス。経歴は一切不明。自らに逆らう者や正体に繋がる者は確実に抹殺しようとする。
護衛チームに「組織の裏切り者から娘を護衛し、無事自分の下へ連れてくること」という任務を与える。
幹部
幹部その1。極度の肥満体質で歩くこともままならない。身の安全のために刑務所の中で優雅に暮らしている。
幹部その2。斜視の男。ポルポがやり残したという任務をブチャラティ達に託す。
その他構成員
ポルポの遺産を手に入れるため、船上でブチャラティ達を襲った男。
ズッケェロの相棒。カプリ島でミスタと戦闘を行った。
ケンカの後遺症で常に涙を流している粗暴なチンピラ。
非構成員
第3部で登場したスタンド使い。ブチャラティ達にボスとスタンドの矢の秘密を教えるために接触してきた。
前作である第4部で登場したスタンド使い。ジョルノを調査するためにイタリアへやってきた。
DIOを倒した第3部の主人公。康一にジョルノについて調査することを依頼する。今作では冒頭の4話しか出番がなく、戦闘シーンも皆無。モブキャラになっており、康一くんに連絡したのみとなっている。
トリッシュを安全に移動させるため、ボスがブチャラティ達に用意した「乗り物」。
スタンド使いの亀であり、甲羅のくぼみに鍵をはめ込むことによって、その中に人間が生活できる部屋を作り出す能力を持つ。
パッショーネとは別のギャング。彼との出会いによりジョルノはギャング・スターに憧れるようになる。
トリッシュの母親。
ナランチャの母親。
ブチャラティの父親。
メローネ戦で登場したモブキャラクター。
付き合っていた彼女が不審死したという謎の青年。エピローグに登場する。
TVアニメ
2018年6月にTVアニメの制作が発表され、同年10月5日より放送開始(⇒2018年秋アニメ)。TVアニメシリーズとしては、第4部以来約1年9ヶ月ぶりである。
テレビでの放送はTOKYOMX、BS11、アニマックス、毎日放送。4部までネットしていたTBS系列の放送局は、作者のお膝元である東北放送が離脱している。
ネット放送はAbemaTVが加わり、ここでは第1話放送後「Abemaアニメ2」のチャンネルで主要キャストによるアフタートークが放送された。
原作や今までのアニメ化作品とタイトルロゴが異なり、「JOJO」の文字を強調し最後の「O」にジョルノのトレードマークであるてんとう虫をあしらったシックなデザインとなっている。
先にアニメ化された他の部と比べるとアニメオリジナルが多く、そこでは主に護衛チーム、暗殺チームメンバーの掘り下げが行われている。
アニメオリジナルエピソードについてシリーズ構成の小林靖子は雑誌のインタビューでアニメオリジナルエピソードには原作者である荒木飛呂彦の監修が入っていることを明かしている。
原作と異なる点があり、オリジナルについては別物のため注意が必要である。
ただ、それらを踏まえても物語の評価は高く、日本はおろか世界規模で爆発的な人気を引き起こした。これが後の6部の大ヒットに繋がる事になる。
スタッフ
総監督 - 津田尚克
監督 - 木村泰大・髙橋秀弥
シリーズ構成 - 小林靖子
キャラクターデザイン - 岸田隆宏
総作画監督 - 石本峻一
スタンドデザイン・アクション作画監督 - 片山貴仁
プロップデザイン - 宝谷幸稔
美術設定 - 滝れーき・長澤順子・青木薫
色彩設計 - 佐藤裕子
美術監督 - 吉原俊一郎・桐本裕美子
撮影監督 - 山田和弘
編集 - 廣瀬清志
音響監督 - 岩浪美和
音楽 - 菅野祐悟
アニメーション制作 - david production
製作 - ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会
主題歌
1stOP(21話まで)
歌:Coda / 作詞:及川眠子 / 作曲・編曲:大森俊之
2ndOP(22話以降)
歌:ハセガワダイスケ / 作詞:藤林聖子 / 作曲・編曲:菅野祐悟
1stED(21話まで)
「Freek’n you」
歌:Jodeci / 作詞・作曲: Donald Earle DeGrate Jr.
2ndED(22話以降)
「Modern Crusaders」
歌:Enigma / 作詞・作曲: Michael Cretu、Carl Orff
その他メディアミックス
小説
ゲーム
タイトルは『黄金の旋風』。2002年にカプコンから発売された。ストーリーや登場キャラクターに一部変更が加えられている。詳細は個別タグにて。
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