「任せといて! みんな私が守るからね!」
それは、誰よりもときめきに胸を高鳴らせる者
プロフィール
概要
那田蜘蛛山の戦いの後に竈門炭治郎が運び込まれた産屋敷邸庭先での柱合裁判の場において初登場する。
鬼である竈門禰豆子及び彼女を連れていた兄の炭治郎の処遇について、他の柱の多くが即殺処分を訴える中で、当主・産屋敷耀哉が二人の事を把握していない筈はないと結論を急がないよう諭し、産屋敷が二人を鬼殺隊の下に置く事を柱達に説いた際も彼の判断ならと進んで同意するなど、当初から他の柱達とは違って穏和な姿勢を見せていた。
人物
素敵な殿方を求めるトキメキ乙女な剣士。
大変に惚れっぽいらしく
- 「伊黒さん。相変わらずネチネチしてヘビみたい。しつこくて素敵!」
- 「冨岡さん。離れたところに一人ぼっちで可愛い!」
- 「不死川さん。また傷が増えて素敵だわ!」
- 「しのぶちゃん怒ってるみたい。珍しいわね。カッコいいわ!」
等々、周囲の一挙手一投足になんでも逐一キュン♡キュン♡ときめいてしまうという謎に乙女チックな感性の持ち主。
その対象は同性も例外ではない。
鬼殺隊に入った理由を炭治郎に尋ねられて「添い遂げる殿方を見つけるためなの!!」と語っており“素敵な結婚相手を探すため”に鬼狩りの剣士となった。
本人曰く、「自分よりも強い殿方が好き」「強いけど中々会えない柱の人に会う為に自分も柱になった」との事。
(恋愛)適齢期の女性らしく素敵な願いだが、鬼殺隊という殺伐とした場所に入隊し、命を賭けるほどの理由に見合わないこと甚だしく、ツッコミどころ満載の理由であり、返事を聞いた炭治郎を非常に困惑させた。
また、これには後述する彼女の体質や過去などの他の理由も無論ある。
(これを聞いた者はみんな同じ気持ちだろうが。しかし、そんな彼女の明るい方向性の動機や陰惨さのない朗らかな彼女の人物像に、逆に心を救われ惹かれたとある人物もいる)
また、一部の例外を除いて寡黙で冷静、又は殺伐としている状況の多い鬼殺隊“柱”の中では珍しく、天真爛漫かつ感情豊かで基本的に嫌なことや悲しいことがあってもすぐ泣き食事の報告ですぐに機嫌を治すというとにかく底抜けの明るさを持った表情感情豊かな明朗快活女子。
「甘露寺蜜璃はっ 竈門兄妹を応援してるよ〜〜っ!」
他の柱の例に漏れず、別方向でぶっ飛んだお方だが、惨劇により鬼への怨恨と殺意に凝り固まった他の面々と違い常に明るさや穏健な優しさを持っており、鬼に対しても思考の柔軟さを失わない柱において希少な人材である。
メタ的に作中の緩和剤というべきか鬼滅の刃ののどかな萌え部分や、ギャグ部分を常時担っているキャラクター。
系統としては彼女的な要素が近いかもしれない。
また割と異性にセクハラに近いことを言われたとしても褒め言葉ならばキュンキュンしてしまうほどに素直で感受性豊か。
東京府 麻布區 飯倉(現在の港区)にて養蜂業を営む五人姉弟の長女である為か、柱の中では最も禰豆子に好意的で妹のように可愛がっていた。
禰豆子もそんな優しい彼女に懐いて、炭治郎に彼女と同じ髪型にしてもらうほどだった。
その為、不死川実弥が弟の玄弥の存在を否定した時には、内心で「怖い」と思いつつ、二人の仲が悪そうなことには表情を曇らせて、心配していた。
一方で上弦の陸に辛勝した炭治郎を気遣って褒め、「今度また生きて会えるかわからないけど、頑張りましょうね」と自分も覚悟を決めていて励ましている。
鬼殺隊に入った動機は上記の通りだが、厳しすぎて脱落者が後を絶たない煉獄杏寿郎の弟子として柱にまで到達した彼女の努力と覚悟は生半可なものではなく、決して軽薄な想いや楽観だけで生きている訳ではない。根は心身共にとても強い女性であり、戦闘において鬼と対峙した際には「私、いたずらに人を傷付ける奴にはキュンとしないの」と毅然とした態度をとることも。
容姿
男性の平均身長が柱の中でも小柄な彼と同じ時代であるので、当時としてはかなりの長身女性。両目の下、頬のやや上辺りに揃いの泣き黒子があるのだが、頬が紅潮していることが多いのであまり目立たない。また、大きく胸元が開いた隊服からも分かる通り大変立派なモノをお持ちである。
(なお、彼女だけがなぜこのような胸がまろびでているような特殊な隊服なのか(同じく鬼殺隊の中で異性で胸部を大きく開けている不死川実弥を除き)についての理由はかねがねこの人物の思惑の功績…犠牲……もとい結果である。後述する『装備』の欄の隊服についての説明を参照。)
生来は黒髪であったが、好物の桜餅を八ヶ月間毎日百七十個食べ続けた為に、十歳頃には頭頂から肩口までは桜色、そこから先に行くに連れて緑色へと変色していくという珍妙な髪色に、そして瞳も影響されて緑色に変わっていたというトンデモ体質その二な人(その一はこの人)。「三つ編み三つの蜜璃」と、説明しただけで蜜が三つ連なる甘々な容貌。
この現象を空想科学研究所KUSOLABが検証した。
色事には鈍い竈門炭治郎に鼻血を出させ、思春期に突入した不死川玄弥は彼女と一言も話すことができず、再登場時ではまさかの入浴シーンで登場(しかも髪ブラで、アニメでもしっかり描かれた)。作中屈指のお色気キャラであるが、彼女の魅力と役割は決してそれだけに終始するものではない。
能力
剛力無双
甘露寺蜜璃は変異個体(ミュータント)である。
その体躯を構成する筋繊維の密度は、先天的要因によって常人の八倍にまで達している(公式での呼称は「捌倍娘」)。一例として彼女が1歳2ヵ月――常人であればよちよち歩きを始める頃――に弟を身籠っていた母を気遣い、四貫(現在の15kg)もの漬物石を持ち上げたという凄まじい逸話を持つ(その際に、肝っ玉で評判だった母が人生で初めて腰を抜かした)。
この為、女性らしい体型に反して男性にも負けない膂力を持つ(柱の面子で腕相撲をした時には六位だったが、三位から五位までとはいい勝負だったとのこと)。
そこからさらに鬼殺隊として鍛え上げられ(半年の修練で最終選別を突破という快挙)、柱として死線をくぐり抜け続けて磨き上げられたその身体と筋肉は、力を込めれば上弦の鬼の攻撃にすら耐える程の強靭さを発揮する。それでいて、力を抜けば「女性」としてのしなやかさと関節可動域の広さを見せるという、まさに剛柔一体の理想を体現していると言える。
ただし難点として、蜜璃はその異常な筋肉量のせいで通常の生命活動を行うだけで莫大なエネルギーが必要となり、相撲取り三人よりも食が太い。
特に劇中の大正日本では、高タンパク・高カロリー食品が一般的ではない為に、拠点あるいは人里を遠く離れての任務は、かなりの制限を受けると推察される。
その為か、最近は西洋から伝来したハイカラな洋食がお気に入りで、それもあって食費がとんでもない事になっているらしい。柱になって屋敷と高給を得てからなのか、嗜むお菓子として洋菓子や紅茶も気に入った様子。
なお、このような体質は現代において『ミオスタチン関連筋肉肥大』といった遺伝子疾患の一つとして解明が進んでいるが、筋肉量が常人の二倍を越える程度ですら、適切な医学的措置を受けなければ死に至る可能性が高い。
ちなみに、箸を左手で握っていたので左利きだと思われるが、日輪刀を持つ手は右手。現実の剣道でも利き手に限らず右手で握るよう矯正されるので、両利きと言った方が正しいか。
全集中 恋の呼吸
詳細は個別記事を参照。
後述する彼女だからこそ自在に操る事が出来る特殊な日輪刀と、剛力と柔軟さを併せ持った身体を駆使して、まるで新体操のようにアクロバティックな動きから繰り出す斬撃は、元忍の宇髄天元より速く、目で捉える事さえ困難な奇剣。
装備
鬼殺隊士になると日輪刀と隊服を支給され、鎹鴉をあてがわれる。
日輪刀
詳細は個別記事を参照。
蜜璃の日輪刀は、刀鍛冶の里の長である鉄地河原鉄珍が打った特殊な『変異刀』であり、その薄鋼は布のようにしなやかでありつつも、達人が扱えば決して折れる事の無い「傑作」の一刀である。斬断できるのはあくまでも刃の部分だが、彼女はこの変異刀をあたかも新体操のリボンのように軽やか且つ高速で振るう事で、鬼を取り囲んでのオールレンジ攻撃、或いは広範囲全周囲防御を実現する。
刃が今でいうマゼンタに近い鮮やかな赤紫色(赤系統)に染まっている事から、彼女が一刀にして怪異を両断せしめる攻めの型である“炎の呼吸”に適性が高い事がわかる。
(因みに煉獄の教えを受けていた頃は、鍔こそ同じだが、普通の日本刀の形状をした日輪刀を使っていた事が外伝にて明らかになった)
拵に関しては、鍔は桃色の地に金色の縁取りが成された四つのハート形の下端を鍔元で重ねた『四葉のクローバー型』という、これもまた日本刀としては特異な形状をしている。柄は橙色の鮫皮の上から緑色の柄糸を標準的な菱巻では無く、側面の隙間がこれまたハート型の組み合わせとなる様な特殊な巻き方をしている。又、縁は金色に頭は橙色、鞘は白塗りとなっている。
※見るからに実現不可能な刀にも思えるが、実在する武器である。中国における「腰帯剣」、インドにおける「ウルミ」等が存在する。また、同じジャンプ掲載の人気作品としてはこの人が使う刀も有名。
なお、彼女のあまりにも長すぎる特殊な刃の収納については『アニメ鬼滅の刃刀鍛冶編』第5話 『大正コソコソ噂話』にて どうやらリボンのように柔らかく薄い刃の特性を活かし、一瞬で三つ折りのような状態にして納刀している模様。
隊服
背に“滅”の字が描かれた黒い詰襟。
特別な繊維でできており、通気性が良く、濡れ難く燃え難い。雑魚鬼の爪や牙ではこの隊服を裂く事すらできない程に頑丈。
女性が肌を晒すのは「はしたない」とされていたであろう大正日本では、甘露寺の着こなしや奇抜すぎる服は世間体的に好ましいとは言えない。彼女が着ているこの奇抜な隊服(上述の通り“大きく胸元のみを広げている”に加え、現代で言う“お尻が見えそうなほどの超ミニスカート”)は、とある縫製係担当の隠が職権を乱用し作り、できる限り露出が多い服を何が何でも見目の麗しい様々な女性隊員に着せようと画策している服である。
本人はこの恥ずかしい服装を疑問に思ったが、隠の自信満々な態度から「きっと女性隊士は皆こうなのだろう。」と思ってしまったらしい。(真相を知ったのは、同じく女性隊士である胡蝶しのぶと柱合会議で対面してから。真っ赤になり恥ずかしいよー!と叫んでいたが結局そのまま着ている模様。ちなみにしのぶも蜜璃と全く同じ隊服をしっかり与えられたが、すぐに彼の目の前で隊服を燃やし尽くしたため着ていない。この話の際この特殊な隠対策として蜜璃は彼女からマッチと油を布教された。:描き下ろし8コマみつりちゃんの隊服より)
羽織は無地の白で、当時の師であった煉獄からの隊士就任祝いである事が外伝で判明している。
ちなみにこの羽織は当時の煉獄が着ていた物とお揃いである。
また、羽織を貰ったこの当時は同じく編み上げのハーフブーツを履いている姿も描かれている。
この後に伊黒から贈られた現代で言うところのニーソックスを愛用するようになり、今のスタイルに落ち着いた模様。
ちなみに、その時のやり取りはアニメ版にてしっかり描写されている。
鎹鴉
雌鴉で、名前は麗(うらら)。
cv堀江由衣
頭部に花飾りのような物を着けており、他の烏に比べると大人しい性格の模様。主人との付き合いで甘党になったとの噂である。
外伝
煉獄杏寿郎が炎柱になった経緯を描いた「煉獄杏寿郎外伝」で登場し、事実上の準主役として活躍する。
この当時は、半年間の鍛錬を経て鬼殺隊に入隊したばかりであり、階級も一番下の「癸」である。また、使用していた日輪刀もまだ普通の日本刀型だった。
鬼殺隊に入隊はしたものの呼吸もまだ上手く扱えておらず、剣術そのものも下手だった為に(刀の基本である「引いて斬る」という動作が苦手だった)、自分が鬼殺隊に居て良いのかと悩みを抱えていた。
そんな中で、師匠の煉獄の柱就任が懸かった任務に同行して帝都に赴き、当時の下弦の弐による無差別攻撃から人々を守るべく奔走する。そして血鬼術の狼から母子を守ろうとした際に編み出した動きと、刀の振り方が後の恋の呼吸の基本となった。
その後は、下弦を倒した煉獄を抱きしめて、彼が柱になれる事を泣いて喜んだ。
なお、この時はまだ下弦の鬼にあっさりと抑え込まれるなど実力が足りていなかった為に、煉獄との共闘にまでは至らなかった。
さらに映画の豪華版パンフレットの特典である「ドラマCD・煉獄杏寿郎の使命」でも登場。
煉獄の下で修業をしていた頃の話で、煉獄と共に任務に同行はしているものの、まだ正式な鬼殺隊士ではなく、煉獄の弟の千寿郎との面識もまだ無かった。
煉獄と共に鎹鴉からの指令で任務にあたるも、まだ自分に適した剣術もまともにできていなかった頃である為に、泥鬼の体が斬れずに苦戦し、雨の血鬼術を避けきれずに食らってしまったりと未熟さを露呈していた。しかし、最終的には煉獄の助言もあって、自身の筋力を活かして泥鬼の頸を強引に斬り落として倒す事に成功する。その後は、煉獄と共に街の人々の救出にあたった。
対人関係
柱内の評価
公式ファンブック鬼殺隊最終見聞録・弍にて柱内でのお互いの印象が明かされた。
柱内では比較的新参であるにもかかわらず、全体的な打ち解け度数は90%を誇り、悲鳴嶼行冥と並んで2番目に高い数値である(1番は煉獄杏寿郎)。
また笑顔を絶やさず、その明るい性格から話しかけやすいランキングでは堂々の1位に選ばれていた。
蜜璃からみた義勇の印象は「無口、もじもじして可愛い。」、義勇からみた蜜璃の印象は「隣に立つ時などはいつも話しかけてくれるが、肌を出し過ぎだと思う。」。
無口な彼にも積極的に話しかけていた数少ない人物の一人であった模様。しかし上述の通り、当時としては女性が肌を出すのはよろしくないとされていた為、義勇も気になっていた模様。
蜜璃からみたしのぶの印象は「とっても可愛い!私の方がお姉さんだけどしのぶちゃんの方が落ち着いてる。女の子同士で一緒にもっと遊びたいけど時間がないの〜」、しのぶからみた蜜璃の印象は「大好き。明るくて可愛いから。」。
手紙で恋の相談のやり取りもしていたが、互いに恋愛音痴であったため、あまり効果は無かった様子。それでも、しのぶは蜜璃にとって唯一の同性であり、友人として好ましく思い合っていたので、共有時間を持てないのを残念に思いつつも、忙しい中で交流を持てたのは幸いであっただろう。
かつての師匠。
蜜璃からみた杏寿郎の印象は「かっこいいお兄様!一緒に修行して楽しかった。可愛がってもらった!」、杏寿郎からみた蜜璃の印象は「才能が凄い!技の独創性も凄い!可愛い後輩!」。
彼の人柄もあってか仲も良く、鬼殺隊を辞めようかと悩んでいた時には励まされたりと蜜璃にとっては頼り甲斐のある良き兄であり師であった模様。
蜜璃からみた天元の印象は「大人の色気が凄い!でも言動が十歳くらいの子供みたいな時もあって面白い人!」、天元からみた蜜璃の印象は「変な女。派手なんだよ腹立つ。安産型の尻。」。
彼女の言う十歳くらいの子供みたいな言動とは派手なことにテンションが上がってしまう部分を指していると思われる。
柱内で最年少の天才剣士。
蜜璃からみた無一郎の印象は「若いのに柱なんて凄い!悟り開いてる系で素敵!」、無一郎からみた蜜璃の印象は「ピヨピヨ言ってて桃色のひよ子みたい。髪の毛が綺麗。」。
柱合会議で実弥に頭突きをしようとした炭治郎を彼が気絶させて制止した際は、その男らしさ?にときめいていた。
蜜璃からみた小芭内の印象は「凄く優しい人!手紙の文章が素敵!いっぱい褒めてくれる。私が食べるの遅くてもニコニコして待っててくれる!」、小芭内からみた蜜璃の印象は「大好き。可愛い。“ 論理的な喋り方ができないことがあるので心配している”。」。
柱合会議にて「痣」の発動条件について、蜜璃があまりに非論理的な説明をしていた際小芭内は頭を抱えていた。
彼は誰に対しても親切だという認識も蜜璃が想いを告げられなかった一因だったのだが、それについては全くの勘違いである。
蜜璃からみた実弥の印象は「怖い!でもそこが素敵!よく怒られちゃう。」、実弥からみた蜜璃の印象は「あんまり好きじゃない(アホっぽい所が苦手)」。
初の柱内会議でしのぶと対面し、隠に渡された隊服が異常であったことに大声で騒いでいた時も、あまりにも騒がしいからか「うるせえ」ともくもく吹き出しを出し三白眼で遠くにいた。(ただ彼は基本的にどの状況に対しても“苦手が多い”うるさいのが苦手、ベースが拒絶的なぶっきらぼうスタイルであるので、苦手なだけで別に嫌っているという変わりではない模様。)
柱で最年長かつ最強の剣士。
蜜璃からみた行冥の印象は「猫好きの可愛い人!それなのに鬼殺隊で一番強いなんて素敵!」、行冥からみた蜜璃の印象は「気立ての良い子。伊黒が好きらしい。」。
無惨との最終決戦では、無惨に威圧され「悲鳴嶼さん早く来てくれないかしら 急いで来て欲しいわ心細いから!」と心中で発言していることから彼を深く信頼していることが窺える。
一般隊士
大雑把ながらも身の上を知っており、当初から好意的だった。
刀鍛冶の里で同席で食事した際、一層親密になり、彼女は「実際に体感して得たものはこれ以上ない程価値がある。五年分十年分の修行に匹敵する。今の炭治郎君は前よりもっとずっと強くなってる」と言って炭治郎を励ました。
禰豆子も彼女とじゃれ合ったりする等、とても懐き、同じ髪型にしてもらって喜ぶ位だった。胡蝶しのぶや神崎アオイ、栗花落カナヲ、蝶屋敷の女の子たちでさえ、炭治郎に好意を持ちながらも禰豆子とは距離を置いており、禰豆子自身もここまで懐いてはいない。
「甘露寺蜜璃は竈門兄妹を応援してるよ~」
刀鍛冶の里の湯治場にて彼と遭遇した際、挨拶して名前を尋ねるも無視され、夕食時に確認して貰った炭治郎から事情を聞き、「仲悪いのかしら、切ないわね」と不死川兄弟の仲を案じていた。
実際には玄弥自身、あまりの蜜璃の可愛さにはにかみ過ぎて、頭が真っ白になった挙句に硬直してしまった為、無視する形になってしまっただけであった。
敵・鬼
那田蜘蛛山編に登場した鬼であるが、彼女とは対峙していない為、直接的には接点は無い。
しかし、どちらも互いの総帥から同様の主旨の言葉を掛けられて励まされている。
「自分の強さを誇れ」
二人とも状況の違いはあれど、他者に理解されない疎外感に苛まれていた事は共通しており、そういう部下に掛ける言葉としては、適切な言葉だと言える。
しかし、その後の二人の明暗は大きく異なっていた。
累は求めてやまなかった“家族の絆”を取り戻す事が出来なかった。保身のため打算的に寄り集まった者たちへの恐怖支配では、真の相互信頼関係は築けなかったのである。
一方蜜璃の方は、最終決戦で戦死するまで鬼殺隊員として活躍して多くの人たちを救い、隊の内外を問わずに、その明るさ、優しさ、桁外れの強さを多くの人たちに愛された。
キメツ学園
12巻にて設定が明かされた。
学園のOGで、現在は近所の芸術大学に通っている。自分の描いた絵で世界中の人を幸せにするのが夢。 絵を描いてる最中に窓に人だかりができているほど異性にモテモテだが本人は気付いておらず、絶賛彼氏募集中。
彼女の作品の一つに「ビッグハンドキャット」という、大きな手とゲジマユとでべそが特徴の個性的なキャラクターがいる。
「キメツ学園!」では5話より登場。キメツ学園近所の美術大生であり、ピザ屋「火男PIZZA(ひょっとこピッツァ)」のアルバイト店員でもある。
キメツ学園のOGで、かつて宅配ピザ屋(部外者)を学校に入れたためにしこたま怒られたことがある。そのため似たような事をしていた善逸、炭治郎、伊之助に青春を思い出しときめいた。
伊黒小芭内とは高等部卒業後に知り合い、鴉を介して手紙のやりとりをするなど親密な仲となっている。
外部出演
コトダマン
火属性・英雄族のコラボユニットとして登場。
火力面はやや劣るものの、光属性も扱える二属性持ちな点やヒールブロックへのダメージ増加、弱体マスに配置すると逆に火力が強化されるなど、汎用性に関してはなかなかに優秀。
惜しむらくはリーダー特性の発動条件がやや厳しいのと、一部の特性効果が鬼滅コラボユニットにしか発動できないといった所。
『刀鍛冶の里編』にて(ネタバレ注意)
以下、未アニメの内容を含む為、原作未読者要注意
上記の通り炭治郎及び彼の妹・禰豆子の処遇に関する柱合裁判の後、産屋敷邸内での柱合会議に参席。その後はしばらく出番が無かったが、新たな刀を手に入れる為に竈門兄妹が訪れた刀鍛冶の里にて再登場。
不死川玄弥に挨拶を無視されただけで乳房が零れ出そうになる程に取り乱して炭治郎に泣きついたり、直後に松茸ご飯が晩飯に出ると聞かされて機嫌を直すなど、炭治郎を振り回す勢いで交流する。
自身の刀を研ぎ終えたことで一旦彼らと別れ里を発ったが、刀鍛冶の里が上弦の鬼二体に襲撃されたことで急遽引き返し、里に常駐する鬼殺隊を圧倒した金魚姿の化け物達を鎧袖一触に斬り捨て続けて、柱としての実力の高さを披露した。
「ちょっと君っ!おイタがすぎるわよ!禰󠄀豆子ちゃんと玄弥くんを返してもらうからねっ!」
そして半天狗の分裂体、憎珀天との戦いに参戦。憎珀天の分身故に頸を斬られても死なないという初見殺し極まりない特性のせいで、一時意識を失うという窮地に陥るも、炭治郎達の助力によって復活する。その後は、戦いの中で「痣」を発現し、炭治郎達が半天狗の本体を仕留めるまでひたすら憎珀天と戦い続ける(頸を斬っても死なないという終わりが無い消耗戦の中で、上弦の肆最強の分身体である憎珀天を一人で足止めし続けた辺り、彼女の高い実力が垣間見える)。
なお、憎珀天に「黙れあばずれが 儂に命令して良いのはこの世で御一方のみぞ」と言われ
「あばずれ!?あばっ…あっ…私!?私のこと!?」とブルブル震えながら混乱する。
しかし、最終的には体力の限界が訪れ、
「ぎゃあああああ~~~~〜〜~!!! もう無理!! ごめんなさい!!!殺されちゃう~~!!」
ともの凄い悲鳴を上げる程に追い詰められたが、危ういところで炭治郎が半天狗の本体を斬った為に、憎珀天とその血鬼術である石竜子が消滅して、一命を取り留める。そして大急ぎで皆のところへ駆けつけ、勝利と生存を喜びあった。
なお、柱合会議において痣を出した時の些細について産屋敷から聞かれた時は
「ぐああ〜〜ってきました!グッてしてぐあーって!心臓とかがばくんばくんして耳がキ━━━━━━ンってしてメキメキメキィ‼︎ッて!!」
と説明し(?)叫び、周りが呆気に取られている。
柱稽古では音楽に合わせた舞踊(新体操やバレエのようなもの)を行い、音感と柔軟性を高めた。これだけ聞けば優雅なイメージだが、柔軟に関してはほぼ力技である為、隊士達の感想は「地獄」の一言だった。
なお、稽古後は、午後3時にバターと2段の巣蜜を乗せた蜂蜜たっぷりのパンケーキ(なんと蜜璃お手製の模様)を紅茶とセットでおやつに振舞ってもてなされるという場面もあった。
過去
※以下、アニメ未放映分のネタバレを含む為、原作未読者注意
元々は鬼とは無縁の生活を送っており、17歳でお見合いをする事になる。
しかし、生来の体質(詳細は後述)故の大食らいや奇抜な髪色のせいで、「君と結婚できるのなんて熊か猪か牛くらいでしょう」「そのおかしな頭の色も 子供に遺伝したらと思うとゾッとします。」と、お見合い相手からまるで怪物であるかのように散々に言われて、破談となる(劇中である大正初期は江戸時代以前の風習が色濃く残っており、事実として、70年代までには日本の芸能界に『アイドル』という存在が生まれるも…この当時ですら女性は胸が小さくなければいけなかった。
実は胸が大きい女性はさらしを胸に巻きそれを隠していたといわれているほどである。
ともかく近年まで見た目の話では、歴史上日本で女性の胸自体に魅力だと見出すことはなかなかあまりない風潮であった。その風潮の背景を出されているのかどうかは疑問だが宇髄天元は女性の尻の好みばかりを言っている。女性は時代背景的にも小柄で慎ましい体型が良好で魅力的だと半ば強要のような風潮があったとされていたのもまた一因ではないかと推察される)。
それ以後、結婚する為に力の弱い振りをしたり、髪の色を染め粉で黒くしたり、意識が朦朧とするほど食事を我慢するなどして、逆に家族から心配されていた。そうして『嘘』を吐くことで結婚を申し込まれたりもしたが、「一生自分を偽ったままでいいのか?」という疑問や、「ありのままの自分ができる、人の役に立つことがしたい」という願いから、鬼殺隊に入隊した経緯を持つ。
入隊後は、様々な背景から実利最優先とする鬼殺隊内において産屋敷や隠の面々などが自身の力を称賛してくれた事や、鬼から助けた人達が涙を流しながら感謝してくれた事も相まって、コンプレックスだった特殊体質についても前向きに捉えられるようになった。
そう鑑みると、ある種個性的な鬼殺隊に入ることで彼女の特殊能力だけではなく、豊潤な体のラインを魅力的に生かした隊服を着ることになったという結果というのは、経緯は経緯であれども見た目や露出のなどより、ある種の女性が時代の風潮に関係なく“自身の持ち味や魅力を活かすことは良いことだ”という自由のメタファーの一つだったとも言えるのかもしれない。
超人であるが故に世俗で生きる場所を見い出せなかった彼女だが、皮肉にも超人であるが故に人間性を犠牲にすることなく、健やかな精神で鬼と戦えるのである。
ただ、年頃の娘として見合い相手の暴言はトラウマとして残り、特に親切に接してくれる伊黒へ想いを告白することが出来ずにいた。
甘露寺家
嫁入り前の娘を生死に関わる『鬼退治』を名目とした政府非公認組織に就職させている事について、「彼女の実家は軍人系の名家ではないのか?」という考察も一部で出ている。ともあれ、彼女の膨大な食費を賄えるということ相応に裕福な家柄であるだろうと思われる。
なお、史実上の甘露寺家 Wikipediaは、藤原北家の勧修寺流の流れを汲む公家であり(家祖の吉田経房から隆長まで吉田家という家名を名乗り隆長の子甘露寺藤長の代から甘露寺家に改姓している。)明治維新後は華族(爵位は伯爵)に列せられている。単行本12巻収録の第101話で蜜璃はトンヤレ節(宮さん宮さん)を歌っているが、これは明治維新期の官軍(新政府軍)の進軍歌(行進曲)だった。
大正期より50年近くも前の曲だが、この曲は戊辰戦争後は使用されなくなり、明治初期には庶民の間で全国的に流行した日本初の流行歌でもあった。明治25年には尋常小学校の唱歌集(20ページ目に"宮さん"の曲名として載っている)に収録され、バージョン違いもいくつか生み出されるなど明治期に広く庶民に親しまれていた歌でもある。このためトンヤレ節を歌える=親族が官軍の軍人または関係者であるとは断定しにくい。出身地は華族や高級官吏の邸宅、軍の施設が複数ある場所ではあるものの、古くからの住民も多く住んでいるため平民の可能性もある。ただ132話にて、日本庭園にて豪奢な着物を纏い家柄が良さそうな男性とお見合いをしている描写があるため、彼女の家が裕福であること自体はおよそ間違いなさそうである。
公式の設定は今の時点で明かされていないため、彼女の家柄については、どれも今のところ確定的な裕福な家庭であるということ以外は予想や推測の域を出ない。
ちなみに作中では『養蜂業を営んでいる』と明かされており、史実でも実際に、明治時代に大都会で養蜂を行い富をなした者がいたという。当然養蜂というのは難易度が高く、設備や環境や土地を整える事が必要なため養蜂を営む前からある程度の私財がないと無理ではある。
関連イラスト
関連タグ
コイコガレ:実質彼女のテーマソング
主人(鬼殺隊当主)
産屋敷耀哉(97代目当主)
師匠
刀匠
“柱”
後輩
表記揺れ
甘露寺密璃※密ではなく蜜
『無限城決戦編』にて
※「無限城決戦編」は『鬼滅の刃』の最終章に当たるため、見出しからのネタバレ(当キャラの生死含む)防止目的であえて下記のように表示している。
ネタバレA
無惨によって無限城に落とされた後は伊黒小芭内と合流し、彼と共に組みながら新・上弦の肆である鳴女を発見し対決。当初は彼女の血鬼術の一つである、城内の構造を自在に操作する能力(例・別の部屋に飛ばす扉を造る、部屋を回転させる)に苦戦することとなる。
「きゃああああーっ」
「わーっ!?潰されるぅ──────!!んんーーっ!!」
「はっ…恥ずかしいわ恥ずかしいわちょっと焦っちゃった力みすぎちゃった私何してるのかしら‼︎」
「……相手の能力がわからないうちはよく見てよく考えて冷静にいこう。」と彼に言われ恥ずかしさに顔を赤くするなど互いに戦闘の渦中にて絆を深め合う。
「私同じ手は喰らわないですからあ!覚悟ーーっ!」
勝機を見つけ鳴女の首に迫るも、やはり簡単に懐柔され締め出された彼女はあっというまに放り投げられたのであった。
「キーーッ!もーっ‼︎すっごい下まで落ちちゃった‼︎もーっ!!」
鳴女のからくりに翻弄されていたが、後に合流した愈史郎の能力で、彼女の能力を封じることに成功する。
なおその時の彼女は
「へええ───そんなことできるんだいーなー便利!」
「かっこよ!」
と言う反応である。
その後は無惨に挑む炭治郎達と合流し、最終決戦に参加することとなった。
※ちなみに、鳴女は能力を封じられた事に痺れを切らした無惨によって殺された。
ネタバレB
無惨との総力戦の最中、無惨の攻撃を躱し損ねて重傷を負い、伊黒の指示を受けた一般隊士により一時戦線離脱する。
その後手当てを受けていたが、炭治郎達のピンチに戦線復帰、「傷つき、死んでいく仲間に対する悲しみ」と「ひたすら惨劇を生み出す無惨への怒り」を力に変え無惨の左腕(触手)を力づくで引き千切り、炭治郎を護った。
しかし、その時に無惨の反撃を喰らった蜜璃は致命傷を負ってしまう。そして無惨が滅び去った後、同じく死を迎えようとしている伊黒に看取られ、互いの思いを伝え合った末、共に息を引き取る事になる。
(この時、伊黒の羽織に包まれていた事から「無惨の反撃によって両腕を失ってしまったのではないか?」という指摘があり、実際に伊黒に抱きしめられても彼女の方は抱き返していなかった事から、間違いないと思われる)
この詳細と以降についてはこちらを参照
最終回ラストシーンのネタバレ
最終巻 鬼滅の刃23巻に付属された追加ページでは
桜が散る中伊黒小芭内と隣り合い互いに笑い合うような彼女の姿と共に
“あなたの存在が私を救い”
“孤独も全て蹴散らした。”
とメッセージが添えられている。