概要
2019年9月25日17:00(日本時間)に配信が開始されたアプリケーションで、任天堂とDeNAの共同開発。
そのタイトル通り、これまでのシリーズに登場したコースを舞台にしたものが登場するほか、また実在する都市を舞台にしたレースによって「レースを通して擬似観光をするツアー」も可能となっている。
2023年10月4日以降はキャラクター、マシンパーツ、コースが追加されないことが発表された。
スマートフォン向け作品であることを鑑みて、スーパーマリオラン同様にカートは常に前進する仕組み。そのため操作はスワイプのみに絞り、左右でハンドルを切り、上下でアイテムを使うようになっている。また、(一部コースでは例外があるものの)1レースは3ラップ制ではなく2ラップ制になっている。
本作での新システムとしては、アイテムを使った「フィーバー」があるのだが、これはコースと相性の良いキャラクターで挑むことにより、アイテムを一度に3つまで所持でき、この3つがスロットマシンのように同じもので揃えば発動。
ボックスに触れた瞬間にアイテムのスロット数に全てアイテムがあてがわれるため、見た目どおりのスロットによるフィーバーのような様相を呈する。一定時間、揃ったアイテムが使い放題になる上に無敵という強力なボーナスが入る。
ゲームシステム
実施されたツアー
各ツアーの期間は水曜日開始の2週間で、日付の変わり目は日本時間15:00となっている。このツアーの変わり目と同時に様々な新要素がまとめて解禁・実装される。
それぞれのツアーに3つのレースと1つのボーナスチャレンジからなる「カップ」が15個存在し、全カップを走るとエンディングのムービーを観ることができる(過去にはカップ数が12~18個の時期も存在した)。
(記述すると長くなるため、実施された各ツアー一覧についてはWikipediaを参照)
ポイント制度
このゲームでは、ミニターボやジャンプアクションなどの加速行為、アイテムによる攻撃などに「ポイント」が付加されており、ゴールするまでにできるだけ多くのポイントを稼ぐことを目指す。
各レースにはポイントのノルマが存在し、それを上回るポイントを獲得したうえでゴールすると「グランドスター」を1レースで最大5つまで入手できる。グランドスターは一定数溜まると各種チケットやキャラクター・マシンパーツなどの「ツアーギフト」と交換できる。
リーグ制度
このゲームの中で、各プレイヤーは実力に応じた「リーグ」に編成され、同一リーグ内から無作為に選ばれた19人(自分を入れて20人)と指定されたカップの合計得点を競う。
一週間毎の14時に(すなわち、各ツアーの前半と後半で)対象カップが変更され、カップ変更と同時にその時点のランキングに応じたリーグの移動が起こる。
上位を取ることでウルトラレアを1つ確定で引けるドカンや、リーグ50以上では限定キャラクターやマシンを入手できる場合もある(後述するランキング上位報酬)。
早い話が、いわゆるソーシャルゲームの『対人戦』。勿論リーグが上がれば上がるほど高ポイントを稼げる走りやキャラやマシンパーツが求められ、上位に食い込めなければ報酬は少ないうえにリーグ降格もあるので、リーグの上げ方は計画的に。
ルビー
ゲーム内のガチャや、大量のコインがゲットできる「コインラッシュ」に挑戦するために必要なハテナブロックを模した赤い宝石(どことなくダブルダッシュやWiiでのにせアイテムボックスに見えもするが)。
課金によって購入できるほか、ログインボーナスや後述のルビーチャレンジなどでも入手することができる。
ピンバッジ
各ツアーでは「ミニターボを〇回せよ!」「〇回1位を取れ!」などといった「ツアーチャレンジ」が18個課される(うち9個はツアー後半になってから解禁)。それらをクリアすることで、プレイヤーアイコンの役割を果たす「ピンバッジ」がアンロックされる。
ピンバッジはこの他にも、より難度の高いミッションに挑む「ハードチャレンジ」やマルチプレイモード限定の「マルチプレイチャレンジ」、報酬でルビーが手に入る「ルビーチャレンジ」、ゴールドパス加入者にのみ解放される「ゴールドチャレンジ」でも入手可能。
チャレンジ
各ツアー毎に出されるミッションのようなもの。クリアする事でグランドスターやピンバッジ、ルビーなどが手に入る。スノーツアーから導入されたトータルポイントチャレンジ以外はビンゴ形式になっており、ビンゴをそろえるとコイン(50~500コイン、ミッションごとに異なる)がもらえ、全てビンゴになるとルビーやキャラクターやマシンパーツなどが入手できる。
キャラクターやマシンパーツ
今作では、従来のマリオカートにある軽量級・重量級やマシンステータス等の概念はなく、キャラクターやマシンパーツごとのレア度・スペシャルスキル・コース適性による違いなどで性能の差別化を図っている。
これらの入手手段は主に6つある。
①ドカン
いわゆるガチャ。メニュー、ショップ、メインの引くためにはルビーが必要だが、ベビィロゼッタツアーからは一定数のグランドスターを獲得すると単発ガチャが無料で引ける無料ドカンが導入された。ガチャの演出は、普段は緑色のいわゆる通常ドカンだが、ウルトラレアが出現する場合は金色のゴールドドカンに変わる(通常ドカンでもウルトラレアが排出される事があり、場合によってはピックアップアイテムが出現する事もある)。
「ウエスタン」以降のツアーでは、そのツアー内の全カップを制覇するとウルトラレア確定の「オールクリアドカン」を無償で引けるようになったが2022年9月をもってルビーで引くドカンが廃止された。
②ショップ
コインが通貨となる日替わりの「本日のラインナップ」や所属するリーグが上がるごとに商品数が増える「リーグショップ」(リーグが下がってもラインナップの数は減らない仕様になっている。)、特定の条件で獲得できる「ボーナスメダル」が通貨となる「メダルショップ」などがある。
2022年10月以降、ドカンの一部廃止に伴いピックアップショップが追加。カートやグライダー、Miiスーツは100ルビー、キャラは150ルビー(1万円相当)と割高となっている。
Miiスーツやピックアップショップでピックアップされているキャラやマシンパーツは初回のみ30%オフのルビーで入手可能。
③ツアーギフト
グランドスターが一定数たまると、キャラクターやマシンパーツと交換できることがある。
④パッケージ
課金でのみ入手可能。大抵の場合マシンやグライダーとセットになっている。ピックアップショップ導入によって廃止。
⑤ランキング上位報酬
リーグのランキング上位に入ったプレイヤーに、報酬のうちコインの代わりとしてプレゼントされる。リーグが高いほどもらえる範囲が広くなる。
⑥チャレンジ
今日のチャレンジとプレミアムチャレンジをクリアするとキャラクターやマシンパーツが入手できることがある。
また、プレミアムチャレンジにも3段階ランクがあり、ランクが高い(+が多い)ほど値段が高いが、そのぶん報酬も豪華になる。
登場キャラ
各キャラクターごとにレア度のほか特別なアイテムを使用できるスペシャルスキル、アイテムボックスで引けるアイテムの個数が変わるコース適正が設定されている。
(何らかの形で入手する必要はあるが)本作ではマリオカート8デラックスに登場するマリオ作品のキャラは全員参戦。
更に、ドンキーコングJr.やディディーコング、キャサリン、ボスパックン、ファンキーコングらが過去作から久しぶりに復活する上、キノピーチやポリーン、ハンマーブロスらブロス軍団、ディクシーコング、トッテン、ボムキング、キノピオ隊長、カメック、ブル、ドクターマリオらドクターキャラ、ポチ等が新たにシリーズ初参戦。マリオらの変身形態としてネコマリオやペンギンマリオ、ビルダーマリオ等も登場。
(ちなみにゴールドマリオはコインラッシュでのみ利用可能なキャラである)。
本作の特徴として、レースの舞台となる各都市や過去作コース、季節イベントをモチーフにしたマリオファミリーの新しい衣装が登場する。
Mii(Miiスーツ)
2022年3月9日より開催されるMiiツアーにて登場。同日に実装されるMiiスーツを着せてレースに参加したりMii番号を利用して他のプレイヤーとシェアする事も可能。
ラインナップとしてはマリオら本作に登場するキャラやクリボーやパックンフラワー、プクプクといったクッパ軍団キャラ、シンプルな色のものやハテナブロックやとりでなどマリオシリーズのアイテムを模したもの、アイスクリームやサンタといったツアーのテーマを模したスーツなどバラエティ豊富。
これらを合計すると、登場キャラだけで軽く200種類は超える。
マシンパーツ
各マシンパーツごとにレア度のほか特定のアクションによって加速時間が増えるスペシャルスキル、スコアが上がりやすくなるコース適正が設定されている。
本作ではタイヤは各カートにセットされているものしか選べず、バイクやATVも実装されていないものの、過去作から復活したものと新登場のものの両方で様々なカートやグライダーが登場する。
新登場のものには過去作のデザインをベースに色違いや新たな装飾を加えたものと、ツアーで完全新規デザインされたものがある(この関係上、Wii以降でのキャラによって色が変わるマシンやグライダーについてはスケルトンとスーパーグライダーを除いて色が変化せず、システム的にも別パーツ扱い)。
(登場キャラクターやカートやグライダー一覧については長くなるので各Wikipediaの一覧を参照)
登場コース
本作ではアルファベット表記の無い通常版に加え、コースを逆走するR版、様々なギミックやルート変化が加わったX版、R版とX版を組み合わせたようなRX版と、1つのコースでも4つのバージョンが存在している(ただしバトルツアー以前ではRX版のみ存在しないor遅れて登場するパターンが主流だった)。
新規コース
今作では実際に存在する都市をモチーフにした都市コースと完全新規のオリジナルコースが存在するのでそれについて記載する。また、都市コースは初代マリオカートやGBAクッパキャッスル、7のウーフーアイランドのようなナンバリングコースとして登場する。
都市コース
- ニューヨークドリーム1~4
- トーキョースクランブル1~4
- パリプロムナード1~3
- ロンドンアベニュー1~3
- バンクーバーバレー1~3
- ロサンゼルスコースト1~3
- ベルリンシュトラーセ1~3
- シドニーサンシャイン1~3
- シンガポールスプラッシュ1~3
- アムステルダムブルーム1~3
- バンコクラッシュ1~3
- アテネポリス1~2
- ローマアバンティ1~2
- マドリードグランデ
オリジナルコース
*…マリオカート8デラックスコース追加パスにて先行登場済み
復活コース
本作では様々な過去作からの復活コースもプレイすることができる。
たかが復活コースと侮ることなかれ、初代~7のうち70コース以上が登場済みであり、こちらも殆どのコースに4つのバリエーションが存在するので過去作で遊び尽くしたプレイヤーにとっても新鮮。
このうち初代、アドバンス、7(とレトログランプリを含めればDSとWii)については半数以上のコースが再登場している。
(過去作からの復活コースについてはマリオカートシリーズコース一覧も参照)
余談
様々な過去作のマリオカートからの要素
本作では新規要素も多いが、上述したように本作ではキャラ、マシンパーツ、コースのほか、スペシャルスキルとしてダブルダッシュ!!のジャンボバナナやクッパこうらなど、Wii以来のハーフパイプなどの過去作要素が復活した。ピンバッジとして8/8デラックスのスポンサーやスーパーマリオカートのアートワークを使用したピンバッジが獲得できるほか、スーパーマリオカートでのグラフィックそのままのマリオとドンキーコングJr.、DSのミッションランを彷彿とさせるボーナスチャレンジ、ウルトラレアのキャラやマシンパーツを入手した際に流れるWiiの新要素解放ジングル、リーグランキングやオンライン待機の画面で使われた7の音楽など、過去作を遊んでいたプレイヤーをニヤリとさせるセルフパロディ要素が多い。
オデッセイ再来でっせい?
本作は配信開始される約2年前に発売された『スーパーマリオオデッセイ』由来の要素が散見される。ジャンプアクション時に『Jump Up, Super Star!』を口ずさむポリーン、ノコノコレースに登場した帽子を被ったノコノコがプレイアブル参戦しているほか、マリオやピーチの衣装は本作で見られたものがいくつも再登場しており、他のキャラの衣装も彼らと似たデザインのものもある。様々なフィルターでスクリーンショットを記録できる機能も共通する。
何より夜のニュードンク・シティを彷彿とさせるニューヨークドリームなど、様々な国を巡るというコンセプトは両作で共通している。
マリオカート8/マリオカート8デラックスとの連動要素
本作は8/8デラックスからのコースは1つも登場していないが、両作のスポンサーは本作のコースやピンバッジに多数登場している。また、両作に登場したマリオキャラは各種ボイスやアニメーションは両作準拠になっている。マシンパーツは両作由来のものも登場しており、フィーバーやスター時の無敵BGMは両作と共通。両作のコースや各種画面で特徴的だったピットクルーのキノピオは本作ではプレイアブル化、ピットクルーのキノピオのみならずヨッシーやヘイホーも対応する色を持っていれば通常色以外でプレイできる。8デラックスからはウルトラミニターボや自動操縦が導入された。いくつかのクラシックコースはデザインが8準拠になっている。ゴールドパス加入者限定ではあるが200ccも登場。
これだけ書くとツアーは8や8デラックスからの流用ばかりに思えるかもしれないが、8デラックスのコース追加パス発表後はその逆も起こるようになった。
8デラックスのコース追加パスでは都市コースを始めとして様々なツアーにて初登場/先駆けて登場したコースが更に美麗なグラフィックとゲーム画面で生まれ変わった。N64カラカラさばくやDSピーチガーデンに至ってはそれぞれツアー版の2とRの要素を含む形で登場している。
アップデートによって一部の仕様もツアーのものが導入されており、アイテムボックスが再出現する時間の大幅短縮、壁に当たりにくいというツアー寄りの挙動になった自動操縦、グライダー使用中にサンダーを喰らってもグライダーが閉じなくなるといった調整が入った。
これらの作品では仕様もプレイ環境も大幅に異なるが、シリーズファンならその違いを味わいつつ楽しむのも一興だろう。
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